時事放談
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『時事放談』(じじほうだん)はTBS系列で、毎週日曜日早朝に放送している政治をテーマにした座談会番組(討論番組)である。
目次 |
[編集] 時事放談(1957年~1987年)
この番組は1957年7月(ラジオ東京テレビ時代)に、日曜日の早朝番組として放送されたものが原点で、この時は朝日新聞出身の細川隆元と日本経済新聞出身の小汀利得の歯に衣着せぬ毒舌が評判を取った。1970年6月7日放送を最後に小汀が体調を崩し番組を降板(1972年に逝去)して以降は、細川と藤原弘達、藤川清、加藤寛、斎藤栄三郎(当時参議院議員、1974年3月に参院選出馬のため降板)ら国会議員(主に大臣クラスの大物、或いは政界のキーパーソン的存在となっている人物)らを招いて1対1の対談形式で放送された。1987年3月で一旦終了し、番組のタイトルを永久欠番にし、『日曜放談』と番組名を改題して放送した。
毎回番組の途中で女性アナウンサーが対談者に茶菓を供す場面を挿入していた。対談者が総理大臣をはじめとする、国民に選ばれその地位に就いた大物政治家を「君」呼ばわりすることに対しては「夜郎自大」との批判が向けられた。[要出典]
[編集] ネット局
[編集] 提供スポンサー
[編集] リメーク版(2004年4月~)
その後、1987年3月に一旦終了したが、2004年4月から再開。永久欠番である番組タイトルを復活し、毎週日曜日6:00~6:45にリメーク版が放送されている。このリメーク版では、毎日新聞社記者(特別顧問)の岩見隆夫が司会を担当し、ゲスト(毎回2名)の3人で最近の政治・経済・文化・国際・社会情勢に鋭いメスを入れる。
またリメーク版のアシスタントはTBSの小島慶子アナウンサーが担当しているが、2005年10月30日放送分から半年ほどは小島アナの産休のため同局の木村郁美アナウンサーが担当していた。
岩見隆夫は2007年3月25日放送分を以ってリメーク版の司会を降板し、御厨貴が後任の司会となった。リメーク版では、~ワイドショー政治を叱るというサブタイトルがついており、キャスティングから判断して主に早朝に目覚めた高齢者を視聴対象としていると思われる。
[編集] これまでの出演者(初出演順)
回数は2008年6月15日現在
- 中曽根康弘18回
- 塩川正十郎49回
- 野中広務 52回
- 土井たか子 2回
- 村山富市 2回
- 瀬戸内寂聴 8回
- 大河原良雄 1回
- 緒方貞子 2回
- 日野原重明 4回
- 森喜朗 16回
- 渡部恒三 34回
- 岡崎久彦 1回
- 田中秀征 2回
- 加藤周一 1回
- 趙啓正 1回
- 岡田克也 4回
- 武部勤 1回
- 松本健一 3回
- 半藤一利 2回
- ジェラルド・カーティス 13回
- 野田聖子 1回
- 加藤紘一 18回
- 堺屋太一 9回
- 渡邉恒雄 9回
- 平沼赳夫 1回
- 養老孟司 3回
- 山崎拓 3回
- 寺島実郎 9回
- 藤井裕久 27回
- 綿貫民輔 1回
- 浅野史郎 5回
- 筑紫哲也 2回
- 片山善博6回
- 与謝野馨 3回
- 東国原英夫 1回
- 武村正義 3回
- 鶴見俊輔 1回
名前 | 中曽根 | 宮澤 | 塩川 | 後藤田 | 野中 | 渡部 | 藤井 | 森 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
中曽根 | - | |||||||
宮澤 | 1 | - | ||||||
塩川 | 1 | 9 | - | |||||
後藤田 | 0 | 0 | 7 | - | ||||
野中 | 0 | 0 | 0 | 11 | - | |||
渡部 | 0 | 0 | 3 | 0 | 12 | - | ||
藤井 | 0 | 0 | 6 | 0 | 11 | 0 | - | |
森 | 1 | 0 | 3 | 0 | 0 | 15 | 0 | - |
[編集] スタッフ
- 構成 : 日野原幼紀
- 協力 : 松田喬和(毎日新聞専門論説委員)
- 制作プロデューサー : 石塚博久
- 番組プロデューサー : 高橋正嘉
- 制作協力 : TBSビジョン
- 制作(ノークレジット) : TBSテレビ報道局
- 製作著作 : TBS
[編集] ネット局(2007年4月~)
[編集] 同時ネット局
[編集] 先行ネット局
いずれも日曜 5:30~6:15
[編集] 遅れネット局
- 信越放送(日曜 24:30~25:15)
- 中国放送(月曜 4:45~5:30)
- RKB毎日放送(火曜 4:30~5:15)
- TBSニュースバード(土曜 21:00~22:00)
[編集] 途中で打ち切られた放送局
- 青森テレビ(2005年3月27日で打ち切り)
- IBC岩手放送(2005年9月25日で打ち切り)
- チューリップテレビ(2005年10月8日で打ち切り)
- テレビユー山形(2006年3月26日で打ち切り)
- 新潟放送(2007年3月25日で打ち切り)
[編集] 未ネット局
[編集] その他
CS放送「TBSニュースバード」・BSデジタル放送「BS-i」でも放送されているため、地上波では放送されない地域でも、TBSニュースバードやBS-iを通じての視聴が可能。
[編集] 時事放談とビートルズ
ビートルズが来日した1966年の5月15日~22日の2週に渡り、「ザ・ビートルズ来日騒動をめぐるもの」と題してビートルズの武道館コンサートを取り上げた際、細川隆元と小汀利得は「(「武道の殿堂」という神聖的な存在を)訳のわからん奴等に貸してたまるか!!」の考え一辺倒で、「ビートルズが乞食(こじき)芸人なのは騒いでいる気違い少女供を見れば一目瞭然」「ごみための夢の島でやれ」などと発言した(当時、差別表現への規制はまだ緩やかなものだった)。
差別表現まで使った両者の感情的な発言に、放送したTBS (東京放送)には日本全国から抗議の手紙や電話が殺到した。TBSは当時月曜から金曜までしていた最終版のJNNニュースに続く報道番組「話題をつく」で細川・小汀両人とビートルズのファンを呼んで討論させるという番組「ザ・ビートルズにけちをつけないで」を6月27日に放送して収拾を図った。両人の暴言によって、現在ビートルズを批判することがタブーになっていると考える人もいる。
また、同公演は読売新聞社と中部日本放送 (CBC)が共催していたので、本来ならCBCのキー局であるTBSが放映権を獲得するはずだったが、上記の事情により日本テレビに放映権が移ったという話もある。⇒ザ・ビートルズ日本公演を参照
[編集] 時事放談と大阪・三菱銀行人質篭城事件
1979年1月26日に大阪府大阪市住吉区万代2丁目にある三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)北畠支店にて発生、2日後の1月28日に犯人射殺をもって解決した大阪三菱銀行人質篭城事件で大阪府警が突入した時間帯は、丁度「時事放談」の放送中だった。東京放送は「時事放談」を途中で打ち切って北畠支店から中継している毎日放送の映像に切り替え、狙撃隊突入→狙撃→血塗れの強盗搬送といった解決の一部始終を放送した。番組自身が途中で打ち切られたケースはこれが唯一。