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ヤマト (宇宙戦艦ヤマト) - Wikipedia

ヤマト (宇宙戦艦ヤマト)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

宇宙戦艦ヤマト(うちゅうせんかんヤマト)は、アニメシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』の主役戦艦である。

この記事では一部を除いて、1974年から1975年に放送されたテレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』第1作から1983年に劇場公開された映画宇宙戦艦ヤマト 完結編』に至る、テレビ・劇場用アニメーション作品の劇中描写を基に記し、書籍等の媒体で発表された設定やコミカライズ等に登場する設定、『ヤマト完結編』以降に製作・発表された作品についてはその旨を明記する。

目次

[編集] 概要

1945年に沈没した戦艦大和」を改造して作られた恒星間航行用超弩級宇宙戦艦。人類史上初の超光速宇宙船でもある。同型艦は無し。西暦2199年就役。デザインや設定を担当した松本零士による漫画版での型式名「M-21991式宇宙戦艦」。

ガミラスによる発見を避けるため、遊星爆弾によって干上がった九州坊ケ崎沖の海底に露出した「沈没戦艦大和の遺跡」をカモフラージュにして、元来は選ばれたわずかな人類と生命種を乗せ地球を脱出するための「ノアの箱舟」として建造されていた。しかし、イスカンダルからのメッセージ飛来、及び波動エンジン設計図の入手を機に、地球脱出からイスカンダルへの航海へと計画は変更された。国連宇宙局ヤマト計画本部兼地球防衛司令部の指揮下にあるが、地球との交信可能距離を脱した後の全指揮権は艦長一人に帰属する。

[編集] 諸元

  • 全長:265.8メートル
  • 全幅:34.6メートル
  • 全高:77.0メートル
  • 自重:62,000トン
  • 乗員:114名

※なお、度重なる「修理・改装」の為、時期によって「武装やデザインなど細部仕様」に若干違いが生じている。

これらのデータは当時の製作会社オフィスアカデミーが『宇宙戦艦ヤマト全記録集』を出版した際に固定されたもので、それ以前はヤマトの大きさに関しては「おおむね300メートル以上」といった取り決めしかされていなかった。そのためパート1時の設定資料を見ると、ものによって全長が263メートルだったり300メートルだったり330メートルだったりとかなり曖昧である。ベースとなった戦艦「大和」は、全長263メートルである。

さらに上記の諸元は現実的にシミュレーションした場合に矛盾が生じる。特に、以下の3点は制作者側も矛盾を承知の上での演出であり、設定書に矛盾点として明記されている。

  1. 設定されたサイズでは、艦載機は数機しか格納できない。
  2. 第一艦橋内部が、設定から導かれるサイズにくらべて広すぎる。
  3. 船の形からロケット型に絞られる艦尾の形状は、立体化すると矛盾が生じる。


こうした「制作者承知の上での矛盾」は、SF映像作品においてリアリティを重視することが当然になった近年になって、一部のファンから批判も生じている。しかし、『宇宙戦艦ヤマト』が制作された時代は、SF映像作品の物理的な設定を厳密に映像化するという発想が充分に浸透していなかったため、他のSFアニメ・特撮作品でも物理的なスペックより映像的なインパクトを優先する演出は多々存在した。本作は「演出優先」から「緻密なリアリティ」への過渡期にあたる作品であるため、様々な矛盾点がクローズアップされやすい傾向にある。

[編集] 設計

劇中では述べられていないが、ヤマト第一艦橋要員であり砲術担当責任者でもある南部康雄の実家、「南部重工業」製と書籍類に記載されている(地球防衛軍の士官クラスの拳銃も同社製という設定)。 設計において戦艦大和をデザインベースとしたため、水上艦艇をそのまま宇宙に浮かべたような外観を有している。艦体上部中央には上甲板からの高さが60メートル以上に達する巨大な司令塔がそびえ、頂上部には艦長専用居室、その直下には操艦、索敵、戦闘、通信、構造維持、生命維持、調査分析、機関操作と言った艦の全機能を、艦長以下各班の責任者が集中管理するための第一艦橋、さらに下に航路策定並びに航海管制に機能特化した第二艦橋(航海艦橋)が収まる。司令塔真下の位置に艦底から突き出ている第三艦橋はメインブリッジである第一艦橋のバックアップのためのサブブリッジであり、内部設備は重力下環境で船体が横転したような状況を想定した、潜水艦発令所を模した上下対称構造になっている。本艦に限らず、『ヤマト』シリーズにおける地球所属の宇宙艦艇の大半は着水・潜水能力を有し、整備用専用ドック以外には緊急時を除き着陸を行うシーンがない。また艦に上下がある(重力制御が実現している)ため、主砲を始めとする各種武装が「船体上部」に集中する傾向がある。

また、大気圏内航行時の安定保持のため、左右両舷に収納式の主翼を装備している。このデルタ翼型の巨大な大気圏内安定翼は、ヤマト以後の宇宙戦艦には採用されていないが、次世代艦のアンドロメダ級戦艦には艦首部に小型ながら安定翼がある。この主翼は、尾部の3つある舵、姿勢制御翼と併用して用いる。

[編集] 波動エンジン

ヤマトの主機関には、イスカンダルより送られた設計図に基づき、急遽製造された「波動エンジン」を装備している。波動エンジンによって、ヤマトは「ワープ」(空間跳躍)能力を備えることになり、長距離の恒星間航行が可能になった。また、波動エンジンが生み出すエネルギーによって、従来の地球製宇宙船とは一線を画した戦闘能力を得ることが出来た。

また、別に「補助エンジン」を2基装備する。これは副推進器であると同時に、主機である波動エンジンの始動にも使われる一種のセルモーター、スターターでもある。補助エンジンのみでも通常航行は可能だが、ワープはできない。

[編集] 兵装

主要兵装は、艦隊決戦兵器である艦首波動砲(続編で登場した拡散型に対し、収束型と呼ばれる)、主・副三連装ショックカノン煙突ミサイル、パルスレーザー砲など。武器ではないが、ヤマト前部に2つ備えるロケットアンカーも、敵艦体に打ち込むなど攻撃に用いることができる。これらの武装は艦体上部に集中しているが、推進中でも艦体を左右にロールさせることで事実上死角をなくせること、兵装を備えない側面や下部は上部より重装甲で耐弾性が高いことなどから、宇宙空間戦闘においてはさほど致命的な欠陥とはならない。

波動砲は波動エンジンのエネルギーをそのまま利用するので、波動エンジンを始動していないと使えない。また、エネルギー充填に時間がかかり、充填中は他の兵装も使えなくなり無防備になってしまうという欠点がある。波動砲発射後は波動エンジンの出力がゼロになってしまうため、波動エンジン再始動のためのエネルギーを蓄えておく必要もある。その為、波動砲発射時には戦闘に不要とされる艦内照明や自動通路等は、全て停止させている。

波動砲以外の兵装は補助エンジン駆動のみで使用できるので、波動エンジンが使えない場面でも戦闘可能である。波動エンジン始動時との火器の威力差などは描写されていない。

  • 艦首波動砲(収束型)1門
  • 主砲:45口径46センチ三連装衝撃砲(ショックカノン)3基
  • 副砲:46口径20センチ三連装衝撃砲(ショックカノン)2基
    • 注1. 大和の副砲は60口径15.5センチ。ヤマトは大和に比べ、副砲の砲口径を増大させている。副砲の砲身長が大和とヤマトでは同じとして計算すると、ヤマトでは20.0センチの場合、46.5口径となる。口径が20.0センチではなく、8インチ(約20.3センチ)の場合、45.8口径になる。ここでは便宜的に間をとって46口径とする。異説ではヤマトの副砲も15.5センチ。
    • 注2. 1作目の主砲の設定資料を見ると、46センチではなく48センチ砲と書かれている。しかしパイロットフィルムをはじめ、そのことにはほとんど触れられていない(当時の一部の資料本では記載されている例もある)ため、現在では46センチ砲で定着している。
  • その他
    • 煙突ミサイル(ゲーム版での名称:垂直軸長射程ミサイル)×8セル(再装填可)
    • 艦首ミサイル(魚雷、迎撃ミサイル。ゲーム版での名称:多弾頭攻撃宇宙魚雷)発射管×3門×2、後部同×3門×2(再装填可)
    • 両舷側ミサイル発射管×8門×2(再装填可)、敵ミサイルを防ぐ粘液ミサイルとしても用いられる
    • パルスレーザー高角砲多数
    • パルスレーザー対空機銃多数
    • 側面機雷投射機
    • 波動爆雷投射機
    • 艦底部垂直投下爆雷(ゲーム版のみ)

[編集] 搭載機

宇宙戦艦と呼ばれているが、これは20世紀から21世紀における軍事用語としての「戦艦」とは微妙に異なり、「高い戦闘能力を持つ宇宙船」という程度の意味合いである。そのため、多数の戦闘攻撃機を搭載するという航空戦艦的な要素も有している。そのため艦尾艦底のかなりの部分を艦載機の格納スペースに割り当てている。エレベーターを使い立体的に格納することで、スペースを有効に利用している(ただし現実の戦艦大和も、水上機6機を常用で搭載し、より多数の航空機の搭載も不可能ではなく、これは現実の戦艦大和の反映とも言えなくも無い。ちなみに現実の戦艦大和の水上機射出用カタパルトは、ヤマトにおいては古代進のコスモゼロ専用カタパルトになっている)。

艦尾のカタパルト(上記の通り元の戦艦大和のカタパルトと同位置)からコスモ・ゼロ、艦底ハッチよりブラックタイガー(後にコスモタイガーIIに機種更新)戦闘攻撃隊を発進させることができる。他に惑星探査用の中型機コスモハウンド、内火艇を兼ねた救命艇上陸用舟艇、中型雷撃艇、修理艇、大気圏内外両用運搬船、各種探索艇、円盤型救命機(イスカンダルでのダイヤモンド大陸水没時に出動)など多数の機体を搭載する。さらにはバルーンダミーのような特殊な装備品をも常備している。

[編集] その他

[編集] 居住性

もともと地球脱出用に設計されていたため、航海が長距離、長期間に及ぶので居住性は高い水準にある。そして艦内には人工重力が働き地上と同じく行動できる。この人工環境に乗員100余名が居住している。艦長は艦橋頂上部の専用個室、各班の班長である士官クラスの乗組員には専用個室が与えられているが(パート1・第14話、第19話)が、下士官クラスの乗組員はいわゆるタコ部屋(『ヤマトIII』)暮らしである。直掩艦載機隊(ブラックタイガー隊)や空間騎兵隊などの戦闘員専用の居住ブロックは格納庫に隣接しており、緊急事態にも迅速に対応できるようになっている。

乗員福利施設が極めて充実している。士官食堂、自動配膳の一般食堂、緑黄野菜を自給するヤマト農園、ジムを備えた体育館、レクリエーション施設と精神医療施設を兼ねるイメージ投影ルームや冷凍睡眠装置、さらにスナックまである。大工場直上の居住ブロックに二階ぶち抜きの映画鑑賞室や男女別の大浴場も設定されていたが本編で描かれることはなかった。

[編集] 生産性

自前の艦内工場を備え、外部から資材を調達する必要はあるものの、船体維持管理部品や艦載機を含めたミサイル等の消耗系の兵器弾薬に関しては高い生産能力を誇る。閉鎖的な人工環境を作っているが、完全ではなく長期航海時には地球型惑星で生鮮食料品になる生物の採取を行っている。

[編集] 乗組員

本編パート1ではヤマトの総乗組員数は114名となっている。艦内の基本的な組織として、艦長(不在の場合あり)以下、古代進を班長とする「戦闘班」(砲術科と飛行科・艦載機部隊ブラックタイガー/コスモタイガーII隊を配下に持つ)、島大介を班長とする「航海班」(操縦・航路探査・レーダー科と通信科(班)を配下に持つ)、真田志郎を班長とする「工作班」(技術班と呼ばれる場合もある)、徳川彦左衛門(初代)・山崎奨(二代目)を班長とする「動力班」(機関部と呼ばれる場合もある)、森雪を班長とする「生活班」(医療衛生科・炊事科・分析科などを配下に持つ)の主要な五つの「班」が存在する。各セクションの人数の内訳については、特に具体的な設定はない。

作中では本来「班」の下位組織である「科」であるはずの砲術部門や通信部門も「砲術班」「通信班」と呼ばれたりする場合がある。相原義一主演のエピソードということもあるにせよ、本来、航海班の一部門にすぎないはずの通信部門を担当する相原が「通信班長」として古代や島たちと同格のように扱われるなど(パート1・第19話)、各組織の名称・上下関係の描写には時としてぶれが見られる。

パート1劇中での生存者は67名、犠牲者は47名であったとされているが、この設定は1977年公開の劇場版『宇宙戦艦ヤマト』ラストシーンにおいて初めて出された数値であり、テレビシリーズパート1の放送時には生存者数などの描写は無かった。

なお、いくつかの小説版では各班の人員構成が一部明記されているが、アニメ作品と連動した公式の設定ではない。

艦内での乗組員の制服は、前記の各部門によって色分けされている。戦闘班砲術科(砲術班)が白地に赤矢印、戦闘班飛行科(戦闘機隊)が黒地に黄矢印(パート1では、リーダーの加藤三郎以外は白地に赤矢印)、航海班(操縦・航路探査・レーダー科)が白地に緑矢印、工作班が白地に青矢印、動力班が白地に橙矢印、生活班(炊事科・分析科。炊事科はパート1では水色地に白矢印)および通信班が黄色地黒矢印の6パターンと、生活班医療・衛生科の白衣に赤十字(佐渡酒造が主に着用し、看護師を務める乗組員も着用)である。これらの基本設定が確定したのは劇場版『さらば宇宙戦艦ヤマト』以降である。パート1の初期と『宇宙戦艦ヤマトIII[1]以外では、班長以外の乗組員の制服の首周り部分は、黄色地・黒地のものも含めて白色である。

パート1・第3話の航海出発前に全乗組員を前にした沖田十三の挨拶の際には、白地に黄色い矢印とか紫色の矢印、白地に白の矢印など、後の話には登場しなくなるさまざまな色合いの制服の乗組員が存在する。また、パート1・第19話では相原義一の部下(通信班員)として通信室の当直をしている乗組員が登場するが、彼の制服は白地に黒矢印である。

当初は森雪以外の女性乗組員は乗艦していない、という設定であった。パート1のフェアウエル・パーティのエピソード(第10話)で、複数の女性乗組員の姿が見られるが、これは設定が現場サイドまで完全に行き届いていなかったことによる作画ミスである[2]。実際、その後のオリオン座アルファ星のエピソード(第12話)では女性看護婦の登場が予定され、声優まで決まっていたにもかかわらず、上記の設定を理由に直前で男性看護兵に変更されている。その後は徹底され、『ヤマトよ永遠に』での真田澪(サーシャ)の乗艦まで、森雪以外の女性乗組員は登場しなくなる。『宇宙戦艦ヤマトIII』では、「第2の地球」探しという長期任務上、出航時には10名程度の女性乗組員(看護士)を乗船させていたが、第8話のラストで、「第2の地球」探査以外の星間戦争に巻き込まれる危険性が高まってきたという理由(古代進の発言)で、京塚ミヤコ他、森雪以外の女性乗組員を早々に地球へと帰還させている。

[編集] 建造後の改修・改装点

[編集] イスカンダルへの航海時

一作目における航海途上、敵の攻撃を受けながらも艦体修理を続けられるようにするため、真田志郎発案によるアステロイドシップ計画が採用された。これは小惑星に反重力感応器を打ち込んで、ヤマトに引き寄せて装着し擬装する(アステロイドシップ)とともに、攻撃を受けた場合、感応器を操作して小惑星群を艦体の周囲に回転させ(アステロイドリング)、敵のミサイルやレーザー砲を跳ね返そうというものだった。特殊な防御装備としては、同じく真田発案による、光学兵器やエネルギー兵器を反射させる「空間磁力メッキ」があるが、これも途中追加の装備である。なおアステロイドシップとは、ヤマトの初期企画案に、小惑星(岩)にエンジンや武装や艦橋などを儀装し、そのまま船にしてしまうという奇抜なアイディアがあり、その名残である。小惑星イカルスに隠されていたのも同様であろう。

[編集] 対白色彗星帝国戦役時(一度目の改装)

西暦2201年の対白色彗星帝国戦役時には、小規模ながら若干の能力アップが行われている。艦首下部のバルバス・バウ付近に新たに「タイムレーダー」を装備。主砲に改良が加えられ、射程距離が延伸されている。波動エンジンに改造が施されコンパクトになり、空いたスペースを利用して中型雷撃艇を搭載した[3]。波動砲発射後のエネルギー回復力も強化された[4]。当初予定ではアンドロメダ同様、自動管理方式が導入されることになっていたのだが、これは工事着手直前にヤマトが無断出撃したため、導入されずに終わった。

これらが描写されているのは『宇宙戦艦ヤマト2』のみであり、『さらば宇宙戦艦ヤマト』では廃艦して記念艦にする予定だったこともあり、改良の描写も性能向上を思わせる描写も無い。ただし、出港後に真田技師長によって、波動砲の収束率向上のための応急改造を行っている。

[編集] 対暗黒星団帝国戦役時(大改装)

暗黒星団帝国戦役時(『ヤマトよ永遠に』)、旧式化していたヤマトは大改装され、イスカンダルオリジナル設計製から地球設計製へと、主機関を換装することとなった。また、増幅装置「スーパーチャージャー」を備え、これにより連続ワープ(超長距離ワープ)の使用が可能となった。画面上での描画もそれ以前とは大きく異なり、青色の透過光をふんだんに使用したスピード感のある画面効果となっている。

同時に波動砲の威力も格段に向上し、また短時間のインターバルをおいての連続発射が可能となり、波動砲発射室も改装を受けている。発射時の艦内電力供給停止措置も必要なくなった。これを「新・波動砲」と呼ぶ。

主砲もエネルギーチャージ式からエネルギーカートリッジ式に改められ、威力・連射速度共に向上している(その威力は、数回の射撃で暗黒星団帝国の中間補給基地を殲滅した程である)。また、カートリッジ化に伴いオプション弾の使用が可能になり、カートリッジに波動エネルギーを充填した新型主砲弾「波動カートリッジ弾」が配備された。この装備は改装後の主砲でも攻撃を受け付けなかったゴルバ型機動要塞に対して非常に有効であった。同様に波動エネルギーを充填した新型爆雷「波動爆雷」も追加装備として、後部甲板(第三砲塔とメインノズルの中間辺り)に専用発射管と共に搭載された。これは弾薬庫からベルトコンベア(設定画にはレールと記載)で運ばれてきた爆雷が、断続的に発射管にセットされる独特の構造となっている。こちらも波動カートリッジ弾同様、ゴルバ型機動要塞との戦闘の際に初めて使用されている。

このほかに、第二艦橋下部に全周囲モニターを用いた天体観測ラボである「全天球レーダー室」を設置。以前装備されたタイムレーダーを撤去し、その跡にハッチを設け、高精度センサーである「三次元センサー」が装備されている。大作戦室は拡大改装され「中央コンピューター室」となった。また第二・第三艦橋内や主砲発射室、格納庫などの艦内も、大幅に内装がリニューアルされている。

新生ヤマトを象徴するべく、側面と艦首上部、第二砲塔上面に錨マークが、各主砲の砲身に参戦章[5]のペイントが施されている。

[編集] 移住星探しの航海時

第2の地球を求めて出発した際(『宇宙戦艦ヤマトIII』)、その任務に見合った改装が施されているが、画面を見る限り変更点は見受けられない。判るのはせいぜいコスモハウンド発進口が側面に付いた程度である。ちなみにこの航海の際、応急改造で三次元センサー部に「亜空間ソナー」(センサーそのものに直付け)、上甲板に「ハイドロコスモジェン砲」の取り付けを行っている。

[編集] 対ディンギル帝国戦役時(最後の改装)

ディンギル帝国戦役時(『宇宙戦艦ヤマト 完結編』)において、新たに「射撃管制システム」が装備された。それに伴い、第一艦橋上部に射撃管制用レーダーが追加、また第二艦橋側面にも指向性アンテナが設置されている。第二・第三艦橋内や主砲発射室、格納庫なども、再度内装がリニューアルされた。また三次元センサーを一時的に取り外して「対ハイパー放射ミサイル艦首ビーム砲」を設置している。前部上甲板に、探査衛星発射用カプセルミサイル[6]打ち上げランチャー(4連)も新設された。対空砲弾として「コスモ三式弾」も用意されたが劇中では使用シーンはカットされている。

『完結編』では錨マークは消され、主砲への参戦章(帯の数は3本から変更なし)のみのペイントとなっている。

[編集] 『ヤマト完結編』以降の作品に登場したヤマト

ヤマトは建造の経緯が特異であるため、姉妹艦にあたるような同型艦は存在しないという設定である。

その後製作されたOVAYAMATO2520』では、「ヤマト型宇宙戦艦」は地球防衛軍の象徴とされたようで、ヤマトの名を継ぐ戦艦が代々建造されており、同作のYAMATOは18代目という設定である。

『宇宙戦艦ヤマト』から1000年後の時代を舞台とした、松本零士の漫画『新宇宙戦艦ヤマト』において、ヤマトは「グレートヤマト」に拡大大改装されている。

また、同じく松本零士の漫画『超時空戦艦まほろば』では、架空の大和型戦艦4番艦「まほろば」が登場する。 この「まほろば」は、『新宇宙戦艦ヤマト』において、グレートヤマトとほぼ同様の宇宙戦艦に改装されているので、実質グレートヤマト型の準同型艦といえる(グレートヤマト型への改装前の「まほろば」は、艦の大きさや武装が異なる為、大和型及びヤマト型の同型艦ではない)。

また漫画『銀河鉄道999』(エターナル編)に、プロトタイプヤマトともいえるヤマト型のワープテスト艦が登場している(艦首のデザインがわずかにヤマトと異なる)。『宇宙戦艦ヤマト』では、ヤマトがイスカンダルへの航海開始直後、月軌道で人類史上初のワープテストを行っており、ワープテスト艦は建造していないので、これは平行世界のヤマトとの邂逅であると考えられる。

その他ワープ途中で惑星ヘビーメルダーに立ち寄る途中のヤマト(グレートヤマトか旧ヤマトかどうかは不明)と999号が遭遇している。(その際、メーテルはヤマトを、「アルカディア号と同じくらいの戦闘力を持つ伝説の戦艦」、「それぞれの時間空間で最強と言われる」と評している)

なお『YAMATO2520』及び『新宇宙戦艦ヤマト』に登場したヤマトについてはそれぞれ以下を参照のこと。

[編集] こぼれ話

1985年の海底調査により、実際の沈没した大和の状態は、船体が二つに破断し、主砲塔も船体から分離し、艦橋付近は粉々になっていたため、アニメ第1作の大和登場シーンは有り得ないことがわかった。このときヤマトのプロデューサーである西崎義展はがっかりしたという。

[編集] 脚注

  1. ^ 本作では、乗組員全員、首周り部分は部門ごとに色分けされている。また、新乗組員には斜めの白いストライプがはいる。
  2. ^ 資料によってはこの作画を尊重して、「その後、女性乗組員が登場しないのは冷凍睡眠下にあるから」と説明しているものもあるが、これは雑誌「月刊OUT」で本作の特集が組まれた際に語られた設定が後年の書籍に踏襲されたもので、作品との整合性はない。
  3. ^ 主砲、エンジンどちらも劇中描写(真田技師長のセリフ)より。
  4. ^ 宇宙戦艦ヤマト画報<竹書房>より
  5. ^ この3本の帯は、ヤマトが今まで戦った3度の戦い(ガミラス戦、白色彗星帝国戦、ゴルバ戦)を表している。
  6. ^ 衛星打ち上げ用なら厳密に言えばミサイルではなくロケットと呼ぶべきだが、設定画にはミサイルとあるため、ここでは敢えてそう表記する。
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