フェイシア (自動車)
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フェイシア(fascia)は自動車用語として、2つのまったく別の意味に使用されている。
[編集] 英国英語
英国英語では、自動車のフェイシアとはインストルメント・パネル(操作盤)および、またはダッシュボードを指す用語。通常、ドライバーが座る前席の目の前にある。英国でも元来、エンスージアスト、スペシャリスト(専門家)の間で用いられていたものである。
[編集] 米国英語
近年、この用語は米国英語でも使用されるようになったが英国英語とは意味が異なり、自動車のフェイシアと言った場合、その車を前から見た外観の見栄え(フロント・ルック、フロント・デザイン)を意味する。具体的には、フロント・グリル、ヘッドランプ、フロント・バンパー等々の個々の部品のディテール(詳細仕様)も含まれる。
この部分は乗用車の印象を決定付ける最も重要な部分であり、車両のスタイル仕様の変更に際して最も簡単に手をつけられる部分である。この用語も自動車販売関係者もしくは自動車ジャーナリストが使う業界用語である。
[編集] 日本語での用いられ方
日本では、以前は英国車系ディーラー関係者およびそのユーザーの一部を除きほとんど一般には使用されていなかったが、米国用法が米国車のマーケティング用語として輸入され広がるにつれ、自動車ジャーナリストの使用も増えてきており、車好きの間で使用されることも多くなってきている。
どちらのことを言っているのかは、使用されている文脈が英国車であるか米国車であるかが読み下しのポイントであるが、もうひとつのやり方は、インストルメント・パネルやダッシュボードで置き換えられれば英国式、フロントデザインで置き換えられれば米国式である。