名鉄1000系電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1000系電車(1000けいでんしゃ)は、名古屋鉄道の快速特急・特急列車に使われる特急形車両の車種の一つである。
本稿では1030系電車、1200系・1230系電車、1800系・1850系電車、1380系電車についても記述する。
この系統には、普通列車運用とされた「1380系電車」や一部特別車特急の増結用1800系・1850系を除いて「パノラマSuper」の愛称がある。同じく「パノラマSuper」の愛称を持つ1600系については当該系列の項を参照のこと。
目次 |
[編集] 車両形式
[編集] 1000系
名鉄1000系電車 | |
---|---|
名鉄1000系 | |
起動加速度 | 2.0(70km/hまで)km/h/s |
営業最高速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
|
編成定員 | 216名(特別車4両) |
全長 | 先頭車20,380mm 中間車19,730mm |
全幅 | 2,740mm |
全高 | 一般客室屋根高3,520mm 冷房装置上面3,884mm パンタグラフ折畳4,025mm |
編成重量 | 149.0~156.0t |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
編成出力 | 150kW×8=1,200kW |
駆動装置 | 中実軸平行カルダン(TD式) |
制御装置 | 界磁チョッパ制御 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ |
東西直通40周年にあたる1988年の夏に登場した。折からの好景気とあって、座席指定車(当時)の上級化ニーズに応えるべく一挙に9編成36両が投入された。設計コンセプトは「ハイ・アメニティ(快適性)・エキスプレス」である。以後1997年までの9年間に計21編成84両が製造されたが、そのうち1011~1016編成は1991年~1992年に2両ずつ分割し岐阜方の2両を豊橋向きに方向転換の上、1200系・1800系(後述)と組んで一部特別車編成12本を組成している。
全車特別車編成は4両編成を組み、両先頭車両が展望席となっている。また「一部特別車」編成は6両編成だが、このうち豊橋方2両が1000系の「特別車」で他の4両が1200系の「一般席」である。
1000系は先頭車両が全長20m超で、台車間が長く曲線での偏倚が大きいため吉良吉田駅に入線できない。 それでも初期の方向幕には『吉良吉田』『蒲郡』の駅名が含まれていた。その他には、特急列車の運用がない『豊田市』や『碧南』の駅名が書かれた方向幕があった。
「全車特別車」編成は、ミュースカイを除くすべての特急の一部特別車化により用途を失うため、2007年の夏から1008Fを皮切りに運用離脱が始まり、新5000系への機器流用が行われる。
[編集] 車内設備
- 展望室
- 一般客室
- 回転式リクライニングシートが設置されており、シートピッチは1,000mmである。この座席には一斉回転装置が付いているが、豊橋駅では停車時間の関係で使用していない。側窓はやはり8800系から採用された隅のRが大きい独立型固定窓(天地寸法900mm)である。
- 一部特別車編成では床がカーペット敷きになっている。
- デッキ
- トイレ・洗面所
- いずれも豊橋方から2両目のモ1050形にあり、4両編成の中間にある。
- 情報サービス装置
- 車内ラジオ再送信システム
- 車内案内表示器
- 次の駅・現在の速度・新聞社(主に中日新聞)によるニュース・名鉄からのお知らせなどを流している。
[編集] メカニズム
- GTO界磁チョッパ制御で、モーターは150kWの直流複巻電動機が用いられる。これは5700系や6500系と同じシステムである。歯車比は5700系と同一の82:17(4.82)で、ブレーキの強化により最高速度が110km/hから120km/hに向上した。1994年製の1017編成以降はボルスタレス台車を履いている。
- 技術的には、同じく電磁直通ブレーキの5700系・5300系、5500系、6000系・6500系・6800系、7000系・7700系・7100系、さらには8800系との総括制御(連結)運転が可能である。1990年~1992年に名古屋本線の一部指定特急で5000・7000系列との連結運転が実施されていたが、特別車が常に4両で一般車より多くなる(6000系の一部、6800系、5300系の一部、7100系、7700系は2両)ことがあるが車両間の通り抜けが出来ないため誤乗が絶えなかったことと、最高速度が110km/h(6000系と連結した場合は100km/h)と従来の120km/hより低くなるため所要時間が長くなるなどの理由で、現在は犬山検車場~新鵜沼駅間などの回送列車や構内入れ替え運転に限定されており、営業列車での異系列混結運転は行っていない。
- 一部特別車編成用の車両については、台車が増圧ブレーキ・ABS対応(付随台車も片押し制輪子)のものに交換された。また特別車側では増解結を行わないため、前頭の電気連結器が撤去された。
- 警笛にはパノラマカー以来の伝統であるミュージックホーンを装備するが、8800系と同様にICによるデジタル制御となった。また、空気笛は名鉄初の高低2音吹鳴(ダブルホーン)である。
[編集] 1200系
名鉄1200系電車 | |
---|---|
名鉄1200系 | |
起動加速度 | 2.3(70km/hまで)km/h/s |
営業最高速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
|
編成定員 | 特別車2両:108名 一般車4両:471(座席216または218)名 |
全長 | 先頭車18,900mm 中間車18,830mm 3号車のみ19,930mm |
全幅 | 2,740mm |
全高 | 屋根高3,560mm 冷房装置上面3,880mm パンタグラフ折畳4,065mm |
編成重量 | 216.9~217.4t(6両) |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
編成出力 | 150kW×4(1000系)+150kW×12(1200系)=2,400kW |
駆動装置 | 中実軸平行カルダン(TD式) |
制御装置 | 界磁チョッパ制御 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ |
「一部指定席(現・特別車)」特急に使用する1000系の一般席車(現・一般車)用として1991年から製造された車両である。
車両性能は1000系に準じているが車内設備は同系列と異なっており、展望室の省略、デッキの廃止と3ドア化、座席が転換クロスシートに扉付近収納式補助座席といった変化がある。
一足先に登場したJR東海311系と同様の3扉転換クロス車だが、補助座席の比率が多め(2人掛8脚)な上、転換クロスシートと窓のピッチが一部合致しないのが難点である。座席自体はバケットタイプ・吊り下げヒーターとなり、座り心地が向上した。なお、補助座席は5700系・5300系のものと類似の形状だが、席を立っても自動収納されない点が異なる。1992年製以降は先頭車の運転台背後が車椅子スペースとなっている。
客室窓の内枠は特別車と同様のFRP製である。床面高さは1000系より4cm低い1,110mmだが、窓框高さを4cm上げ765mmとしたため側窓の縦位置は統一された。化粧板は本系列固有の白色系を採用している。冷房装置は8800系以降と同様のセミ集中式で能力を17,000kcal/h×2に増大した。天井は高さ2,150mmだが、両隅の丸みがかなり小さく冷房はラインデリア直接吹き出しをやめて特別車と同じラインフロー(スリットフロー)式となった。
照明は5700系と同様の埋め込みカバー付きだが、これも特別車と同様に少し中心に寄っている。扉と窓の配置はdD2D2D1(先頭車の場合)で、扉間寸法が6500系などよりも20cm長い。4両編成で運用していた1000系を2両ずつに分割して本系列を連結した関係で、2・3号車のトイレ・洗面所と車掌室の配置が入れ替わっている編成が6本ずつあり、2号車にトイレと洗面所・3号車に車掌室のある車両はA編成と呼ばれて1200番台に、2号車に車掌室・3号車にトイレと洗面所のある車両はB編成と呼ばれて1300番台となっている。連結する1000系に合わせて車番の下2桁は11~16・61~66となっている。4・5号車には車掌の車内巡回時にもドア操作ができるようにドア開閉スイッチが装備されている。また、4号車は弱冷房車である。
号車表示は2200系と同じマグサイン風のステッカーに最近変更されている(1000系の部分も同様)。前面形状は愛称標示や灯具周りを1000系に似せている。
長らく名古屋本線専用の列車だったが、一部特別車特急の運行範囲拡大により2005年1月29日からは常滑線と空港線で、2007年6月30日からは犬山線・広見線・河和線・知多新線での運行も始まり、現在では幅広い路線で見ることができる。
編成は、豊橋方に特別車の1000系2両と岐阜方に一般車4両を連結した6両編成である。なお、1800系・1850系も含めて1000番台一般車では全車にボルスタレス台車が本格採用となっている。電動車比率(4M2T)や編成出力が高く、加速度は2.3km/h/sと1000系特別車のみの4両編成より若干の向上にとどめたが、高速域の加速力は3500系などと同等となっている。
[編集] 1800系・1850系
1800系は名古屋本線一部特別車特急のラッシュ時における一般席増結用車両として製造された。一般車のみの2両編成で一見1200系と似ているが、先頭部の「パノラマSuper」のパネルがなくミュージックホーンも装備していない。そのため、1800系が先頭車となる特急列車(名古屋・岐阜・犬山方面)はミュージックホーンを鳴らすことができない。
制御方式は界磁添加励磁制御で、6800系や5700系6両編成の1M車(モ5650形)と同じ方式であり、歯車比は1000系やモ5650形と同じ4.82として120km/h走行にも対応している。限流値を上げて起動加速度を2.2km/h/sとし、1200系と極力足並みを揃えた。9編成18両が在籍する。
一般席増結用車両にも、1230系のように7500系の走行用機器を一部に使った編成が存在しているが、これらは1850系と呼ばれている。7500系のうち運転台付き中間車を挟んでいた7515編成の生まれ変わりである。制御装置は1230系と同じであるが、こちらは限流値を下げて加速度を1800系と同じ2.2km/h/sとしている。1850系は3編成6両が在籍する。
昼間時間帯や土曜・休日は単独で名古屋本線(須ヶ口~岐阜が多いが最近は東岡崎方面での運用も増えた)や犬山線・広見線(主に犬山~新可児)・竹鼻線・津島線・河和線など各地の普通運用に就く。登場後の一時期に3重連の6両編成で名古屋本線の急行列車に運用されたことや、JRへの対抗として重連で三河線碧南方面~津島線弥富方面の急行に運用されたことなどもあった。
[編集] 1030系・1230系
名鉄1030系・1230系電車 | |
---|---|
名鉄1030系 | |
起動加速度 | 2.3(70km/hまで)km/h/s |
営業最高速度 | 120km/h |
設計最高速度 | 130km/h |
減速度 | 3.5km/h/s(常用最大)
|
編成定員 | 特別車2両:108名 一般車4両:471(座席216)名 |
全長 | 特別車:先頭車20,380mm 中間車19,730mm 一般車:先頭車18,900mm 中間車18,830mm 3号車のみ19,930mm |
全幅 | 2,740mm |
全高 | 特別車:冷房装置上面3,884mm パンタグラフ折畳4,025mm 一般車:冷房装置上面3,880mm パンタグラフ折畳4,065mm |
編成重量 | 224.5t(6両) |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
編成出力 | 75kW×24=1,800kW |
駆動装置 | 中実軸平行カルダン(TD式) |
制御装置 | 他励界磁制御、界磁チョッパ制御 |
ブレーキ方式 | 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ |
一部指定席(現特別車)特急の編成不足を補うために、1992年10月に廃車された7500系の走行用機器を一部使用して製造された車両である。
内装は1000系・1200系に準ずるが、従来の車両が電動車4両とモーターなしの付随車2両に対しこの3編成は全車両が電動車となっている。トイレ・洗面所、車掌室は使い勝手のよさから1200系B編成に準じ、車号は1100・1300番台となっている。
制御方式は7500系と同じ他励界磁制御で、モーターは75kW(340V・245A・2,400rpm)の直流複巻電動機である。ただし指定席車(現在の特別車)用となる豊橋方2両の車両については補助電源装置がMG(電動発電機)からSIV(静止型インバータ)に変更されたため、他励界磁制御装置はGTOを利用したものが新製され、事実上界磁チョッパ制御となった。歯車比は7500系の4.93から1000系と同じ4.82へとわずかに変更されている。回生ブレーキは、常に8台の電動機を直列に接続して使用するため、100km/h以上の高速では端子電圧と弱め界磁率の制限から回生ブレーキ力が絞られ、低速側での打ち切り速度も定格速度に比例して約50km/hと高く、1000系と比較するとその能力は劣る。また惰行時には、回生ブレーキに備えて電動機が直列に接続されて待機するため、再力行は直列段から順に起動し、惰行制御を行う1000系と比較すると応答が悪いといえる。弱め界磁起動で出始めはスムーズだが、抵抗制御段数が少なく中途加速が少し粗いという性質も7500系から受け継いでいる。営業最高速度は120km/h、設計最高速度は動力性能上は7500系とほとんど変わらないものの、低床構造ではない上にブレーキが1000系・1200系と同じシステムのため、130km/hとされている。1000系・1200系とは異なり、6両編成の全てが電動車からなる。
1000系・1200系編成と共通運用されており、判別はしにくいが、
などが識別点である。
6両編成4本が在籍していたが第4編成は2002年に衝突脱線事故で特別車2両を失い、残る一般車4両が一般車両に格下げされ次項の1380系となった。同編成は元々予備車確保のための増備車だったため、この事故廃車に伴う代替新造は行われていない。その結果、7500系の機器流用車で現在特急用として残るのは本系列と1850系がともに3編成ずつ計24両と名鉄では少数派の部類である。
[編集] 1380系
一部指定席(現特別車)特急編成増備のため、1993年に7500系7519編成から機器を流用し、1030系・1230系の1134編成として落成した。
2002年9月26日に当該編成(1134F)が名古屋本線奥田~大里間で踏切から進入して線路上を走行していた自動車と衝突、脱線した。特別車部分(1030系)2両は大破したため廃車とし、岐阜寄り4両のうち豊橋方のモ1384号に運転台を新設する工事を行い、新たな固定編成に修理・改造しされたのがこの車両で、1編成のみの特異な存在でもある。1000/1200系・1030/1230系の増結用とされる1800系,1850系とは異なり、特急運用ではなく単独で普通運用に就いていることから、一般に豊橋方先頭車の形番を以て1380系と呼称されている。
格下げに伴い塗色は赤一色となり、先頭部の「パノラマSuper」標示もなくなった上、ミュージックホーンも使用できなくなったものの、内装は特急時代のままである(車内放送の前に鳴らすチャイムは岐阜側のみあり)。また、ブレーキ増圧システムを使用停止としたため最高速度を120km/hから110km/hに変更されたが、5000系(2代)登場の際に120km/hに戻された。一部特別車特急といえば4号車は弱冷房車だが、この車両の元4号車(つまり現2号車)は車両内・外ともに「弱冷房車」のステッカーがなくなったため、弱冷房ではなくなった模様である。モ1384号の新設運転台と次位客扉との間は他車よりも1mほど長いが、元々あった客室窓は埋められ、車掌台側が3人掛けロングシート、運転台側が車椅子スペースとなっている。
客室内のスピードメーターに表示される電車のデザインは、1200系のものから3500系・3700系と同じものに変わっている。デジタル式の号車番号表示器は、他の形式(7000系など。5000系を除く)と併結した時に号車番号の認識ができないため非表示の処理が施されていたが、5000系登場の際に再び表示されるようになった。
2003年10月4日より犬山線犬山駅~名古屋本線東岡崎駅間を普通列車として2往復の列車に限定運用されていたが、2005年1月29日のダイヤ改正で運用範囲が広見線の犬山駅~新可児駅間と名古屋本線の東岡崎駅~伊奈駅間にも広がった。同年2月18日には混雑の激しい朝の新鵜沼駅発中部国際空港駅行急行列車他の運用に7000系に代えて使用され、常滑線、津島線などにも入線している。この列車では同系列との併結運転も行った。この運用は3月21日まで平日運用で継続されたが、翌22日からは空港関係の列車が別形式車(3000系列)で運行されることになったため、再び普通列車中心の運用(現在のダイヤでは主に犬山駅~豊明駅間の2往復)に戻った。現在、平日の朝ラッシュ時は広見線内(主に犬山駅~新可児駅間)の折り返し運用に就いていることが多い。なお今までに7000系の他、5300系2両との併結運転も確認されている。また、5000系(2代)の代走にも使っている。
[編集] 沿革
- 1988年 - 4両編成9本(1001~1009編成)が登場。新岐阜(現・名鉄岐阜)~豊橋間特急で運転。
- この頃、極めて例外的な措置だが豊橋駅から特急として折り返すため、国府駅または伊奈駅→豊橋駅間で朝間2~3本の急行列車に使われ、現在の「特別車」である車両に料金なしで乗車することができた。2008年現在もこのような列車はあるが、一般席車となる1200系のみに乗車でき、特別車には乗車できない。
- 1989年 - 4両編成3本(1010~1012編成)を増備。新岐阜~西尾間と新鵜沼~河和・内海間の一部列車でも運転開始。
- 1990年 - 4両編成4本(1013~1016編成)を増備。名古屋本線で座席指定車に特別料金の不要な一般席車を連結した一部指定席特急が運転開始。
- 最初は1000系の4両固定編成にパノラマカーや5700系などの従来車両を料金不要の一般車として連結した。
- 名古屋本線で120km/h運転を開始。
- 1000系にも増圧ブレーキが設置され、早速同系列のみの編成に限り設置された。7000系や5700系など120km/h非対応車を連結した列車では、最高速度は110km/hのままで、この時点ではまだ大幅な所要時分の短縮はない。
- 1991年 - 一部指定席特急のスピードアップ。列車の走行中にも指定席車と一般席車とを往来できるように一般車用の1200系と増結用1800系が登場する。
- この編成に改造されたのは1990年製造の1013~1016編成である。この時の編成替えは枇杷島分岐点のデルタ線(三角線とも呼ばれる)で行われた。
- 1200系の車号の下2桁はこの1000系の下2桁に合わせてある。また1100番代車が先頭に立つ編成は1000番代車の車号に全車+100となっている。
- 1992年 - さらに一部指定席特急編成を増やすため1200系を増備した。1011・1012編成も一部指定席特急編成となる。1030系・1230系・1850系が登場。
- 1994年 - 再び全車指定席車の4両固定編成、1017~1019編成が新製される。
- 1996年 - 一般車で最後の増備車、1806~1809編成が新製される。ラッシュ時の名古屋本線特急をほぼすべて8連化する。
- 1997年 - 1000系最後の増備車、1020~1021編成が新製される。
- 2002年 - 1134編成が踏切事故により使用不能となる。
- 1134編成のうち破損が大きいモ1134とモ1184が廃車され、残された1230系の4両は1380系に改造される。
- 2003年 - 1380系が名古屋本線・犬山線で限定運用を開始。
- 2005年 - 1000系(特別車両)の側面側の方向幕を従来の幕回転式からオーロラビジョンRへ変更。ただし、連結されている1200系(一般車両)の方向幕は従来通りである。空港線開業に伴い一部特別車編成が同線や常滑線での運行を開始。
- 2006年 - 1200系一部特別車に列車のドアが閉まる直前に「ドアを閉めます ご注意ください」という車内音声が付いた編成が登場した。通勤車のドアチャイムに相当するもので、順次、全車両に装備する予定である。
- 2006年9月29日 - 2007年夏以降「ミュースカイを除き、快速特急・特急を『一部特別車』に統一」と発表した。このため1000系のうち特別車のみで構成される15編成が2009年度までに全廃されることが発表された。2007年度は4編成が廃車となり、その主要機器を流用して同数の通勤型車両・5000系(2代)[1]が製造される予定。
- 2007年2月24日 - 名鉄と犬山市のタイアップキャンペーン「『本物』を求めて、犬山へ。」にあわせて1005Fにラッピングが施され、「犬山時代絵巻号」として運転を開始した(~5月31日)。
- 2007年6月2日 - 1008Fが新5000系の機器を確保するため廃車となる。1000系の事故以外での廃車は初めて。
- 2007年6月30日 - この日のダイヤ改正で1200系が犬山線・河和線などで運転を開始。同時に1000系全車特別車編成のうち4本が休車状態となり、機器確保のための廃車が本格化する。2008年1月時点では上記1008Fの他に1003F・1005F・1006F・1009F・1017F・1018F・1020Fが廃車となっている。
- 2007年9月20日 - 名鉄と半田市のタイアップキャンペーン「おもてなし半田キャンペーン」にあわせて1018Fにラッピングが施された。
- 2007年10月28日 - 航空自衛隊岐阜基地で航空祭が開催されるのに併せ、新鵜沼発着列車の一部を三柿野発着に延長。これにより、この日のみではあったが1200系を各務原線でも見ることができた。
- 2008年2月19日日本車両豊川工場から新型通勤車両5000系が甲種輸送された。3300系に類似したステンレス車体に1000系の制御装置、主電動機、台車、制動装置、パンタグラフ等を組み合わせたものである。同形式は同年3月下旬より営業運転を開始した。[2]
[編集] 使用列車
このほか、一部特別車の編成が急行や普通として運用されることもある。ただし特別車には乗車できない。また、イベントなどの場合は各務原線などにも入線することがある。
[編集] 在籍数および編成など
- 1000系
- 全車特別車編成:4両×7本=28両
- 一部特別車編成:2両×15本=30両(うち1030系6両)
- 計86両
- 1200系
- 一部特別車編成:4両×15本=60両(うち1230系12両)
- 1800系
- 2両×12本=24両(うち1850系6両)
- 1380系
- 4両×1本=4両
[編集] 編成本数など
共に左側を豊橋駅方向とする。
- 1000系編成(全車特別車編成)4両固定編成:14本(1000系登場時編成)
- ク1000(Tc)-モ1050(M)-モ1150(M)-ク1100(Tc)
- 最高速度120km/h(130km/h準備)。
- 1000系/1200系・1030系/1230系編成(一部特別車編成)6両固定編成:15本(1000・1200形12本、1030・1230形3本)
- 豊橋方2両が特別車、岐阜方4両が一般車
- ク1000(Tc)-モ1050(M)-モ1250(M)-サ1200(T)-モ1450(M)-モ1400(Mc)
- ク1100(Tc)-モ1150(M)-モ1350(M)-サ1300(T)-モ1550(M)-モ1500(Mc)
- モ1130(Mc)-モ1180(M)-モ1380(M)-モ1330(M)-モ1580(M)-モ1530(Mc)
- 最高速度120km/h(130km/h準備)。
- 1380系編成(全車一般車普通用)4両固定編成:1本(事故前の車両も含む)
- モ1134(Mc)-モ1184(M)-モ1384(M→Mc)-モ1334(M)-モ1584(M)-モ1534(Mc)
- モ1134・モ1184は2003年廃車、モ1384は2003年運転台取り付け改造。
- 最高速度120km/h(1380系に改造する際、ブレーキ増圧システムを使用停止としたため、最高速度が110km/hになっていたが、5000系の製造に伴い120km/hに戻った)。
- モ1134(Mc)-モ1184(M)-モ1384(M→Mc)-モ1334(M)-モ1584(M)-モ1534(Mc)
[編集] その他
- 1000系以前から存在する2扉クロスシート車が「SR車(スーパーロマンスカー)」と呼ばれており、単に「スーパー」と言ったのでは紛らわしいため、名鉄社内では1000系列の略称を「PS」としている。
- 一部駅には、8連または6連の1000系列の停止位置に「PS8」または「PS6」と書かれた標識がある。
[編集] 脚注
- ^ 月刊とれいん2008年1月号「いちぶんのいち情報室」中の記事より。なお、同記事によると、2008年春までに4両編成8本32両を導入予定で、うち4本16両が2007年度製造分となる。
- ^ 名古屋鉄道ニュースリリース。通勤型車両5000系の運転開始について
[編集] 参考文献
[編集] 関連商品
- Nゲージでグリーンマックスから1000系全車特別車編成、1200系一部特別車編成、1800系が発売されている。また、宮沢模型からグリーンマックス製品をベースにしたブルーライナーも発売された。
- プラレールでも1000系編成がかつて一般色・ブルーライナーともに発売されていた。現在一般色編成はタカラトミーが関わるイベント等で入手可能。
[編集] 外部リンク
- 名鉄車両博物館
- 1000系
- 1200系(1230系を含む)
- 1380系
- 1800系(1850系を含む)
- 1000系列車両の運用列車検索ページ(名鉄運用研究所)
- 「特急政策の見直し」と「平成19年度の車両新造計画」について