神戸新聞社
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社神戸新聞社(こうべしんぶんしゃ)とは兵庫県神戸市中央区に所在する新聞社である。
目次 |
[編集] 概要
神戸新聞(朝刊・夕刊)を発行している。発行部数は約55万部(朝刊、2001年)。尚、神戸新聞は1898年2月11日に創刊、翌12日から14日まで3日間休刊したが[1]、以来無休刊の伝統を保っている。
又、近畿地方の西部を範囲に収めている事からブロック紙と目される事も度々である。京都新聞とは災害時の新聞発行協定を結んでいる。概ね購読率が高いが、阪神地域では比較的低い。
尚、1889年7月~1891年12月にも「神戸新聞」が存在していたが、立憲改進党系の政論新聞で現在の神戸新聞・神戸新聞社とは一切関係が無い。
毎月1日付朝刊の1面題字下に「神戸新聞社是」(「私たちは、新聞人として、地域社会の発展と福祉の向上につくす。」)を掲載する。
[編集] 歴史
- 1898年2月11日 - 川崎正蔵によって神戸新聞が創刊(神戸新聞社発足は同年2月1日)社主は川崎芳太郎。
- 1899年2月11日 - 松方幸次郎(株式会社川崎造船所(現・川崎重工業株式会社)社長)が神戸新聞社初代社長に就任
- 1918年8月12日 - 米騒動で鈴木商店と共に本社焼き打ちされて全焼するが、8月13日付新聞を関連会社の「神戸社」で代行印刷。無休刊で発行
- 1920年11月1日 - (神戸)川崎財閥から脱して株式会社化
- 1925年11月25日 - 紙齢1万号
- 1931年8月1日 - 神戸新聞、京都日日新聞及び、大阪時事新報が合併して三都合同新聞が発足
- 1933年12月21日 - 京都日日新聞を分離。
- 1935年7月22日 - 大阪時事新報を分離。社名を再び株式会社神戸新聞社とする
- 1945年3月17日 - 神戸大空襲で東川崎町の本社全焼、死傷者出る。3月18日付から10月14日付までの新聞を朝日新聞社で委託印刷。無休刊
- 1948年8月1日 - デイリースポーツを創刊
- 1952年4月1日 - 神戸放送(通称、ラジオ神戸。現・ラジオ関西)を開局
- 1953年7月2日 - 紙齢2万号
- 1955年2月1日 - 株式会社デイリースポーツ社設立(現・連結子会社)
- 1956年5月3日 - 本社を新開地から国鉄(現・JR西日本)三ノ宮駅前の神戸新聞会館に移転
- 1958年11月22日 - 関西テレビ放送を開局
- 1961年10月7日 - 企画広告「癌と闘う」が日本新聞協会の第4回新聞社広告企画賞に初入賞
- 1965年10月20日 - 「淡路における住民参加の共同社会開発」が日本新聞協会賞(編集部門)受賞
- 1969年5月1日 - サンテレビジョンを開局
- 1981年3月21日 - 紙齢3万号
- 1988年 - 日本ABC協会の1月定数で朝刊発行部数が505,483部。創刊以来初めて50万部を超える
- 1994年1月1日 - 京都新聞との間に「緊急事態発生時における新聞発行援助協定」を締結
- 1995年1月17日 - 阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)で神戸新聞会館が全壊、紙面制作システムが壊滅。「緊急事態発生時における新聞発行援助協定」を結んでいた京都新聞の協力で無休刊で発行、震災の生々しい現状を伝えた。
- 1996年7月1日 - 神戸ハーバーランドの神戸情報文化ビル(エコール・マリン)に神戸新聞社新社屋が完成
- 1997年 - 神戸連続児童殺傷事件で、「酒鬼薔薇」と名乗る犯人から犯行声明文が届く
- 1998年2月11日 - 創刊100周年
- 2007年 - 阪急タクシーを使って販売店への新聞配送を違法に行っていたとして、京都府警の家宅捜索を受ける
- 2008年2月より新ロゴマーク制定(新聞の題字は変更していない)
[編集] 阪神・淡路大震災当時
1995年1月17日、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)が発生。当時、神戸新聞本社があった新聞会館も被災し、ビルの全壊という被害が発生した。この当時、神戸新聞・デイリースポーツの新聞印刷機能については神戸市西区の西神ニュータウンに建設された「神戸新聞製作センター」に移動していたが、編集部門など新聞発行の心臓部ともいえる機能が被害の犠牲となる。この為新聞の発行が難しくなるのではないかという不安が募った。
しかし1994年に京都新聞との「緊急事態発生時における新聞発行援助協定」を結んでいたことから、この日に発行の夕刊から通常よりも頁数が大幅に削減されたものの無休で新聞の発行を続けて震災発生当時の神戸の惨状を的確に伝えた。
その当時、神戸新聞社はラジオ関西と合同で神戸ハーバーランドに自社新社屋ビル「神戸情報文化ビル・エコールマリン」が建設中で、1996年8月に完成するまで暫定の社屋を同ビルに近い「ダイヤニッセイビル」の空きフロアを活用することとなり(ただし、登記上での本社所在地は同期間中、西区室谷の製作センターに移していた)、他にも、神戸市の都心部に第二本社を設置して、速いペースでほぼ通常と同じ30頁前後の紙面発行まで復旧することができた。
また、デイリースポーツも日本経済新聞や販売提携先の地方新聞社との連携で無休発行をするが、カラー印刷が出来なかったり、頁数の削減などで通常の発行に復旧するまでに2箇月以上を要した。
それから12年が経過した2007年9月22日に今度は神戸新聞の情報技術局の編集システム(神戸新聞社とNECが共同開発)がトラブルを起こしたため、同日発行の夕刊と23日付の朝刊も同様にページ数を減らし京都新聞の協力を経て新聞を通常通り発行した。神戸新聞はウェブで「一部の連載記事・特集(経済面、教育面など)を休載し、また地域版も通常の各ブロックごとの紙面編成ではなく統合面としました。また一部の記事は京都新聞の記事を転用したものがあります。また22日夕刊の配達が大幅に遅れたことで読者にご迷惑をかけたことをお詫びし、システムの復旧に全力を尽くしていきます」という謝罪を掲載した。ちなみに、翌23日は同新聞の名を冠した競馬の神戸新聞杯が予定通り行われた。
[編集] 不祥事等
- 2006年11月26日、パチンコ店において携帯電話のカメラ機能で女性店員のスカート内部を撮影したとして、神戸新聞社編集局の写真部記者が兵庫県迷惑防止条例違反で現行犯逮捕された。なお、容疑者は容疑を否認している[2]。
[編集] バイアス
- 主要国立大、旧三商大であり、かつ神戸市灘区に所在する神戸大学についての成果・活躍・主要トピックスについてはこれを無視し、不祥事や震災関連記事のみを掲載する傾向がみられる。
- 特に地元私学と重複し神戸大学の中核でもある、法学・経済学・経営学分野等の社会科学系の記事で著しい。(例:法科大学院、会計学関連、21世紀COE、有力OB等)
[編集] 社史・記念誌(子会社のデイリースポーツ社が発行したものもいれて)
- 回顧五十年 神戸新聞ものがたり(神戸新聞社・編) 1948年発行、83ページ。
- 神戸新聞五十五年史(社史編纂委員会・編集) 1953年7月発行、424ページ。
- 神戸新聞社七十年史(神戸新聞社史編纂委員会・編纂) 1968年発行、554ページ。
- 神戸新聞社史(神戸新聞社史編纂委員会・編)1978年2月発行、208ページ。
- デイリースポーツ三十年史(社史編纂委員会 編) 1978年2月発行、191ページ。
- 神戸新聞社九十年史(編纂・神戸新聞社史編纂委員会) 1988年2月11日発行、310ページ(後半101ページはデイリースポーツ四十年史)。
- デイリースポーツ50年史(デイリースポーツ社史編修委員会・編纂) 1998年3月発行、261ページ。
- 神戸新聞百年史(神戸新聞創刊百周年記念委員会社史編修部会・編修) 1998年11月発行、745ページ。
- 神戸新聞百年史 資料編(神戸新聞創刊百周年記念委員会社史編修部会・編修) 1998年11月発行、207ページ。
[編集] 本社、支社及び総局
[編集] 本社
神戸市中央区東川崎町一丁目5-7
[編集] 支社
[編集] 総局
[編集] 支局
相生、赤穂、伊丹、佐用、高砂、浜坂、三木、小野、加西、香住、神崎、篠山、宍粟、宝塚、たつの、津名、西脇、南あわじ、養父、朝来、北神、西神、尼崎、福岡(福岡市)、西播磨中央(たつの市)、出石通信部
[編集] 連結子会社
- 株式会社ラジオ関西
- 株式会社デイリースポーツ社(デイリースポーツ)
- 株式会社中四国デイリースポーツ社
- 株式会社サンテレビジョン
- 株式会社神戸新聞事業社
- 株式会社神戸新聞マーケティングセンター
- 株式会社神戸新聞総合印刷
[編集] 紙面構成
1面、政治、総合、オピニオン、国際、経済、地方経済、商況、番組(BS・ラジオ面)、文化、スポーツ、くらし、地方ニュース、社会(2ページ)、番組(テレビ欄)
1面コラムは「正平調」。社説は2本載せている。
天気予報は1面に県内6地区(神戸、姫路、西脇、柏原、豊岡、洲本)と大阪、京都が6時から24時まで3時間おきに6個のマークで表記。全国(札幌、仙台、東京、名古屋、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇)はその日の予報を1つのマークで表記。前日の天気図を掲載。解説は日本気象協会関西支部が書いている。3面には「列島お天気ウィークリー」という週間予報と前日のひまわりの衛星写真、あすの潮、(前日の全国)気温が掲載されている。
朝刊の4コマ漫画は2007年6月30日まで京都新聞、南日本新聞等全国各地の地方紙に連載されている『あんずちゃん』(田中しょう作)が連日掲載されていたが、同年7月1日から中日新聞、西日本新聞等ブロック紙3社連合の朝刊に『ほのぼの君』(佃公彦作。神戸新聞では非掲載)の後を受けて連載が開始される『ちびまる子ちゃん』(さくらももこ作)が神戸新聞でも連載されている(ブロック紙3社連合以外の新聞では神戸新聞の他に河北新報、中国新聞、徳島新聞の各朝刊、8月1日からは新潟日報の朝刊にそれぞれ連載)。
[編集] 新聞の発行体形
[編集] 地方面
地方ニュース5ページ- 青空主義(兵庫おでかけ情報)[火曜:遊ing 水曜:アウトドア 木曜:食べ歩き 金曜:まち探検 土曜:カルチャー]、ひょうご面(2ページ)、地方面、地方ワイド面
- 但馬
- 丹波
- 西播
- 北播
- 東播
- 姫路
- 淡路
- 明石
- 三木
- 三田
- 阪神
- 神戸
- 神戸東部
[編集] 番組表の収録局
[編集] メインテレビ面(最終面)
- NHK神戸総合テレビ、NHK大阪教育テレビ、毎日放送、ABC、関西テレビ、読売テレビ、サンテレビ、テレビ大阪(以上レギュラーサイズ)、NHK衛星第1テレビジョン、NHK衛星第2テレビジョン、WOWOW(アナログ)(以上ハーフサイズ)、番組の解説
2006年4月より紙面刷新。テレビ欄が1段分拡大され文字も大きくなり、お勧めの番組にはテレビ欄の番組枠の背景をカラーで表示するようになった。また、縦の時間表示も朝6時から午前10時までが緑の白抜き、午前11時から午後5時までがオレンジの白抜き、午後6時から深夜、明朝までが濃い青の白抜きで表示される。テレビ欄の番組開始時間の時表記と分表記で異なった字体を使用している。
[編集] 第二テレビ・ラジオ面
- BSデジタル放送各局(NHKはハイビジョンチャンネルのみ)、周辺地域のテレビ局(KBS京都、四国放送はハーフサイズ。山陽放送、テレビせとうち、OHKテレビ、西日本放送、日本海テレビはクォーターサイズ)
- NHK神戸FM放送、Kiss-FM KOBE、FM大阪、FM802、FMCO・CO・LO、NHKラジオ第1放送、第2放送、ラジオ関西、ABC、毎日放送、ラジオ大阪、四国放送、BSSラジオ、ラジオNIKKEI
2006年4月の紙面刷新でこれまでエリアごとに隣県放送局が異なっていたのを全エリアで統合した。また、放送局表記のカットも黒に白抜き表示に変更した。
[編集] 脚注
- ^ 『神戸新聞百年史・資料編』83頁
- ^ "神戸新聞カメラマンを盗撮容疑で逮捕" J-CASTニュース. 2006年11月27日閲覧.