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呉智英 - Wikipedia

呉智英

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

呉 智英(くれ ともふさ、1946年9月19日 - )は、愛知県清須市出身の評論家漫画評論家、日本マンガ学会会長である。本名は新崎 智(しんざき さとし)。ペンネームは「ご・ちえい」という読みも許容している[1]。なお、ペンネームは「水滸伝」の百八星の中での唯一のインテリである軍師役「呉用」(字はなんと「学究」)に由来する[2]

1946年生まれは確かだが、個人データを勝手に占いに使われるのを嫌い、生まれた月日や血液型を公表しておらず、10月21日生まれという説もある。

封建主義者を自称し、民主主義信奉者や人権思想を批判している。

目次

[編集] 経歴

愛知県西枇杷島町(現・清須市)生まれ。東海高校を経て1971年に早稲田大学法学部を卒業。高校時代に日本教職員組合の教師から共産主義の教えを受け、学生運動では日本共産党にも既存の新左翼の組織にも所属せず、無党派の活動家として新左翼運動に参加。大衆迎合主義や日本共産党の党派性を批判した。早稲田大学の学費値上げなどを巡るストライキを防衛しようと、スト破りをしようとする運動部の学生と乱闘して逮捕、起訴。1969年に執行猶予つきの有罪判決を受けた。

友人の始めたコンピュータ会社などの勤務を経て(一時、夜勤の守衛もやっていた)、文筆業に入る。

1981年に初の単著となる『封建主義、その論理と情熱』(改題で『封建主義者かく語りき』)を情報センター出版局から刊行。これは当時一般に信じられていた民主主義人権論の矛盾を追及し、脱却する道として封建主義(主に、孔子の唱えた儒教)を提唱する内容だった。

上記の思想から、長年に渡って主に、「進歩主義的」な左翼勢力の批判(「朝日新聞」や、新左翼がさらに思想的に袋小路に入った『珍左翼』(呉の命名)など)を主に行ってきた。だが、近年の左翼思想の退潮から、右翼側の「産経新聞」の批判的研究などをはじめ、「産経新聞」にしばしばトンデモ系のオカルト記事が掲載されることなどを、批判している。(俗流オカルト思想には一貫して批判的である)

また、呉ら全共闘世代の新左翼の間で、カリスマ的存在であった吉本隆明についても初期から批判的で、吉本の重要な思想的基盤である「大衆の原像」の抽象性を批判。また、吉本が花田清輝ら左翼陣営内の論争で無敵だったのは、彼が「神学者のふりをした神学者」(マルクス主義を信じない左翼)であったせいだと、している。ただし、吉本の「転向論」については評価している。

漫画にも造詣が深く、石子順造山根貞男梶井純、権藤晋が、1967年に創刊していた、漫画評論同人誌「漫画主義」に、つげ義春白土三平ジョージ秋山についての評論を発表。また、水木しげるの資料整理のアルバイトを1970年から10年ほどしていた。1973年に『ガロ』誌上で「劇画列仙傳」の連載を開始。1986年には漫画研究の集大成として情報センター出版局から『現代マンガの全体像』を刊行した。現在は、出版情報誌『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)に「マンガ狂につける薬」を連載中。

論語聖書を愛読し、これらから近代批判の思想を読み取っている。1988年に都内で論語を講義する公開講座「以費塾」を、呉に私淑する評論家浅羽通明の手配で開始。月2回、第2、4金曜日に講義がおこなわれ(但し、8月は大学生の夏休みを考慮し休講)、23回前後で論語を通読する内容。2005年9月9日より始まった第14期が最終講義となり、2006年12月22日、終了した。2003年に刊行した『現代人の論語』(文藝春秋)にて、その講義内容の一端を読むことができる。なお、2008年から、現在の居住地に近い名古屋で「月イチ論語塾」(主催:なごや博学本舗)を開始した。

西池袋に長く住んだが、1999年、父親の介護のため、愛知県に転居した。その父親は、2006年1月に亡くなったが、現在も同所に居住中である。

呉の民主主義批判の影響は大きく、40代の評論家に最も尊敬されている知識人とされ、その思想的影響を受けたものとして浅羽通明大月隆寛宮崎哲弥などがいる。小谷野敦も呉を尊敬していると公言している。

[編集] 評論

[編集] 漫画

漫画評論家として主に1960年代から1980年代の少年・青年漫画を取り上げてきたが、漫画が多様化してきた1990年代以降の作品に関しては、興味を失い積極的に取り上げていないと『ダ・カーポ』誌上で語った。特に人気作品である「クレヨンしんちゃん」に関してはまったく理解不能として評価しておらず、「なんであんな作品に人気があるのかさっぱり判らない」、「あの作品に人気がある事にイライラさせられている」と発言している。少女マンガは苦手のようで、あまり取り上げない。

そういった状況もあり、夏目房之介とのアンソロジー、『夏目&呉の復活!大人まんが』では、現在では「忘れられた分野」である「大人まんが」から優れた作品を集めて、再評価をうながした。

また、みつはしちかこ小さな恋のものがたり』など、過去の凡庸な作品であっても「長期間大衆に支持されたモノ」は、その職人性を認めて評価することも多くなっている。

[編集] 支那

支那という呼称を使っていけない理由はないと長年主張しており、これを自主規制するマスコミへの抵抗の意を込めて、常に支那と書いている。そのために多くのマスコミへの寄稿を困難にしているが、主張を貫いている。近年は毎日新聞紙上で支那を使用したが、抗議は来なかったとのことである。また、「支那を『支那』と呼んで何が差別なのか」としており、その論理としては、1946年6月に中華民国東京に代表団を派遣し、「この時より『支那』の名称を使用することを禁ずる」とした日本外務省への通告に対し、「真っ先に文句を言うべき相手は、アヘン戦争を仕掛けて香港を奪ったイギリスや、マカオ植民地にしたポルトガルじゃないですか。それらの国が支那のことを『チャイナ』とか『シーナ』と呼んでいることに対しては一つも文句を言わないで日本にだけ言うのは、明らかに日本人に対する差別でしょう」としている[3]

[編集] すべからく

「すべからく」は元来、漢文を読み下した言葉で「すべからく~すべし」という使用の仕方をすべきだが、学生運動の演説などで「帝国主義勢力は~、すべからく~(打倒すべき)」などと、長々とした文章で使われるケースが多かったせいか、「『すべて』と同じ意味の言葉」として使われるようになった。そのことに気がついた呉は、初期はかなりしつこく、「すべからくの誤用」をする著述家たちを、「単なる誤りではなく、自分をインテリに見せようとした卑しい考えによる誤用だ」と批判していた。

[編集] 人権、差別

以前、「差別のない明るい都政を」という某・東京都知事候補のキャッチ・フレーズに腹を立て、自分なら「差別もある明るい都政を」を唱えて立候補する、と宣言したこともある。

また、2006年11月26日付の産経新聞で、いじめ問題について「被害者が自ら死を選ぶなんてバカなことがあるか。死ぬべきは加害者の方だ。いじめられている諸君、自殺するぐらいなら復讐せよ。死刑にはならないぞ、少年法が君たちを守ってくれるから」と発言し[4]、物議を醸した。この発言は「死刑を廃止して仇討ちの復活を」という、呉のデビュー以来一貫した主張に基づくものといえる。

差別語狩り、言葉狩りには、活動当初から批判していて、「シェークスピアの『ベニスの商人』などの文学的に有名な作品も差別的である。これらをどうするのか」と主張。また、歴史的な記述などで、現在の「いいかえ語」を過去にさかのぼって適用し、過去の歴史的な記述や、過去の作品まで「いいかえ語」に置き換える風潮を、「歴史の改竄」と激しく批判している。

[編集] 思想

共産主義民主主義人権思想は同根のものである」としており、その論理としては、「フランス革命、そしてそれに先立つ啓蒙思想に端を発」する、「具体的な『解放』の積み重ねがやがて全面的な『人間性の解放』となって歴史の彼方に実現する」という考え、「つまり『人間性解放の神話』」が、「東回りでロシヤに入って共産主義となり、西回りでアメリカに入って人権論となったわけです」としている[3]

[編集] エピソード

  • 常に上機嫌で、声は非常に甲高い。メガネをかけた女が好き。糖尿病をわずらっている。野球と占いが嫌い。腕時計収集が趣味。歌手、中島みゆきの熱狂的なファンで、「中島みゆき中山みきである」と発言している。
  • 評論家としてメジャー化する以前の「清貧時代」は、「本は基本的に図書館で借り、読書メモをつける」、「漫画雑誌は駅で拾う」などしていた(ある程度メジャーした、80年代後半でもまだ、やっていた)。1988年発売の『バカにつける薬』がベストセラーになり、以降は経済的に余裕ができた。
  • 独身主義をつらぬいており、若い時代に「知識人として生きるには、女や家庭は邪魔」と決意したという。また、「売春は個人的趣味から嫌い」と言っている。
  • 「一を読み、十を知り、百を語るべき」というのが持論。
  • ハゲであり、ハゲに関する座談会にも数回参加している。
  • 学歴に関する話が大好き。呉自身は早稲田大学卒だが、「東大は偉い」が持論。
  • 新聞などに、誤植や言葉の誤用があると、手紙を書いてそれを指摘するのが、若年からの趣味である。
  • また知人・友人に、「おまえはこんなコトを知らないだろう」と、新しく知った知識をひけらかすのが、大好き。それがよく出ているのが、雑誌「バラエティ」(角川書店)に連載された、鏡明南伸坊・関三喜夫をホストに、毎回ゲストを呼んでいた座談会「シンボーズ・オフィスへようこそ」。呉智英は最多ゲストとして、しばしば登場している。
  • 暴走万葉仮名(画数が多く無理読みの漢字を使った名前を呉がこう独自に呼んだ)の女子学生が多い大学は偏差値が低い(傾向にある)と発言した。
  • 漫画家、小林よしのりの漫画「ゴーマニズム宣言」にたびたび登場し、知名度が上がった。
  • 本人の弁によると、学生運動では「軍人の位で言うと大佐ぐらいだった」とのこと。当時の呉の様子は早大の同学年だった宮崎学が『突破者』(南風社、1996年)で描いており、長髪の美男子とされている。
  • コラムニストの中野翠とは早大の同級生で、同じ文芸サークルに所属していた友人。
  • 現在居住している自治体が、2000年東海豪雨を教訓に毎日夕刻に実施している防災無線のテスト放送に対し、「毎日テストする必要はなく、静かな生活を侵害された」として中止を求める訴訟を起こしたが、2005年最高裁で敗訴が確定した。
  • 一時期「朝まで生テレビ!」によく出演していた。
  • 別冊宝島」に、初期から現在まで、一貫して寄稿している、珍しい論者。宝島社では「宝島30」でもメインの寄稿者であった。他に、瀬戸川猛資が80年代に刊行していた雑誌「BOOKMAN」でも常連寄稿者であった。また、1980年代の「漫画アクション」の名物匿名コラム「アクション・ジャーナル」にも、亀和田武関川夏央山口文憲などと共に寄稿していた。
  • また、親交の深い、同世代の、亀和田、関川、山口らもすべて独身であることから、彼らに、30代の頃から、「老人になったら、自分たちで運営する老人ホームを作ろう」となかばジョーク、なかば本気で提案していた。
  • 『ガロ』編集部に出入りしていた関係から、松田哲夫南伸坊糸井重里等とも親しい関係だった。また、同世代の評論家として、渡辺直己とも親しかった。
  • どですか!」(名古屋テレビ)にコメンテーターとして出演していたことがある。(土曜日、月に1回、2007年12月まで約2年間)
  • 2006年11月にオープンした「京都国際マンガミュージアム」の研究顧問である。
  • 2007年10月4日より朝日新聞夕刊(木曜日)に「ナゴヤ 虚と実」を連載。
  • 2008年2月24日放送のたかじんのそこまで言って委員会宮崎哲弥から評論家の師匠といえる人物として名をあげられた。

[編集] 著書

[編集] 単著

  • 『封建主義 その論理と情熱 さらば、さらば民主主義よ!』(情報センター出版局、1981、改題して『封建主義者かく語りき』、史輝出版、1991、さらに双葉社、双葉文庫、1996) ISBN 4575710776
  • 『インテリ大戦争』(JICC出版局、1982、後にJICC出版局、宝島ブックス版、1984)
  • 『読書家の新技術 時代が変われば方法も変わる』(情報センター出版局、1982、のち朝日新聞社、朝日文庫、1982) ISBN 4022604697
  • 『マンガ家になるには 新版―付・アニメ作家 なるにはBOOKS』(ぺりかん社、1983)
  • 『大衆食堂の人々 現代超俗清話』(情報センター出版局、1984、のち双葉社、双葉文庫、1996) ISBN 4575710784
  • 『現代マンガの全体像 待望していたもの、超えたもの』(情報センター出版局、1986、のち「増補版」として史輝出版、1990、双葉社、双葉文庫、1997) ISBN 4575710903
  • 『バカにつける薬』(双葉社、1988、のち双葉文庫、1996) ISBN 457571075X
  • 『サルの正義』(双葉社、1993、のち双葉文庫、1996) ISBN 4575710768
  • 『知の収穫』(メディアファクトリー、1993、のち双葉社、双葉文庫、1997) ISBN 4575710911
  • 『言葉につける薬』(双葉社、1994、のち双葉文庫、1998)ISBN 4575711101
  • 『賢者の誘惑』(双葉社、1995、のち双葉文庫、1998) ISBN 4575711276
  • 『マンガ狂につける薬』(リクルート、1998) ISBN 4889915478
  • 『危険な思想家』(メディアワークス、1998、のち双葉文庫、2000) ISBN 4575711772
  • 『ロゴスの名はロゴス』(メディアファクトリー、1999、のち双葉文庫、2001) ISBN 4575711993
  • 『ホントの話 誰も語らなかった現代社会学〈全十八講〉』(小学館、2001、のち小学館文庫、2003)ISBN 4094055819
  • 『マンガ狂につける薬21』(メディアファクトリー、2002) ISBN 484010543X
  • 犬儒派だもの』(双葉社、2003、のち双葉文庫、2006) ISBN 4575295248
  • 『現代人の論語』(文藝春秋、2003、のち文春文庫、2006) ISBN 4163655700
  • 『言葉の常備薬』(双葉社、2004、のち双葉文庫、2007) ISBN 4575297364
  • 『マンガ狂につける薬 下学上達篇』(メディアファクトリー、2007)
  • 『健全なる精神』(双葉社、2007)

[編集] 共著

  • 野次馬旅団編『戯歌(ざれうた)番外地 替歌にみる学生運動』(三一新書、1970) -松田哲夫を中心とする執筆グループ内で、「新崎智」名義で参加している。
  • 高橋悠治鈴木志郎康野坂昭如神吉拓郎、中島誠、赤瀬川原平)『当世滑稽裁判譚』(風涛社 1975年) - 「呉智英」名義では初めての著書だが、「近代批判」が呉の中で確立する以前の文章であり、収録されている文章は特に面白くはない。
  • 別冊宝島『マンガ論争!』(JICC出版局、1979)
  • 別冊宝島『保守反動思想家に学ぶ本 柳田国男から山崎正和まで』(JICC出版局, 1985)
  • 宮崎哲弥)『放談の王道』(時事通信社、1999)
  • 夏目房之介との共編のアンソロジー)『夏目&呉の復活!大人まんが』(実業之日本社、2002) ISBN 4408321664
  • 佐藤幹夫と共編)『刑法三九条は削除せよ!是か非か』(洋泉社、2004)

[編集] 脚注部

  1. ^ 1982年にJICC出版局から出した『インテリ大戦争』の表紙裏の著者紹介では、ペンネームの読みを「ごちえい」とし、「くれともふさ」という読みも認めている。
  2. ^ 『論よりコラム』(双葉社)P.142
  3. ^ a b 『ホントの話』
  4. ^ このコラムは『健全なる精神』(双葉社、2007)に収録されている。

[編集] 外部リンク

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