アルミホイール
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アルミホイール (Aluminum wheel)は、車輪の構成要素である、リム、スポーク、ハブのすべて、または大部分をアルミニウムを用いて製造した自動車の部品である。アルミロードホイールと表記されることもある。
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[編集] 概要
機能部品としては、ホイールにアルミニウムを多用することで「バネ上」(サスペンションより上の車体部分)に対して「バネ下」(サスペンションより下の車輪部分)の相対重量を低減させる効果がある。また、バネ下の相対重量が軽くなることによって、より軽快なハンドリングが行える点や、スチールホイールと比較して腐食しにくい点、車体の総重量が軽くなる事から燃費性能を高める効果等が期待できる。さらには、アルミニウムの熱伝導性の良さから、ブレーキの排熱を効果的に行えるメリットもある。また、アルミホイールは車の外観をスタイリッシュにみせる重要な部品でもある。
[編集] 市販車用ホイール
こうした事情から、基本的に市販車用のアルミホイールは機能部品というより、そのドレスアップ性や耐腐食性に重きを置いて製造される場合が多い[要出所明記]。 このため形状や見た目を重視するスポーツカーでの採用が多く、一般車両ではディーラーオプションとされる事が多い。また自動車用品店では社外品も多く発売されている。しかしながら、レースカーの様に元々の車両重量が著しく軽く作られている車体の場合は例外として、市販の自動車の車両重量はレースカーの数倍ある事から、スチールホイールと比較した場合でも相対重量における十分なパフォーマンスが得られない場合が多い[要出所明記]。つまり、市販自動車の重量バランスにおいては、スチールホイールでも十分な相対重量的アドバンテージが期待できるとされており、スチールホイールを標準とする市販自動車にオプション設定されるアルミホイールには、標準のスチールホイールと重量的な差が殆ど無いか若干軽い程度の鋳造アルミホイールが設定される場合が多い[要出典]。
[編集] 大型自動車用ホイール
大型自動車では軽量化のメリットは非常に大きい。
アルコア製鍛造アロイホイールの場合、鉄製リング式ホイールに比べ、一輪当たり約14.25kgの軽量化となる。また、強度は約4倍で、10輪車での燃費は約3パーセント向上する。
[編集] 超軽量ホイールのデメリット
レース用などの超軽量ホイールを市販車に取り付けた場合には、むしろ極端に軽いホイールはバランスを崩し、乗り心地を悪化させる要因ともされている。さらに、ロードノイズを拾いやすく、乗り心地が悪化する事や、スチールホイールと比較して直進安定性が悪化する点、耐久性や強度(特に横軸からのモーメントに対する強度)が弱くなる点が挙げられる。これをもってカーブの多い平地やサーキットには適しているが、バネ下に負担のかかる山道や、スピードが出せてカーブも緩やかな高速道路を利用した長距離走行には不向きとされる。
[編集] 種類
[編集] 鋳造アルミホイール
鋳造アルミホイールは、溶かしたアルミニウムを型に入れて冷やし、成型する。鍛造よりデザインの制約が少なく、形状設計時の自由度が高い事からドレスアップ目的で製造される事が多い。これをもって鋳造アルミホイールにはデザイン性の高いものが多い。その反面、十分な強度を保つ為、肉厚にする必要があり、スチールホイールと比較しても重量におけるメリットは少なく衝撃にも弱い。一般的にオプション設定されるアルミホイールの多くは鋳造が用いられている。これは、相対重量のバランスがスチールホイールのそれに近いためでもある。また鍛造に比べて価格も安い傾向にある。
[編集] 鍛造アルミホイール
鍛造アルミホイールは、アルミニウムを叩いて(圧縮して)成型する。大量生産が難しいため高価であり、成型時の自由度が低い事からドレスアップ性も低いとされる。しかし、鋳造に比べて軽量かつ丈夫であり、重量的なメリットも高い。
[編集] 関連項目
[編集] 出典
- JAWA アルミホイールの基礎知識-軽合金製ホイールの製法
- 【XaCAR】4月号・新春特別企画 軽量ホイールで走りは変わるか!?(三栄書房・2007年)