南伸坊
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南 伸坊(みなみ しんぼう、本名は伸宏。昭和22年(1947年)6月30日 - )は日本の編集者、イラストレーター、エッセイスト、漫画家である。本の装幀も多数手掛ける。エッセイに自らイラストをつける手法により、イラストライターと自称する。あたたかみのある描線の似顔絵や、シンプルながら洗練された装幀は評価が高い。東京都世田谷区出身。ペンネームは、宮武外骨の『滑稽新聞』の絵師「黒坊」に由来する。
東京都立工芸高等学校デザイン科卒業。東京芸術大学デザイン科の試験をうけるが不合格。美学校の木村恒久工房に入学。のち「絵・文字工房」で赤瀬川原平に学び、1970年卒業。
デザイナーとして、日本能率協会に入社するが1年で会社が倒産。1972年青林堂入社。のち、雑誌『ガロ』の編集長を務め、渡辺和博とともに「面白主義」を打ち出し、『ガロ』の傾向を変える。
たとえば、1976年から掲載がはじまった、糸井重里と湯村輝彦による「ペンギンごはん」シリーズは、南が湯村単独で、以前に別の雑誌に発表していた漫画を見て、執筆を依頼した。糸井とはこののち、交友関係が続くことになる。
なお、1970年には、赤瀬川、松田哲夫とともに「櫻画報社」をつくり、各雑誌を「雑誌ジャック」する。1972年には、赤瀬川、松田哲夫と、初の「トマソン」である無用階段「四谷階段」を発見した。
1980年には、三浦友和と山口百恵の結婚式の日に、渡辺と「合同結婚式」を、日比谷公園内のレストラン松本楼であげた。
また、1981年には、パフォーマンス集団「HAND-JOE」(糸井重里:命名)を、上杉清文、末井昭ともに結成。後に鈴木祐弘、巻上公一、山崎邦彦も参加。兵庫県立近代美術館で、水戸黄門の扮装をして楽器演奏をするなどの活動をした。また、写真家滝本淳助も加えて「ハンジョウ・オール・スターズ(H.A.S.)」というバンドも結成し、渋谷のライブハウス「LA MAMA」でライブを行った。ちなみに、南はライブの前日にアルト・サックスを買って、ライブにのぞんだ。このグループの活動は、レコード「高級芸術宣言」(1984)及び『高級芸術宣言』(1985 JICC出版局)にまとめられている。
1979年に青林堂を退社してフリーとなり、エッセイなどの独特の文体で嵐山光三郎などの「昭和軽薄体」の一員とされ、人気を博す。ただし、「素人ぶった、カマトト的な文体であり、『自分は素人』と逃げている」と、亀和田武から批判された。
『ハリガミ考現学』での貼紙の研究により、赤瀬川原平らと路上観察学会にも参加。丸刈りでおむすび型の頭をトレードマークにしており、これを強調した自画像イラストでも知られる。日清チキンラーメンのCMなどにも出演した。
また、『みなみしんぼうのそっくりアルバム』『歴史上の本人』『本人の人々』などは、有名人たちに扮装して顔マネをした、「そっくり写真」をあつめた本である。衣装、小道具、写真は、妻の南文子が担当している。なお、文子も。美学校の赤瀬川教室の出身である。
また近年は、専門家との対談形式で、専門的な事項を素人にもわかりやすく説明する本も多い。
漫画作品は、中国の奇異小説を漫画化したものが多く、また、中国歴史物小説のカバー挿画も多く担当している。
また、任天堂のゲームソフトMOTHERのキャラクターデザインも手がけた。
目次 |
[編集] 出演
[編集] テレビ
- スタジオL NHK 1985 - 司会
[編集] 映画
- 爆裂都市 BURST CITY(1982年、東映セントラルフィルム)
- 俗物図鑑(1982年)
- スタア(1986年)
[編集] 単著
- 面白くっても大丈夫 ウルトラ・ファイティング・エッセイ(1981年)
- さる業界の人々(1981年)
- 哲学的(1983年)
- モンガイカンの美術館(1983年)
- ご町内の皆様(1984年)
- ハリガミ考現学(1984年)
- 絵と文(1984年)
- シンボ-の常識(1984年)
- これが天職だ(1985年)
- ハリガミ考現学part2(1986年)
- 冗談ばっかり(1986年)
- シンボ-の大学ノ-ト(1987年)
- 放課後のサイエンス(1987年)
- 路上観察ファイル(1989年)
- 無用な御意見(1989年)
- 笑う写真(1989年)
- 5年1昔 南伸坊のキ-ワ-ド・ウォッチング(1990年)
- シンボ-の絵と文(1991年)
- シンボ-の人間模様(1991年)
- 笑う科学(1991年)
- 笑う哲学(1992年)
- 笑う大学(1993年)
- 笑う街角(1993年)
- 単なる冗談(1994年)
- 顔(1995年)
- 面白くっても大丈夫(1995年)
- 大人の科学(1995年)
- みなみしんぼうのそっくりアルバム (1996年)
- 歴史上の本人(南文子写真 1997年)
- ごはんつぶがついてます (1998年)
- 対岸の家事 シンボ-主婦やってみた (1998年)
- 少し早めの私の遺言(2000年)
- 装幀/南伸坊 (2001年)
- 赤と黒(2002年)
- 本人の人々(南文子写真 2003年)
- 笑う茶碗(2004年)
- 健康の味(2008年)
[編集] 共著
- とんだ旅して地平線(立松和平、関川夏央、西木正明と共著 1982年)
- 高級芸術宣言 付・総合商社HAND-JOEの歩み 高級芸術協会著(平岡正明、南伸坊、末井昭、巻上公一、赤瀬川原平、糸井重里ほか) JICC出版局 1985年)
- 快感のプラクシス(植島啓司と共著 1987年)
- こいつらが日本語をダメにした(赤瀬川原平・ねじめ正一との共著 1992年)
- 生物学個人授業(岡田節人と共著 1996年)
- 免疫学個人授業(多田富雄と共著 1997年)
- 解剖学個人授業(養老孟司との共著 1998年)
- 平然と車内で化粧する脳(澤口俊之と共著 2000年)
- イマドキ―現代用語50(朝日新聞学芸部との共著 2002年)
- 心理療法個人授業(河合隼雄と共著 2002年)
- 東海林さだおの味わい方(東海林さだおとの共著 2003年)
- シンボ-ズ・オフィスへようこそ!完全版(鏡明、関三喜夫他と共著 2003)
- 盆栽癒しの小宇宙(丸島秀夫との共著 2003年)
- 「科学的」って何だ!(松井孝典と共著 2007年)
[編集] 挿絵を担当
- お台所クラブ お料理格言事典(お台所クラブ著 1987年)
- マイ食ッKing―有名人が語る“私だけのグルメ"(伊丹由宇編著 1991年)
- ウソつきのススメ(林多加志著 1991年)
- TN探偵社なぞのなぞなぞ怪人(斉藤洋著 1992年)
- TN探偵社怪盗そのまま仮面(斉藤洋著 1993年)
- 天小森教授、宿題ひきうけます(野村一秋著 1995年)
- 天小森教授、初恋ひきうけます(野村一秋著 1996年)
- さるかに(松谷みよ子著 1997年)
- 花さかじい(松谷みよ子著 1998年)
- そ-くん(ねじめ正一著 2000年)
- 天小森教授、宿題ひきうけます(野村一秋著 2001年)
- 大切にしたいものは何?―鶴見俊輔と中学生たち(鶴見俊輔著 2002年)
- 天小森教授、初恋ひきうけます(野村一秋著 2002年)
- かむかむ からだこころげんき(カムカムズとの共著 2003年)
- どろぼうトラ吉とどろぼう犬クロ(那須正幹著 2003年)
- 天小森教授、100点満点ひきうけます(野村一秋著 2004年)
- TN探偵社なぞのなぞなぞ怪人(斉藤洋著] 2007年)
[編集] 漫画・絵本
- かきあつめ いつか何かの役に立つ 南伸坊イラスト集 (1984年)
- チャイナ・ファンタジ- (1990年)
- ぼくのコドモ時間 (1991年)
- 仙人の壺 (1999年)
- 李白の月 (2001年)
[編集] レコード
- 高級芸術宣言 1984