ドリームなごや号
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ドリームなごや号(ドリームなごやごう)とは、ドリーム号の一路線で、東京都と愛知県名古屋市(一部は岐阜県岐阜市)を結ぶ夜行高速バスである。
この項目では、女性専用車のレディースドリームなごや号・廉価版の青春ドリームなごや号・別ルートを経由するドリームとよた号及び、新宿発着のニュードリーム名古屋号についても記述する。
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[編集] 概説
東京~名古屋間のドリーム号の運行は、1969年6月10日の東名ハイウェイバス運行開始時に、ドリーム号の京都系統を名古屋経由で設定したのが始まりである。その後、東京~名古屋間の利用者が多いことから、1969年12月3日より名古屋系統を新設し、同時に京都系統(現在の「ドリーム京都号」)を直行便化している。
JR化後、1988年より「ドリーム5・6号」より「ドリームなごや号」に改称。1989年9月9日より、岐阜駅まで延長。当初は週末中心の運行だったが後に定期化。採算性が悪く、他のドリーム号が独立3列シート化された後も、しばらくは4列シートでの運行が続いていたが、1991年7月21日より三菱エアロキングを投入、定員を減らさずに独立3列シート化を行なった(ただし、一部座席は4列のまま)。これは「ドリームふくふく号」に続いて2番目である。1991年7月26日からは、岡崎市から豊田市・瀬戸市を経由する「ドリームとよた号」の運行を開始している。
1998年3月20日には、中央道経由で「ニュードリーム名古屋号」の運行を開始、専用車として初めてボルボ・アステローペを導入した。それまでの名古屋系統のドリーム号がJR東海バスの単独運行だったのに対し、「ニュードリーム名古屋号」ではJRバス関東との共同運行となっている。
2007年3月18日からはJRバス関東の車両については順次新構造の座席となる(JR東海バスについては未定)。
[編集] 運行会社
[編集] 運行系統および運行経路
- ドリームなごや号・レディースドリームなごや号
- 東京駅八重洲南口(到着は日本橋口)~霞ヶ関(※1)~(首都高速道路)~(東名高速道路)~星ヶ丘(※2)~本山(※2)~千種駅前(※3)~栄(オアシス21)(※2)~名古屋駅(桜通口)~岐阜駅(北口)(※4)
- 青春ドリームなごや号
- 東京駅八重洲南口(到着は日本橋口)~霞ヶ関(※1)~(首都高速道路)~東名江田~(東名高速道路)~東名上郷~東名豊田~名古屋インター~星ヶ丘~本山~千種駅前(※3)~栄(オアシス21)~名古屋駅(桜通口)
- ドリームとよた号
- 東京駅八重洲南口(到着は日本橋口)~霞ヶ関(※1)~(首都高速道路)~(東名高速道路)~岡崎駅~康生町~新豊田駅~八草駅前~瀬戸駅前~瀬戸市~尾張旭駅前~名古屋駅桜通口
- ニュードリーム名古屋号
- 新宿駅新南口~(首都高速道路)~(中央自動車道)~春日井駅~栄(オアシス21)(※5)~名古屋駅(桜通口)
- (※1):上り便のみ停車。
- (※2):下り便は全便停車、上り便は1本(ドリームなごや2号)のみ停車。
- (※3):下り便のみ停車。
- (※4):1往復(ドリームなごや1・2号)のみ発着。
- (※5):上り便のみ停車。
[編集] 途中休憩
夜行便としては比較的距離が短い路線のため、到着時間の調整を行なう目的で、休憩時間は比較的長め(20分程度)に設定されている。2007年10月現在における休憩箇所は次の通り。
JR東海バスでは、休憩時には放送の案内があり、車内の人数をチェックする。 JRバス関東便の場合、発車直後の案内において、休憩時には発車時刻を書いたボードを出入口付近に掲示し、その時刻を過ぎたら発車すると案内し、休憩地での放送は一切ない。
[編集] 歴史
- 1969年6月10日 - 国鉄バス「ドリーム号」東京~名古屋~京都系統運行開始。
- 1969年12月3日 - 東京~名古屋~京都系統を東京~名古屋系統と東京~京都系統(直行便)に分割。
- 1987年4月1日 - 国鉄分割民営化により、「ドリーム号」名古屋系統(5・6号)はJR東海の担当となる。
- 1988年4月1日 - 旅客鉄道本州3社のバス部門分社化により、JR東海バスの担当となる。
- 1989年3月3日 - 「ドリームなごや号」と改称の上、1日2往復に増便。
- 1989年9月9日 - 1往復を週末のみ(岐阜発金・土、東京発土・日)岐阜駅まで延長。
- 1991年7月21日 - 独立3列シートの2階建てバス(三菱エアロキング)を投入。
- 1991年7月26日 - 「ドリームとよた号」運行開始。
- 199x年 - 「ドリームなごや号」の岐阜延長を定期化。
- 1998年3月20日 - 「ニュードリーム名古屋号」1日1往復で運行開始(JRバス関東とJR東海バスの共同運行)。
- 2000年 - 「ニュードリーム名古屋号」1日2往復に増便。
- 2001年12月1日 - 「青春ドリームなごや号」運行開始。
- 2002年 - 「ニュードリーム名古屋号」の上り便と「ドリームなごや号」の1往復が「栄」に停車。岐阜系統を「ドリームなごや岐阜号」とする(名古屋系統(1・4号)と同時刻で運行されるが、栄には停車しない)。
- 2004年8月22日 - 「ドリームとよた号」の「瀬戸記念橋」バス停を廃止。
- 2005年5月27日 - 「レディースドリームなごや号」運行開始。「ドリームなごや岐阜号」を「ドリームなごや号」と統合。
- 2006年7月20日 - 東名経由の各系統に「本山」バス停を追加(「青春ドリームなごや号」は上下便とも停車、他の各系統は下り便のみ停車)。
- 2007年12月1日 - 「ドリームとよた号」に「八草駅前」バス停を追加。
[編集] 使用車両
[編集] 現在の車両
東京発着便には、独立3列(一部4列)39人乗りダブルデッカーが使用される。廉価版「青春ドリームなごや号」については、東名ハイウェイバスの車両が使用される。
「ニュードリーム名古屋号」は両社とも39人乗りダブルデッカーが使用される。
[編集] 過去の車両
長らく4列シート40人乗りの国鉄専用形式を使用してきたが、他のドリーム号(当時は京都と大阪しかなかった)にスーパーハイデッカーが投入されると、設備面で見劣りするようになった。JR化後には、国鉄専用形式の中からMS735SAに対して改造を行なった。改造の内容は、シートピッチ拡大を行ない、4列シートのままながら定員36名とするもので、同仕様のエアロバスや、他のドリーム号と同様のエアロクィーンWも導入された。
ダブルデッカーの投入後も、しばらくの間は2号車や3号車以降はこれらの車両が使用されていたが、ダブルデッカーの増備に伴い使用されなくなっている。
[編集] 使用車両画像一覧
[編集] バスロケーションサービス
東名・名神高速道路を走るJRバスを中心とした、ドリーム号と昼行便の、走行位置をリアルタイムでインターネット上から検索できるバスロケーションサービス、「Just Ride」を提供している。位置情報に加え、遅延時分の表示もある。
[編集] 競合他社
東京と名古屋という大都市を結ぶ路線としては、距離的に近いせいもあり、東京都内と名古屋市内を結ぶ直接の他社夜行路線バスは、次の2路線が存在するのみで、特に「ファンタジアなごや号」は他社とJR東海バスとの共同運行によるもので、実質的には相互補完関係である。
なお、近年、東京~名古屋間は安価な夜行ツアーバスが多数運行されており、実質的なライバルと言える。
また、「ムーンライトながら」も青春18切符シーズン以外は実質競合関係にある。
- ファンタジアなごや号(京成バス・JR東海バス)
- 西船橋駅~TDS~TDL~東京テレポート駅~星ヶ丘~本山~千種駅前~栄~名古屋駅
- 中央高速バス名古屋線・中央道高速バス新宿線(京王バス東・名鉄バス)
- 新宿駅~桃花台~栄~名鉄バスセンター
他には中央ライナーの夜行便(新宿~可児市、東濃鉄道・JRバス関東)や「ほの国号」(練馬~新宿~豊川~豊橋~三河田原、ケイビーバス・豊鉄バス)、知多シーガル号(新木場駅~東京駅~知立駅・刈谷駅・知多半田駅、JRバス関東)が存在する。
なお、ドリームなごや1・2号と競合する岐阜駅発着については、パピヨン号(新宿-岐阜、小田急シティバス・岐阜乗合自動車)がある。
[編集] 関連項目
- ドリーム号 (高速バス)
- 名金急行線…名古屋駅~岐阜駅間は、名金急行線の路線免許を利用している。但し、尾張一宮駅には停まらない。
- 昼特急
- 三菱ふそう・エアロキング
- 三菱ふそう・エアロクィーン
- 日産ディーゼル・スペースアロー
- ボルボ・アステローペ
- ムーンライトながら…東京~名古屋~岐阜~大垣間を結ぶ夜行列車
[編集] 外部リンク
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過去に運行されていたドリーム号 | ドリーム志賀号・ドリームふくふく号・浜田ドリーム福岡号・ドリーム徳島・高松号・ニュードリーム徳島・高松号・ニュードリーム神戸号・スーパードリーム号・スーパーニュードリーム号 |