ハゲ
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ハゲ(禿、禿げ)とは、老化、疾病および投薬、火傷などにより髪の毛が薄い、もしくは全くない頭部などを指す。またハゲた場合頭皮に艶が出やすい。
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[編集] 原因
毛が抜けることをそうじて脱毛症という。医学的側面についてはそちらを参照のこと。
[編集] 老化
もっとも普通に見られるのは、老化によるハゲである。特に男性に顕著で、年が進むにつれて毛の生える面積が狭くなるようになる。その進み方は大きく二つあり、ひとつは額から上向きに顔面が広くなるように禿げる。これを禿げ上がるという。特に両こめかみからよく進む。
もう一つは頭頂部から次第に髪の密度が少なくなるように禿げる。その結果、てっぺんに地肌が出るが、まわりの髪は残るから、これを伸ばして禿の上を覆うようにすると、毛がまばらになった隙間から肌が見えるのをバーコードに見立てたのがバーコードハゲという呼称になった。両者が同時に進む場合もあるが、最終的には後頭部に髪が残り、最後にはすべて無くなることもある。
女性の場合、完全に禿げることは少ないが、次第に髪の密度が低くなるのは普通で、普通は頭頂部付近から全般に薄くなる。
[編集] 精神的理由
ストレスで髪が抜ける場合もある。円形脱毛症は代表的な例である。
[編集] 病気
円形脱毛症にはアレルギーなどが原因の場合もある。他にケルズス禿瘡など。
[編集] 薬
薬剤の副作用として頭髪が抜ける例もある。抗ガン剤はその点で有名。
[編集] 放射線
放射線の作用として毛が抜けて生えなくなる。『はだしのゲン』を参照。
[編集] 外傷
頭髪の出る部分の皮膚に怪我をすると再生した皮膚から頭髪が出ない。小さいものならわからないが、ある程度の範囲があると、小さなハゲとして認識される。やけどの場合、広い範囲となる可能性がある。
[編集] 自分で抜く
以上は毛が抜けたり生えなくなることでハゲになるものだが、中には自分自身の加工でハゲになるものもある。ファッションとしてのスキンヘッドや、職業による坊主等の例がある。その他、精神的なストレスのために自分で毛を抜いてしまう、という例もあり、抜毛症という。
ハゲとは後天的な問題でありどうしようもないことである
[編集] 文化的側面
その状況により、さまざまな表現を用いる。10円ハゲ、テッペンハゲ、ツルッパゲ、丸ハゲ、Mッパゲ、バーコードハゲなどが知られる。
剃髪して無髪となっている坊主頭と故意に混同されることも多い。合体させた「ハゲ坊主」などという悪口も存在する。
英語ではハゲは「ボールド・ヘッド」と表現される。和製英語ではスキンヘッドと称されるが、これは日本以外ではハゲそのものを意味する語とはならない。
ツルッパゲ、丸ハゲ以外は動物の毛が一部抜け落ちている場合にも使用される。
転じて山などで植生が失われている場合にもはげ山などと用いる。総じて俗語であり、またこれにコンプレックスのある人も多いため、度々悪口として用いられる。 かつてものまね王座決定戦でモト冬樹が度々ハゲ頭を見せて笑いを取るというネタをしたためにハゲ=嘲笑の対象というイメージが付いた感もある。また吉本新喜劇の島田一の介も自らのハゲで毎回笑いを取っているのが知られる
悪口として使用される場合、大抵カタカナで「ハゲ」と表記される。また対象となる者の頭髪の有無にかかわらず罵り言葉として用いられる場合もある。公的な場所ではまず用いるのはよくない。しかし、「頭がはげている」など、事実を言っただけの場合には悪口として受け取られず、的確な描写となることもある。また頭髪を丸刈りにした者が自ら「ハゲにした」などと笑い話的に言うケースもあり、使用は時と場合、使い方を考えた上でなすべきと言える。もっとも後述のように女性が年配の男性を中傷する場合には多用されていることも否めない(とくに女性文化人や女性芸能人などにその傾向が認められる)。
若い女性特有の表現として、エロハゲ、セクシーハゲなる単語が存在する。主にハゲている男性に対する個人的あるいは集団的な総意に基づく印象や評価・感情により、悪い場合は前者を、好ましい場合や相手を持ち上げる際等には後者を、それぞれ区別して使用する。
[編集] ハゲ自慢
ハゲはじめは男性にとって恥ずかしく感じられる。それを目立たなくするために髪型などを工夫すると、『ハゲ隠し』と笑われる。しかし、いよいよ禿げてしまえば開き直るより仕方ないので、ハゲを自慢する方向に転じる向きもある。禿頭コンクールが開催されたこともある。中には禿頭に卵白でパックして艶を出す人もいるらしい。
[編集] 頭髪以外での用例
ハゲ(剥げ)とは、年月の経過、天候・気温・湿度の影響などによって塗料などが剥がれてしまっている部分をいう。またその状況。意図して剥がした場合には言わないことが多い。接着剤で接合したものがはがれかかっている場合にも、言うことがある。この状態を表現する語としては「ハゲチョロ」も多用される。
[編集] 社会人類学的考察
江戸時代、男の髪型はチョンマゲであることが当然であった。諸説あるが、前髪から頭頂部を剃り上げることを特徴とするチョンマゲにおいては、ハゲを気にすることなく、むしろ前頭部を剃り上げる若者に対して、「頭の青い~」と揶揄することから、ハゲに悩む為政者により、巧妙に文化とされたヘアスタイルである、との有力説がある[要出典]。同様のヘアスタイルは、清国にて全ての男性に義務付けられた辮髪がある。
[編集] 旧ソ連における、歴代支配者を巡る頭髪の法則
レーニンにより始まった共産国家ソビエト連邦において、スターリン、フルシチョフ、・・・、ゴルバチョフ、エリツィン、そして今日のプーチン、次のメドベージェフに至るまで、歴代支配者の頭髪が、ハゲか否かで順繰りとなっている。これはつるふさの法則と呼ばれる。