江ノ島電鉄800形電車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
江ノ島電鉄800形電車(えのしまでんてつ800がたでんしゃ)は、江ノ島電鉄に在籍していた電車である。山梨交通から上田丸子電鉄(上田交通を経て現・上田電鉄)を経て江ノ電へ転入した。
[編集] 概要
1971年(昭和46年)6月、801-802の2両編成1本(2両)が登場、600形と並び、輸送力増強のための大型車として期待された。
元々山岳線向け車両であったため江ノ電内では出力過多であり、そのため1両あたり4台あった主電動機(モーター)を2台外して就役させた。また、この800形は山梨県、長野県と寒冷地を走行していた関係で暖房器を装備しており、江ノ電初の暖房付き車両となった。
1974年(昭和49年)に藤沢駅高架化工事が行われると、勾配対策として外してあった主電動機が元に戻され、翌1975年(昭和50年)には3扉化改造され輸送力の大きい大型車体の連結車として重宝された。
しかし狭い運転室と、車体の大きい連結車であるが故に重連運転ができなかったこと、そして戦後混乱期に落成した車両ゆえに電気機器の劣化が他の車両よりも激しかったこともなり、1000形1501編成の登場と入れ替わりに廃車された。
http://www.g-gauge.jp/prototype/enoshima/8012.jpg
[編集] 車歴
- 1948年(昭和23年)- 山梨交通モハ7形7・8として汽車製造にて製造。
- 1962年(昭和37年)- 山梨交通電車線廃止に伴い上田丸子電鉄に譲渡。モハ2340形2341・2342として丸子線で運用。
- 1971年(昭和46年)- 丸子線廃止に伴い江ノ電に譲渡。2両固定編成に改造して運用開始。なお、車両間の貫通路は江ノ電のカーブ半径の関係で設置されなかった。
- 1974年(昭和49年)- 藤沢駅の高架化に伴い、モーター出力増強(元に戻す形となる)。
- 1975年(昭和50年)- 3扉化改造。
- 1982年(昭和57年)- 日中合作映画「未完の対局」撮影のため、青+黄の「青電」塗装に変更。
- 1984年(昭和59年)- 茶色+クリームの「チョコ電」塗装へ変更。
- 1986年(昭和61年)- 廃車、形式消滅。
廃車後、801は山梨県南巨摩郡増穂町利根川公園に保存。802は静岡県裾野市十里木高原別荘地内にて個人所有。
|
|
---|---|
現行車両 | 300形 - 1000形 - 2000形 - 10形 - 20形 - 500形 |
過去の車両 | 100形 - 200形 - 旧500形 - 600形 - 800形 - 納涼電車 |
|
|||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
現用車両 | |||||||||||||
|
|||||||||||||
過去の車両 | |||||||||||||
|