ヨルグ・ザンダー
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ヨルグ・ザンダー(Jörg Zander, 1964年2月15日 - )は、ドイツ出身のレースエンジニアであり、現在はF1のホンダチームのメカニカル開発部門トップを努めている。
[編集] 経歴
ケルン大学で機械工学を学び、1990年に卒業するとトヨタ・チーム・ヨーロッパ(TTE)に所属し、1990年から1995年にかけ世界ラリー選手権(WRC)のプロジェクトエンジニアを務めた。
その後、1996年から1997年にかけて一時トヨタを離脱してオペルのエンジニアとして国際ツーリングカー選手権(ITC)を戦ったが、程なくトヨタに復帰し、トヨタのF1参戦計画に携わり、車体部門のチーフエンジニアとして1998年、1999年にはル・マン24時間レース参戦に向けトヨタ・GT-One開発に関わり、以後はトヨタF1チームのサスペンション・油圧系のチーフエンジニアを務め、トヨタにはトヨタチームのF1デビュー年である2002年まで所属した。
2003年にはB・A・Rチームに移籍し、トランスミッション(変速機)部門のチーフとなり、「シームレスギアボックス」と呼ばれる変速機構を開発したとされる。これはシームレスといっても無段変速機(F1の技術規則で禁止されている)という意味ではなく、変速のタイムラグを短縮したものと考えられており、ラップタイムを大幅に短縮できるとのことで話題を呼んだ。
こうした実績が見込まれ、2005年9月にはウィリアムズに移籍し、ギャビン・フィッシャーに代わってチーフデザイナーの地位に就いた。しかしながら、わずか半年後の2006年3月にはチームから離脱。ウィリアムズからの離脱について、その理由は「個人的な事情によるもの」とウィリアムズチーム側から公表されたが、離脱から間もない4月25日、BMWザウバーチームから、同チームのチーフデザイナーとしてザンダーと契約を結んだことが発表され[1]、同年6月1日にはBMWザウバーチームの本拠があるスイスに職場を移したが、2007年にB・A・Rの後身であるホンダに出戻りというような形になった。
[編集] 参照
- ^ BMWザウバー、ヨルグ・ザンダーと契約 2006年4月26日記事