東急バス高津営業所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東急バス高津営業所(とうきゅうバスたかつえいぎょうしょ)は、川崎市高津区、宮前区、多摩区、中原区、および世田谷区を中心とした路線を担当する営業所である。営業所の略号は「TA」。所在地は、川崎市高津区溝口五丁目14-1で、国道246号に面している。
路線は、東急田園都市線の渋谷駅 - 二子玉川駅 - 鷺沼駅間と広範囲に運行しているが、営業所のある高津付近を走るものは少ない。このため、下記に掲げるもののほか、営業所と各駅を結ぶ出入庫系統が存在する。ほとんどの路線の運営を東急トランセに委託している。2007年3月18日、全ての路線を東急トランセに委託し、運用上の「東急バス」高津営業所は完全に閉鎖となった。
尚、敷地内に「教育センター」を併設し社員教育を行っている。そのため、乗員訓練用に「教育訓練車」「教習車」を配置している。
目次 |
[編集] 沿革
日吉営業所に次ぐ神奈川県内第3の営業所として設立。後に延伸開業した田園都市線の沿線輸送をほぼ一手に引き受けていたが、青葉台、虹が丘両営業所の新設により、現在の営業エリアに落ち着いた。
- 1962年10月20日 開設。
- 1998年 観光貸切業務を大橋営業所下馬観光支所(当時)より移管される。
- 2003年 観光貸切業務を東急トランセ瀬田営業所へ移管する。
- 2007年3月18日 神奈川県内の営業所ではあるものの渋谷駅に乗り入れる路線を抱えてるためかサービス開始と同時にほぼ全ての所管路線にPASMOを導入。
[編集] 現行路線
[編集] 新道線
- 渋12:渋谷駅~大橋~三軒茶屋~駒沢~深沢八丁目~瀬田~二子玉川~二子玉川駅
- 渋12:渋谷駅~大橋~三軒茶屋~駒沢~深沢八丁目~瀬田~二子玉川~高津営業所
- 玉06:二子玉川駅→二子玉川→中耕地→吉沢→健保グランド前→砧本村→鎌田→吉沢→二子玉川緑地前→二子玉川駅
- 玉06:二子玉川駅→二子玉川→中耕地→吉沢→健保グランド前→砧本村→鎌田→吉沢→中耕地→二子玉川→二子玉川駅
- 玉06:高津営業所→二子玉川→中耕地→吉沢→健保グランド前→砧本村→鎌田→吉沢→二子玉川緑地前→二子玉川駅(出庫のみ)
- 二子玉川駅~高津営業所(出入庫)
- この2路線は東急玉川線及び砧線が廃止された際の代替路線であり、高津営業所を代表する路線である。渋12系統は玉川線の代替路線であったが、新町一丁目 - 瀬田間が新道(国道246号)を通過しており、1977年に新玉川線(現、田園都市線)が開通しても、旧道経由(東京都道427号瀬田貫井線)の渋01~04系統が廃止されたのに対して、桜新町駅や用賀駅を通らず重複しない区間を持つ当路線は継続となった。玉06系統は砧線の代替路線である。下り(砧本村行き)と上り(二子玉川駅行き)では経路が大きく異なるため、循環線のような運用である。下り運用中に乗車し、上り運用中に降車することも可能。地図上の形としては8の字のルートで運転される。なお、かつてはこの2路線を続行運転した渋13系統もあり、この新道線に含まれていていた。
- 渋12系統は日中毎時3本程度で、玉川通りの他路線と比べ本数は少ない。
- 玉06系統は鉄道代替路線という経緯から始発が5時代と早く終バスも23時代後半と遅く、23時30分を過ぎても深夜料金が取られない。
- 新道線専用に配備されたナローノンステップ車を中心に使用車両に関しては制約が無い。渋12系統ではワンロマ車が、玉06系統では中型車が充当される場合もある。
- なお、渋12で「渋谷駅~新町一丁目」⇔川崎市内間を通しで利用すると「東京・川崎渡り運賃」適用で運賃が、250円となる。但し、「新町一丁目~二子玉川(駅)」⇔川崎市内を通しで利用する場合は、東京都区内均一運賃(210円)で利用でき、二子玉川(駅)から高津営業所の区間は、川崎市内均一運賃(200円)となる。
[編集] 子母口線
- 溝22:溝の口駅(→ゼネラル入口→)(←久本←)末長~新作~千年~子母口~蟹ヶ谷
- 尚、2000年3月17日までは蟹ヶ谷発ゼネラル経由溝の口駅行きバスが、そのまま高津営業所へ入庫していた。
- 新作→溝の口駅南口区間便は早朝ラッシュ時のみ運行。
大型短尺車使用路線。本数・利用者共に多い。そのためか定員の多いツーステップバス・ワンステップバスが充当されがちである。
[編集] 梶が谷鷺沼線
本路線は、田園都市線梶が谷・鷺沼の両駅を、鉄道の駅から離れた野川台地区を経由して結ぶ路線である。
大型短尺車使用路線で、上記の通り梶が谷線と野川線が母体となっている。
日中の本数は毎時6本程度(平日)と多く、本数・利用者数からして事実上高津営業所の主力路線である。
梶が谷駅~野川台公園前間の区間便は主に平日朝に運行され、最混雑時間帯は鷺沼駅発着の便と併せ、概ね3~4分間隔で運行されている。また、野川台公園前→梶が谷駅間の区間便の一部は、後述の野川久末線の入庫運用を兼ねている為、休日を含めほぼ終日に渡って運行されている。
深夜バスは平日と土曜に運行され、平日の梶が谷駅発最終便は、田園都市線下り最終電車に接続する形で午前1時過ぎまで設定がある。
[編集] 野川久末線
- 杉06:小杉駅前~中原駅前/中原~千年~野川~久末~道中坂下
- 杉06:中原駅前~千年~野川~久末~道中坂下
- 杉09:小杉駅前~中原駅前/中原~千年~野川~野川台公園前
- 杉09:中原駅前~千年~野川~野川台公園前
- 溝02:小杉駅前~川崎営業所~宮内~下野毛~高津駅(出入庫)
本路線は、武蔵小杉駅・武蔵中原駅と鉄道の駅から離れた野川・久末地区を結ぶ路線である。朝は中原駅前止まりが中心。
大型短尺車使用路線で、ノンステップバスが優先的に充当される。
小杉駅前(中原駅前)~野川間で両系統が併走、ほぼ交互に運行しており、本数は合わせると日中毎時5本である。 また、この区間では本線格である後述の鷺沼線(鷺02系統)も併走しており、同路線を補完する役割も兼ねている。
久末線はかつては多摩川園前(当時)~道中坂下という路線であったが、昭和40年代に短縮された。また、杉07・小杉駅前~能満寺~鷹巣橋~千年~小杉駅前という循環路線もかつて存在し、久末線に含まれていた。
野川線はかつて、杉08・小杉駅前~野川台~鷺沼駅という路線であったが、1981年6月23日に杉09・小杉駅前~野川台公園と鷺06・鷺沼駅~野川台に分割されたのち、2003年3月19日に鷺06系統を前述の梶が谷鷺沼線に統合した。
移管に際して設けられた出入庫便は川崎営業所小杉線溝02系統の高津駅前発着として運行。忘れ物は高津営業所での取扱となる。
[編集] 鷺沼線
詳細は東急バス川崎営業所鷺沼線を参照。区間運行多数。高津営業所担当分は、主に東山田営業所から移管されたバスで運行されている。
[編集] 向ヶ丘線
- 向01:向ヶ丘遊園駅東口~神木本町~梶が谷駅
- 2005年3月16日:トランセ管理委託路線化
かつては川崎市バスと共管だったが2006年5月、東急バス単独運行になった。
この路線は大型短尺車・中型車の両方が使用される。
[編集] 久地線
-
- 2007年3月16日:トランセ管理委託路線化
かつては、渋14:向ヶ丘遊園駅~二子玉川~瀬田~渋谷駅(新道経由)の運行だったのが、瀬田~渋谷駅を短縮し、瀬田~用賀駅(都道427号経由)に変更(渋14→向02)。のちに二子玉川~瀬田~用賀駅を短縮し二子玉川駅発着に変更。
この路線は基本的に大型短尺車・中型車の両方が使用される。
平日は毎時1本あるかないかと本数が極めて少ない。土休日の方が本数が多い。
注:向ヶ丘遊園行き始発便と向ヶ丘遊園発最終便が、高津営業所発着となる。
[編集] 宮前線
宮前区役所アクセスのための路線。毎時1本程度。平日・土休日通じて同じダイヤで運行。
川崎市バス城11系統と大部分を並行しているため市バスとの共通定期券取り扱い区間がある。
乗客は少なく基本的に小型車・中型車で運行。
[編集] 宮崎台線
コーチ型中型車が使用される。
[編集] 虎の門病院線
コミュニティバスの色彩の強い路線である。
当初は水色の虎の門病院線専用塗装がなされたコーチ型中型車が使用されていた。現在は小型車・中型車が使用される。
[編集] 深夜急行・高速二子玉川線
- ミッドナイト・アロー:渋谷駅→大橋→三宿→三軒茶屋→上馬→駒沢→深沢八丁目→用賀一丁目→二子玉川駅→高津駅入口→溝の口駅
渋12系統の深夜急行便的存在。高速とは名乗るものの実際は高速道路は経由しない。そのためか座席定員制ではない。土曜日も運行する。ワンロマ車が使用される。
[編集] 出入庫系統
- 高津営業所~切通し前~陸橋東口~陸橋西口~身代り不動尊前~宮崎団地~長坂~馬絹~東平台~西平台~宮前平駅
- 高津営業所~切通し前~陸橋東口~陸橋西口~身代り不動尊前~宮崎団地~長坂~宮崎台駅
- 高津営業所~切通し前~陸橋東口~陸橋西口~身代り不動尊前~笹の原交差点~梶ヶ谷二~梶が谷駅
- 高津営業所~西高津中学校入口~切通し前~溝の口~溝の口駅
- 尚、上記系統のうち営業所から出庫するバスに乗車する場合は、高津営業所の事務所に乗車する旨を伝えなければならない。ただし、路線バスの定時運行確保の為、途中の道路状況によっては、時刻表より早発する場合がある。
- 又、1990年台後半までは出庫系統の時刻表は掲載されていなかった。
[編集] 廃止路線
[編集] 大塚線
- 溝11:溝の口操車所~鷺沼駅
[編集] 宮崎線(一部系統の廃止)
- 宮崎台駅~鷺沼駅
- 宮崎台駅~千年~小杉駅
[編集] 用賀線
[編集] 新道線(一部系統の廃止)
- 渋13:渋谷駅~大橋~三軒茶屋~駒沢~深沢八丁目~瀬田~二子玉川園駅~砧本村(現在は渋12と玉06に分割)
- 尚、「渋13」廃止後1年間は利用客への暫定措置として、「渋12」⇔「玉06」への乗り換え客に対し、乗り継ぎ券を発行していた。
[編集] 久地線(一部系統の廃止)
- 渋14:渋谷駅~大橋~三軒茶屋~駒沢~深沢八丁目~瀬田~二子玉川園~久地駅~向ヶ丘遊園駅
[編集] 契約輸送
- 溝の口駅~KSP(かながわサイエンスパーク)循環 ※平日始発~10:00の便は会員専用
- 溝の口駅~高津駅前~NECインフロンティア(関係者のみ)
この路線は東急トランセ直営の路線であり、運用される車両もトランセ直属の車両のみである。
[編集] 車両
いすゞ以外のメーカーの車両が全てそろっている。下記の他にも教習用の車両が多数所属している。ただしここでは東急トランセ直属の車両は割愛する。
- 大型短尺車:日野車はブルーリボンツーステップ車とブルーリボンIIワンステップ車が所属。三菱ふそう車はエアロスターツーステップ車とニューエアロスターワンステップ車・ノンステップ車が所属。近年は日産ディーゼルスペースランナーワンステップ車・ノンステップ車(PKG代)が集中投入された。ニューエアロスターツーステップ車も所属していたが、東急トランセ直属になり一般路線では運行されなくなった。
- ワンロマ車(大型長尺車):三菱ふそう車のみ所属。車種はニューエアロスターワンステップ車。当初は新横溝口線を新羽営業所と共管していたために多く台数が所属していたが、同路線が新羽営業所単独所管になると同時に半数以上が新羽営業所へ移籍した。現在は渋12系統と深夜急行線のみで運用されている。
- 中型車:三菱ふそうエアロミディMKワンステップ車が中心。少数ながら日野レインボーⅡワンステップ車も所属。向ヶ丘線、久地線での運用が多い。
- コーチ型中型車:宮崎台線で運用される。ツーステップ車のみ。
- 中型ロング車(ナロー車):日野レインボーHRのみ所属。都内を走る新道線渋12系統と玉06系統でしか運用されない。
- 小型車:川崎→新羽→高津の順番で移籍した日野初代ポンチョと下馬から転属した三菱エアロミディMJワンステップ車が所属。小型車使用路線でのみ運用される。