原田一道
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原田 一道（はらだ いちどう、文政13年8月21日（1830年10月7日） - 明治43年（1910年）12月8日）は、幕末・明治期の兵学者・日本陸軍軍人。陸軍少将。正二位勲一等男爵。現在の岡山県笠岡市出身。
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[編集] 生い立ち
1830年（天保1年）8月21日、備中国鴨方藩医原田碩斎の長男として生まれる。はじめ駒之進、のち敬策・吾一と称す。 備中松山藩家老の山田方谷に学ぶなどした後、1850年（嘉永3年）江戸にて蘭学医伊東玄朴に師事。砲術など洋式兵学を修めて幕府に出仕。1856年（安政3年）蕃書調書取調出役教授手伝・海陸軍兵書取調出役に就き、兵学を講じるなど翻訳にも従事する。
1863年（文久3年）12月、横浜鎖港談判使節外国奉行池田長発らの遣仏使節団一行に随いて渡欧。兵書の購入に努めるなど、使節団帰朝後も欧州に滞留してオランダ陸軍士官学校に学ぶ。1867年（慶応3年）に帰朝。故郷の鴨方藩に仕えたが、のち再度江戸へ出府し、講武所教授・開成所教授として洋学を教授した。西周・津田眞道・神田孝平・福沢諭吉らと研究にも励んでいる。
維新後は新政府の徴士として出仕。1869年（明治2年）軍務局権判事、1871年（明治4年）陸軍大佐、さらに兵学校御用掛・兵学校大教授・兵学校頭・太政官大書記官・一等法制官等を歴任。1873年（明治6年）には岩倉遣欧使節団に陸軍少将山田顕義理事官の随行員として参加し、フランス、オランダ等欧米各国を巡遊。1879年（明治12年）陸軍省砲兵局長、1881年（明治14年）には陸軍少将に進み、東京砲兵工廠長・砲兵工廠提理・砲兵会議議長等の陸軍の要職に歴任している。 なお、桂太郎・寺内正毅・黒木為楨・長谷川好道・川村景明・乃木希典ら、明治の将星は兵学校大教授時代の教え子である。
予備役編入後の1886年（明治19年）元老院議官、1890年（明治23年）貴族院議員に勅撰される。 1900年（明治33年）には兵器・軍律刑法研究の功により男爵を授爵し、華族に列せられる。のち錦鶏間祗候。 1906年（明治39年）勲一等瑞宝章。
1910年（明治43年）12月8日、肺炎のため東京裏猿楽町の自邸で死去、勲一等旭日大綬章を追贈される。墓は東京谷中墓地。
[編集] 家族
[編集] その他
- 晩年、裏猿楽町の自邸では地道に兵器研究を行っていた。敷地内にあった片隅の離れは「お爺さんの作業部屋」と呼ばれていた。
- 維新当時の西園寺公望が欧州留学を検討していた際、留学について大村益次郎に教えを請いにいったところ、大村は「自分よりも外国知識が豊富だから」と原田を推薦している。
- 貴族院議員のころ、一等車両パスの特権があったにもかかわらず、「お百姓さんの話が聴けるのが面白い」との理由で、下等であった三等車両に好んで乗車した。
- 幼年期は寺子屋に学んだが、あまりに物覚えが悪かったために馬鹿にされたのに発憤して勉学に励んでいる。
- 江戸留学中、勉学に熱中するあまり頭は蓬髪だった。他の友人達と芝居を観には行ったものの、ひとり入らずに門前で教本を読みふけり、芝居を見終わった友人達が出てきた時には、髪をひねる原田の癖で頭髪がこよりだらけにしまっており、友人達が驚いたとの話が伝わる。
- オランダ留学中、刀大小を帯びて士官学校に通学する姿に白人が仰天したというエピソードが伝えられている。
- 1893年（明治26年）、神奈川県大磯（北本町 165坪）に別荘を構えている。
