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風と共に去りぬ - Wikipedia

風と共に去りぬ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

文学
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風と共に去りぬ』(かぜとともにさりぬ、原題"Gone With the Wind")は、マーガレット・ミッチェルの時代長編小説

目次

[編集] 概説

南北戦争下のジョージア州アトランタ市を背景に、アイルランド系移民の父とアメリカ南部の名家出身の母を持つ、気性の激しい南部の女、スカーレット・オハラの半生を、彼女を取り巻く人々ともども壮大に描いた作品である。10年近い歳月を費やして執筆され、1936年に出版、翌年ピューリッツァー賞を受賞した。

当時の大ベストセラーとなったが、ミッチェルは本作1作を書いたのみで他に著述はしなかった。これにはミッチェル自身が病弱ゆえ本作の執筆と完成だけでも膨大な年月を要したためこれ以降創作意欲を喪失してしまったことに起因。

1939年に公開された同名の映画化作品は、当時としては画期的な長編カラー映画であったことも手伝って世界的なヒット作となり、アカデミー賞を多数受賞した。

[編集] ストーリー


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


舞台は、奴隷制が残る1860年代のアメリカ南部、ジョージア州。南北戦争の頃である。

アイルランド系移民で、一代で成功した農園主の娘スカーレット・オハラは自分と同じ上流階級の長身の美青年・アシュレー・ウィルクスに恋をしていた。 だがアシュレーは、従姉妹であるメラニーと婚約していた。「12本の樫木屋敷」でのバーベキューパーティーで、二人の結婚を知って愕然としたスカーレットは癇癪をおこして、アシュレの屋敷の家具のつぼを投げつけて壊す。これを見ていたバトラーは彼女の躍動的な精神に恋をしてしまう。スカーレットは軽蔑する友人たちの陰口を聞き、メラニーへのあてつけのために彼女の兄(チャールズ・ハミルトン)に求婚をするように仕向けた。チャールズはそんなことは知らず、南北戦争の開戦のニューズに沸き立つ中でスカーレットに求婚し、彼女はそれを受け入れてしまう。すぐに彼女は後悔するが、結局、結婚してしまう。しかしチャールズは、結婚後まもなく戦場に赴き、病死。スカーレットは17歳にしてチャールズとの間にできた長男ウェードを出産して、未亡人となる。

ウェードを連れてアトランタに赴き、ピティパット叔母・メラニーとの新生活を始めるスカーレット。 その目の前に、かつて無頼な行為で社交界から締め出されたレット・バトラーが、封鎖破りの英雄として、彼女が未亡人になったことを聞いて現れる。 スカーレットに、自分と似たものを感じるレット・バトラーは、スカーレットがかぶる淑女の仮面を取り去り、彼女本来の姿を露にしようとする。 またスカーレットも、喪服姿でダンスパーティに参加するなどして、周囲の評判を落とす。

そんな中、南軍は北軍に対して苦戦を強いられ、ついにアトランタの陥落も目前となった。 出産を目前に控えたメラニーを看護して脱出の機会をスカーレットは失う。しかし、アシュレーの言葉どおりにメラニーの出産を助ける。しかし、衰弱した産後まもないメラニーとその赤ん坊やウェードをかかえて、進撃する北軍の砲声の中で、ついに彼女は途方にくれた。そこで、大嫌いなバトラーに彼女は助けを求める。タラへの帰還を望む彼女を、炎上するアトランタから、やせ馬の馬車でバトラーは脱出させる。この時に、バトラーは撤退する少年兵の気丈な姿に感動する。危険地帯を通り抜けた後、バトラーは軍隊に入るから、この先は一人で帰るようにスカーレットに告げる。冗談だと笑うスカーレットに情熱的なキスを残して、バトラーは南軍のまもる前線へと行く。

置き去りにされて怒り心頭に発したスカーレットだが、ようやく故郷タラへと到着した。しかし、北軍の駐屯で荒廃し、頼りにしていた母も腸チフスで病死していた。 一夜にしてオハラ家の主となった彼女の意識は、飢えを凌ぐことと故郷を守ることだけに集中する。 スカーレットは税金の金の工面に窮して、妹の恋人フランク・ケネディを奪って第二の結婚をした。やがて、ケネディの商才のなさから自ら商売を始める。 この頃、女性が主体的に経営を行うなど男を差し置く事はタブーに近かったことや、北軍の移住者と友人になったりして、周囲の評判はさらに下降し、 メラニーを始めとするウィルクス家の人々とレット・バトラーを除き、彼女の周囲から古い友人は続々と離れていく。 また彼女の不用心な行動は、黒人から襲われるという事件を引き起こし、制裁を加えようとした夫フランクは、銃弾に倒れてしまう。

スカーレットは、レット・バトラーと第三の結婚をする。 レットは、以前からスカーレットを愛していたが、彼女の彼女への愛情を抱く者への無慈悲な性格を知るレットは、そのことをひた隠しにする。 また彼女自身も、次第にレットを愛するようになっていったにも関わらず、相変わらずアシュレーを想い続けていると信じ込んでいたため、それを自覚しない。 ある時酔ったレットがスカーレットを強引にベッドにつれてゆき、スカーレットは初めて肉体的な喜びを知る。しかし、レットは自らその行為を恥じる、一方レットの情熱的な訪れを待つスカーレットは、訪れる事のないレットに対して自分が、単になぶりものにされたと思い二人の気持ちはその日からさらにすれ違う。やがて、その仲は日増しに険悪になっていく。 そして、レットがボニーに全ての愛情を注いだが、レットがプレゼントしたポニーの「バトラーさん」から落馬して、スカーレットの目の前で事故死してしまった。 ボニーの死で、二人の最後の絆が断たれてしまい、バトラーは家によりつかなくなる。

娘を失ったショックから抜けきらないうちに、スカーレットに最後まで友愛を示し続けたメラニーまでが、流産により命を落とす。 アシュレーを奪った恋敵として憎んでいたはずのメラニーを、スカーレットは実は心から愛し頼りにしていたことに初めて気づく。 また、死の床のメラニーに指摘されて初めて、自分が愛しているのはアシュレーではなくレットだということを自覚する。 スカーレットは彼女の悪夢の中で何かを探していた自分の「その何」かがようやく見つかった思いで急いで帰宅し、レットに愛を打ち明ければ、レットとの関係がすぐ回復すると思うが、レットはすでに、スカーレットを追うことに疲れきっていた。 これまで隠してきた心の内の変遷と、結論として、もうスカーレットを愛してはいないことを説明し、レットは故郷に帰ってしまう。 自分を支え続けてくれたレットとメラニーを同時に失い、ついに孤独となったスカーレットだが、彼女は、やがて明日に希望を託し、絶望の中から一歩踏み出す。

[編集] 登場人物

ケイティ・スカーレット・オハラ(Katie Scarlett O'Hara)
ヒロイン。彼女の父親を除けば単にスカーレットと呼ばれている。父の母親の名前を付けられた。アイルランド人の移民父と優雅なフランス貴族系の家柄出身の母をもつ農園主の娘の若い貴婦人。気が強く、女性でありながら騎士道精神をもつ。一度とらえると離さない動的な美貌の持ち主で、周りの男性からちやほやされて育った。しかし、結婚してすぐに未亡人となり、さらに南北戦争の敗戦後財産を全て失い、波乱の人生を送ることとなる。算数に強く、男性の心を掴む技術に長けており、商才がある。実家の農園を心から愛している。
レット・バトラー(Rhett Butler)
チャールストンの名家出身だが、紳士的に振舞おうとせず、うわべの愛国心を装うことなく、世間の反発をかう。父親から勘当され社交界からは締め出された。しかし、社会を常に冷静に見ており、考えはアシュレにむしろ近い。戦争が始まる前から南部の敗戦を予測し、軍隊には加わらず、北軍の封鎖を破って商品を投機的に売り巨万の富を築き、戦後は莫大な公金を横領した海賊的紳士。スカーレットをチャールストンからタラに送る途中に傷ついた少年兵を見て軍に志願する。
スカーレットを愛しているが、なかなか本心は見せようとせず、彼独特の方法で求愛を続けた。長い恋路の末スカーレットと結ばれたが・・・。ずうずうしい性格だが、意外にも子供好きで特にボニーを溺愛していた。最後にはスカーレットへの愛に疲れ、彼女の前から去る。
ジョージ・アシュレ・ウィルクス(George Ashley Wilkes)
普段は単にアシュレと呼ばれる。スカーレットが思いを寄せる名家出身で教養もあり、紳士的な長身の美青年。スカーレットの誘惑に悩まされるが、精神的な支えとして、最初から従姉妹のメラニーと深く結ばれていた。「メラニーが僕の全てだった」そしてスカーレットは肉体的にしか愛せないと、彼女の死後、スカーレットに打ち明ける。
メラニー・ウィルクス(Melanie Hamilton Wilkes)
旧姓ハミルトン。アシュレの妻でチャールズの妹、スカーレットの義妹。病弱だが、心優しく純真で健気な女性。家族を心から愛しており、またスカーレットが自分に深い嫉妬を抱いているとは知らず、スカーレットを信じ、まるで実の姉のように一途に慕っている。普段は気が弱いが、いざ自分の愛するものに危機が迫ると勇気を発揮する。死の床でアシュレをスカーレットに托す。
ボオルガード・ウィルクス(Beauregard Wilkes)
アシュレとメラニーの息子。通称はボオ。南軍のボールガード将軍から名付けられた。
チャールズ・ハミルトン(Charles Hamilton )
スカーレットの最初の夫。アシュレの妹で従姉妹のハニーの許婚者だったが、かねてから崇拝していたスカーレットに誘惑されて結婚した。スカーレットは、アシュレとメラニーの婚約を知り、あてつけのために彼と結婚したため、彼を愛してはいなかった。結婚の2ヵ月後、戦う前に戦病死した。
ピディパッド・ハミルトン
メラニーとチャールズの叔母。本名はサラ・ジェーンだが、そう呼ばれることはほとんどない。世間知らずな老婆で、何かショックなことなどがあるとすぐ気絶(もしくは気絶するふりを)する。オールドミスである。
ウェード・ハンプトン・ハミルトン(Wade Hampton Hamilton)
スカーレットとチャールズの息子。母親と戦争に怯えて育った、父親似の内気で優しい子供。なお名前のウェード・ハンプトンはサウスカロライナ出身の南軍将校として実在した人物である。
ジェラルド・オハラ(Gerald O'Hara)
スカーレットの父。背の低い、アイルランドの移民で、農園を開き1代で富を築いた。妻エレンの死のショックからぼけてしまう。1
エレン・ロビヤール・オハラ(Ellen O'Hara )
スカーレットの母。フランスの貴族系の家柄出身の美人で心優しい、真の貴婦人。古い女性としての立場をまもり、模範的な妻であり母でもある。しかし、昔の恋人で従兄弟でもあるフィリップへの想いを心の奥深くに隠し、腸チフスで死亡する。死の床では彼の名を呼んだという。スカーレットは母をとても尊敬していたためその死は衝撃的だった。
スーザン・エリナー(スエレン)・オハラ(Suellen O'Hara )
スカーレットの上の妹で、普段はスエレンと呼ばれている。目立ちたがり屋なため、母の淑女になるためのしつけには素直に従っていた。気位が高く愚痴っぽいので、スカーレットは彼女を嫌っており、スエレンもスカーレットを目の敵にしている。許婚者のフランクをスカーレットにとられ、その後、生活の為使用人のウィルと結婚し、2児の母となる。
キャロライン・アイリン(キャリーン)・オハラ(Carreen O'Hara)
スカーレットの下の妹で、普段はキャリーンと呼ばれている。気が弱いため、スエレンと同じく母のしつけには素直に従っていた。信心深い性格で、母と婚約者の死後、お祈りを欠かさずしている。後に、恋人の戦死を悼みチャールストンの尼僧院に入ってしまう。
ウィル・ベンティン(Will Benteen)
身寄りのない元プアホワイトの南軍復員兵。洞察力に優れた人格者。オハラ家に住み、農園の再建の大きな力になる。キャリーンを愛していたが、想いは伝えず、後にスエレンと結婚する。
フランク・ケネディ(Frank Kennedy)
スカーレットの2番目の夫。紳士的だが、気の弱い中年しょうがヒゲの男性。スエレンの許婚者だったが、敗戦後貧乏にあえぎ農園再建の金に困っていたスカーレットが、金目当てに彼を誘惑し、結婚した。商売下手だったため、妻の尻にしかれることになる。スカーレットを襲った浮浪者たちに復讐するさなか命を落とす。
エラ・ロレーナ・ケネディ(Ella Lorena Kennedy )
スカーレットとフランクの娘。スカーレットはこの子を低脳と決め付ける。
ボニー・バトラー(Eugenie Victoria "Bonnie" Butler)
スカーレットとレットの愛娘。本名はユージェニー・ビクトリアだが、そう呼ばれるとことはほとんどなく、南軍の旗ボニー・ブルー・フラッグ(美しき青旗)のように美しい青い瞳の子として、ボニーと呼ばれた。愛馬のポニーに「バトラーさん」と名づけたが、落馬して首を折る。その死はスカーレットとレットの間の深い亀裂を決定づけた。
マミー(Mammy)
エレンが実家から連れてきた忠実な女奴隷で、エレンとスカーレット、その子供たちの3代にわたっての乳母。エレンの母(スカーレットの祖母)に厳しくしつけられたためか、礼儀作法に厳しく、またオハラ家の奴隷達を取り仕切っていた。スカーレットに礼儀について口やかましく言うが、それはスカーレットを思ってのこと。奴隷解放のあともオハラ家に残った数少ない1人。
ポーク(Pork)
奴隷解放のあともオハラ家に残った数少ない奴隷の1人。妻のディルシーと義理の娘のプリシーまで買ってくれたジェラルドに恩を感じており、敗戦後もオハラ家のために一生懸命尽くす。
ディルシー(Dilcey)
ポークの妻。奴隷解放のあともオハラ家に残った数少ない奴隷の1人。娘を一緒に買ってくれたジェラルドに恩を感じ、夫と同じくオハラ家に尽くす。ネイティブアメリカンの血が醸し出す威厳があり、スカーレットからも一目置かれている。
プリシー(Prissy)
ディルシーの娘で、スカーレットのお付の奴隷。すぐ得意がるが、いざという時まるで役に立たない。
ベル・ワットリング(Belle Watling)
アトランタの娼館(酒場付きの売春宿)の女主人。バトラーの愛人。

[編集] 映画版

詳細は風と共に去りぬ (映画)を参照

[編集] 舞台(日本)

この作品は、その背景となっている南北戦争の敗戦とその後の再建時代の南部の姿が、太平洋戦争の敗戦と戦後復興期の日本の姿と酷似しているため、日本でも大変愛され何度も舞台化されている。 1966年、改築されたばかりの帝国劇場で世界最初の舞台化。スカーレットを有馬稲子と那智わたる、バトラーを宝田明高橋幸治のダブル主演とした。スカーレットが荒廃のタラで復活を誓う所までを前編として公演された。本物の馬が登場したことも大きな話題を呼んで大ヒットとなり、ロングラン公演となった。翌年には後編、その後に前後をあわせた総集編や東宝ミュージカルも公演された。

1977年、日本の宝塚歌劇でも舞台化されてヒットした。以来幾度か再演され、宝塚の重要な演目の一つとなっている。詳細は風と共に去りぬ (宝塚歌劇)を参照のこと。

1987年に大地真央主演の東宝翻案版、1996年にアレクサンドラ・リプリー作品の続編「スカーレット」も上演され、さらに2001年に大地真央主演のミュージカル版「風と共に去りぬ」も製作された。

[編集] 歌曲

歌曲の「風と共に去りぬ(Gone With the Wind)」 は、ハーブ・マジソン(Herb Magidson)作詞、アリー・リューベル(Allie Wrubel)作曲で、1937年に発表されたスタンダード・ナンバー。小説『風と共に去りぬ』にインスパイアされて作られたが、内容は抽象的な失恋の歌であり、小説や映画とは直接の関係はない。ただし、映画『風と共に去りぬ』の宣伝に使われたとも言われている。

ミディアムスローテンポで歌われるメジャーなバラードで、派手な曲でなく、ヒットはしなかった。だが、1940年代以降のモダン・ジャズ時代になると、通好みのひねった曲調が特にジャズ歌手やピアニストに好まれるようになり、それ以来ジャズ・スタンダードとして半世紀以上も歌い継がれている。

[編集] 続編

『風と共に去りぬ』を完結した作品とみなしていたマーガレット・ミッチェルは、多くの人から勧められても決して続編の筆を取ろうとせず、1949年交通事故で他界してしまった。夫ジョン・マーシュ(John Marsh)の手にわたった『風と共に去りぬ』の著作権は、1952年、ジョンが死去すると、兄のスティーブンズ・ミッチェル(Stephens Mitchell)が相続し、1983年、スティーブンズが死去すると、子(つまり、マーガレットの甥)であるジョー・ミッチェル(Joe Mitchell)とユージェン・ミッチェル(Eugene Mitchell)に引き継がれた。

ミッチェルの相続人たちが恐れたのは、2011年に『風と共に去りぬ』の著作権が切れた後、誰もが競って続編を書き始める、という状況が現出することであった。悪くすると、南北戦争の仇敵である北部出身者や三流作家が執筆してしまうかもしれない。実際、アン・エドワーズのような例(映画の脚本として続編を書くが、裁判の結果、続編の公開を阻止)もある。このような懸念から、ミッチェルの相続人たちは、先手を打って、続編の出版を企画、1991年アレクサンドラ・リプリーの『スカーレット』が誕生した[1]

しかし、『スカーレット』は、世界的な大ベストセラーとなりテレビドラマ化されるなど、商業的な成功を収めたものの、作品自体に対する世評は厳しいものがあった。そこで、1995年、イギリスの作家であるエマ・テナントに続編の執筆が依頼された。執筆には、『風と共に去りぬ』の全体的なトーン、人物設定や背景を踏襲するという条件が付され、更に、白人黒人の結婚は禁止、同性愛近親相姦についての言及も禁じられた。エマ・テナントは、『タラ』と題する575ページの原稿を書き上げたが、「感覚がイギリス的過ぎる」という理由でミッチェルの相続人側から却下され、出版も差し止められてしまった。その後、アトランタ生まれの作家であるパット・コンロイにも続編の執筆が打診されたが、契約書中の同性愛等の描写を禁止する条項が作家として自由を妨げるものとして、彼はこの依頼を引き受けることはなかった。

更に続編の執筆者探しの試みは続けられ、南北戦争を舞台にした小説で評価されたドナルド・マッケイグに白羽の矢が立った。今回は、過去の失敗を踏まえ、現代までの性や人種に関する人々の意識の変化を作品に反映することを容認し、内容に過度の干渉を加えないよう、配慮がなされた。ドナルド・マッケイグは、スカーレット・オハラではなくレット・バトラーの視点で続編を書き上げ、2007年、アメリカで『レット・バトラー』が刊行された[2]

[編集] 脚注

  1. ^ 仙名紀 「戻る? 戻らぬ? スカーレットとレットのより – “続 『風と共に去りぬ』” が描く本当の結末- 」 『月刊 Asahi』 1991年12月号、朝日新聞社、pp.128-129.
  2. ^ 小山猛「-海外出版レポート アメリカ- 『風と共に去りぬ』2度目の続編」『出版ニュース』2007年6月下旬号、出版ニュース社、p.19.

[編集] 関連項目


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