カートゥーン ネットワーク
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カートゥーン ネットワーク(CARTOON NETWORK)は、アメリカを本拠地に世界展開を行っているアニメ専門チャンネル。ターナー・ブロードキャスティング・システム(TBS, Inc.、現在はタイム・ワーナー傘下)により1992年10月1日放送開始。日本では1997年9月1日から放送を開始した。
ターナーは1986年にMGM/UAを買収し直後に売却したが、その際に過去のMGM映画の版権や、MGMが持っていた1948年以前のワーナー・ブラザーズ製作映画などの版権は手許に残した。この中に、第二次世界大戦前にワーナーが製作したバッグス・バニー・ショー(ルーニー・テューンズ)やMGMのトムとジェリーなどのアニメ映画が含まれていた。これがカートゥーン ネットワーク立ち上げの基礎となった。さらに1991年、ハンナ・バーベラ・プロダクションとその番組群を買収したことで放送できる番組は増大した。
1992年の開局後、カートゥーン ネットワークはこれらの懐かしいアニメーションの再放送を独占的に行ったほか、ハンナ・バーベラ・プロダクションの新作の放映などを行った。
目次 |
[編集] 日本での展開
カートゥーン ネットワーク CARTOON NETWORK |
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基本情報 | |
ジャンル | アニメ |
運営 | 株式会社ジャパン・エンターテイメント・ネットワーク |
放送開始 | 1997年9月1日 |
放送時間 | 24時間 |
放送内容 | 世界のテレビアニメ |
視聴料金 | 月額598円(税込) |
視聴可能世帯数 | 5,886,565世帯(2008年2月末現在) |
チャンネル番号 | |
スカパー! | Ch.274 |
e2 by スカパー! | Ch.331 |
公式サイト | |
日本では伊藤忠商事とワーナー・エンタテイメントによって設立された「ジャパンエンターテイメントネットワーク」により運営が行われており、1997年9月1日からパーフェクTV!(現在のスカイパーフェクTV!)にて放送が開始された。チャンネル番号は274ch。このほか一部のケーブルテレビやe2 by スカパー!の331ch(2005年8月31日に203chから変更)でも視聴可能である。単体契約での月額料金は598円(2006年2月1日に値上げ)であるが、他の主要チャンネルと共に基本パックに含まれることが多い。e2 by スカパー!ではマルチチャンネルエンターテイメント株式会社が委託放送事業者となっている。
当時の日本にはアニメを放送するチャンネルとしてキッズステーション、ファミリー劇場が存在したが、いずれもテレビドラマや時代劇、幼児向け教育番組などとの混合編成をとっていたため、24時間アニメのみを専門に放送するチャンネルはカートゥーンネットワークが初めてであった。
米カートゥーンネットワークスタジオ制作の新作アニメをテレビ東京向けに提供するなど、地上波TVアニメ作品の制作にも関わるようになった。
とくにセリフを必要としない作品や日本製の作品を除き原則として吹き替え2ヶ国語放送が行われており、カートゥーンネットワークジャパンでは英語教育教材としてのチャンネル契約も見込んでいる。2006年1月1日午前0時00分にリニューアル、シンボルマーク(それまでは、白と黒の市松模様で上段に「CARTOON」下段に「NETWORK」と描かれたマークを長く使用していたが、「C」「N」の二文字を使ったものに変更)も変えてまた新たなカートゥーンを生み出している。
[編集] 番組内容と傾向
番組内容はワーナー・ブラザーズ、ハンナ・バーベラ・プロダクション、メトロ・ゴールドウィン・メイヤースタジオの作品や、自社のオリジナル作品を中心とした欧米のアニメ(カートゥーン)がほとんどで、日本の多くの視聴者には外国アニメ専門チャンネルとして認識されている。しかし開局当初は日本のアニメも多く放送され、放送時間やタイトル数では外国アニメを上回っていた。日本の地上波テレビではほとんど見られなくなった外国アニメが多く放送されていることから、外国アニメの愛好者や、子供時代に外国アニメを見て育った世代には特に人気がある。また同チャンネルの影響か定かではないが近年、外国アニメのファンサイトが増えている。
番組の合間には企業CMのほか、5分程度のショートアニメやミニ番組、アニメに関連する(特にアメリカの)ミュージッククリップ、各番組ごとに独自制作された番組宣伝CM(独自の10秒CMが比較的多い)、アイキャッチが挿入される。番組宣伝CMはただ単に放送時間を紹介するのみでなく、映画の予告編のような雰囲気を出したり、作品中の場面を編集してストーリーを持たせるなど視聴者の興味を引くように作られており、それらの評価は高い。過去には自動車企業とタイアップし同社の自動車とCMへの出演を景品とした懸賞を行った後、当選者の一家が自動車でピクニックに出かけるという筋書きの短編アニメを制作し、CMとして放送したこともある。
1998年6月には日本のアニメを中心に放送するチャンネル、アニマックスが登場した。そのためかは定かではないが、カートゥーンネットワークジャパンは1999年4月より日本作品の放送を平日6作品に留め、番組編成を外国作品中心に変更している。2003年以降には番組のほぼ全てが外国作品で占められるようになった。2004年での日本作品の放送は2番組のみで、積極的に日本製アニメの放送を行っている他国のカートゥーンネットワークとは逆の経緯をたどっていたが、2005年から主にタツノコプロや手塚治虫原作のアニメを中心に再び増加の傾向にあり、2006年現在では10番組近くの日本アニメが放送されている。外国のカートゥーンネットワークで人気を博した『ドラゴンボールZ』や『ポケットモンスター』、『美少女戦士セーラームーン』などは、日本のカートゥーンネットワークでは一切放送されていない。理由は不明だが、『ポケットモンスター』及び『美少女戦士セーラームーン』はキッズステーションで、『ドラゴンボールZ』等の『ドラゴンボール』シリーズはアニマックスで放映しているからと思われる(契約金も段違いの上、外国アニメの紹介が主題の為)ただし、『キョロちゃん』などのように、複数のチャンネルを渡り歩くように放送されている作品もある。
2003年9月からは日本独自に幼児向けアニメを放送する枠「ピぽらぺポら」を新設した。これは当時日本での開局を目前にしていたディズニー・チャンネルの、同じく幼児向けアニメを放送する枠「プレイハウスディズニー」に対抗した企画なのではないかとの意見や、在来他社では同時間帯に幼児向けアニメの放送枠があったことからそこへの同調ではないかという意見がある。
[編集] ナレーション
2005年12月31日まで
2006年1月1日から
[編集] 外国のアニメ作品
カートゥーンネットワークでの放送にあたり、地上波未放送エピソードの追加、原語に合わせた番組タイトルやキャラクター名の変更、それらに伴う新たな吹き替え作業が行われた作品もある。しかし地上波での放送の際に日本で独自に作られた主題歌は権利問題により放送されない場合もある。
1998年にはカートゥーンネットワークのみで見られるオリジナル作品「CARTOON CARTOONS」(カートゥーン カートゥーンズ)の第一弾として、「デクスターズラボ」の放送が開始された。これ以降CARTOON CARTOONSの作品に限らず日本初公開となる外国作品がラインナップに登場することが多くなった。特にCARTOON CARTOONS枠で放送されていた「パワーパフガールズ」は現在でも毎日放送されており、カートゥーンネットワークの看板番組となっている。
さらに、懐かしいアニメ枠として「BOOMERANG」(ブーメラン)枠や外国作のヒーロー物に特化した「TOONAMI」(トゥナミ)枠もある(ちなみにTOONAMI枠では、日本のヒーロー物も放送される)。また、アメリカでは現地の年齢制限にして14才以上対象のアニメを放映する「Adult Swim」(アダルトスウィム)枠がある。この枠は南米・豪州には進出したが日本に進出するかは不明。これと似て非なるものとして、日本では2006年6月から金曜の夜中に大人向けコンテンツを放送する枠として「カートゥーンミッドナイト」を開始した。「カルチャー」色のあるanimationを好む大人が夜帰宅してから週末に楽しめるプチ枠を作ってみたということのようだ。
[編集] 放送された外国アニメの一覧
★は旧CARTOON CARTOONS、☆はBOOMERANG、◎はTOONAMI
- アトミック・ベティ
- ☆アダムス・ファミリー
- アニマニアックス
- アンジェラ・アナコンダ
- アンデルセン・ストーリーズ
- Oops!フェアリーペアレンツ (The Fairly Oddparents)
- ☆宇宙家族ジェットソン
- ☆宇宙忍者ゴームズ(ファンタスティック・フォー)
- ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち
- ウッディー・ウッドペッカー
- エド エッド エディ
- オギー&コックローチ
- ★おくびょうなカーレッジくん
- オジー&ドリックス
- カートゥーン クラシックス
- ガーフィールドと仲間たち
- ☆怪獣王ターガン(The Herculoids)
- ★カウ&チキン
- かたつむリンピック
- ☆クマゴロー
- くまのパディントン
- クラス・オブ・ミュージック!(Class of 3000)
- クランプ・ツインズ
- ★KND ハチャメチャ大作戦
- ☆原始家族フリントストーン
- ◎サムライジャック
- G.I.ジョー・エクストリーム
- ◎ジャスティス・リーグ
- ◎シャドウレイダース
- ジョニークエスト(Jonny Quest)
- ★ジョニー・ブラボー
- ☆スーパースリー
- ◎スーパーマン
- スター・ウォーズ クローン大戦
- ◎スパイダーマン
- スポーン
- ☆大魔王シャザーン
- ◎戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー
- タンタンの冒険
- チキチキマシン猛レース
- スカイキッドブラック魔王
- ☆ペネロッピー絶体絶命
- ☆珍犬ハックル
- ◎ティーン・タイタンズ
- ★デクスターズラボ
- チャーリー・ブラウンとスヌーピー
- トゥーストゥーピッドドッグス
- トータリー・スパイズ!
- 動物園通り64番地
- トムとジェリー
- トムとジェリー キッズ
- トムとジェリー テイルズ
- ☆ドラドラ子猫とチャカチャカ娘(Josie and the Pussycats)
- ☆ドラ猫大将
- 長くつ下のピッピ
- Hi Hi Puffy AmiYumi
- ☆爆走バギー大レース(Speed Buggy)
- バッグス・バニー ショー(ルーニー・テューンズ)
- タイニー・トゥーンズ
- シルベスター&トゥイーティーミステリー
- ダック・ドジャース
- ベビー・ルーニー・テューンズ
- ◎バットマン
- ハローキティのスタンプヴィレッジ
- ★パワーパフガールズ…※
- ◎ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー
- ☆秘密探偵クルクル
- ビリー&マンディ
- ピンク・パンサー
- ★フォスターズ・ホーム
- ペットエイリアン
- ベン10
- ホームムービーズ
- ポパイ
- マドレーヌ…※※
- 新マドレーヌ
- マドレーヌといっしょに
- ムーチャ・ルーチャ!
- 無口なウサギ
- 弱虫クルッパー(スクービードゥー)
- ☆スクービー&スクラッピードゥー
- リブート
- ルビー・グルーム
- フィリックスザキャット(劇場版のみ)
※「パワーパフガールズ」は元々テレビ東京が先に放映し、地上波での放送終了後からカートゥーンネットワークで放送されているため厳密にはCARTOON CARTOONSではないが、本国アメリカではカートゥーンネットワークオリジナルの作品であるため、カートゥーンネットワークジャパンではCARTOON CARTOONSの作品として放送している(最後のクレジットに「制作 テレビ東京/カートゥーンネットワーク」と入っているのはこのため)。
※※「マドレーヌ」は制作クレジットなし
「マドレーヌといっしょに」は元々毎日放送が先に放映し、地上波での放送終了後からカートゥーンネットワークで放送されているため、日本語クレジットに「制作 毎日放送 電通」になるため。 「新マドレーヌ」は「マドレーヌといっしょに」の制作が「マドレーヌ」と同じバージョンだが、「マドレーヌといっしょに」が優先された。理由は不明。ただ、ディズニーも版権管理に関係しているらしく、長編作品がディズニーチャンネルで放送されたことがある。
[編集] ピぽらぺポらで放送された作品
- アントン
- カペリート2
- きかせて! ピンキー ゆかいなお話
- キッパー
- クリフォード
- クルテク〜もぐらくんと森の仲間たち〜
- クワックワオ!アヒルのこ
- コロちゃんのぼうけん
- シープ
- シンフォリーズ
- ぞうのババール
- ダニーとダディ
- なかよしおばけ
- はちぞうとジェイク・葉祥明ワールド
- ぼくははちぞう
- 白い犬ジェイク
- パピよん&マミよん
- ふしぎな赤い長ぐつ ウィリアムズ ウィッシュ ウェリントンズ
- フラニーズ・フィート
- ペコラ
- ペッパピッグ
- マシューせんせい 〜ゆかいなヒルトップ病院〜
- マメモ
- ミオ&マオ
- ミオ&マオ2
- 実りの森のなかまたち
- ムーミン パペット・アニメーション
- メイシー
- メグとモグ
- やんちゃなブルーノ
- ヨーホー!アホイ!
- リトルロボット
[編集] 日本のアニメ作品
カートゥーンネットワークジャパンでは、日本の作品も主にカートゥーンの要素を持った物を選んで放送している。このカートゥーンの要素を持つアニメというのは子供向けアニメ、ファミリー・一般向けアニメでギャグやコメディを主体とした作品や、外国アニメのような絵柄の作品を指しているが、その他のジャンルや層に向けたアニメでもギャグやコメディの要素が作品中にあればこの範疇に入れられる。開局時はこのような作品を多く所有するエイケン、キティ・フィルム、スタジオぴえろ、nas、葦プロダクションといった製作会社と提携し、各社の作品の放送を行った。
1999年から2000年初頭までには前記4社の作品の放送はいったん終了し外国アニメに力を注ぐが、葦プロダクションの作品だけは2002年度まで長期に渡り放送が継続された。しかし決して優遇されていたというわけではなく、一部の作品ではアイキャッチや番組宣伝CMが制作されないまま放送が行われたり、広告チラシに葦プロダクション作品の掲載がされたものの実際の放送が遅れるなどといった問題点が見受けられ、むしろ軽視している印象を視聴者に与えていた。(実際、局制作のアイキャッチには、「日本的アニメのヒーローが叫んでいるシーンを見て、苦虫をかみつぶした表情をするジェットソン」が登場するものが存在する。)
2000年以降はアニメ制作の受託でワーナーとの関係が深い東京ムービーや、外国作品の日本語版を制作している東北新社のほか、タツノコプロ、アニプレックス、タカラモバイルエンタテインメントの作品も放送されている。ただし放送形態については次回予告がカットされたり、アイキャッチが局制作の物に差し替えられることがほとんどである。
さらには最終回を待たずに放送が打ち切られた番組があったことから一部で批判があった。ただし、カートゥーンネットワークは月単位で番組を代える方式のため、放送月中は何度も繰り返し放送し、放送月が終了すると話の途中でも放送を打ち切るので、これは日本製アニメに限らない話である。もっとも、これは第何話から見ても問題ないカートゥーンだから問題ない話であって、第1話から最終話まである程度連続性を持たせていることが多い日本のアニメの放送方式として、そぐわないのは事実である。
過去にはウェブ上の電子掲示板やファンサイトで「外国アニメチャンネルなのだから日本製アニメの放送は不要」といった一部の外国アニメファンによる意見の主張がしばしば見受けられたものの、日本アニメの放送時間が大幅に縮小されたことからこれらの論議も収束に向かっている。
2005年にはProduction I.Gと共同でSFアニメ『IGPX』の制作を行い、将来的には日本のアニメ制作会社と組んで同局発のオリジナルアニメを継続的に制作していきたいという意向が表明された。『パワーパフガールズ』を元に東映アニメーション・アニプレックスの2社と共同で製作した『出ましたっ!パワパフガールズZ』もその1つである。
[編集] 放送された日本アニメの一覧
☆はBOOMERANGで放送、◎はTOONAMIで放送
- ああっ女神さまっ(劇場版のみ)
- ◎IGPX
- アイドル伝説えり子
- ☆あしたのジョー
- あしたへフリーキック
- アタックNo.1
- アニメでじゅげむ
- 宇宙戦艦ヤマト
- ◎宇宙伝説ユリシーズ31
- ☆宇宙の騎士テッカマン
- NG騎士ラムネ&40
- F
- エクスドライバー(劇場版のみ)
- カードキャプターさくら(劇場版のみ)
- ◎科学忍者隊ガッチャマン
- きこちゃんすまいる
- 機動警察パトレイバー
- キャプテン
- 恐竜冒険記ジュラトリッパー
- キョロちゃん
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
- ☆荒野の少年イサム
- ☆悟空の大冒険
- さすがの猿飛
- ◎SAMURAI DEEPER KYO
- THE ビッグオー
- じゃりン子チエ
- ☆ジャングル大帝
- ジャンケンマン
- 11ぴきのねこ
- 新造人間キャシャーン
- ずっこけナイトドンデラマンチャ
- ◎スレイヤーズ
- 戦国魔神ゴーショーグン
- ゼンダマン
- それいけ!アンパンマン(劇場版のみ)
- 逮捕しちゃうぞ
- タイムパトロール隊オタスケマン
- タイムボカン
- ダッシュ勝平
- ◎DAN DOH!!
- 出ましたっ!パワパフガールズZ
- 超獣機神ダンクーガ
- 天才バカボン
- 天地無用!
- 特装機兵ドルバック
- ど根性ガエル
- とっても!ラッキーマン
- ドラゴンクエスト
- NINKU -忍空-
- VS騎士ラムネ&40炎
- 花の魔法使いマリーベル
- はちぞうとジェイク
- ☆破裏拳ポリマー
- はれときどきぶた
- プリンプリン物語(連続人形劇)
- ☆ポールのミラクル大作戦
- ぼのぼの(劇場版のみ)
- ポポロクロイス物語
- 魔法騎士レイアース
- マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ
- ◎魔探偵ロキRAGNAROK
- ☆マッハGoGoGo
- 魔法のエンジェルスイートミント
- 魔法のプリンセスミンキーモモ
- みつばちマーヤの冒険
- みどりのマキバオー
- みゆき
- 六三四の剣
- 名犬ジョリィ
- ヤッターマン
- ◎LAST EXILE
- らんま1/2
- Licca ふしぎな不思議なユーニア物語
- ☆リボンの騎士
- ◎烈火の炎