グリーン券
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グリーン券(ぐりーんけん)とは、特別車両券(とくべつしゃりょうけん)ともいいJRグループ及びそれに乗り入れる鉄道会社のグリーン車に乗車するために必要な乗車券である。元来は二等級制時代の「一等運賃」に相当するが、二等級制時代の一等運賃と異なり、特別車両とされるグリーン車に乗車する為に必要な料金という形である。
なお、1989年の消費税導入前には10%の通行税を料金に含んで計算しており、券面上に「通行税一割を含む」旨が表示されていた。
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[編集] JRグループ
特急・急行列車用と普通列車用と2種類ある。どちらもグリーン車という設備を利用するという観点から、料金は大人・小児とも同額である[1]。 さらにグリーン車で着席せずにデッキ等に立って乗車していた場合もグリーン券が必要になり、この旨は東京圏の普通列車及び185系電車のグリーン車デッキにもその注意書きがある。
なお、「マリンライナー」に使われる四国旅客鉄道(JR四国)5000系電車の5100形は平屋部の前位(運転席側)と2階がグリーン車、平屋部の後位部と1階が普通車だが、前位側のデッキはグリーン車扱いとなる。注意書きはないが、ドア部にグリーン車のマークがある。
[編集] 特急・急行列車用
指定席・自由席がある。特急列車の場合は、原則として指定席のみである。また急行列車の場合でも2004年10月現在では定期急行列車でグリーン車が連結されているものが、夜行列車の「きたぐに」「能登」しかなく、指定席として連結されている。夜行列車以外の急行列車では、指定席としては2003年まで連結された「つやま」、自由席としては、1996年まで運行された「東海」の例がある。
指定席の場合についても別途指定席料金を支払わなくてよい。これはかつての特別二等車制度の名残とも言える。また、自由席のものについては有効期限は購入日とその翌日の中で1本の列車について有効である。またグリーン車の設定がない九州新幹線を除く新幹線同士など一部の異なる列車を乗り継ぐ場合には乗り継ぎ料金制度がある。
在来線の場合、途中で普通列車になるものもあるが、その場合では、目的駅まで特急・急行列車用の料金を支払うのではなく、特急・急行列車で運行されていた区間の料金を支払うだけでよい。
[編集] 普通列車用
指定席・自由席がある。しかし、普通列車・快速列車でグリーン車を連結しているものが限られていることから、乗車時に購入することが多い。
また、指定席の場合についても別途指定席料金を支払わなくてよい。同じく自由席のものについては有効期限は購入日の中で1本の列車について有効である。また、運行されている路線ではグリーン定期券も発行される。
[編集] 東京圏におけるグリーン券の扱い
従来、東海道本線および快速電車を介して横須賀線・総武本線・外房線・内房線・成田線のみに連結されていたグリーン車が、2004年10月16日より湘南新宿ラインを介して新宿駅以北の高崎線・東北本線(宇都宮線)にまで乗り入れることになった。なお、グリーン車連結は2007年3月18日からは常磐線にも拡張した。そのため、従前の扱いを改変して運用されることになった。
これは、従来から運行されていた東海道本線・横須賀線で実施していた相互の乗り換えによる乗り継ぎ料金制度を拡大し、通常の乗客が利用しないような経路を除いて、料金区間内であれば乗り継ぎ可とした。乗り継ぎが不可であるような例はこちらを参照のこと。
- なお、2004年5月までデータイムグリーン料金回数券が販売され、使用日や時間帯によっては乗車キロに関係なく、一人当たり500円で乗ることも出来た。
この取り扱いは東京近郊区間を主に運行される普通列車・快速列車の自由席のものに限り、「ムーンライトえちご」・「フェアーウェイ」等に連結されている普通列車・快速列車の座席指定制のものについては適用されない。
- この制度が適用される線区は以下の区間である。
- 東海道本線(東京駅~沼津駅間)
- 伊東線(熱海駅~伊東駅間)
- 横須賀線(東京駅~久里浜駅間)
- 総武本線(東京駅~成東駅間)
- 成田線(佐倉駅~成田駅~成田空港駅間)
- 外房線(千葉駅~上総一ノ宮駅間)
- 内房線(蘇我駅~君津駅間)
- 湘南新宿ライン(大宮駅~新宿駅~大船駅間)
- 宇都宮線(上野駅~宇都宮駅~黒磯駅間)
- 高崎線・上越線・両毛線(上野駅~高崎駅~前橋駅間)
- 常磐線(上野駅~高萩駅間)
- 相違点として、以下のものが挙げられる。
- 乗車日により料金体系を「平日料金」・「ホリデー料金」の2本立てとした。ホリデー料金は平日料金の200円引きとした。
- 従来、乗車に際してグリーン券の有無を問わず同一金額であったものを、乗車前購入時の料金「事前料金」と乗車後に精算する料金「車内料金」が異なるようにした。車内料金は事前料金の250円増である。なお、モバイルSuicaを使用して購入した場合は事前料金と同額である。
- 料金区間を従来の150キロまで50キロ刻み及び151キロ以上の4区間から、50キロ以下と51キロ以上の2区間とした。
また、Suicaシステムを採用した「グリーン車Suicaシステム」が導入されている。これは、従来乗車券のみであったSuicaカード(サービス開始当初は「Suicaイオカード」)をグリーン車乗車前に「Suicaグリーン券売機」を利用する事でグリーン券を購入(グリーン料金をSuicaカード残高より差し引く)し、グリーン車の座席上部にある読取機にタッチする事で車内改札を省略することが出来るチケットレスシステムである。ただし、「湘南ライナー」等のライナー列車のグリーン車はSuicaグリーン券の車内改札省略の制度に対応していない。
これにより、従来の定期乗車券・青春18きっぷ・北海道&東日本パスでのグリーン車利用禁止を改め、自由席に限りその乗車券類にグリーン券を別途購入するだけで乗車出来るようになった。
2006年3月18日のダイヤ改正より導入線区が拡大され、ホーム上の自動券売機では従来の紙のグリーン券(磁気グリーン券)の発売が終了した。これにより、ホームでの磁気券のまとめ買いが出来なくなった点、Suicaシステムを利用するには1人に1枚のSuicaが必要となった点などに根強い批判がある。但し、グリーン車連結の普通列車が停車する駅の改札外の自動券売機で磁気グリーン券を購入することができるほか、全国のJRの駅のみどりの窓口でも東京圏の磁気グリーン券を購入することができる。
なお、このシステムはTOICAとPASMOでは利用できるが、ICOCAでは利用出来ない。また、東海旅客鉄道(JR東海)の区間となる函南〜沼津駅間、から(まで)の利用者はSuicaグリーン券は使用できず、磁気グリーン券を購入する必要がある。
[編集] 不使用による払い戻し
国鉄時代からある制度として、グリーン券を所持しながら着席出来なかった場合には車掌に申し出て、不着席証明を受ける事で払い戻すことが出来る。これは従来の等級制度化での上級変更・下級変更制度から運賃に特別料金を上乗せする形に置き換えた際に考え出された制度であるが、もとより利用率が高い急行列車・特別急行列車用のものは自由席として利用される事例が少なく、また特別急行券・急行券と一緒になった一枚の「特別急行券・グリーン券」などの形で販売されたため、払い戻すにも手間が掛かるため一般的ではなかった。また、普通列車の場合でも不正乗車防止のため出入扉に立って乗車した場合でもグリーン券を要する旨の案内を行ったことから、この制度自体が形骸化していた。
[編集] 他の私鉄・第三セクター鉄道
JRからの乗り入れ特急などにグリーン車を連結している場合、または、自社で同様の車両を保有し運行している鉄道会社でも、自社の制度としてJR各社に倣って「グリーン券」を設定・発売している。なお、自社独自の料金制度として同様のものに、近畿日本鉄道・南海電気鉄道・名古屋鉄道がある。
- 自社車両に「グリーン車」を設定・保有し、「グリーン券」を発売 … 伊豆急行・智頭急行・北越急行・名古屋鉄道(1970年まで)
- 開業当初からJR車両の乗り入れを前提としていたため、同様の制度を設定し「グリーン券」を発売 … 伊勢鉄道・北近畿タンゴ鉄道・土佐くろしお鉄道・IGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道
- 自社独自の制度として「特別車両券」を発売 … 小田急電鉄(スーパーシート券)[2] ・近畿日本鉄道(デラックスシート券)・南海電気鉄道(スーパーシート券)・名古屋鉄道(ミューチケット・1999年以降)