阪急バス伊丹営業所
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阪急バス伊丹営業所(はんきゅうばすいたみえいぎょうしょ)は、兵庫県伊丹市南町三丁目にある、阪急バスの営業所である。営業所最寄りの停留所は「伊丹営業所前」。阪急観光バスの営業所を併設している。また、路線バスの運行業務は阪急田園バスに委託されている。営業所の裏手はJR宝塚線の線路に面している。
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[編集] 概要
兵庫県立尼崎稲園高等学校開設の為に閉鎖される事となった「尼崎営業所」を移転する形で、1979年8月に開設された。
主な路線網は、伊丹市を中心に、尼崎市東部、川西市南部、大阪府に入り池田市と豊中市の一部に乗り入れる路線を担当している。また、飛び地路線となる、箕面マーケットパーク・ヴィソラシャトルバスも担当しており、吹田市・豊中市・箕面市を通っている。さらに、園田競馬場開催時の臨時バスも担当している。
かつては、西宮市への路線も通年運行していたが、現在は臨時便のみである。他の営業所と異なり、伊丹市と尼崎市には市営バスが存在するため、阪急バスの路線はターミナルと市外を結ぶ路線に限られていることから、1980~90年代に行った減便・減車の影響より営業所の規模も開設時に比べ縮小されている。西宮方面の定期路線をやめたことで運行エリアも狭くなった。
[編集] 運行路線
[編集] 尼崎線
- 56系統:尼崎(阪神尼崎)~尾浜~つかしん前~伊丹営業所前~伊丹本町~機工前~久代口~川西バスターミナル
- 57系統:尼崎~尾浜~阪急塚口
- 55系統:尼崎~尾浜~阪急塚口~つかしん前~伊丹営業所前
- 56系統:尼崎~尾浜~つかしん前~伊丹営業所前
- 56系統:川西バスターミナル~久代口~機工前~伊丹本町~伊丹営業所前
- 56系統:久代口→機工前→伊丹本町→伊丹営業所前→つかしん前→尾浜→尼崎
- 阪神尼崎から駅前の兵庫県道13号尼崎池田線(通称:産業道路、尼崎市内では玉江橋線)を北上し、伊丹市を経て川西市の中心部を結ぶ幹線である。このうち、メインの56系統は、昼間時は20分毎の運行で、区間便として55もしく57系統が尼崎市内を中心とした需要に応える形となっている。また、57系統は阪急神戸本線・阪急伊丹線と阪神本線の間を連絡する意味合いもある。昼間時は12分毎。阪急電鉄がかつて、伊丹線を尼崎まで延伸しようと計画していた名残と見ることもできる。このため、尼崎~塚口(ピッコロシアター前)までは便数も多くなる(間隔は1~12分とばらつきがある)。
- 56系統は、元々は阪神尼崎から川西能勢口(現小花一丁目バス停)を経て、阪急池田との間を結んでいた系統で、運行本数もピーク時の1970年代で現在の倍以上あったが、並行するJR宝塚線の輸送改善や道路渋滞による影響で客離れがすすみ、数次にわたり減便を強いられるようになる。川西~池田間については、国道176号の渋滞による遅延が多く発生し、1991年2月20日の川西バスターミナルの開設により、川西での折り返しが容易になったことから、同日の改正から昼間時以外は尼崎~川西間の運行となり、その後1997年10月16日の改正により(桃源台線の便も同時に)池田乗り入れ便は廃止された。廃止後の川西~池田間を運行する路線としては杉生線の便が1時間に1本程度運行されていたが、2002年3月24日の改正で杉生線の便も廃止となり、池田~川西間の定期路線は全て廃止された(ただし、深夜急行バススターライナーが同区間を降車扱いするため、池田→川西方向の停留所は残っている)。また、産業道路も阪急神戸本線との交差部分(現在と違い、神戸本線が産業道路の下をくぐっていた)やJR宝塚線との交差部分(現在の立体交差以前は踏切だった)~国道176号との交差点の区間など、以前は片側1車線で渋滞しやすいポイントが多かったが、2005年に全区間が片側2車線以上に拡張され、また神戸本線も高架化により、交差部分の道路幅が拡幅されたため、渋滞による遅れも減少している。なお、方向幕は「阪神尼崎」だが正式な停留所名には「阪神」がつかず、ただ単に「尼崎」である。
[編集] 桃源台線
- 60系統:阪急伊丹~春日丘~総監部前~北村
- 61系統:川西バスターミナル~上加茂~総監部前~北村
- 62系統:阪急伊丹~春日丘~総監部前~上加茂~川西バスターミナル
以前は82系統を名乗ったが、改編により60番台に変更された。途中(清水橋~コニカミノルタ前間)に狭隘区間があり、バス同士の円滑な離合を図るための専用信号が設置されている関係で、信号に対応するアンテナを搭載した専用車が充てられている(同区間を運行する伊丹市営バスにも専用車がある)。概ね20分毎の運行(朝夕は15分毎)。北村発着は早朝・夜間に運行される。
[編集] 伊丹石橋線
- 阪急伊丹を出てJR伊丹を経由したあと、県道13号(産業道路)と国道171号を走行し阪急石橋まで運行する系統である。北村より先は豊中西宮線(96、97系統)に並行するものの、阪急石橋付近の経路が異なり、83系統は循環して伊丹に戻る。かつては1時間間隔の運行だったが、1998年12月25日の改正より1日朝昼夕各2便ずつの計6便に減便された。JR伊丹への乗り入れは1989年5月18日の改正から。
[編集] 岡町線
- 81系統:ダイヤモンドシティ(JR伊丹東口)~宮川原橋~走井~克明小学校前~豊中
- 82系統:阪急伊丹~ダイヤモンドシティ~宮川原橋~走井~克明小学校前~豊中
- 84系統:阪急伊丹~宮川原橋~走井~克明小学校前~豊中
伊丹と豊中を結ぶ路線である。途中、大阪国際空港の滑走路の下をくぐる。宮川原橋までは伊丹市営25番(阪急伊丹~空港)と概ね並行する。ダイヤモンドシティの完成により、乗り入れ系統が新設された。平日は82系統を基本に81系統が加わるため、ダイヤモンドシティ~豊中間は20分毎になるが、土曜と休日は81系統がなく、82系統とダイヤモンドシティを経由しない84系統が交互に概ね1時間毎の運行となる。
なお、81系統・82系統の新設に伴い、従来からある84系統も含め、克明小学校前~豊中の経路が、従来の一方通行循環(克明小学校前→豊中→北桜塚→桜塚→克明小学校前)から、豊中折り返しの往復同一経路に変更された(間にある 岡上の町二丁目 の停留所は、南ゆき経路にのみ存在し、北ゆき経路にはない)。
[編集] 園田線
伊丹市南部から尼崎市北東部を結ぶ路線。メインはJR猪名寺~阪急園田間で、この区間では40分おきに運行される。それ以遠まで運行するのはその半分になるが、阪急伊丹発着は昼間時のみとなる。両駅間は尼崎市営バス20番の路線もあるが経路が異なり、20番は園田競馬場や田能を経由するのに対し、こちらは山陽新幹線高架に並行する道を運行する(ワンマン化以前は、瓦宮から園田支所前を通り、稲野に出るルートであった)。藻川を渡る付近に狭隘路がある。
[編集] 満願寺線
川西能勢口駅および雲雀丘花屋敷駅から満願寺、愛宕原ゴルフ場へと行く路線。昭和3年~7年にはこの満願寺線とほぼ同経路で日本初のトロリーバス(日本無軌道電車)が走っていた。
下の雲雀丘花屋敷駅~愛宕原ゴルフ場間の運行がメインで30分毎(朝は増える)だが、川西バスターミナル発着は2時間に1回程度である。もとは石橋営業所の担当であったが、1998年の改編時に移管された。
[編集] 伊丹西宮線(臨時便)
1月の下記の参拝時期にそれぞれ運行される。この2系統のみが運行している阪急伊丹~昆陽ノ里および甲武橋西詰~阪急門戸~能登町の各区間は1998年12月までは86系統(過去の担当路線->伊丹西宮線を参照)が通年運行をしていた。兵庫県道334号寺本伊丹線と国道171号を経由しており、国道区間では豊中西宮線(96・97系統)と並行する。運行時刻は1月初め~半ばに公開されるが、起終点の阪急伊丹と西宮戎(または阪急門戸)を除いては発車時刻を設定していない。
[編集] 西宮戎大祭時(毎年1月9~11日)にのみ運行
西宮市内線・西宮北口~西宮戎系統と同様に方向幕にはえびす様の絵が描かれる。
- 阪急伊丹~小井ノ内~昆陽ノ里~甲武橋西詰~阪急門戸~広田~(ノンストップ)~西宮戎
[編集] 門戸厄神厄除大祭時(毎年1月18~19日)にのみ運行
- 阪急伊丹~小井ノ内~昆陽ノ里~甲武橋西詰~阪急門戸
- 「阪急門戸」停留所(国道171号線・門戸陸橋西交差点)は、一般客向けの告示には「門戸厄神」という表記になっており、バス停から門戸厄神東光寺までは1kmほどの距離がある。
[編集] 園田競馬線(臨時路線・運賃無料)
- 阪急園田~園田競馬場
園田競馬開催日や姫路競馬場の場外発売日にピストン運行される。車両は運賃箱やカードリーダーを撤去した専用の車両が使用される。方向幕には園田競馬場の馬のマークが描かれている。
[編集] 過去の担当路線
[編集] 尼崎線
- 56系統:尼崎~尾浜~つかしん前~稲野~伊丹営業所前~伊丹本町~北村~久代口~川西バスターミナル~池田
- 58系統:尼崎→尾浜→つかしん前→稲野→伊丹営業所前→伊丹本町→北村→久代口→早苗の森→池田
- 59系統:阪急伊丹~伊丹本町~JR伊丹~北村~久代口~川西バスターミナル~JR川西池田~池田
尼崎線(現存路線)の項を参照。
[編集] 桃源台線
- 82系統:阪急伊丹~春日丘~総監部前~上加茂~川西バスターミナル~池田
- 80系統:阪急伊丹→春日丘→北村→総監部前
- 80系統:北村→総監部前→春日丘→阪急伊丹
82系統の池田乗り入れは1997年10月に廃止し、その後1998年12月の改編で62系統に改番となる。80系統は1998年12月の改編の際、北村→阪急伊丹系統を往復化のうえ60系統に改番、あわせて川西~北村間の61系統を新設した。
[編集] 園田線
- 85系統:阪急伊丹~伊丹営業所前~稲野~上食満~阪急園田
- 85系統:伊丹営業所前~稲野~上食満~阪急園田
- 89系統:阪急塚口~つかしん前~稲野~上食満~阪急園田
園田線の中には、塚口からの系統が存在していた。また、85系統はJR猪名寺には立ち寄らない系統である。いずれも1998年12月25日の改編まで運行されていた。
[編集] 伊丹西宮線
- 86系統:阪急伊丹~小井ノ内~昆陽ノ里~甲武橋西詰~阪急門戸~阪神東口
阪急伊丹から西宮まで結んでいた。阪神東口(方向幕は「阪神西宮東口」)は廃止された西宮東口駅近くに発着していた。国道171号経由で運行されていたが、末期は1日3往復のみとなり、1998年12月の改編で休止された。
[編集] 伊丹甲子園線
- 87系統:阪急伊丹~小井ノ内~昆陽ノ里~甲武橋西詰~上武庫橋~JR甲子園口
こちらも伊丹西宮線と同様に1998年の改編時まで運行していた(末期の本数は1日3往復)。甲武橋を渡るところまでは同じ経路で、橋を渡ったところで武庫川沿いの兵庫県道114号西宮宝塚線に入り、武庫川線(36系統)に並行して甲子園口まで運行していた。
[編集] 神崎線など
- 阪急伊丹~国鉄尼崎~阪神尼崎など
- 旧尼崎営業所時代の路線。尼崎市交通局を参考
[編集] 箕面マーケットパーク・ヴィソラシャトルバス
- 千里中央~かやの中央(箕面マーケットパーク・ヴィソラ)
- 北千里~千里中央~かやの中央(箕面マーケットパーク・ヴィソラ)[1]
正式路線名(社内のみ)は箕面市内線白島系統。箕面市新都心「かやの中央」地区街開きに伴い、2003年10月1から運行開始。2004年1月4日まではこの系統のほかに無料の臨時便も運行されていた(但し経路等はこの有料便と異なる)。「千里中央→ヴィソラ→千里中央」という形態の往復輸送を目的としており「千里中央→かやの中央→千里中央」の利用に関してのみ運賃割引制度(往路の下車時に復路分無料乗車券参考を渡し、片道運賃で往復出来る制度)が導入されている。[2][3]2006年10月には朝・夜の時間帯を除いて北千里へ延長して利便性の向上に努めているが、本数に関しては全体として運行開始当初より減便・運行規模の縮小が見られている。車両はほとんどの場合ヴィソラのラッピングがされている専用車両が使用される。なお、営業所からの回送距離が非常に長いため、昼間は千里中央車庫をベースに運用されており、乗客案内も同車庫がその対応に当たっている。2007年12月頃に 石橋営業所に移管され、路線名も変更となった。
[編集] 車両
1995年に、阪急バスとしては初めて日産ディーゼル車が当営業所に配置され、以後日産ディ車の比率が高い。園田線については、狭隘路運行ため中型車が配属される。また、桃源台線も大型車が狭隘路を運行するため、専用の無線アンテナを装備する。尼崎線は、かつては旺盛な需要に応えるため、千里ニュータウンエリアや加島線同様にロングボディ車が使用されていたが、現在では純粋な大型車の導入は少なくなっており、代わりに中型ロングボディ車が増えている。中型ロング車の中には、AT車も在籍している。