波動カートリッジ弾
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波動カートリッジ弾(はどうかーとりっじだん)は、アニメ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場した架空の兵器の名称。
旧大和の徹甲弾を思わせる茶色の砲弾状の弾丸の中に波動砲の規定エネルギー量(120%オーバーチャージ射撃時)の1/100の波動エネルギーが封入されており、防護服に身を包んだ砲術員たちが主砲身に直接装填して発射する。発射後は薬莢が排出される。なお、装填時にアナライザーが(自身が怪力とはいえ)弾体を複数担いでいたり、台車に乗せて人力で運んでいたりという描写から、その威力や主砲の口径(46cm)に比して弾丸の重量は相当軽いものと推察される。
動作原理的には、ショックカノンの発射に使われる螺旋状の電磁加速レールを、実体弾射出に流用したもの。レールガンやマスドライバーカノンに類似。薬莢は初期加速のための推進剤と見るのが妥当か。
『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』においてデスラー砲(設定ではヤマトの波動砲より強力とされている)でさえダメージを与えることのできない自動惑星ゴルバに対して苦戦した戦訓から開発されたもので、波動砲に比べて波動エネルギーを使った攻撃を迅速かつ柔軟に行えるのが特徴である。昔の徹甲榴弾のように、弾頭が目標の装甲を貫徹したのちに内部で炸薬たる波動エネルギーが解放されるのが特徴。有翼ではないがAPFSDSに似た装甲貫通効果と思われ、先述のとおり作業員が防護服を着用することから、劣化ウランのような弾体に波動エネルギーを封入しているものと推測される。『ヤマトよ永遠に』で初めて使用され、要塞タイプの敵に対して、その開口部から内部に撃ち込み攻撃したり、ボラー連邦艦隊のような物量を頼んで絶え間のない攻撃をする多数の敵に対して迅速な攻撃をするために使用された。射程距離は250宇宙キロである。劇中のセリフから真田志郎が主な開発者と思われる。
完結編・冥王星会戦にてディンギルの機動要塞を撃沈した折には、完全な放物線を描いて着弾しているが、これは‘戦艦の主砲による大遠距離砲撃の際には弾道は山なりになる’ことをアニメ中で再現しただけである。いわばヤマト特有の‘らしさ’の演出であるが、ここは「慣性運動を基本とする実体弾兵器であることにより重力発生天体などの影響から弾道を精密計算しての狙撃」なのだと好意的解釈をすべきであろう。上記会戦において、波動カートリッジ弾は主砲の最大射程距離である42,000宇宙キロの大距離から発射され全弾命中を果たしているが、これはコスモゼロからの精密な位置座標の報告を受けての発射であった。
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総合 | 宇宙戦艦ヤマトシリーズ |
テレビアニメ | 宇宙戦艦ヤマト - 宇宙戦艦ヤマト2 - 新たなる旅立ち - 宇宙戦艦ヤマトIII |
劇場映画 | 第1作 宇宙戦艦ヤマト - 第2作 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち -第3作 ヤマトよ永遠に - 第4作 宇宙戦艦ヤマト 完結編 -第5作 宇宙戦艦ヤマト復活編(製作中止) |
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登場艦船 | 艦船一覧 - ヤマト - 沖田艦 - デスラー艦 - ガミラス艦 |
登場兵器 | 登場兵器一覧 - 波動砲 - デスラー砲 - 火炎直撃砲 - 重核子爆弾 - 惑星破壊プロトンミサイル - ブラックホール砲 - ハイドロコスモジェン砲 - ハイパー放射ミサイル |
用語 | 宇宙放射線病 - 英雄の丘 - コスモクリーナーD - デスラー戦法 - 波動エンジン |
関連人物・企業 | 西崎義展 - 松本零士 - 豊田有恒 - 舛田利雄 - 阿久悠 - 羽田健太郎 - 宮川泰 - 東北新社 - バンダイビジュアル |