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未来部(みらいぶ)は、新宗教団体創価学会の青年部に属する組織。
[編集] 概要
創価学会の会員のうち、小・中・高校生が所属する組織であり、教育課程に応じて少年少女部、中等部、高等部に区分される。部員は未来部員、または鳳雛(ほうすう)と呼ばれる。
未来部員は、高校卒業と同時に未来部から離れ、新たな部へ所属することになる。所属先は、各部員の進路によって分かれている[1]。
[編集] 活動内容
未来部員の活動は、「21世紀使命会[2]」、「未来部担当者[2]」の助言・監督のもと、1人1人の意志による任意参加の前提で行われる。また、家庭においては日々の勤行、唱題をする。
- 少年少女部(小学生)
- 部員会[3]、図画工作、作文、合唱団などの活動を行う。教義教育用の教材[4]などで、日蓮と創価学会の教え、池田大作からの生活指導文書を学び、創価学会の信心の基礎を作る。
- 中等部(中学生)
- 中等部からは、基本的に男女に分かれて活動する。部員会、合唱団活動、『日蓮大聖人御書』の研鑽、研修会、推薦図書[5]を読破するなどの活動を行う。また、英語スピーチ大会が開催される。
- 高等部(高校生)
- 部員会、『日蓮大聖人御書』の研鑽、推薦図書[6]の読破などの活動を行う。また、英語・中国語・韓国語のスピーチ大会が開催される。
[編集] 関連活動
- 小学生文化新聞
- 中学生文化新聞
- 高校新報
- 富士希望少年少女合唱団
- 富士中学生合唱団
- 希望オーケストラ
- 正義合唱団
- ローレルグループ
- 大河グループ(中等部員による人材グループ)
- 北斗会(定時制高校に通う高等部員による人材グループ)
[編集] 未来本部
創価学会への信仰を次世代に継承させるため、2005年秋、創価学会本部内に未来本部が新設され、未来本部統括本部長に創価学会副理事長の池田博正が就任した。
あらゆる宗教にとって、子への信仰の継承[7]は非常に重要かつ困難な課題とされ、創価学会においても、退会者が[8]、脱会者[9]、未活になる若い世代の会員[10]を中心に増え始めており、この事態を重くみた創価学会は、未来部員の育成を、信心一辺倒から部員間の友情の絆の強化によって退転[11]や未活[12]を防止するなど、多角的[13]に行うことになった[要出典]。
[編集] 備考
- 活動している創価学会の会員の家庭に生まれた子供は、創価学会に入会することが通常であり[14]、おおむね生後1か月[15][16]から入会勤行会[17]に参加し、創価学会の会員となる[18]。しかし、創価学会の会員でない親類などからは、子供本人の意思を確認しない信仰[19]の強要[20]として非難されることがある。
- 熱心な創価学会の会員の家庭では、程度に差はあるものの、1歳を過ぎたころから創価学会に関連する絵本やビデオの観賞、仏壇のお水替えやご飯のお供えの手伝い、仏壇の前において正座で唱題の「南無妙法蓮華経」を3唱し頭を下げるなどの宗教教育を開始するのが一般的である。
[編集] 参考文献
[編集] 脚注
- ^ 就職者などは創価学会男子部・創価学会女子部へ移動し、大学などへの進学者は創価学会学生部へ移動となる。
- ^ a b 成人している創価学会の活動をする会員たち。
- ^ 各地域の未来部員が集まり、座談会方式で行われ る。
- ^ 「ライオンキング御書」と呼ばれている。
- ^ 『希望対話』など。
- ^ 『人間革命』、『青春対話』、『高校新報』など。
- ^ 創価学会の会員は、ほかの宗教と比べて信仰継承の成功率が比較的高いといわれている。
- ^ 創価学会を退会した創価学会の元会員のこと。
- ^ 創価学会と対立する宗派・団体へ入会した創価学会の元会員のこと。
- ^ 中等部からは、思春期、反抗期を迎える多感な年頃であり、外部の環境から入ってくる創価学会についての様々な情報を得る機会も増すことから、信心が揺らいで、未活(未活動)になる場合がある。また、学校のクラブ活動や受験勉強などの忙しさに追われ、信心はあってもやむを得ず活動を離れなくてはならなくなる時期でもある。
- ^ 退会者・脱会者を軽蔑して指す別称。
- ^ 未活動・活動停止中の創価学会の会員のこと。「寝ている人」とも呼称される。
- ^ 高等部員は、今後の人生の進路と、幼少期からの宗教教育の結果の成否(活動家に成るか否か)を決める最も大事な時期であり、創価学会も家庭訪問を積極的に実施。高等部員を対象とした指導や指針を示して育成に努めている。
- ^ 創価学会では、仏教における輪廻の思想を背景に、「前世からの宿縁によって創価学会の信心をする使命がある。子供は自ら親を選んで望んで生まれてくる。」と解釈している。
- ^ 一般的な神社への初宮参りの時期(地方や氏神によって異なるが、男児で30日、女児で31日など)と同じ。
- ^ 生後の日数よりも、5月3日(池田大作の創価学会会長就任日)や11月18日(創価学会の創立日)など、創価学会の記念日を入会日に選ぶこともある。
- ^ 各地域にある創価学会の会館において、参加者全員で勤行・唱題をした後、入会者の名前を役員が読み上げ、乳幼児の場合は家族が抱き上げる。
- ^ 過去には、寺院において僧侶が読経したうえで、入会する子供の額に巻物の形の本尊をかざす「ご受戒」の儀式が行われた。
- ^ ほかの宗教でも乳幼児の入会は行われており、キリスト教のカトリック教会では、幼児洗礼は奨励される傾向にある。ただし、思春期以降に自らの意思であらためて信仰を表明する「堅信」の儀式がある。
- ^ 「憲法違反」、「民主主義と信教の自由の侵害」として。
[編集] 外部リンク
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