ドライブシャフト
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ドライブシャフト(driveshaft)とは、自動車で、エンジンの動力を車輪に伝えるために用いられる回転軸のこと。日本では英国風(後述)にエンジンを前方に置き前輪を駆動するフロントエンジンフロントドライブ(FF)車の短い駆動輪に用いる。FRで用いる長い回転軸はプロペラシャフトとよぶ。米国では、どちらもドライブシャフトとなる。
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[編集] プロペラシャフト
プロペラシャフト(日英)、ドライブシャフト(米):
車両の前方にエンジンを置き後方の車輪を駆動させるフロントエンジンリアドライブ(FR)の車では、車両の長さにあわせ一般に長いプロペラシャフト(回転軸)が使われる。FRのレイアウトはパナール・ルバッソール(Panhard et Levassor)社が特許取得したことからシステムパナール(Système Panhard)として知られている。これをシャフトで直結したのはルイ・ルノーでこちらも特許を取得している。シャフトの接続形態には大きくトルクチューブ(torque tube)方式とオチキスドライブ(Hotchkiss drive)方式という2種の方式がある。トルクチューブは、シャフトが覆われているものでユニバーサルジョイントを1個使用する。ホチキスドライブはシャフトがむき出しのままでユニバーサルジョイントが2個以上を使用されている。
初期の自動車では、プロペラシャフトよりもチェーン駆動やベルト駆動が使用されることが多かった。
[編集] プロペラシャフトとドライブシャフト
英国英語では、「ドライブシャフト(driveshaft)」という表現は、transverse shaftとよばれる横方向の回転軸にのみ用いられ、通常FF車で前輪を駆動するシャフトを指す。FR車では、「ギアボックス(英国でのトランスミッションの表現)」とリアのディファレンシャル(デフ)を結ぶシャフトは「プロペラシャフト」とよぶ。より一般には省略形の「プロップシャフト(prop-shaft)」が使われる。
日本では、英国風の使い分けが標準で、FRでのトランスミッションからデフに回転を伝える回転軸を「プロペラシャフト」とよび、FFで使用される短い駆動シャフトを「ドライブシャフト」と異なるよび方を用いている。FRのリアが独立懸架の場合、デフから左右に伸びる短いシャフトも「ドライブシャフト」、あるいは「ハーフシャフト」と呼ぶ。
[編集] トリビア
エンジンが発生した力を発電機により電気に変換しモーターを使用して車輪を駆動するシリーズ方式のハイブリッド機構も広義では同じ役目を果たすものとなるがドライブシャフトではない。
[編集] 関連項目
- ドライブシャフト・ブーツ