トルコ航空
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トルコ航空 | ||
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IATA TK |
ICAO THY |
コールサイン TurkAir |
設立日 | 1933年 | |
ハブ空港 | アタテュルク国際空港 | |
マイレージサービス | Miles & Smiles | |
同盟 | スターアライアンス | |
保有機材数 | 101機 | |
目的地 | 157都市 | |
本拠地 | トルコ イスタンブール | |
代表者 | ||
ウェブ: http://www.turkishairlines.co.jp/ |
トルコ航空(トルコこうくう、トルコ語 : Türk Hava Yolları, 英語 : Turkish Airlines)は、トルコの国営航空会社。トルコの「フラッグ・キャリア」である。
目次 |
[編集] 歴史
1933年にトルコ国防省の国家航空事業運営部として設立され、小型旅客機5機(合計席数28席)で首都アンカラとエスキシェヒルの間の200kmを結ぶ1路線で運行を開始した。その後、公共事業省移管を経て1938年に運輸省国家航空業務局となり、1947年にはアンカラ - イスタンブル - アテネを結ぶ初の国際路線を就航、1956年3月1日に国営の特別会社となり、トルコ航空株式会社として発足した。
1985年にはニューヨーク、バンコク、シンガポールとアメリカ、極東まで航空路線を延ばし、世界116都市に及ぶ国際航空ネットワークに発展した。1989年からは、日本との間に定期路線を就航。就航当初は、日本航空とのコードシェア便として、成田国際空港及び関西国際空港とイスタンブル・アタテュルク国際空港を結んでいた。[1]
2004年より民営化に向けた準備が進められているが、2007年中に移行するとみられる。 2006年12月9日、イスタンブール市内にて開催されたスターアライアンス社長会にてトルコ航空のスターアライアンス加盟が承認され、2008年4月1日に正式加盟した。
スターアライアンス加盟と同時に、日本路線のコードシェア相手を日本航空から全日空に変更することが発表された。[2]
[編集] 就航路線
トルコ国内
- アダナ、アディヤマン、アグリ、アンカラ、アンタルヤ、ボドルム、ブルサ、ダラマン、デニズリ、ディヤルバクル、エラーズー、エルズィンジャン、エルズルム、エスキシェヒール、ガズィアンテプ、ハタイ、イスタンブル (アタテュルク空港、サビハ・ギョクチェン空港)、イズミル、カフラマンマラシュ、カルス、カイセリ、コンヤ、マラティヤ、マルディン、ムシュ、ネブシェヒル、サムスン、スイヴァス、シャンルウルファ、トラブゾン、ヴァン
アフリカ
アジア
- アルマトイ、アスタナ、ビシュケク、ドゥシャンベ、アシガバート、タシュケント、北京、香港、上海、大阪、東京、ソウル、デリー、ムンバイ、カラチ、シンガポール、バンコク、バーレーン、タブリーズ、テヘラン、テルアビブ、アンマン、クウェート、ベイルート、マスカット、ドーハ、ジッダ、メディナ、リヤド、ダマスカス、アブダビ、ドバイ、サヌア
ヨーロッパ
- ティラナ、ウィーン、バクー、ブリュッセル、ミンスク、サラエボ、ソフィア、ザグレブ、プラハ、コペンハーゲン、ヘルシンキ、リヨン、ニース、パリ、ストラスブール、バトゥミ、トビリシ、ベルリン (シェーネフェルト空港、テーゲル空港)、ケルン/ボン、デュッセルドルフ、フランクフルト、ハンブルグ、ハノーファー、ミュンヘン、ニュルンベルク、シュトゥットガルト、アテネ、ブダペスト、ダブリン、ミラノ、ローマ、ヴェネツィア、プリシュティナ、キシナウ、アムステルダム、ニコシア、オスロ、ワルシャワ、リスボン、ブカレスト、エカテリンブルク、カザン、モスクワ、ロストフ、サンクトペテルブルク、ベオグラード、リュブリャナ、バルセロナ、マドリード、ストックホルム、バーゼル、ジュネーヴ、チューリヒ、ドネツィク、ドニプロペトロウシク、キエフ、オデッサ、シンフェローポリ、ロンドン (ヒースロー空港、スタンステッド空港)、マンチェスター
北アメリカ
[編集] 保有機材
トルコ航空の機材は以下の航空機で構成される (2007年11月現在):
- エアバス A310-200/-300型機 4機
- エアバス A319-100型機 2機
- エアバス A320-200型機 16機
- エアバス A321-200型機 14機
- エアバス A330-200型機 5機
- エアバス A340-300型機 7機
- ボーイング737-400型機 10機
- ボーイング737-800型機 41機
[編集] トルコ航空の関わった事件
イラン・イラク戦争の1985年3月12日、イラク軍によるイランの首都テヘランに対する空爆が始まった。テヘランの在留外国人は空爆を避けるために国外避難を準備し始めたが、3月17日に至って、イラクのサッダーム・フセイン大統領は「3月19日20時半以降はイランの上空を飛ぶすべての飛行機を撃ち落とす」という声明を発した。
宣言後、イランに住む外国人についてはそれぞれが国籍を置く国の軍隊、ないしは民間航空会社を使っての脱出が計られた。しかし、当時日本では自衛隊に対し海外へ在留する日本人への緊急脱出をさせる為に活動させるといった法律が無く、他国に応援を要請したが断られてしまう。また過去にテヘランに寄港していた日本航空は当時既にテヘランへの寄港を停止していたため、日本政府は現地との調整に手間取り、日本航空チャーター機の派遣も反会社側労働組合の反対と、前記期日までの脱出が困難であることを理由に実現しなかった[3]。そのため、在イラン日本人200名以上は脱出方法が見つからずに生命の危機に瀕していた。
ぎりぎりの状態で脱出策が講じられた末に、イラン・イラクの隣国トルコが航空機の派遣を申し出、2機のトルコ航空機がテヘランへ派遣された。2機のトルコ航空機が215人の在留邦人を乗せてイラン国境を越えてトルコ領空に入ったのはタイムリミット直前のことであった。
この事件はのちにインターネット上の電子掲示板やメールマガジンを通じて親日国トルコのイメージを広めることに貢献し、テレビでもTBSのクイズ番組「日立 世界・ふしぎ発見!」、フジテレビのバラエティ番組「奇跡体験!アンビリバボー」や、2004年にはNHKのドキュメント番組「プロジェクトX」でも取り上げられた。
- このトルコ航空による日本人救助活動について、日本国内では「エルトゥールル号遭難事件の恩返し」との趣旨の発言がトルコ側関係者よりあったとされ[4]、両事件は一対で語られる事が多いが、現実に事件当時のトルコ政府当局者やトルコ航空の関係者から、そのような意図・発言があったか否かは、2007年現在、不明である。実際は「伊藤忠」のイスタンブール支店関係者、在テヘラン日本大使館からのトルコ政府への救援要請に対し、トルコ側が了承し、トルコ航空機の派遣を決定したとも言われる。[5]「恩返し」の発言についてはネジャッティ・ウトカン元駐日トルコ大使や平成13年5月6日の産経新聞に掲載された、当時のヤマン・バシュクット駐日トルコ大使らのコメントが事件当時の直接の関係者の発言として誤解されている節もある。なお、この事件に関するシンポジウムが2007年10月28日、東京都三鷹市の中近東文化センターにて、当該トルコ航空機の元機長、元キャビン・アテンダント、野村元駐イラン日本大使、森永元伊藤忠商事イスタンブール支店長ら当時の関係者出席の上、行われている。
この救出の後、1999年にトルコ大地震が発生したが、その際この救出された邦人の一部が義捐金を募りトルコに贈った。
また、湾岸戦争勃発1ヶ月前の1990年12月に、当時国会議員だったアントニオ猪木が自らイラクに赴いて平和を訴えるイベントを行い、サッダーム・フセイン政権によってイラクからの出国を差し止められ事実上の人質として抑留されていた在留日本人の解放を果たしたとき、チャーター便を出してこれを助けたのもトルコ航空であった。
[編集] 事故
- 1974年3月3日、イスタンブール発ロンドン行981便のDC-10型機が、経由地であるパリのオルリー空港を離陸した後わずか10分余りでパリ近郊の森に墜落し、乗員乗客346人全員が死亡(トルコ航空DC-10パリ墜落事故)。原因は機体後部にあった貨物室ドアに欠陥があったため完全に閉め切られておらず、途中で機内の与圧によって貨物室ドアが開いて急減圧が発生し、そのショックで油圧系統が破壊されてしまったことによるとされている。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ 関西国際空港発着便は、2003年12月から2006年5月まで運休していた。
- ^ ANAとのコードシェア便スタート(トルコ航空プレスリリース)
- ^ この時チャーター機操縦に名乗り出た乗員の1人が日航ジャンボ機墜落事故で殉職した高濱雅巳機長だった。
- ^ 日本とトルコの民間友好史 「テヘランに孤立した日本人を救出したトルコ航空」
- ^ 日本とトルコを結ぶ100年越しのある事件
[編集] 外部リンク
- Turkish Airlines(英語版)
- トルコ航空(日本語版)
- Turkish Airlines Fleet Age(英語版)
- Turkish Airlines Fleet Detail(英語版)
- Turkish Airlines Passenger Opinions(英語版)
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