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オナニー - Wikipedia

オナニー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

オナニードイツ語Onanie)、自慰じい)は、性交ではなく、自分の手や器具などを用いて自分の性器を刺激し、性的快感を得る行為である。英語マスターベーションMasturbation)とも言う。

目次

語源

オナニーをする男性
オナニーをする男性

オナニー(Onanie)の語源は、『旧約聖書』の創世記の叙述に由来する。創世記38章にオナンという名の男が登場する。彼は兄エルが早死にしたため、兄の代わりに子孫を残すべく兄嫁タマルと結婚させられた(逆縁結婚)。しかしオナンは兄の為に子を残すことを嫌い、性交時は精液の中に放出せず、寸前で陰茎を抜き精液を地に漏らして避妊をしようとした(創世記38章9節)。しかしこの行為は主の意志に反するものとされ、オナンは兄と同様に主の意志によって殺された(同10節)、と聖書に書かれている。すなわちオナンがおこなったのは膣外射精であるが、語義が転じて生殖を目的としない射精行為としてオナニーが使われるようになった。ちなみに、オナンが兄のために子を残すことを拒否したのは、兄嫁に子が出来てしまうと父の遺産がその子のものになってしまうためであった。兄嫁に子が出来なければ遺産は次男であるオナンのものとなるはずだったとも言われる。当時の掟(慣習よりも強制力があった)により言われていることだが、聖書にはそこまでのことは書いていない。一般には「血統維持」を強調した物語と理解されている。

歴史

非道徳性

西洋ではオナニーが聖書の説くところのにあたるかあたらないか、道徳的に許されるか許されないかなどが古来議論の的となってきた。

『旧約聖書』の神は「生めよ増やせよ地に満てよ」と人間に命じている。すなわち語源であるオナンの行為は神の意図に逆らう宗教的な反逆であるとされた。このようにユダヤ教キリスト教にあっては性交は生殖の為に神から命ぜられた行為であると位置付けられている。そのため、生殖を目的としない行為であるオナニーは売春などと同様に神の命令に背く行為とされ[1]、非道徳的であり、にあたるとする伝統[2]があった。さらに夫婦間の性交にあっても、生殖を目的とせず快楽の為にもっぱら為される場合には宗教的罪悪感を伴うとされる。両宗教が支配的な文化では、涜神と性的快楽のイメージが強く結びついていることが他の文化との大きな違いのひとつとなっている。

近代のプロテスタント運動が高まった時期にも、オナニーの背徳性の教えが説かれた。

ただし、オナンの罪とは、正確には生殖を目的としない射精行為でも、無駄に精液を地に漏らした事でもなく、古代社会のレビレート婚の掟を破り、兄の未亡人に子供を与えねばならぬ義務を果たさなかった事である[要出典]。おそらく時代の風潮にあわせて、オナンの罪の内実は、微妙に意味をすりかえられてきたのだろう。ゆえに、西洋の反オナニー言説を「宗教の産物」と短絡はできない。モッセによると、十八世紀以降の反オナニー言説はナショナリズムの産物である。事実、日本でも反オナニー言説は、少なくとも江戸期からあり、また、明治期には広く流布している(「日本におけるオナニーの歴史」の項参照)。

西洋における反オナニーの歴史

ジャン・スタンジェ、アンヌ・ファン・ネック共著の「自慰」(以下、スタンジェ著「自慰」)によると、17世紀以前にはオナニーを罪とみなす宗教者の言説はあるが、オナニーそのものへの言及はさほど多くない。大した問題だとはみなされていなかったようだ。フーコーによれば西洋では「固まりミルク」と称して村の少年たちが精液の飛ばし合いっこをしていた。またスタンジェ著「自慰」によれば、16、17世紀の主流をなしていたガレノス医学では、オナニーはむしろ奨励されていた。ただし宗教者の中では、例え健康のためであっても自然に反する行為であって許されない、という意見が主流であったという。

同書によると、反オナニーが一般に流布するきっかけになったのは、1715年の「オナニア」(著者匿名)という本の出版であった。この本は1730年に第15版が、1778年には第22版が出るほどよく売れた。「オナニア」は、オナニーの有害性を強調するとともに、著者が独占販売権を握るオナニー治療に効果的な薬の購入を呼びかけていることから、金儲けが同書刊行の目的だったと、スタンジェ、ネックは結論している。「オナニア」では道徳面以上に医学面での有害性が強調されていた。1760年頃には、ティソDe Morbisex Manustuprationeを、1764年には「オナニスム」を出版する。 これは、ヨーロッパ中に名声を博していた臨床医による、医学面からの有害性を訴えた本であり、ドイツの哲学者カント[3]に影響を与え、またルターもこれを賞賛した。

モッセ著「ナショナリズムとセクシュアリティ―市民道徳とナチズム」によると、(反オナニーを含む)セクシュアリティ統制にはナショナリズムの台頭が影響している。十八世紀以降の西ヨーロッパ諸国(独英仏伊)では、下層階級からも貴族階級からも自らを差別化しようとする、中産階級の価値観、リスペクタビリティ(市民的価値観)が生まれる。十八世紀以降のナショナリズムは、この中産階級の作法や道徳を吸収し、全階級に広めた。その鍵になるのはセクシュアリティの統制であり、「男らしさの理想」である。ここにおいて、マスターベーションに耽るオナニストは顔面蒼白、目が落ち窪み、心身虚弱な人間と表象され、男らしい闘争や社会的達成という国民的ステレオタイプとは相容れないとされた。

反オナニーの波は、ジャック・デュシェ著、金塚貞文訳「オナニズムの歴史」によれば、18世紀のティソの著書によって引き起こされ19世紀に最高潮に達する。スタンジェ著「自慰」によれば、道徳面と同程度かそれ以上に医学面での有害性が強調された。原因不明の多くの疾患が、オナニーにより引き起こされるとみなされた(くる病、関節リューマチ、肺炎、慢性カタル、視覚・聴覚の衰えなどなど、主張する者によりまちまちではあるが)。デュシェ著「オナニズムの歴史」によれば、1939年にはカルノー医師により性教育面での言及が行われ、1968年を境に、社会的見解に変化が起こったと述べられている。 また同書によれば、1882年に、フランスの精神病医専門誌における「二人の少女の神経障害を伴ったオナニズムの症例」(括弧内訳、「オナニズムの歴史」での訳まま)というデミトリオス・ザムバコ医師の記事に、医学アカデミー会員のゲラン医師の示唆により、女性器を焼き鏝で焼却すると脅したことや、ゲラン医師が何人もの女性に、その焼却治療を施し結果を得ていたことが記されていたという。

日本における反オナニーの歴史

13世紀に編纂された『宇治拾遺物語』11話には、源大納言雅俊が僧に対して「かはつるみはいかが候べき」(オナニーはどう=過ちなのか?)と青い顔をして訪ねたところ、一同に大爆笑された、という記述がある。「過ちかもしれない」と考える意識と、それを「笑える」おおらかさが同居していたことが伺える。

江戸期の儒医学者・貝原益軒の『養生訓』(1713年)では、オナニーと性交を区別する記述はないが、精液を減損しないことが養生の基本とされ、性行為そのものを否定はしないが、過度に陥ることは害とされる。赤川学著「セクシュアリティの歴史社会学」(以下、赤川著「歴史社会学」)によれば、このように精液減損の観点から健康維持を説き、性行為が過度に陥ることを戒める発想は、江戸期の性を扱った書物に一般的なものであった。中にはオナニーを性交と区別して否定するものもある。このような発想は武士階層のみならず、漢方医の必携書にも同様の記述が見られることから漢方医を通じ、町人、農民層を含めた広範な範囲に広まっていたと考えられる。これが日本において、明治期の開化セクソロジーに見られる反オナニー言説がすんなりと受容される土台となった。だが、近代以前はそれ以降に比べ、オナニーに関して比較的おおらかであったと言える。民俗学者・伊藤堅吉の山梨県南都留群道志村調査によれば、志村には明治末期まで若者宿が残されており、気の合った若衆たちは娯楽場として若者宿に集い、ペニスの大きさを競い合ったり精液の飛ばし合いをしていたという(石川弘義・野口武徳『性』)。

赤川著「歴史社会学」によれば、明治初期には、『造化機論』(アストン著、千葉繁訳)を嚆矢として、セクシュアリティに関わる言説が多く生産される(開化セクソロジー)。数々の西洋の書物の訳書、或いは、地方の士族、東京の平民、ジャーナリストらによって書かれた書物群には、生殖器や性行為に関して様々な観点から論じられているが、その多くがオナニーの害について述べている。ただし、その理論的根拠には二系統あり、一つは「精液減損の害」という『養生訓』に見られる観点から論じられるもので、必然的に「オナニーの害を被る主体は男。オナニーとセックスはどちらも過度であれば害。害は、身体・健康に関わるもの」となる。もう一方は「三種の電気説」を根拠にするもので「オナニーの害は性別問わず。セックスとオナニーの害は別もの。害は、精神にも及ぶ」という主張。

また、同書によれば、明治10年代の医学界の成立にともない、専門家集団の間でもオナニーの有害性は検討されはじめる。1877(明治10)年創刊の『東京医事新誌』では、1879(明治12)年からオナニーの害についての言及が始まる。なかには、性欲を抑制することの害を述べるものもあるなど、全体として単純なオナニー有害論とは距離を置いている。オナニーは神経病の原因か、結果かという問いが、ここで浮上する。1894(明治27)年、クラフト=エビング[4]の『色情狂編』が出版される。ここでは様々な「精神病」や「色情狂」の症状とオナニーの関係が検討される。オナニーは様々な「病」(精神病・神経衰弱・同性愛や露出狂を含む各種色情狂)の「原因」なのか「誘引」なのかが検討され、「誘引」であると結論される。クラフト=エビングは明治期にオナニーを論じた医学者たち(山本宗一、森鴎外富士川游)などに多大な影響を及ぼした。巣鴨病院に勤務していた山本宗一は、そこで出会った三人の「手淫偏執狂」の症例報告を行っている。このような例外はあるものの、明治後期の日本の医学者たちによる検討は、全般的に統計的・実証的な調査を行った上でなされたわけではなく、単に西洋の書物の受け売りでしかなく、オナニーは様々な「病」の「原因」か「誘引」かについては、医学者たちの見解は分かれていた。

同書によると、このような背景のもとに、専門家集団は徐々に性的な事柄に関する知識を蓄え、学術書を刊行するようになっていく。明治初期のセクシュアリティに関するテクストは、市井の人々かジャーナリストによって書かれていたが、明治30年代以降、その主な担い手は「医学士」「○○病院院長」などの肩書きを持つ人びと(専門家集団)へと移行する。ただし、医学界といっても、その専門分化によって論理の内実は変わる。医学専門家内部では、オナニーの有害性に相当の疑問がもたれていたにも関わらず、衛生学のテクストではオナニー有害を前提として、学校や家庭における青年の監視の必要性が主張されている。

貞操帯

1903年にAlbert V. Toddが出願した米国特許の貞操帯
1903年にAlbert V. Toddが出願した米国特許の貞操帯

西洋における反オナニー思想はさまざまな器具の考案を生み出した。一例として、右図はオナニーの誘惑から青少年を守るために考案された貞操帯の特許である。青少年のペニスを図のサックに挿入し、ベルトを腰に巻き固定する。本人にはこの器具が外せないようになっている。もし、本人が誘惑にかられて、ペニスに手を伸ばしてオナニーを始めると、大きな警報がなり、周囲の注意を喚起せしめるようになっている。警告にもかかわらず本人がオナニーを続けると、器具につなげられた電気回路が作動して電撃がペニスに走り、一気に萎えさせるような仕掛けになっている。ただし、この器具がどの程度普及したかどうかという記録は残っていない。

このような装身具は子供用にもつくられており、電撃はないが安易に性器を刺激できないよう堅い皮製のパンツ(男児はペニス部分がペニスサックのようにとびたし、女児には性器を覆うような形をしたもの)や女児用にミキナスとよばれるショーツをはかせ、性器を手で刺激しにくいようにしていた。しかし、実際にはなんとか快感を得ようと物に押し付けたりしてオナニーしていたようである。

医学的な見地

身体的影響

  • 男性
    • オナニーをすると陰茎の皮や陰茎そのものが赤くなるが一時的なものである。オナニーや性交を繰り返すことによって、陰茎が黒ずむと言われることがあるが、皮膚の摩擦刺激による色素沈着(黒ずみ)は擦過傷、瘤、傷などの比較的深い持続的な刺激(例えば堅くてざらざらしたものの持続的な刺激)によるもの(これらも傷が深ければ治るのは遅いが持続的刺激がなくなれば消えるし直る)で、オナニーや性交を繰り返す程度で黒ずむことはない。性器が黒ずむのは、思春期から遺伝的に起こるもので、男性は陰茎よりも先端の包皮が濃く黒ずむ(皮膚の収縮が高いところなのでより多くのメラニン色素が集まる為)。包皮のシワが集まってそう見えるのもある。加齢による色素沈着は消えないので、年齢によって性器の色が異なるのはある意味当然ではある。またこの時期には性器のシミも生じてくる。これは皮膚の老化により皮膚がダメージによりシミになるやすくなるもの、主に傷、湿疹、出来物(吹き出物)で起こる(赤く腫れるぐらいではならないが)通常オナニーで性器に傷をつけることはないが、傷がつけばなる可能性はある。ただ、傷以外でもなるので、傷をつけなくても普段の生活で充分シミはできてしまう。現実に気づかない人も多いがシミある人は若い男女でもたくさんいる。勿論性器のどこにでもでき得る。大きさ、個数は人それぞれ、男性では亀頭、陰茎、そして包皮、また包皮の内側にある人もいる、女性も当然、小陰唇、大陰唇にある、これらも当然加齢とともに生じてくるごく自然なことである。逆に手の摩擦箇所の皮膚が擦りむけてくることもある。
    • 俗に利き手の方向へ陰茎が曲がるなどと言われる。あくまで俗説であり変形は軽いものである。また、陰茎亀頭を包む包皮を利用してオナニーをすることで、包皮が伸びてしまい仮性包茎になりやすいという説があるが、これは俗説でしかなく、実際には皮が厚くなる程度。
    • オナニーの経験回数が増えるに従って、性器への刺激が増さないと射精しにくくなる傾向があるが、自分の手による刺激に慣れてしまうと、女性との性交時に、女性の膣圧が弱く感じられ、射精できなくなる(遅漏になる)という報告もある。性的興奮には個人差が大きいため必ずしも自慰によるものではなく性的興奮をもたらす要因にも関わる場合がある。
    • オナニーをすると老化やハゲなどにつながると言われることがある。男性ホルモンの分泌量増加を理由として主張する者もいるが、実際にこうした医学的証明があるわけではなく、俗説の域を出ない。
  • 女性
    • 男性同様、性器の黒ずみに関してはオナニー・性交の摩擦と関係があるという俗説がある。しかしオナニーや性交の摩擦によって小陰唇に色素が沈着し黒ずむわけではない。ただ、オナニーの方法や頻度により小陰唇が多少伸びることがある。しかし身体改造的に行なわなければ大きな変形とはならない。性器の色素沈着は加齢とともに起こるもので、男性同様遺伝的なもので皮膚の収縮が高い小陰唇が濃く[5]大陰唇がそれよりも薄く黒ずむ[6]。また、メラニン色素の量により黒ずみには個人差がある。特に思春期の色の変化は時期的にオナニーとの関係が疑われやすいが、ほとんど関係はないとされる。また男女ともに黒ずみ方は均一ではない(生物の細胞は100%均一ではないので個人差はあるがまばらなもの)になる。そして、医学的な統計は出ていないが男女ともに性器が黒ずんでいる人はほとんどである(日本人は黄色人種であり皮膚に黒色色素をそれなりに含んでいる為黒ずみが起こりやすい)
    • 美容整形の分野ではこうした色素沈着を取り除く薬品や処置を提供している場合もあるが、加齢による色素の沈着はある程度自然な成り行きなので過剰な性交や自慰との関連をことさらに不安視する必要はない
    • 性器を清潔に保つことで、性行為感染症をある程度防ぐことができる。傷や病気になった場合主に精神的な要因で性に対する忌避が起こる場合があるので、指や体に触れる器具を清潔に保ち、傷がついた際に感染症にかからないよう気をつける必要がある。また傷も色素沈着の原因となりやすい。
    • 女性の場合、性的刺激を与えることで女性ホルモンの分泌を促すことができる。そのため、女性らしい体、妊娠しやすい体を作る効果がある。性的興奮は個人差が激しく、女性全般に対して自慰行為のみに利点があるわけではない(虚しい、みじめという感覚をもつ女性にとっては自慰が罪悪感をもたらすため)。

オナニーの有用性について

オナニーする女性 グスタフ・クリムト画(1913年)
オナニーする女性 グスタフ・クリムト画(1913年)

心理学の見地から、オナニーは自我の形成に重要な役割を果たすとも言われている[要出典]。自らの指を汚しながら人間が人間であることを確認する行為である。

現代的な考えではオナニーを性交の練習として捉える傾向もある。自身の性的快楽の習得方法を学ぶ方法として有用であり、同時にパートナーの性的快楽を理解し把握する訓練に利用できるとするものである。

男女の性的快楽は陰茎・陰核の亀頭部が主体となるが、一箇所の刺激のみではマンネリズムに陥りやすい。この為オーガズムに到達する時間が長引くか、あるいは意欲が喪失することがある。そこで新たな刺激を求め、身体の亀頭部以外の場所(性感帯)を刺激したり、エロティックな視聴覚対象などで興奮を高めたりする。これは性交においても同じであり、マンネリズム回避の方法を習得しパートナーとの性的快楽をよりよい方向へ導く学習としても有用である。

特に思春期の男女児は性ホルモンの分泌が成人より活発であるため、頻度が多いといわれている。男児は夢精の予防も兼ねて、落ち着いてオナニーできる就寝前あるいはその前の入浴時等に済ませるのが一般的といわれている。また、早朝の朝立ちにより眼が覚めてしまうと勃起したままでは再び寝付きにくいので、オナニーにより勃起を収めることもある。

オナニーの体力消費について

有名な俗説として、一回の自慰はおよそ100メートルの短距離走と同じくらいの体力を消費するという話があるが、人によって疲労感はそれぞれであり、正しいとは言い切れない[要出典]。また、話題が話題だけに[要出典]何度も繰り返し報道や記述されたものは無いが、米国の或る学者が研究したところによれば、一回の性交で男女ともオーガズムに達した後の疲労度は男子の場合100メータを疾走、女子は50メータの散歩程度に相当すると2000年に入ってから日本のテレビで報道された[要出典]

オナニーの有害性について

2003年に出版された女性科学研究所の著書では、知力低下、疲れやすくなる、肺病にかかりやすい等の説は、数十年前まで信じられてきたものであるが何の根拠がなく子供が痴態に耽るのを防ぐための迷信であると意見している。

オナニー行動

オナニーは、老若男女を問わず見られる行為だが、特に性的欲求の高い第二次性徴期~結婚前の若者に、よく見られる。第一次性徴期であっても、オナニーは多く見られる。女児では、手で性器を刺激するほか、机の角に性器をこすりつけたり布団をはさんだりする。男児では、手で刺激するほか床にこすりつけたりし、行為次第では男児女児ともオーガズムを得られる。このオーガズムは成人と変わりないが、男児では精子が生産されないために、女児のように性器の律動運動のみが観察される。オーガズムを得る年齢はキンゼイらの報告によれば1歳未満でも習得可能であることが示されており、別の研究者によれば女の胎児が胎内でオーガズムに似た行動を観察したという報告もある。幼児期のオナニーは、成人にあるようなエロティックな興奮は少なく、たいていは性的刺激が気持ちよくて行為を繰り返してしまう(とくにオーガズムを経験した場合)というものであり、心配するようなものではない。

オナニーは病気でもなく害もないが、慎むべきものとする風潮が以前はあった。だが、現在の性教育では、過剰な性欲を解放する手段、成人になってからの性交に備えてのトレーニング、自分の身体に親しむ行為、といった肯定的に捉える傾向に変わってきている。男性では射精を伴うことから、行為後にかなり疲労を覚える。

オナニーは一人で行う行為であるので、他人から干渉を受けないように一人になれる場所で行うのが通常である。そのため他人のオナニーを目にする機会はあまりないので、それを見てみたい・見せたいと思う者もあり、アダルトビデオではひとつのジャンルとなっている。また、夫婦やカップルにおいては、性行為時のひとつのバリエーションとして互いにオナニーを見せ合う(「相互オナニー」「相互観賞」等という)ことも行われる。さらには、男性客のオナニーを女性店員に見せるオナニークラブ(オナクラ)と呼ばれる風俗店もある。

オナニーの方法

男性

男性のオナニーの例
男性のオナニーの例

男性の場合は、一人になれる場所で性的興奮により勃起した男性器を握り、手をピストンのように上下に動かしたり擦ったりするほか、亀頭部をやわらかいもので刺激したり布団に押し付けたりして刺激する。陰茎の包皮は亀頭を保護する膜なので、被せたまま刺激するケースも多い。刺激を与え続けることにより、オーガズムを得て射精に至る。自ら性的興奮を増大させるために、通常、成人向けの写真やビデオのほか成人向けのマンガアニメゲーム・小説など(俗に「おかず」や「オナペット」)を見ながら行ったり、異性の裸体や異性との性的行為等を想像して行う。

射精にいたるまでの時間は、個人の状態または周囲の状況などにより異なり、すぐに射精する者から1時間以上かける者もいる。1度射精すると勃起状態が一気に解消され、連続しての射精はできない。再び勃起し射精するにはある程度の時間を要する。

オナニーの頻度については、1日1回だとか朝晩2回だとか、1日に何回するのが適切なのか、何回以内に抑えるべきものなのか、自身で悩んだり仲間内で話題になることもしばしばあるが、結局は自身の体力によって適正な頻度に落ち着くものと考えられており、他人とその頻度を比較することに意味はない。

身体の柔らかい人が、自分の口に咥えこんでする場合がある。これを、「オートフェラチオ」という。

女性

女性のオナニーの例
女性のオナニーの例

女性は、自分の性器(特に陰核、尿道口など)や乳房(主に乳首)や肛門を指で刺激するほか、最近ではバイブレータ陰茎を模した振動機)を使用する人もいる。また、陰部を圧迫するだけでオーガズムに達するという人もいる。 女性科学研究所の著物によると女性は、基本的に、男性と違いホルモンバランスの影響を除き生理的な欲情が発生しないため外的要因によって、脳を興奮状態に置く必要があるとされている。 その例として「好きな男性が抱きついてくること」や「実際に性交に及ぶことをイメージする」などがあげられる一方で「ポルノ映画などのシーンを想像することは少ない」とされている。 また同著者の2003年に出版された「ひとりHマニュアル」によれば、女性の場合は、18歳までに約80%が自慰行為を経験していると述べている。

肛門への刺激

前立腺マッサージの為のエネマグラ
前立腺マッサージの為のエネマグラ

肛門に指や性具浣腸を挿入し刺激することをアナルオナニーと呼ぶ(略してアナニーと呼ぶ場合もある)。単に挿入の快感そのものを楽しむものや、S字結腸を刺激し楽しむもの。男性の射精(オーガズム)は前立腺の刺激によるものであるため、エネマグラなどの器具で直接前立腺を刺激して性的快感を得る方法もある。この場合、オーガズムに達しても射精を伴わないので、長時間にわたって快感を得ることが出来る。この前立腺は、女性のGスポットと呼ばれる部位と同じであると考えられている。

道具

オナニーは手のみで行う事が多いが、人によっては道具を使用する場合がある。

男性の場合、オナホールと呼ばれる女性のを形取った物に挿入することで、女性器への挿入に近い快感を得て射精する者もいる。同様に女性の場合は、男性器を模した性具ディルドー(昔はこれを「張形」と呼んでいた)を使用する場合もある。また電動で振動する「バイブレーター」を膣口に挿入し性交に近い快感を得る者もいる。

また男性の場合、女性の人形ラブドールダッチワイフ)を使って、擬似性行為を行ない射精する者もいる。実際の女性ではないのでこれもオナニーといえる。

他の呼称

  • 男性のオナニーは「せんずり(千擦り・千摺り・腺摺り・腺擦り)」「かわつるみ」ともいう。「せんずり」は、男性器を手で幾千回も擦り続けることから来ており、江戸時代からあった呼称である。江戸時代の川柳に「千摺りは隅田の川の渡し銛 竿を握いて川をアチコチ」とある。「かわつるみ」は、川で交尾するという意であり、鎌倉時代に成立した宇治拾遺物語巻一の十一に確認できる。
  • 男女のオナニーは「自涜」、「手淫」とも言い、どちらも明治初期に考案された呼称である。「自涜」は、自らを穢すという意であり、「手淫」にもオナニーを忌むべきものとする考えが背景にある。この時代には、オナニーは悪であるというのが一般通念であり、この2つの呼称の悪いイメージを払拭するために小倉清三郎が1922年に考案した呼称が自らを慰めるという意の「自慰」である。 尚、「手淫」という言葉には、広義に手を使って性的刺激を与える(快楽神経が興奮し、陶酔状態に陥る=淫ら)行為全般を指し、相手の性器を手で刺激したり相互自慰(互いの性器を刺激しあうこと)も含んでいる。
  • セルフプレジャー」は猥褻でない保健用語として使用が進められるが、生徒側への普及は芳しくない。
  • 若年男子を中心に略語として「オナる」「マスをかく」、また俗に「抜く」「シコシコする」あるいは「シコる」「一人エッチ」などと表現する場合もある。

その他

  • ジミー大西のギャグ「やってるやってる!」の由来はジミー大西が楽屋にいる際、先輩らから「ジミーちゃん、オナニーやってる?」と質問され、「やってるやってる!」と股間の前でオナニーの手の動きをしていたことからきている。その手が頭部横に持ってこさされて、今現在の「やってるやってる!」になったとのこと。
  • 三菱自動車パジェロ (PAJERO)は、スペイン語でオナニーという意味のスラングである"pajillero"などの単語を連想させてしまうため、海外の一部地域 (中南米など) では「モンテロ (Montero)」にネーミングを変えて販売されている。
  • 自己満足と自己陶酔を兼ね備えた発言等をオナニーと呼ぶ場合がある。
  • 「猿にオナニーを覚えさせると一生続け、最後にはそれが止まらなくなって死んでしまう」という俗説はあくまでも科学的根拠の無い邪説であるが、哺乳動物においては人が教えなくてもしばしば擬似的にオナニーをすることが知られている。


脚注

  1. ^ バチカン公式ホームページ:Catechism of the Catholic Church[2352]
  2. ^ オナニーの法的な位置づけは、完全な容認から犯罪としての扱いまで、その扱いに大きな幅があった。後者の極端な例としては、厳格なピューリタンによって拓かれた植民地時代のアメリカ コネチカット州 ニューヘイブンの開拓地で1640年代に書かれた同地の法典で、そこには「冒涜者同性愛者、自慰者への最高刑は死刑」と書かれていた(James, Lawrence (September 15, 1997). The Rise and Fall of the British Empire. St. Martin's Griffin, 41. ISBN 978-0312169855)
  3. ^ カントは自著『教育学』(1803年)において自慰の有害性を主張し、終生独身を貫いた。
  4. ^ クラフト=エビングはオーストリアの精神医学者。性的倒錯の研究書として著名な『性的精神病理( Psychopathia Sexualis )』を1886年に公刊した。「サディズム」「マゾヒズム」という言葉を生み出した人物でもある。
  5. ^ 男性同様皮膚のシワの収縮もある
  6. ^ 女性のVラインは下着がきついと擦過傷になり黒ずむことがある

参考文献

  • 『自慰――抑圧と恐怖の精神史』(ジャン・スタンジェ、アンヌ・ファン・ネック共著)原書房
  • 『セクシュアリティの歴史社会学』(赤川 学)勁草書房
  • 『性の歴史Ⅰ 知への意志』(ミシェル・フーコー)新潮社
  • 『性』(石川弘義・野口武徳 共著)弘文堂
  • 『ナショナリズムとセクシュアリティ―市民道徳とナチズム』(ジョージ・L. モッセ)柏書房
  • 『オナニズムの歴史』(Duche,Didier-Jacques著、金塚貞文訳)白水社 1996 - 原タイトルは、Histoire de l'onanisme.
  • 『女のオナニー教本』(女性科学研究所著)データハウス 2005.6
  • 『ひとりHマニュアル』(女性科学研究所著)データハウス 2003.11

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