失恋
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失恋(しつれん)とは、恋する相手への気持ちが成就しないこと。また、恋愛が何らかの形で終止符を打たれる事である。その形は様々だが、多くの人は、深い悲しみとショックに陥る。基本的に死別は失恋に含めない。
人によっては日常生活にも影響が表れ、食事が喉を通らないなどとなる事もある。英語では失恋はBroken Heartという。直訳すると「恋が壊れる」となり、日本と違って恋は失うものではなく、壊れるものだと解釈されている。なお、日本ではよく英訳時にHeart Breakという表記も見られる。
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[編集] 失恋のパターン
おおまかな失恋のパターンは以下の通りである。
- 告白して、フラれた
- 大半の人の『失恋』のイメージに必ず出てくるのがこのパターンだと言われる。片想いの相手にお付き合いをしたいという旨の告白を試みるが、断られてしまうことである。
- 相手が他の誰かと結ばれた/結ばれていた
- 好意を寄せている相手が自分ではない他の人に好意を持っていて、その好意を寄せている人も相手に好意を抱いている状態、どちらかが告白し、自分が告白する前に相手に恋人関係が成立するといったもの。もしくは、既に相手に恋人がいた場合がある。
- 恋人に別れを告げられる、または互いが話し合って別れる
- 両想いであった場合は、付き合っている中で片方が何らかの理由で相手に別れを切り出すという場合がある。
- 恋人に死なれた
- 相手がなんらかの理由で死ぬことの傷
- その他
- 相手への気持ちを伝える前に、脈がないと判断し諦めてしまうなど。
[編集] 失恋による影響
失恋した後は、ほとんどの人が気分が沈み、泣いたり、その後何日も立ち直れなかったりする。これは人によって様々なので、新しい恋に進もうと、すぐに立ち直れる人もいれば、なかなか立ち直れず、何ヶ月も落ち込んだままの人もいる。特に何年か越しの片想いが失われた場合には、自殺を考える人も少なくない(後述)。又、食事がのどを通らないなど日常生活にも影響することもある。好意が過剰になりすぎて、相手やその恋人に復讐をしかけるストーカー行為に及んでしまう例もある。 しかしながら、失恋に意味がないことはなく、悲しんだり傷ついたりしながらしだいに失恋による症状はやわらいでいく。悲しみや事実を受け入れることが重要である。
[編集] 失恋から立ち直るには
例としては、以下のものが挙げられる。
- 他のもの、趣味などに没頭する。
- 思いっきり泣き、気分をスッキリさせる。
- カラオケで存分に歌う。海や山に向かって大声を出す。
- ヤケ食いする。飲む。
- 友達に愚痴などを聞いてもらい、語る。
- 新しい恋をして、必然的に前の恋の痛手を忘れてしまう。
このように、周りの友人からのフォローや励ましから、立ち直りへのきっかけを作ることもできる。ただし、特に重度でうつ病にまで発展するケースを除けば、失恋とは一時的に感情が沈んだ状態のことであり、精神疾患など病気の類ではない為[1]、明確な治療法はない。その為、失恋からどのように立ち直っていけばいいのか分からず自殺に発展してしまう場合もある。失恋による自殺は特に若年層に見られ、経験の未熟さ故に、一時的な気分に任せて行為に及んでしまうという。その後もいいパートナーとなれる相手に巡り合うことは十分に可能な時期であるにも関わらず、失恋相手をこの世で唯一無二の存在と過剰に解釈することによるものもある。
上記のどの例よりも確実なのは時間である。長い月日をかけることにより立ち直っていくことが、失恋において最も効能的であり、最も確実な特効薬であると言われている。企業によってはこれを考慮し「失恋休暇」と称した独自の休業制度を設けるところもある[2]。
[編集] 復縁・復縁屋
失恋から立ち直ることを放棄し、相手とのよりを戻す、復縁を望む者も多い。インターネット上のウェブサイト各所では、「復縁屋」と称して法外の報酬金を必要とした詐欺紛いのサイトが氾濫している。これは失恋という、人間の誰もが経験する、精神的に弱みを持った者に付け込むものであり、このようなウェブサイトから復縁が成功したとの例は稀である。復縁に至る場合は、あくまで個人の努力や、元々双方が相思相愛だったにも関わらず、事情により別れた場合などが多く、通常、復縁が成功する可能性というのは僅かなものである。
[編集] 脚注
- ^ しかし、ペットロス症候群に挙げられるように、大切なものを失った反動から来る喪失感などから一種の精神病・こころの病であるとの見解もある
- ^ Yahoo!辞書 - 失恋休暇