向ヶ丘遊園駅
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向ヶ丘遊園駅 | |
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向ヶ丘遊園駅北口(2004年11月3日撮影) |
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むこうがおかゆうえん - Mukōgaoka-Yūen | |
◄登戸 (0.6km)
(2.1km) 生田►
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所属事業者 | 小田急電鉄 |
所属路線 | ■小田原線 |
キロ程 | 15.8km(新宿起点) |
所在地 | 神奈川県川崎市多摩区登戸 |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面4線 |
乗降人員 -統計年度- |
62,463人/日 -2007年- |
開業年月日 | 1927年(昭和2年)4月1日 |
備考 | 1955年(昭和30年)4月1日 稲田登戸駅より改称 |
向ヶ丘遊園駅(むこうがおかゆうえんえき)は、神奈川県川崎市多摩区登戸にある小田急電鉄小田原線の駅である。
目次 |
[編集] 駅構造
島式ホーム2面4線の地上駅で待避が可能である。駅の小田原よりに引き上げ線があるので、折り返し列車が存在する。この引き上げ線からまっすぐ行くと3番ホーム、引き上げ線から左に分岐すると4番ホームである。上り本線からはまっすぐ行くと引き上げ線から4番線に向かう線路に合流し、右に分岐すると引き上げ線から3番線に向かう線路に合流するという構造である。この構造により、上り列車が3番ホームに進入する際には、分岐器の制限にかかるため、当駅に停車しない多摩急行・快速急行は低速で通過する。
駅舎は北口と南口の2つがある。北口駅舎は歴史的建造物に値するギャンブレル屋根(鉄道ファンの間ではマンサード屋根と言われることが多いが、本来マンサード屋根は寄棟屋根に近い形であり、切妻屋根に近い形の場合はギャンブレル屋根と呼ぶのが正しい)の駅舎であり、開業当初の新原町田駅(現 町田駅)、本厚木駅、大秦野駅(現 秦野駅)、新松田駅と同一の型のものである。また、現駅舎の柱や梁には廃材となったレールが多用されている。
2006年現在、東北沢駅~和泉多摩川駅複々線工事の関連として隣の登戸駅との間で、輸送力増強のため上り線を2線に線増する3線化工事を行っている。この工事は「上り線においては複々線と同じ効果がある」と広報されている。
2007年9月8日~9月9日の両日で登戸駅~当駅間で線路切り替え工事が行われた。これによって下り線ホームの一部位置が変更になり、ホームの形も変わったところがある。
東京メトロ千代田線・JR常磐線方面の直通列車(急行、準急)は、朝ラッシュ時のみ当駅に停車する。また平日のみJR常磐線直通列車が存在する。
[編集] のりば
1 | ■小田原線 | 小田原・片瀬江ノ島・唐木田方面(待避線) |
2 | ■小田原線 | 小田原・片瀬江ノ島・唐木田方面 |
3 | ■小田原線 | 新宿・千代田線方面 |
4 | ■小田原線 | 新宿・千代田線方面(待避線) |
- 朝ラッシュ時は3番ホーム、4番ホームで交互発着を実施する場合も多い。
[編集] 駅改札内設備
- 1階にある各駅舎・各ホームを結ぶ橋が2階にある。改札外の南北自由通路はない。
- 空調つき待合室が各ホーム小田原側にある。
- 急行と普通の乗り換えに5分程度かかることが多いため、ホームにはベンチが多く設置されている。
- そば屋(箱根そば)が1・2番ホームにある。
- 売店が上りホームと南口駅舎にある。
- トイレは橋上南口側にある。
- エレベーターは4基あり、1階にある北口駅舎・南口駅舎・上りホーム・下りホームと2階とを結ぶ。
- エスカレータはない。
[編集] 利用状況
2006年度の1日の平均乗降人員は60,622人である。小田急電鉄全70駅(調査当時)中第18位。
[編集] 乗降人員の推移
- 60,741人(2005年度)
- 63,106人(2000年度)
- 67,963人(1995年度)
- 71,254人(1991年度・当駅の乗降人員最高値年度)
- 70,457人(1990年度)
- 63,034人(1985年度)
- 63,871人(1980年度)
- 60,041人(1975年度)
- 48,620人(1970年度)
- 37,403人(1965年度)
- 15,895人(1960年度)
- 10,152人(1955年度)
- 6,363人(1950年度)
- 6,549人(1946年度・<1945年度は資料なし>)
- 2,968人(1940年度)
- 1,132人(1935年度)
- 977人(1930年度)
- 988人(1928年度・小田原線開業年)
1991年度以降、乗降人員は減少傾向にある。
[編集] 駅周辺
[編集] 北口
2006年11月現在、区画整理事業が行われており、出口右側(北側)に仮設バス乗り場が、左側はタクシー乗り場および、駐輪場と駅西側の踏切へ通じる細い道路がある。
左斜め方向に向かって登栄会商店街が延びており、この駅を始点とする小田急バスはこの通りを行き来する。この通りの先に多摩区総合庁舎(区役所)・津久井道が存在する。
右斜め方向に向かって中央銀座商店街が延びている。 溝06・登14・淵24の3系統は、登栄会商店街から駅前バス停を経由してこの通りを進む。最終的には登戸駅にいたる。(各系統の詳細は下記の路線バスを参照のこと)
かつては出口左手にバス乗り場・タクシー乗り場があり、用地が狭くバスが転回できないため電動のターンテーブルで方向転換していたが、2006年7月に廃止されて出口右手の仮設バス乗り場に移転した。9月ごろには、ターンテーブルを撤去してタクシー専用乗り場として整備された。
一方、右手にはマルシェがありコンビニ・飲食店などが入居していたが、区画整理事業に基づく23階建て高層ビルの用地とするため、撤去された。
現在の仮設バス乗り場は、高層ビル周囲の緑地部分および駅前バス広場の予定地を流用している。
[編集] 駅設備
駅舎と駅前の間は平坦であり、階段・エレベータ・エスカレータはない。
[編集] バス
駅前のバス停に川崎市交通局・小田急バス・神奈川中央交通(相模神奈交バス)の路線が乗り入れる。
向ヶ丘遊園駅
- 溝06系統:井田営業所前行、登戸駅行
- 登14系統:登戸駅行、西菅団地行
- 向10系統:専修大学・専修大学9号館行(のりば 2)
- 向11系統:あざみ野駅行(のりば 1)
- 向12系統:聖マリアンナ医科大学行(のりば 1)
- 向13系統:明大正門前行 (のりば 3)
- 生田営業所行 (のりば 3)
- 淵24系統:淵野辺駅北口行、登戸(登戸駅)行
[編集] 南口
2002年3月31日まで、歩いて十数分(2000年2月13日まで運転していたモノレールでは数分)の所に、ばら苑で有名な向ヶ丘遊園があった。ばら苑については、閉園後も川崎市および地元有志の手により維持され、現在でも年2回の一定期間内に限り一般公開されている。
また、向ヶ丘遊園跡地のうち森林部分については生田緑地に組み入れられる方向で検討されている。
[編集] 駅設備
駅舎と駅前歩道の間に階段・スロープがある。
[編集] バス
向丘遊園駅東口・向ヶ丘遊園駅東口 溝06、登14系統のうち登戸駅を発車する便には、「向丘遊園駅入口」(ダイエー前、当駅より徒歩数分)から乗車が可能となっている。
[編集] 歴史
- 1927年(昭和2年)4月1日 - 稲田登戸駅(いなだのぼりとえき)として開業。「各駅停車」と「直通」の停車駅となる。(尚、各駅停車は、新宿駅~稲田登戸駅間の運行であり、小田原駅までは、「直通」という種別が運行された。)
- 1927年(昭和2年)6月14日 - 向ヶ丘遊園地との間に豆汽車が開業。
- 1927年(昭和2年)10月15日 「急行」が登場し、停車駅となる。
- 1944年(昭和19年)11月 太平洋戦争の戦況悪化に伴い、「急行」の運行が中止される。
- 1945年(昭和20年)6月従来、新宿駅~稲田登戸駅間のみの運行の「各駅停車」が全線で運行されることとなり、「直通」が廃止される。
- 1946年(昭和21年)10月1日 「準急」が登場し、停車駅となる。
- 1948年(昭和23年)9月 「桜準急」が登場し、停車駅となる。
- 1952年(昭和27年)12月 「急行」の停車駅となる。
- 1955年(昭和30年)3月25日 「通勤急行」が登場し、停車駅となる。
- 1955年(昭和30年)4月1日 - 向ヶ丘遊園駅に改称。
- 1957年(昭和32年) 夏季のみ運行の「快速急行」(現在、運行されている快速急行とは一切関係なく、単なる海水浴客輸送用の臨時列車である)が登場し、停車駅となる。
- 1960年(昭和35年)3月25日 「通勤準急」が登場し、停車駅となる。
- 1964年(昭和39年)11月5日 「快速準急」が登場し、停車駅となる。
- 1965年(昭和40年) - 向ヶ丘遊園との間の豆汽車が廃止。
- 1966年(昭和41年)4月23日 - 向ヶ丘遊園モノレールの全線(向ヶ丘遊園駅 - 向ヶ丘遊園正門駅)が開業。
- 2000年(平成12年)2月13日 - 向ヶ丘遊園モノレールの全線が休止。
- 2001年(平成13年)2月1日 - 向ヶ丘遊園モノレールの全線が廃止。
- 2002年(平成14年)3月23日- 「 多摩急行」が登場し、通過駅となる。
- 2002年(平成14年)3月23日 - 「湘南急行」が登場し、停車駅となる。
- 2004年(平成16年)12月11日 - 「区間準急」が登場し、停車駅となる。
[編集] 駅名の由来
現在の駅名である「向ヶ丘遊園」は、最寄駅ともなっており2002年まで存在していた遊園地「向ヶ丘遊園」の知名度を上げるために、それまでの「稲田登戸」から改称され名付けられた。なお、地元の人々からは「遊園」という愛称でよばれる。
「向ヶ丘遊園地」は閉園となり存在しなくなったが、東急東横線学芸大学駅・都立大学駅の例と同じく、定着した駅名は変更されずに現在に至る。
また、旧駅名である「稲田登戸」(いなだのぼりと)は、この駅が開業当時、稲田村字登戸に設置されたことによる。なお稲田村(後に稲田町)は1938年に川崎市に編入となった。
[編集] その他
- 当駅は特急が現在でもわずかながら停車するが、一方で快速急行・多摩急行は通過する。このような事例として、同路線の成城学園前駅(特急の一部は停車するが、快速急行は通過)、近鉄大阪線の布施駅(特急は一部停車、快速急行以外に区間快速急行も通過)、JR中央線の三鷹駅・吉祥寺駅(前者は特急「かいじ」は一部停車、通勤特快は通過。後者は1往復限りの特急「成田エクスプレス」は停車、中央特快・青梅特快・通勤特快は通過)などがある。
- また、当駅はもともと交通至便な駅として川崎市多摩区の開発拠点とされ、駅近くに区役所が設けられた経緯があると共に、今なおバス発着の一大拠点でもある。それだけに、遊園地営業当時は通勤列車の全列車が停車していたものが、閉園後には通過する快速急行、多摩急行が増加し、優等列車の半数が通過する状況になった事に関し地元からは疑問、不満の声が挙がっている。特に、昼間時は、快速急行と多摩急行が連続で通過し、急行の運転間隔が20分間隔になることがあり、多摩区や専修大学はじめ近辺大学の関係者などからはこの不便な状況を是正すべき、という声も多い。
- このようなことから、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議は、2006年度小田急電鉄向け要望書にて、当駅の多摩急行停車を要望している。これに対し、小田急電鉄は、「急行が、登戸駅・向ヶ丘遊園駅と連続停車していることから、多摩急行については向ヶ丘遊園駅を通過させて、速達性確保を図っております。」としている。
[編集] 隣の駅
- 小田急電鉄
- ■小田原線
- ■特急ロマンスカー
- 一部の「はこね」、「さがみ」号のみ停車(ホームの特急券売機は、停車する時間帯以外はシャッターが下りている)
- ■快速急行・■多摩急行
- 通過
- ■急行
- ■準急・■区間準急・■各駅停車
- ■特急ロマンスカー
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
小田急小田原線 |
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