高崎車両センター
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高崎車両センター(たかさきしゃりょうセンター)は、群馬県前橋市にある東日本旅客鉄道(JR東日本)の車両基地である。同社高崎支社の管轄。
新前橋駅構内にある本所の他、高崎支所(群馬県高崎市・高崎駅構内)と籠原派出所(埼玉県熊谷市・籠原駅構内)を所管する。
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[編集] 配置車両の車体に記される略号
- なお、高崎支社を意味する高は異体字である「髙」を使う。機関車の区名札には常用漢字の「高」を使用する。また、日本貨物鉄道(JR貨物)高崎機関区の区名札では異体字である「髙」をさらに変化させた文字を使用している。ちなみに「高」は四国旅客鉄道(JR四国)高松運転所所属の車両も使用している。
[編集] 歴史
- 1884年(明治17年)5月1日 高崎機関庫発足。
- 1922年(大正11年)6月1日 高崎検車所発足。
- 1943年(昭和18年)2月1日 高崎第二機関区開区に伴い高崎第一機関区に改称。
- 1951年(昭和26年)4月1日 高崎検車所を高崎客車区へ改称。
- 1959年(昭和34年)4月20日 新前橋電車区・同区籠原派出所発足。
- 1969年(昭和44年)3月1日 新前橋電車区籠原派出所が独立し、籠原電車区発足。
- 1987年(昭和62年)3月1日 高崎客車区を高崎運転所へ改称し、高崎第一機関区と統合、機関車と客車両方の保守を受け持つ。
- 1988年(昭和63年)12月1日 籠原電車区を籠原運輸区へ改称。
- 2004年(平成16年)6月1日 高崎運転所を高崎車両センターへ改称。
- 2005年(平成17年)12月10日 組織変更に伴い新前橋電車区と統合し新前橋に移転、新前橋電車区の検修部門を高崎車両センターに、(旧)高崎車両センターを高崎車両センター高崎支所にそれぞれ改称、同時に籠原運輸区の検修部門を独立させ、仕業検査のみを行う高崎車両センター籠原派出を設置。
[編集] 配置車両
車両運用は電車のみが本所(旧・新前橋電車区)、その他が高崎支所(旧・高崎車両センター)ベースのため、通常の検査などは現時点では分離されている。
高崎支所には、蒸気機関車「D51 498」をはじめ、旧・日本国有鉄道(国鉄)時代に製造された貴重な車両が数多く配置され、動態保存を行っている。
[編集] 本所(旧・新前橋電車区)
2007年4月現在の配置車両
[編集] 電車
- 485系電車
- 211系電車
- 1000番台5両編成(B編成)11本(55両)、3000番台5両編成(A編成)14本(70両)、およびグリーン車を組み込んだ10両編成(C編成)17本(170両)、計295両が配置されている。
- 宇都宮線(東北本線)・高崎線・上越線(高崎~新前橋間)・両毛線・信越本線(高崎~横川間)の普通・快速列車などで運用されている。まれに試運転や臨時列車で上越線の新前橋~水上間を走ることもある。
- 2004年(平成16年)10月16日のダイヤ改正以前は湘南新宿ラインにも運用されていた。
- グリーン車は、東海道本線・伊東線で余剰になったものを転属して組み込む形で2005年(平成17年)12月10日のダイヤ改正から運転を開始しており、翌2006年(平成18年)9月17日まで17編成に組み込まれた。同時にグリーン車Suicaシステムが導入されているため、Suicaをタッチするための装置(R/W(リーダ/ライタ))も設置されている。
- C1~C12編成のグリーン車は、元田町車両センター所属の211系0番台の平屋グリーン車+2階建てグリーン車を1000番台に改造した車両で、C13~C17編成のグリーン車は元国府津車両センター所属の113系2階建てグリーン車を211系に改造編入し、1100番台にした車両である。
- 2006年7月8日のダイヤ改正で、上野駅発着の宇都宮・高崎線の列車のすべてにグリーン車が連結されたため、グリーン車を連結せず余剰になった編成(付属編成分として残るものを除く)は後述の115系の運用区間に転用されたほか、一部の3000番台(14編成・計70両)は千葉地区の113系を置き換える目的で幕張車両センターへ転属し、同年10月21日より総武本線・成田線を皮切りに千葉地区での運用を開始した(帯色変更は大宮総合車両センターなどで行われた)。
- なお、グリーン車と入れ替えたことにより余剰となった付随車は、転用などを行わずに、長野総合車両センターに廃車・回送され、同センターで解体されている。
- 115系電車
- 1000番台3両編成11本(33両)、1000番台4両編成11本(44両)、計77両が配置されている。
- 4両編成のうち2本 (T1044,T1159) はサハ115形を抜いて3両編成で運用されることもある。
- 3両編成のうちT1030,T1040以外の9本は電動空気圧縮機 (CP) の交換、補助電源装置を電動発電機 (MG) から静止形インバータ (SIV) に交換、客室内装の更新などが施工されたリニューアル車である。
- 4両編成のT1133編成のみ宇都宮線用の方向幕を使用している。(小山・宇都宮などの駅名が緑色で表示される)また、壁の色なども若干異なる。
- 両毛線・宇都宮線(東北本線)(小山~宇都宮間)・信越本線(高崎~横川間)・上越線(高崎~水上間)・吾妻線の普通列車で運用されている。
- 107系の代走で宇都宮線(東北本線)の黒磯まで乗り入れることもある。
- 前述の211系改造による同系列の余剰発生後も廃車は発生していない。2006年夏には臨時ではあるが、北越急行ほくほく線でも運行された。
- 107系電車
- 100番台2両編成19本(38両)が配置されている。
- 両毛線・宇都宮線(東北本線)(小山~黒磯間)・信越本線(高崎~横川間)・上越線(高崎~水上間)・吾妻線の普通列車で運用されている。
- クモヤ145形電車
- 2両が配置されている。牽引車。
[編集] 過去に配置されていた車両
- 185系電車(2006年3月18日付けで大宮総合車両センターに転属)
- 183系電車(2006年3月18日付けで大宮総合車両センターに転属)
- 100・1000番台6両編成3本(18両)が配置されていた。
- 編成番号はS1~S3で、S3編成のみ特急シンボルマークが残されている。
- 波動輸送用として165系に替わって投入され、冬の初詣輸送や夏の臨時列車「マリンブルーくじらなみ号」などで運用している。幕張からの転入車と入れ替えられ、6号車以外が元幕張車に置き換えられて旧編成は廃車となった。
[編集] 高崎支所(旧高崎第一機関区)
2007年4月現在の配置車両
[編集] 蒸気機関車
[編集] 電気機関車
- EF55形1号機 - 準鉄道記念物
- EF60形19号機 - D51 498とのプッシュプル運転で使用されることが多い。2007年にかつて配置されていた12系和式客車「やすらぎ」に準じた塗装から国鉄標準色に変更された。
- EF64形 - 0番台4両(36~39号機)と1000番台1両(1001号機)の計5両が配置されている。
- EF65形501号機 - 2007年11月時点では日本貨物鉄道(JR貨物)高崎機関区に貸出中である。2008年4月終り頃に秋田総合車両センターから出場し、同区に復帰後はEL&SL奥利根号の運用に入っている。
[編集] ディーゼル機関車
[編集] 気動車
[編集] 客車
- 12系客車
- 臨時列車用の6両(オハ12形4両、スハフ12形2両)とSLの控車のオヤ12形1両、計7両が配置されている。
- オハ47形 - 3両
- スハフ32形 - 1両 - 日本最古の本線運転可能な客車
- スハフ42形 - 2両
- オハニ36形 - 1両
- SL・イベント列車用で、いわゆる旧型客車である。
- マニ50形 - 1両(救援車代用)
[編集] 貨車
2形式が配置されているが、いずれも事業用である。
※高崎支社管内の在来線で使う砕石は、吾妻線の小野上駅から搬出される関係で、当形式車は小野上駅常備となっている。