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タイムボカン - Wikipedia

タイムボカン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

テレビアニメ: タイムボカン
原作 タツノコプロ企画室
監督 笹川ひろし(総監督)
企画 鳥海尽三酒井あきよし、柳川茂
脚本 小山高男ほか
キャラクターデザイン 天野嘉孝
メカニックデザイン 中村光毅
製作 フジテレビタツノコプロ
放送局 フジテレビ系列
放送期間 1975年10月4日 - 1976年12月25日
話数 61話
テンプレート使用方法 ノート

タイムボカン』(英語表記:Time Bokan)は、『タイムボカンシリーズ』第1作目としてフジテレビ系で1975年10月4日から1976年12月25日まで毎週土曜夜6時30分~7時00分に全61話が放映された、タツノコプロで制作されたテレビアニメ


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] ストーリー

木江田博士はタイムマシンタイムボカン」の試運転に出かけたが、行方不明となってしまう。帰ってきたのはオウムのペラ助と世界最高級の宝石「ダイナモンド」だった。丹平たちは様々な時代で博士を探していくが、ダイナモンドを狙う悪玉トリオがその道中で邪魔をするのだった。

その後、木江田博士は27話で現代に帰還し、丹平たちと再会する。その後は悪玉トリオのダイナモンド入手阻止やペラ助の故郷探しなどがタイムトラベルの目的になる。中盤で主人公のメカが3機となる。

[編集] 概要

[編集] シリーズ概要

記念すべきタイムボカンシリーズ第1作目。もっとも、当初からシリーズ化する構想があったわけではなく、放送を重ねるごとに人気が上昇し、その結果シリーズ化に至ったと見るのが正しい。

本作では後年シリーズの主要視聴層である子供達へ安心感を与え人気の原動力となった“お約束”などは当然存在せず、最初の1クール(10月~12月)頃まではシリーズの方向性を試行錯誤している雰囲気が見て取れる。例えばストーリーについても、当初は魔女狩りモナリザなど、幼い子供には難しい題材が多かった。なお、モナリザは本作制作前年(1974年)に日本国内にて一般公開された事による知名度から取り上げられたとする説もある。

その後、ある程度“ウケる”ポイントが掴めてくるに伴い、次第に童話や昔話などわかりやすい物語が増えてくる。ボカンシリーズのタイムトラベルといえば過去へ行くのがお決まりの様になっているが、本作の初期の数エピソードにおいては未来へもトラベルしている。その未来では何故か人間以外のもの(ロボット・ヒヒなど)が知能を獲得し、人間を地上から追放する暗い世界になっている事が多かった。これはタツノコのもう一つの作風と言えるハードSFを手がけたスタッフが本作にも多かった事が影響している可能性がある。ただし、各話ラストでは彼らの支配は終わり、未来の人間に希望を持たせるストーリーともなっている。

年が明け、1976年に入ってからはおおよその演出パターンが確立。放送後半年が経過した4月以降には、ほぼシリーズの基礎は完成したと言える。以降はゴールデンタイムの人気番組として、次作『ヤッターマン』へ無難にバトンを渡す形となった。

演出的な事とは別に、本作ではスキャニメイトと呼ばれる、当時の先端映像技術も使われ、メカのタイムトラベルシーンを印象的なものにしている。

[編集] 演出パターン概要

本作はシリーズ初期という事もあり、まだ以後のシリーズにおける類型化した演出パターン、いわゆる“お約束”あるいは“ベタ”と称されるものは少ないが、メカ関連では「善玉は“生物を模したメカ”を用い、悪玉はドクロおよび悪役的なイメージのある生物を模したメカを使う」という図式が既に確立されている。後半には放送延長の副産物として“複数メカの運用”というパターンも追加された。二号機以降が登場した中期以降でも、主役メカ(一号機)・メカブトンは他のメカよりも明らかに優先的に登場しており、多少ピンチに陥る描写こそ増えたものの、主役的な地位は最後まで揺らぐ事は無かった。

ただ、今作におけるメカは純然たる戦闘用では無い事もあり、どちらかというと移動手段として描写される事が多い。

後年の人気を支えた戦闘シーン中のお遊びもまだまだ少なく、初期には特にギャグも無く、善玉が自力で悪玉トリオのメカを倒す事が普通だったが、物語中期以降には悪玉トリオの自滅によって主人公が窮地を脱するパターンも増え、スタッフにギャグのノウハウが蓄積している様が見て取れる。典型的なパターンとしては、「悪玉メカによって主人公メカが倒されかかり、今週のハイライト(悪玉トリオのとどめ攻撃)を仕掛けようとするも、悪玉トリオが最終攻撃のボタンを誰が押すかでひと揉めし、揉みくちゃ状態の中で誰かが間違えて、なぜか操縦席の一番目立つところに大きく設置されている自爆ボタンを押し、自爆。善玉勝利」というもの。この他、善玉が悪玉混乱時の隙を狙い、とどめ攻撃の武器(大抵は大型爆弾)を使って反撃し、勝利するといったパターンも多い。具体的な負けぶりは外部リンクを参照のこと。なお、「悪玉メカによって主人公メカが倒されかかる」時の丹平の台詞として、しばしば「動力装置が動かない」が使用される。

なお、「主人公のメカが悪玉の攻撃によってボロボロに壊れても翌週にはちゃんと直っている」という点はこの作品以前や以後にも多数の作品に認められるアニメーション全体の“お約束”と言えるため、本項では簡単に触れるに留める。しかし本作ではメカが壊れた回でも、メカ戦の後、現代に帰還する前に破損箇所が直っていて空を飛ぶ回もあるので安易に見逃せない。

[編集] ダイナモンド

本作の探査対象であるダイナモンド(Dynamond)は、「宇宙一高価で、ウラン以上の爆発力を秘める宝石」とされている。名前の由来はダイナマイトダイヤモンド。また、dyna-は「力」を意味する接頭語でもある。

第25話でダイナモンドはマージョ一味の兵器、ダイナモンド光線銃に使われ、シャーウッドの森を一瞬にして大爆発させている。最終回で探し当てたダイナモンドも、長年の空気との接触でただの石になってしまった。その実態は隕石だった。

なお、常にカットされた宝石で登場しており、原石では出てこない。

また、最終回のサブタイトルは正しくは「ダイモンドを発見だペッチャ」だが、本放送時の番組表では誤植のため「ダイモンドを発見だペッチャ」と書かれていた。

なお、「ヤットデタマン」第34話で名前だけだが登場した。

[編集] キャラクター

[編集] 善玉

木江田博士の孫娘・淳子とその助手の丹平がコンビを組み、どこかの時代に消えてしまった博士を追ってトラベルを続ける。博士が帰還後はマージョ一味を牽制しながらダイナモンドを追った。10代前半の男女ペアと、意思と感情を持つマスコットロボットという構成は「タイムパトロール隊オタスケマン」まで踏襲される。丹平と淳子は2つの山形の隆起がついたヘルメットと制服(?)を常に着用している。この隆起のモチーフは、キャラクターデザインを担当した天野嘉孝によれば、ブラジャーである。

丹平(たんぺい)
声 - 太田淑子
木江田博士の助手として働く男の子。メカに強く運動神経も抜群であり博学多才で歴史にも強いが少しおっちょこちょい。熱血、純真、勇敢を兼ね備えている。淳子、チョロ坊、ペラ助からは「丹平ちゃん」と呼ばれている。破損したタイムボカンを修理することが出来るらしく、台詞の中にもそれを思わせるものがある。親兄弟などの背景は描かれておらず、学校に通っている様子も見受けられないため、人物像としてはシリーズ中で最も不明な主人公。13歳。
淳子(じゅんこ)
声 - 岡本茉利 (34~36話は横沢啓子が代役)
木江田博士の孫娘。博学多才な大和撫子。祖父思いの優しい娘である。面倒見が良くみんなから慕われている。泣き虫だが芯は強い。カワイコちゃんに弱い丹平を諌めることもしばしば。10歳。名前の由来は桜田淳子から。
チョロ坊(チョロぼう)
声 - 桂玲子
丹平が作ったロボット。知能は幼稚園児並み。初めはペラ助を目のかたきにしていたが、次第に仲良くなった。動力源は背中のゼンマイ。ただし、ゼンマイが切れても歩行出来なくなるだけで本体は動作可能。口部から火炎を吐く。2話ではロボットでありながらシュークリームを食べている場面がある。
木江田博士(きえたはかせ)
声 - 槐柳二
淳子の祖父。世界的な科学者でタイムボカンの試運転に出かけた際にペラ助にタイムボカンを奪われてしまい、27話で生還するまで消息不明だった。帰還後は丹平たちと冒険に同行し、ダイナモンドを追う。時々ダイナモンド調査を丹平達に任せて留守番する事もある。60歳。
ペラ助(ペラすけ)
声 - 滝口順平
博士の消息を知る唯一のキャラだが、いい加減な証言が多い。唯一怖いのは妻のオタケさん。かなりの食いしん坊であり、シュークリームが大好物。後半に入るとマージョ屋敷に潜入し、マージョ一味がダイナモンド探しに出ようとする一部始終を見聞きして丹平たちに知らせることがよくあった。語尾は「~だペッチャ」。タイトルの読み上げ、次週予告のナレーションも担当。
オタケさん 
声 - 遠藤晴
ペラ助の奥さん。いつも旦那であるペラ助をこき使って楽をしていた。ペラ助がいなくなった後は博士とともに共同生活をしていた。内心はペラ助のことを愛している。なお、遠藤は31話「夢見るシンデレラ姫だペッチャ」では継母役として出演している。

[編集] 悪玉

狡猾で妖艶な美女・マージョ、どんなメカでも製作する天才科学者・グロッキー、怪力自慢の大男・ワルサー。三人揃って「悪玉トリオ」。本作では後年の三悪と違い、このトリオには決まった名称は無い。また、後年の出版物では便宜上「マージョ一味」と呼ばれている。木江田研究所での会話をあの手この手で盗聴し、丹平たちが出た後を追跡し、木江田博士からダイナモンドの場所を聞き出す事を狙う。

後半では木江田博士が帰還した事に伴い、善玉に先んじてダイナモンドのありそうな時代を見つけ出し、行動に出る事もあった。この場合はペラ助やチョロ坊がトリオの会話を盗聴する。

なお、後年のタイムボカンシリーズと異なり、メカの操作・設計等はグロッキー一人に委ねられておらず、マージョの助言やワルサーの操作で切り抜けることも多い。

旗印のドクロマークは白。まるで目玉が付いたマッシュルームのような形になっている。通常は頭蓋骨部分のみだが、「今週のハイライト」に使用する大型爆弾などでは海賊旗にみられるような「髑髏と骨」となっている。


マージョ
声 - 小原乃梨子
悪玉トリオの女ボス。30歳。己の欲望のためなら手段を選ばず、とりわけ丹平たちに対しては殺意さえ持っているなど、後のシリーズにおける女ボスよりも若干過激な性格。しかし、根は意外と純真でお茶目。嫌いなものはヘビ、お化け、ジェットコースター、ネズミ。ただし、32話に登場したネズミメカや3話に登場したメカコブラにも平気で乗り込んでおり、また、「ハーメルンの笛吹き」を元にした物語の回(39話)ではネズミの群れを見ても怖気づかなかった。初期には何のためらいもなく決め台詞の「丹平…死ねっ!」と同時に「今週のハイライト」のとどめボタンを押していた。何故か敵である丹平たちと同じく2つの大きな隆起のついたフードを着用している。名前の由来は「魔女」から。
60話「シンドバットのロマンだペッチャ」ではシンドバットとの2役を演じた事により、数シーンのみではあるが少年声(シンドバット)の小原と大人の女性声(マージョ)の小原の“夢の競演”が見られる。あらゆるキャラクターを難なく演じる小原の本領が発揮された、隠れた名シーンであろう。
グロッキー
声 - 八奈見乗児
25歳。優秀な頭脳を持っており、木江田博士の所で筆頭の助手として働いていたが、実はマージョの命によりタイムマシンのノウハウを盗むためにスパイをしていたのだった。一味の元に戻った後はメカの開発を担当する。自分の腕には絶大な自信を持っており、勝利を確信した際によく「『タイムボカン』は今週で終わり、来週からは新番組『タイムガイコッツ』が始まるよ」という旨の台詞を吐いている。しかし肝っ玉は極めて小さく、ここぞという時に限ってヘマをする。一人称は主に「私」だが稀に「俺」になる事がある。「今週のハイライトいくわよ~!」などに代表されるオカマ口調は後年の歴代三悪の“細い男”キャラへと引き継がれていった。無類の女子高生好きで、後のシリーズでも知られる「全国の女子高生のみなさ~ん」というフレーズは実際にはこの第1作目が発端となっている。その一方、マージョと結婚したいと思っている。逆三角形型の輪郭に足先の長いのような赤っ鼻と大きな出っ歯がトレードマークでワルサーからは「ヒゲらっきょう」と呼ばれた事がある。この容姿の特徴は後のタイムボカンシリーズの三悪の頭脳系キャラ全般に、おおよそは受け継がれている。ただし、「ヤットデタマン」のジュリー・コケマツのみ形状が大きく異なっている。なお、彼がボタンを押す際には「プチュッとな」または「ブチュッとな」と言う。名前の由来は、いつもマージョにこき使われて「フラフラ」の意味のグロッキーからきている。
ワルサー
声 - 立壁和也(現・たてかべ和也
35歳。語尾に「~まんねん」と付けるなど、関西弁風の台詞を使うが、関西出身かどうかは不明。一味では持ち前の馬鹿力を生かし、善玉との肉弾戦や力仕事を担当。外見とは裏腹にヘビやお化けを怖がったりする一面も。後年の歴代三悪における“ゴツい男”キャラの礎はこの時点で既にほぼ完成されている。また、メカの操縦にも積極的に関わる。肥満体で力自慢のキャラがメカの操縦に関わることは「科学忍者隊ガッチャマン」の「みみずくの竜」に先例があり、これはその悪玉版と見る向きもある模様。グロッキーとともに極端な猫背。名前の由来は「悪さばかりしているから」もしくは銃器メーカー「ワルサー」から。
ナレーター
声 - 富山敬
本放送当時のスタンダードスタイルよりは若干くだけた、視聴者に語りかけるような、「みんな、○○は知ってるかな?」「来週も丹平君たちを応援してね!」などの優しい語りが特徴。また、富山は劇中のゲストキャラの声も演じていた。

[編集] ゲストキャラクターを演じた声優

初登場順。太字は後に本シリーズでレギュラー出演した声優。

[編集] 登場メカ

[編集] 善玉

タイムボカン(タイムメカブトン/タイムドタバッタン/タイムクワガッタン)
木江田博士が作り上げた、昆虫を模したデザインのタイムマシンメカ群。1話で丹平が「タイムボカンはメカブトン、ヤゴマリン、テントウキの3機から成る」と説明していたとおり、メインとなる大型メカの中に2機の小型メカが搭載されたスタイルが基本である。
物語前半は専らカブトムシ型のメカブトンが活躍していたが、木江田博士帰還後にはメカブトンに加えて未来人のメカを流用したバッタ型のドタバッタンと帰還後に作り上げたクワガタムシ型のクワガッタン、以上三種の中から目的地により、コンピューターが最適と思われるメカを自動的に選択して出動するようになった。
いずれのメカも時間移動機能使用時に相当な爆発を引き起こすという特徴があり、これが「ボカン」の名前の由来となっていると推測される。他にも、全メカに小型メカを複数格納している事から”母艦”的意味合いも持たせている可能性もある。[1]
タイムメカブトン(タイムボカンI)
カブトムシ(雄)型メカ。ボディーは青色。ツノの先は回転させることが可能で、ドリル状に使用して地中を掘り進める。他の二台とは異なり足の類は無く、通常は機体下部から展開する車輪によって地上を移動する。飛行時にはオープニングの1シーンにも見られる通り機内に収納後、本物のカブトムシの様に前翅を展開し、羽の下の本体より翼を出して飛行する。背中にはテントウムシ型の小型飛行機・テントウキ、腹部にはヤゴ型の小型水中探索機・ヤゴマリンが搭載されている。
製造直後はコクピットを含めた機内全体が重力異常状態に陥ってしまい、乗員及び搭載物に強烈なGがかかる上機内を無軌道に移動させられることになった。これはオープニングで毎回の様に描かれたので非常に印象強い。木江田博士の帰還後に機体が整備されると共に重力異常状態が改善されたらしく、この様な描写は無くなっていった。ちなみに動力源は後部エンジンユニットに搭載される巨大乾電池状のエネルギーパック2本らしい。やられる時は主に羽と角が破壊される。
搭載機であるテントウキは、機体の下から円筒形のパーツを展開、その基部に備え付けられた車輪によって陸上走行も出来る。この部分は、テントウキの飛行中は機体内に収納されているものと推測される。その他、羽の星の部分からマニピュレーターをはじめとする様々な道具、あるいは武装を展開する事が出来、タツノコの名作『ガッチャマン』におけるG-4号の様な“玉手箱メカ(ガッチャマンの企画書の記述より)”振りを発揮した。テントウキは同番組の前身企画における主役機「タンマータンク」のデザインを流用したもの。母艦であるメカブトンの登場回数が多い事もあり、各機に搭載されたメカの中でも活躍度および印象度は随一であると言えよう。OPにて単体でのタイムワープが可能な様な描写があったが、本編ではその様な機能はないとされた。
なお、メカブトンの名前は作品中で呼称された事は少なく、1話で丹平に紹介的に名を呼ばれた以降は、複数機態勢となった後期に呼び分けのために使われた程度。本編中は単に「タイムボカン」とか「タイムボカンI」と呼ばれることが多かった。
タイムドタバッタン(タイムボカンII)
ショウリョウバッタ型のメカ。ボディーは緑色。27話で木江田博士をさらった昆虫人が現代に残したタイムマシンを博士自身の手で改良され、29話よりタイムボカンメカ2号として使用した。飛行時には足を後ろに伸ばす。シャクトリムシ型の小型偵察機・シャクトリン、ホタル型の小型作業用ヘリ・ヘリボタルが搭載されている。マージョには「タイムドッタリバッタリ」と呼ばれている。
物語後半では数多く使用され、最終回で使用されたマシンもドタバッタンだった。
バッタを模しているためか、出動時には本来とても自重を支えられるとは思えない虚弱な脚部が必ずと言っていいほど敵のターゲットにされ、破壊された。ただし本体腹部にはキャタピラが内蔵されており、脚が折れても移動に支障は無い。
シリーズ第2作「ヤッターマン」77話ではドタバッタンの破壊された脚がインチキ骨董品店に展示されるというエピソードがある。マージョ的キャラ・ドロンジョがグロッキー的キャラ・ボヤッキーに脚を持って来させる際にもやはり「タイムドッタリバッタリ」と言い間違えており、ボヤッキーにツッコまれている。
タイムクワガッタン(タイムボカンIII)
クワガタムシ型のメカ。ボディーは赤茶色。木江田博士が帰還後に製作し、29話で配備され、33話で初出動した。ドタバッタンの様な脚を持ち、脚先にはメカブトンの様に車輪も搭載している。飛行時には前翅が展開し、竹とんぼ状のローターを持つ大型ヘリコプターとなる。ハチ型の小型偵察メカ・ビーチクリン、ダンゴムシ型の小型地上進行用メカ・ダンゴロリンが搭載されている。
ナレーターも「パワーが強い」と言及しており、仕様からも判る通り、他のタイムボカンメカのノウハウが全て注ぎ込まれた高性能メカのはずだが、移動の要である四肢とプロペラが貧弱であり、戦闘では良く破壊されて窮地に陥る。巨大な顎が主たる戦闘武器で、マージョ一味に逆襲する際にもこの顎によって何度も窮地を脱した。
知名度も含めて今一つ他機に及ばない印象が強いものの、回を追うにつれてクラッシュが激しくなったメカブトンやドタバッタンよりも比較的損傷度は低い。
竹とんぼを模しているからか、ローターは前翅が展開した一つしかないが、後部に噴射ノズルがあるのでちゃんと飛行出来る。

[編集] 悪玉

タイムガイコッツ
グロッキーが木江田博士の所から盗んだタイムボカンのデータを元に作られた。このメカは毎回、巨大メカニマルである悪玉メカの頭部になっていた。時間跳躍の際、なぜか部品(弁当や化粧品などもある)が数点取り残されるのがお約束だった。
悪玉メカの胴体部分が破壊された後、この部分だけが残り、エゼクションポッドとしての役割を果たす。次作「ヤッターマン」以降のメカニックデザイナーである大河原邦男が後にデザインした「機動戦士ガンダム」の“コアファイター”のルーツとの事[2]
毎回メカニマルの爆発に晒されながら、うち59回も耐えて見せた。破壊されたのは2度のみで、4話で一角魔王メカごと熔岩の中に墜落して焼失、最終回の爆発ではマージョ屋敷に直撃して真っ二つに割れて破壊されてしまうという末路となった。
プレイステーションのソフトでも自機として登場。
メカニマル
悪玉トリオが使用する巨大メカ。由来は「メカ」+「アニマル」。その名からシリーズの中で珍しく生物型のデザインが貫かれていたのだが、鬼やオロチ河童等の架空の生物をモチーフにしたものも登場した。
タイムボカン王道復古では、第一話(OPにも登場)のゴリラメカが使われ、トラップを張って、ドロンボーチームとアクダマンチームの動きを封じ、ミサイルで岩を崩して潰そうとしたが、例の如く、誰がスイッチを押すかで内輪もめしている間にアクダマンに逃げられ、駆けつけたボヤッキーによってミサイルを送り返されて自爆、リタイアしてしまっている。
ドクロファンファーレ
グロッキーの「今週のハイライト!」という叫び声に反応して現れるメカで、初登場は18話。三体一組で登場し、ファンファーレを鳴らして3人の気分を盛り上げる。なお、16話ではおもちゃの兵隊のようなコックピットメカがファンファーレを鳴らしていた。後のシリーズにおいて、コックピットメカはおだてブタやオロカブ、女子高生メカ等へと発展していく。

[編集] 放映リスト

話数 サブタイトル 脚本 演出 作画監督
1 発進!タイムボカンだペッチャ 鳥海尽三 笹川ひろし 田中英二
2 ギリシャのズッコケ戦争だペッチャ 滝三郎 布川郁司
3 恐怖の魔女狩りだペッチャ 吉田喜昭 岡本良雄
佐々木皓一
窪秀己
4 へんてこ西遊記だペッチャ 滝三郎 泉泰寺博 飯野浩
5 原始人はやさしいペッチャ 山本優 笹川ひろし 田中英二
6 海賊はオウムが好きだペッチャ 小山高男 岡本良雄
布川郁司
7 合図はひらけゴマだペッチャ 山本優 泉泰寺博
8 大登場!ジンギスカンだペッチャ 堀田史門 山田勝久 窪秀己
9 西部の大決闘だペッチャ 山本優 布川郁司 田中英二
10 かっこいい忍者だペッチャ 吉田喜昭 泰泉寺博
11 インカの宝みつけたペッチャ 山本優 布川郁司 飯野浩
12 モナリザの秘密だペッチャ 桜井正明 案納正美
布川郁司
田中英二
13 大沈没!アトランティスだペッチャ 伊東恒久 岡本良雄
泰泉寺博
14 ドラキュラが出たペッチャ 山本優 布川郁司
15 打ち出の小づちを振るペッチャ 滝三郎 西牧秀雄
16 ズッコケ!ライト兄弟だペッチャ 山崎晴哉 泰寺泉博
17 ドロロン!五右衛門だペッチャ 久保田圭司 案納正美
泰泉寺博
田中英二
18 急げ!白雪姫があぶないだペッチャ 山本優 泰泉寺博
19 1000年後のロボット国だペッチャ 布川郁司
20 イワンはウソをつかないペッチャ 山野博 案納正美
布川郁司
21 そこのけ!ドン・キホーテだペッチャ 柳川茂 泰泉寺博
布川郁司
22 ピノキオの大冒険だペッチャ 山本優 泰泉寺博
23 黄門さまはステキだペッチャ 吉田喜昭 案納正美
笹川ひろし
24 牛若丸と弁慶の大決闘だペッチャ 滝三郎 佐々木皓一 窪秀己
25 出たぞ!ロビンフットだペッチャ 金子裕 布川郁司 田中英二
26 それ行けやれ行け宝島だペッチャ 山本優 泰泉寺博
27 木江田博士を発見だペッチャ 滝三郎 案納正美
布川ゆうじ
28 ジャックと豆の木大騒動だペッチャ 山本優 山田勝久 窪秀己
29 枯木に花を咲かせるペッチャ 吉川惣司 布川ゆうじ 田中英二
30 赤頭巾ちゃん気をつけてだペッチャ 山本優 泰泉寺博
31 夢見るシンデレラ姫だペッチャ 伊東恒久 佐々木皓一 窪秀己
32 未来の象さん守ろうペッチャ 吉川惣司 案納正美
笹川ひろし
33 ビックリ!天女は宇宙人だペッチャ 伊東恒久 真下耕一
植田秀仁
34 突撃!ヤマタのオロチだペッチャ 山本優 山田勝久 窪秀己
35 フランケン!がまんだペッチャ 吉川惣司 布川ゆうじ 田中英二
36 未来はヒヒの国だペッチャ 山本優 真下耕一
37 王様は裸だペッチャ 佐々木皓一 窪秀己
38 桃太郎の鬼退治だペッチャ 伊東恒久 布川ゆうじ
39 ハメルンの笛吹きだペッチャ 吉川惣司 真下耕一
植田秀仁
田中英二
40 鶴の恩返しだペッチャ 伊東恒久 泰泉寺博
植田秀仁
41 竜宮は最高だペッチャ 滝三郎 西久保瑞穂 田中英二
42 アバッチ谷の秘密だペッチャ 山本優 佐々木皓一 窪秀己
43 かぐや姫は美人だペッチャ 滝三郎 布川ゆうじ 田中英二
44 サルカニ合戦だペッチャ 佐藤和男
45 ジキル博士のナゾだペッチャ 平和元 真下耕一
大貫信夫
46 マッチ売りの少女だペッチャ 山本優 植田秀仁
47 アラジンと魔法のランプだペッチャ 真下耕一 窪秀己
48 足柄山の金太郎だペッチャ 吉川惣司 大貫信夫
布川ゆうじ
49 海さち山さち仲直りだペッチャ 山本優 布川郁司 田中英二
50 赤い靴は悲しいペッチャ 田中享
51 月の世界ステキだペッチャ 佐藤和男 真下耕一
植田秀仁
52 人魚姫を助けるペッチャ 伊東恒久 布川郁司
植田秀仁
田中英二
53 透明人間はつらいよペッチャ 吉川惣司 布川ゆうじ みぶおさむ
54 地底王国のナゾだペッチャ 山本優 植田秀仁
55 ピラミッドをつくるペッチャ 伊東恒久 真下耕一
大貫信夫
56 イースター島の巨人騒動だペッチャ 山本優 布川ゆうじ
57 ぶどう畑の宝だペッチャ 佐藤和男 泰泉寺博 水村十司
58 雀のお宿はどこだペッチャ 石井喜一 植田秀仁
59 ぼくたちガリバーになったペッチャ 滝三郎 真下耕一 みぶおさむ
60 シンドバットのロマンだペッチャ 平和元 泰泉寺博 水村十司
61 ダイナモンドを発見だペッチャ 滝三郎 布川郁司

[編集] 時間帯

フジテレビの土曜午後6時30分~7時00分という時間帯は、この番組開始前はFNNニュース6:30枠だった。なお、「タイムボカン」開始後は午後5時45分~6時00分をニュース枠として「FNNテレビ土曜夕刊」となる。

他局は、1975年10月には、土曜午後7時00分~7時30分はTBSは「仮面ライダーストロンガー」、NETは「はじめ人間ギャートルズ」を放送していた。フジテレビでも1972年1973年に「怪傑ライオン丸」と子供向けの番組を放送していた。

「タイムボカン」開始と同時に、1972年に一度終了した「ズバリ!当てましょう」をこの時間帯に復活させている(1982年3月まで)。また、同時に「欽ちゃんのドンとやってみよう!」(1980年3月まで。途中中断時期あり)も始まり、本作を加えた3番組がセットで視聴されることも少なくなかった。

タイムボカンシリーズは、1976年1月にTBSで始まった「まんが日本昔ばなし」との住み分けに成功し、かつ同番組に先立つことでより強い印象を当時の子供たちに与えることになった。

また、青森地区(青森テレビ)では月曜日の夕方に時差ネットしていた。何週遅れで放送していたかは不明。

[編集] 企画から放送までの経過

本作の企画は、ミニカーを売るためのアニメという発想で、1966年のアメリカ映画『グレート・レース』の影響を受けたカーレースものが源流である。木江田博士を探すというストーリーは、当時テレビで放映されていた蒸発した家族を探す番組がヒントになっている。1972年頃には「時空を超えた善悪のタイムマシンによるコミカルな競争」という本作の企画が決定。『タイマー大混戦』とタイトルがつけられて、その時点でメカブトンのデザインは出来上がり、15分のパイロットフィルムを制作。このパイロットフィルムは1話の数シーンやオープニングに一部流用された。パイロットフィルムでの淳子は金髪だったため、本編では青の髪だった淳子の髪はその流用されたカットで金髪になっている。

タツノコプロでは当時、ハードなアクションものが続いたためギャグものを、ということだったが、ギャグにしてはタイムトラベルやメカの要素などが盛り込まれた本作は、監督の笹川ひろしによると中途半端な印象を与えたといい、スポンサーがつかずに放映決定まで3年を要することになった。主人公の名前は当時の人気アイドルから取られ、野口五郎天地真理から五郎と真理だったのが、3年の経過により、アイドルの人気の変遷から、真理が桜田淳子から取った淳子になっている。放送の決定後、タイトルが『タイムボカン』と改められた。

当初2クール26話を予定していたが、好評のため2クール、その後さらに1クール延長され、最終的に全61話となった。

[編集] スキャニメイト

エンディングのクレジットでは“スキ・アニメート”と表記される。東洋現像所(現・IMAGICA)に導入された画像を変形するアナログのエフェクト・システムの様なもの。NHKの番組で使用されたのが国内初のテレビ番組使用例とされている。当時の最先端技術ゆえに相当に高価なシステムだった様だが、過去の作品において密接な付き合いのあったタツノコプロは“実験”の名目でこのエフェクトを安価に使えたという。

タツノコプロ作品では本作のパイロット版が最初の使用例だが、実際のテレビ放映では、その後に製作された作品『宇宙の騎士テッカマン』オープニングが一般視聴者への最初のお目見えとなった。本作以後のタイムボカンシリーズでも時間移動シーンを中心に多用されている。

スキャニメイトを参照

[編集] トピックス

最終回のエンドクレジットは次作「ヤッターマン」の予告編になっていて、ヤッターマンの1話のハイライト映像が流れ、三悪が番組宣伝を担当した。この時マージョ一味は「次はドロンボーと改名してドクロストーンを探す」という旨の説明をしている。実際、ヤッターマンでは三悪がタイムボカン時代を懐かしむ描写が見られた。一番濃厚に出ていたのが93話「あっぱれトマトコケルだコロン」のメカ披露シーンであり、この回のメカ「ギンギラーギン」を目にしたドロンジョが「ダイナモンドみたい」と言ったり、時を同じくしてバックに流れた「それゆけガイコッツ」をボヤッキーが「ぼくちゃんたちのテーマ」と言ったりしている。また、38話ではドロンボーはドクロストーンが過去の世界にあるので過去の世界に向かうように指令を受け、その指令を下したドクロベエに対しドロンジョが「タイムボカンは終わりましたよ」と意見する場面もあった。なお、11話でもタイムトンネルのシーンがあり、そこでもボヤッキーが「タイムボカンの頃を思い出すわねぇ」と言っている。しかし、後に様々な事情からこのシーンは“無かった事”とされ、公式には両トリオは全くの別キャラとして扱われている。もっとも、この処置はあくまでも表向きのものであり、実際に楽屋ネタが多いタイムボカンシリーズにおいて、三悪は表面を衣替えしただけの同一的存在として認識される事が通例のようだ。

[編集] OPの変更話数

タイムボカンのオープニングは2種類存在する。前期版と後期版の相違点は、前期にあったテントウキが単独で時間移動を行うスキャニメイト映像と、それに続いてガイコッツを操縦するワルサーを中心とした悪トリオの映像部分が、後期はドタバッタンとクワガッタンが時間移動を行うシーンに差し換えられた。2004年に発売されたDVDシリーズではOPの差し換えが行われた話数が不明であるとして、全編後期OPで統一収録されており、前期版は最終巻に映像特典として収録された。

[編集] 輸出

各国への輸出例がある。アメリカ合衆国へも輸出されている。その際の英名タイトルは「TIMEFIGHTERS」だった[3]。その他欧州各国・韓国・香港などに輸出されたという。ただし、「日本の物語を扱った作品の扱い」、「悪玉メカ攻撃による主人公のメカの破損」、「爆発でマージョ一味の衣服が破れること」などについては、各国の放送コードで若干変更されたと考えられる。しかし、他のタイムボカンシリーズの作品に比べると格段に広い範囲にわたって輸出され、多くの人々に受け入れられたようである。

[編集] スタッフ

[編集] 主題歌

「タイムボカンの歌」
作詞・作曲 - 山本正之/編曲 - 市久/歌 - 山本正之、ロイヤルナイツ、サカモト児童合唱団
オープニング。後に『ゼンダマン』の第16話で、ゼンダライオンの歌の代わりに歌われ、『逆転イッパツマン』の劇中でもたまに挿入された。
「それゆけガイコッツ」
作詞・作曲 - 山本正之/編曲 - 市久/歌 - ロイヤルナイツ
エンディング。劇中で三悪が歌うこともあり、時折替え歌になることも。『ヤッターマン』、『逆転イッパツマン』の劇中でも挿入されたが、後者では歌詞が変えられていた。
「チュク・チュク・チャン」
作詞・作曲 - 山本正之/編曲 - 市久/歌 - 山本正之、サカモト児童合唱団
挿入歌。後に『逆転イッパツマン』の劇中でごく稀に挿入されることもあった。
「ペラ助のぼやき節」
作詞 - 小山高男/作曲 - 山本正之/編曲 - 市久/歌 - 滝口順平
挿入歌。第9話で使用。
「花ごよみ」
作詞・作曲 - 山本正之/編曲 - 市久/歌 - 太田淑子岡本茉利
挿入歌。本編では使用されず。
「うしろすがた」
作詞・作曲 - 山本正之/編曲 - 市久/歌 - 岡本茉利
挿入歌。第27話で使用。

[編集] 脚注

  1. ^ 怪盗きらめきマンにもこの三機が、お遊び演出とはいえ、15話でゲスト出演している。(尚、OPでもメカブトンが登場している。)
  2. ^ 「タイムボカン王道復古」ドラマCDによる
  3. ^ 「テレビアニメ25年史」(アニメージュ編集部・徳間書店)

[編集] 参考資料

[編集] 外部リンク


フジテレビ 土曜18時台後半
前番組 番組名 次番組
18:30 FNNニュース6:30
18:50 サンケイテレニュース
※ローカルニュース枠
18:55 冒険ロックバット
タイムボカン


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