ピンク・パンサー
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ピンク・パンサー(The Pink Panther)は1963年のアメリカ映画『ピンクの豹』を第1作とする映画シリーズ。20世紀後半を代表するコメディ映画の大ヒットシリーズである。製作国はアメリカおよびイギリス。監督ブレイク・エドワーズ。音楽ヘンリー・マンシーニ。
第1作はデヴィッド・ニーヴン演ずる宝石泥棒ファントムを主人公とし、世界屈指のダイヤモンド「ピンク・パンサー」をめぐるロマンティック・コメディとして製作された。しかし、準主役であったピーター・セラーズ演ずるパリ警察のクルーゾー警部が強い印象を残したため、クルーゾーを主役としてシリーズ化された。一時期シリーズが途絶えたが、1975年に再開。セラーズの生前に5作、没後に3作の計8作が製作された。
また、オープニングのアニメーションに登場するピンク色の豹の愛らしいキャラクターが人気を博し、1964年以降、実写映画とは独立したアニメーション作品が、映画およびテレビアニメとして数多く製作された。
目次 |
[編集] シリーズ作品
- ピンクの豹 The Pink Panther(1963年)
- 暗闇でドッキリ A Shot In The Dark(1964年)
- ピンク・パンサー2 The Return of the Pink Panther(1975年)
- ピンク・パンサー3 The Pink Panther Strikes Again(1976年)
- ピンク・パンサー4 Revenge of the Pink Panther(1978年)
- ピンク・パンサーX (トレイル・オブ・ザ・ピンクパンサー) Trail of the Pink Panther(1982年、日本では劇場未公開)
- ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ Curse of the Pink Panther(1983年)
- ピンク・パンサーの息子 Son of the Pink Panther(1993年)
[編集] 番外編
[編集] 新シリーズ
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- ショーン・レヴィ監督、スティーブ・マーティン主演による新たなシリーズ。
[編集] シリーズの歴史
ピンクパンサーシリーズは20世紀後半を代表するコメデイ映画のヒットシリーズとして世界的に知られるが、様々な要因によりその系譜は複雑である。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 1960年代
第1作であるアメリカ映画『ピンクの豹』はデヴィッド・ニーヴン演ずる怪盗ファントムを中心に、ロバート・ワグナー、キャプシーヌ、クラウディア・カルディナーレら美男美女スターが競演のロマンティック・コメディ。ピーター・セラーズが演じたクルーゾー警部は準主役格ではあるが、コメディリリーフの三枚目キャラクターで、最後にはファントムの罪を着せられて逮捕されてしまう引き立て役だった。「ピンク・パンサー」とは劇中に登場するダイヤモンドの名称であり、それをイメージしたピンク色の豹のアニメキャラクターがオープニングで主題曲『ピンク ・パンサーのテーマ』をバックに登場した。
しかし、このクルーゾーのキャラクターが好評であった為、翌1964年にはクルーゾーを主役とした第2作『暗闇でドッキリ』が製作された。クルーゾーがパリ警察の警部である以外は前作と内容も登場人物も共通性はないので、続編ではなくスピンオフ作品と位置付けられる。劇中に「ピンクパンサーという名のダイヤモンド」は登場せず、主題曲も『ピンク・パンサーのテーマ』ではない。オープニングアニメにも「アニメキャラクターのピンクパンサー」は登場しない。しかし、クルーゾーの上司ドレフュス(ハーバート・ロム)や使用人のケイトー(バート・クウォーク)、フランソワ刑事(アンドレ・マランヌ)らレギュラーキャストに加え、毎回役を変えて出演するグレアム・スタークも同作で初登場しており、内容的にも後のシリーズのスタイルは同作において確立している。その為、題名に「ピンク・パンサー」とは付かないが、一般にシリーズ第2作とされる。
2作は世界的にヒットしたが、監督のエドワーズとセラーズの関係は良好ではなく、シリーズは長い空白期間を迎える。
- 『暗闇でドッキリ』には登場しなかった「アニメキャラクターのピンクパンサー」だが、第1作において人気を得ており、1964年以降、映画やテレビでこのキャラクターを主役としたアニメーション作品が数多く製作される。
- 1968年にはアラン・アーキンがクルーゾーを演じた『クルーゾー警部』が製作されるが、監督もブレイク・エドワーズではなく、一般にシリーズ番外編とされる。
[編集] 1970年代
1975年、11年振りの第3作『ピンク・パンサー2』がイギリス映画として製作された。1970年代前半はエドワーズもセラーズも不振の時期で、共に活路を求めてのシリーズ再開であった。
『ピンク・パンサー2』は内容的に第1作の続編といえる。再び怪盗ファントム(演者はクリストファー・プラマーに交代)が登場、「ピンクパンサーという名のダイヤモンド」をめぐる話で、主題曲も『ピンク・パンサーのテーマ』に戻り、それをバックに「アニメキャラクターのピンクパンサー」も再登場した。だが、ドレフュスとケイトーらは第2作から引き続き登場している。ただし、第2作で精神に異常をきたして大量殺人を犯した筈のドレフュスは主任警部の座におり、クルーゾーの方が警部から降格されている。
翌1976年の第4作『ピンク・パンサー3』はほぼ完全な『ピンク・パンサー2』の続編。主題曲『ピンク・パンサーのテーマ』、「アニメキャラクターのピンクパンサー」も前作同様に登場する。しかし、「ピンクパンサーという名のダイヤモンド」は登場せず、題名と内容が無関係となった。同作はドレフュスを演じるロムの大怪演編。ドタバタとパロディに徹した娯楽大作で、シリーズ中でも人気が高い。
1978年の第5作『ピンク・パンサー4』は前作の続編であるが、ドレフュスの位置付けが前作とは繋がらない。同作ではケイトーがクルーゾーの助手として活躍する。ケイトーはクルーゾーの「助手」と紹介される事が多いが、過去3度の登場ではあくまでクルーゾー家の使用人であり、捜査の助手を務めるのは同作が最初で最後である。
エドワーズとセラーズの関係は再開後も良好ではなかったが、作品はコメディ映画の人気シリーズとしてヒットを続けた。
[編集] ピーター・セラーズ死後
マンネリが指摘される面もあったが、好調にシリーズが続く中、1980年にピーター・セラーズが54歳の若さで急死する。
その後、1982年に製作された第6作『ピンク・パンサーX』(日本劇場未公開)はセラーズ追悼作。未発表シーンも含む過去のセラーズの出演場面に新撮分を加えた総集編的作品であった。同作でクルーゾーは海外での捜査中に行方不明になって終わっている。
その続編の位置付けで1983年に製作されたのが第7作『ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ』である。撮影は『X』と並行して行われた。同作はコンピューターで選ばれたアメリカのスレイ刑事(テッド・ワス)が行方不明のクルーゾーの捜査を任される内容。クルーゾーは整形手術を受けて別人となり、伯爵夫人と暮らしている事になっている。『X』と『5』には第1作『ピンクの豹』以来となるニーヴン、ワグナー(『5』のみ)、キャプシーヌが同じ役で出演した。ニーヴンも同作を遺作として1983年に死去した。
1993年には10年振りの第8作となる『ピンク・パンサーの息子』が製作された。クルーゾーの隠し子ジャック・ガンブレリ巡査(ロベルト・ベニーニ)の活躍を描いている。その母親役で第1作以来のクラウディア・カルディナーレが出演したが、役柄は第1作のダーラ王女ではなく、第2作『暗闇でドッキリ』でエルケ・ソマーが演じたヒロイン、マリア・ガンブレリであった。ドレフュス、ケイトーも登場、スタークも出演した。フランソワ刑事はマランヌが1992年に死去した為、ダーモット・クローリーが演じている。
[編集] 新シリーズ
2006年にスティーブ・マーティンがクルーゾーを演じた新作『ピンクパンサー』が製作された。2009年に第2作が公開予定。
[編集] 主なキャスト
- ジャック・クルーゾー警部:ピーター・セラーズ(1-5。6には過去のフィルムの再録で出演)
- チャールズ・リットン卿(ファントム):デヴィッド・ニーヴン(1.6.7) クリストファー・プラマー(3)
- チャールズ・ドレフュス主任警部:ハーバート・ロム(2-8)
- ケイトー:バート・クォーク(2-8)
- エルキュール刑事他:グレアム・スターク(2-8)
- フランソワ刑事:アンドレ・マランヌ(2-7) ダーモット・クローリー(8)
[編集] 外部リンク
- マルシーweb ピンクパンサー特集