ロス・ブラウン

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ロス・ブラウン（またはロス・ブロウン、Ross Brawn、1954年11月23日 - ）は、ホンダ・レーシング・F1チームのチーム代表である。イギリス・マンチェスター生まれ。

F1のベネトン、フェラーリに所属し、ミハエル・シューマッハとのコンビで幾度となくF1のワールドチャンピオンを獲得した。また、トム・ウォーキンショー率いるTWR（トム・ウォーキンショー・レーシング）において、スポーツカー世界選手権(SWC)に参戦するジャガー・XJR-14のデザインなどを手がけたことでも知られる。

[編集] 経歴

1970年代初頭はイギリスのオックスフォードシャー近郊の英原子力エネルギー研究所に勤務。

1976年には他社でミルオペレーターに従事後、レース界に入りF3チームのメカニックとなる。

1978年にフランク・ウイリアムズに請われ、新生F1チームのウィリアムズのメカニックとなる。ちょうどウィリアムズの戦闘力が徐々に上昇カーブを描き始めたころで、また同チームのテクニカルディレクターパトリック・ヘッドにさまざまなことを学ぶことになる。

1985年にローラ社のシャシーでF1に参戦したニューマン・ハースのチームに移籍したものの、チームの不調によりこのチームはわずか2年で破綻し、1987年にアロウズに移籍することになる。アロウズ時代はブラウンがF1マシンのデザイン、主任設計をした数少ない時期である。それなりに成績を上げたものの勝利に結びつくまでにはいたらず、結局3年でアロウズを離脱し、スポーツカー世界選手権などに参戦していたトム・ウォーキンショー(後のアロウズのオーナー)率いるTWRに移籍した。

TWRで在籍した時期はわずかだったものの、このスポーツカー時代がその後の彼を大きく変えることになる。彼の在籍した時期のベネトンや現在のフェラーリのお得意芸の巧妙なピット作戦、的確な給油戦略などはこのスポーツカー時代で培ったものである。

1991年にベネトンでテクニカルディレクターとしてF1復帰、この時に後の名コンビとなるロリー・バーン、そしてこの年ジョーダンでデビューしてわずかデビュー2戦目でベネトンに移籍してきたミハエル・シューマッハと出会うことになる。シューマッハもブラウン同様スポーツカー選手権の経験者である。このころから技術主任としてより作戦隊長として活躍するようになる。このコンビは1992年のベルギーグランプリで巧妙なピット作戦でシューマッハが初勝利をあげた時から早くも機能し始める。1994年再給油が11年ぶりに解禁したときにスポーツカー時代に培ったブラウンとシューマッハの経験が存分に生かされ、1994年、95年にシューマッハは2年連続でタイトルを獲得することになる。

1995年シーズン終了をもってシューマッハは低迷していたフェラーリに移籍、ブラウンはベネトンにとどまるものの、その後シューマッハからの要請で1996年シーズン終了後、後を追うような形で彼もフェラーリに移籍することになる。そして96年シーズン限りでF1引退を宣言していたロリー・バーンにフェラーリに来るように働きかけ、結果バーンもフェラーリに加入することになる。そして1997年にはウィリアムズ・ルノー、1998年、1999年にはマクラーレン・メルセデスといった当時最強のマシンをピット作戦で翻弄し、1999年には、フェラーリはコンストラクターズチャンピオンを獲得するまでになった。2000年のシューマッハが21年ぶりにフェラーリドライバーのドライバーズチャンピオンを獲得することになる。

2001年から2004年までのフェラーリ黄金時代を演出する立役者の一人になり、シューマッハとチームをタイトルに導いた。

2006年シーズン終了後(この年をもってミハエル・シューマッハはF1を引退した)、1年間の長期休暇を取りフェラーリからいったん離脱をしていた。ブラウンがF1に復帰する時はフェラーリとの交渉が優先とされていたがフェラーリとの交渉は決裂し2007年11月13日にホンダF1の2008年度チーム代表(正確には Team Principal)となることが発表された。

[編集] 癖

常に冷静でチームを勝利に導く戦略家のブラウンだが、彼にはF1関係者の間では非常によく知られた癖がある。それは、「勝利を確信した時にピットウォール（プラットフォームとも）でバナナを食べる」という癖である。彼は、たいていレースが残り10周前後になり、フェラーリの勝利がほぼ確定した時に、ジャン・トッドなどが共に座っているフェラーリチームのピットウォールで必ずバナナを口にする。この光景はしばしばテレビにも映り、フジテレビ(地上波)でも度々登場したことがある。