台湾国際放送
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台湾国際放送(たいわんこくさいほうそう、英語:Radio Taiwan International、略称:RTI)は、中華民国(台湾)の国際放送である。
中華民国の国家放送局である財団法人中央広播電台(中央放送局)が、台北(タイペイ)から放送を行っている。
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[編集] 歴史
創設以来、中華民国における国家社会の安定と国家民族のための放送事業に従事している。
- 1928年8月1日 - 国民政府の中央広播電台、南京で放送開始(呼出符号:XKM、後にXGZに変更)。
- 1932年夏 - 国民政府、放送局を管理、運用する機関として中央広播無線電台管理処を設置。
- 1932年11月13日 - 中央広播電台、出力75kWで中波による大出力放送を正式に開始(日本語放送も開始し、「南京の鶯」による怪放送と騒がれる)。呼出符号をXGOAに変更。
- 1936年1月23日 - 中央広播電台、短波による海外放送開始(呼出符号XGOX)。広東語・アモイ語・英語・マレー語による東南アジアの華僑向け放送(英称は“The Central Broadcasting Station”)。
- 1936年1月 - 中央広播無線電台監督処、中央広播事業管理処に改称。
- 1937年7月17日 - 中央広播電台、蒋介石の対日抗戦声明を短波で全世界に放送。
- 1937年11月23日 - 中央広播電台、南京からの放送を停止し、政府とともに西方に撤退(漢口を経て、重慶に移転)。
- 1938年3月10日 - 中央広播電台、重慶から放送再開。
- 1939年2月6日 - 中央短波広播電台、重慶から海外放送開始(呼出符号:XGOX、XGOY)。使用言語は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語・日本語など(最大時には、中国語の方言を含むと20言語に拡大)。
- 1940年1月 - 中央短波広播電台の名称、中国国際広播電台(英称は“The Chinese International Broadcasting Station”、通称は“The Voice of China”)と決定。
- 1946年5月5日 - 中央広播電台、政府の南京還都と共に南京に移転。
- 1946年12月 - 中央広播事業管理処を改組して中国広播公司を設立する案、国民政府行政院の批准を経て成立。
- 1949年 - 中央広播電台、4月23日の南京陥落に伴い、政府とともに広州を経て、台湾地区に移転。
- 1949年6月 - 中国広播公司、台湾に出力20kWの短波送信機を完成。
- 1949年10月10日 - 中国広播公司、「自由中國之聲」(英称は“The Voice of Free China”、略称はVOFC、日本語による呼称は「自由中国の声」)の呼称で国際放送を開始。当初の使用言語は中国語・日本語・英語。
- 1949年11月 - 中国広播公司(英称は“The Broadcasting Corporation of China”、略称はBCC)、最初の株主総会を開催し、株式会社として正式に発足。中央広播事業管理処から中央広播電台の業務を引き継ぐ。
- 1950年7月 - 「自由中国之声」、フランス語・朝鮮語・アラビア語・ロシア語放送開始。
- 1950年11月 - 政府が中波送信機の一部を調達し、「中央広播電台」の呼称で中国大陸向け放送開始(12月18日、正式に放送開始)。
- 1951年8月6日 - 中国広播公司、大陸向け放送を強化するため、「大陸広播組」を設立。
- 1953年7月 - 「自由中国之声」、ベトナム語放送開始。
- 1954年5月20日 - 中国広播公司、「大陸広播組」を「大陸広播部」に拡充、チベット語・モンゴル語・ウイグル語・ロシア語による放送を開始。
- 1957年3月 - 「自由中国之声」、東南アジア向け放送を強化。インドネシア語放送を開始。
- 1972年 - 中国広播公司、「大陸広播部」の正式名称を「中央広播電台」に変更。
- 1976年12月 - 中央広播電台、大陸向け放送専用として中国広播公司から独立し、国民党中央大陸工作委員会の所属に変更。
- 1976年 - 「自由中国之声」、中南米向けスペイン語放送を正式に開始。
- 1979年1月 - 中国広播公司、「亞洲之聲」(英称は“The Voice of Asia”、日本語による呼称は「アジアの声」)の呼称で中国大陸、東南アジア向け放送開始。使用言語は中国語、英語、タイ語、インドネシア語。 ※自由中国の声とは別系統
- 1980年7月 - 中央広播電台、国防部総政戦部に所属変更。
- 1996年1月 - 「財団法人中央広播電台設置条例」、立法院を通過。
- 1997年12月31日 - 中国国民党所管のラジオ局である中国広播公司が運営し、48年間続いた台北からの国際放送「自由中國之聲」(The Voice of Free China)終了。
- 1998年1月1日 - 中国広播公司海外部と国防部所属の中央広播電台が合併し、国家放送局としての「財団法人中央広播電台」発足。国際放送は「中央広播電台・台北国際之聲」(英称は“The Central Broadcasting System:CBS, Radio Taipei International:RTI”)に改称(「亜洲之声」はそのまま継続)。日本語による呼称は「台北国際放送」。
- 2001年12月31日 - 「亞洲之聲」の呼称の使用を終了。
- 2002年1月1日 - 大陸向け、国際放送とも呼称を「中央広播電台・台北国際之声」に統一。
- 2003年1月1日 - 中国語による呼称を「中央広播電台・来自台湾的声音」に変更。
- 2003年7月1日 - 外国語放送の英称を“Radio Taiwan International”に変更(略称はRTIのまま)。日本語による呼称は「台湾国際放送」。
- 2004年10月1日 - 中央広播電台の英語名称を、台湾国際放送と同じRadio Taiwan International(RTI)に統一(CBSの名称は原則使用停止)。
[編集] 放送言語
2007年3月現在、以下の計13言語で全世界に向けて放送されている。
- 標準中国語 ※ここで言う「中国」は、中華人民共和国ではなく中華民国を指す。
- 閩南語(台湾語)
- 客家語
- 広東語
- 日本語
- タイ語
- 英語
- スペイン語
- ドイツ語
- フランス語
- ロシア語
- インドネシア語
- ベトナム語
以上は短波放送が主であるが、一部は国内・近隣地域向けに中波でも放送される。また、RTI FMとしてインドネシア語・タイ語・ベトナム語による国内向けFM放送も行われている。
[編集] 放送時間及び周波数(H19.10.28現在)
日本語放送は北東アジア向けに以下の周波数で実施されている。
時間(UTC) | 周波数(送信所) |
①11:00-12:30 | 9735KHz(台南送信所) |
②12:30-14:00 | 9735KHz(台南送信所) |
③08:00-09:30 | 11605KHz(台南送信所) |
- ②及び③は、前日①放送分の再放送
※+0900(JST)
[編集] 送信所
- 台南送信所:北緯23度11分00秒東経120度38分00秒
- 民雄送信所:北緯23度34分00秒東経120度25分00秒
[編集] その他
- 受信状態改善に向けて平19.3.27~平19.3.31までの5日間、11:00(UTC)~12:00(UTC)の日本語放送周波数を一時11605kHzから11875kHzに変更して放送した。
[編集] リスナー組織
台湾国際放送のリスナーで組織されるリスナーズクラブが、日本国内に2つある。
[編集] 外部リンク
- 財団法人中央広播電台(各国語ページの入口)
- Radio Taiwan International (台湾国際放送日本語部)