ジェイエア
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ジェイエア(J-AIR)は、JALグループの航空会社である。名古屋飛行場(通称:愛知県営名古屋空港)、大阪国際空港を中心に全国に路線を展開している。 2008年度より最新鋭ジェット機の新機材導入もスタートし、全国各地への路線拡大が計画されている。
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[編集] 沿革
- 経営難に陥っていた「西瀬戸エアリンク」の事業を引き継ぐ形で日本航空グループの「ジャルフライトアカデミー株式会社」(現株式会社エアフライトジャパン)の一部門として1991年4月に発足。その後広島西飛行場を拠点に仙台空港、名古屋飛行場、新潟空港、新千歳空港などの地方都市間を中心に結ぶコミューター路線専門の航空会社として成長を続けたが、路線維持のため自治体の補助金を受ける関係上、ジャルフライトアカデミーからの分社独立を求められ、1996年8月に発足した。
- 分社独立によってより高い採算性を求められるようになったことや、2001年3月に自治体からの補助金が打ち切られたことから、採算の取れない広島西飛行場からの路線を縮小する一方、機材をJS31から、より大型のCRJ200へと変更し、大阪国際空港や名古屋飛行場から地方を結ぶ路線を順次増便していった。
- 2005年2月に、中部国際空港の開港を機に拠点を名古屋飛行場へと変更、広島西飛行場からは完全撤退した。
- ※西瀬戸エアリンクは、当時愛媛県が提唱した西瀬戸経済圏構想によって誕生した朝日航空系の旅客航空会社であり、広島西飛行場(当時広島空港)、松山空港、大分空港の三点間輸送を実施。ジャルフライトアカデミーは日本航空系の航空操縦士養成事業を中心に活動し、日本航空の航空機関士をパイロットに移行させるための訓練を実施していた会社組織。
- 2005年4月1日以降、「運送の共同引受」により、全便をJAL(日本航空インターナショナル)便として運行している。なお、2007年2月には、2009年度以降の羽田空港の再拡張による発着枠拡大にあわせて、新たにブラジル・エンブラエル社製の小型ジェット機・エンブラエル170(E170型機)を導入することを決定し、同年6月に正式契約を結んだ。2008年中に、新たな翼が日本の空にやってくることになった。エアライン専門雑誌「月刊エアライン2008年2月号」での社長インタビューによると、エンブラエル170(E170)は、2008年10月に第一号機を受領、翌年2009年2月に初便を運行する予定である。「2007-2010年度 JALグループ再生中期プラン」(2007年2月6日発表)によると、日本航空グループによる国内線のうち、ジェイエアとJALエクスプレスの占める運航便数の割合を、2010年までに現在の約15%から、約26%以上に増やすことが計画されている。また、最新の2008-2010年度プラン(2008年2月29日発表)によると、その数が45%以上に増えることになった。
- 2006年11月に、J-AIRで初となる自社養成パイロットの訓練生(未経験者対象C制度)を募集、選考試験を実施した。採用試験に合格したパイロット訓練生に加え、その後実施された第二回選考試験で合格した合計15名の訓練生は、現在、オーストラリア、シドニーに渡航し、J-AIR飛行訓練施設で操縦訓練を受けている。その後、国内訓練施設およびカナダ・モントリオールもしくはシンガポールの訓練施設で訓練を重ね、訓練開始から約3年後にCRJ200もしくは、エンブラエル170(E170)の副操縦士になる。パイロット募集に関する専門誌によると、このJ-AIR自社養成パイロット(未経験者対象C制度)の募集は今後、定期的に行われる予定である。
- 更に、新機種導入に伴い、整備士や客室乗務員の採用も活発化している。現在、ジェイエアに所属している整備士は数名のユニットに別れ、エンブラエル本社のあるブラジルや、シミュレーター訓練所のあるシンガポールなどで訓練を受けているという(月刊エアラインより)。
- 2007年3月14日、国土交通省より「混雑飛行場(成田国際空港)を使用して運航を行うことの許可」がなされ、今後成田からの国内接続便を同社がオペレーターとなって運行するものと考えられる。
- 2007年4月1日、ジェイエア(J-AIR)は国際航空連合(アライアンス)「ワンワールド」に加盟。
- 2007年7月、ジェイエアで初となるプロ野球選手団移動用のチャーター便を運航させる。中日ドラゴンズが高知での試合のため、二軍選手の移動用にチャーター便を運航。
[編集] 概要
社名 | 株式会社ジェイエア J-AIR Corporation |
設立 | 1996年8月 |
本社住所 | 愛知県西春日井郡豊山町 愛知県営名古屋空港内 |
従業員数 | 307名 (2008年4月1日現在) |
資本金 | 200,000,000円 (日本航空100%) |
航空会社コード | --- / XM |
無線呼出名称 (コールサイン) |
J AIR(ジェイエア) |
拠点空港 | 名古屋飛行場(小牧) |
備考 | 全便をJAL便として運航 |
[編集] 就航路線
- 名古屋飛行場 - とかち帯広空港・秋田空港・山形空港・新潟空港・高知龍馬空港・松山空港・福岡空港・長崎空港・熊本空港
- 大阪国際空港 - 新千歳空港・いわて花巻空港・山形空港・成田国際空港
- 福岡空港 - 高知龍馬空港
- 新千歳空港 - 山形空港
※ 貨物搭載は行っていない。
※ 2009年2月のエンブラエル170による運行開始によって、路線数は現在の数倍以上になる見通し。
[編集] 保有機材
[編集] 新規導入機材
今後の羽田空港の拡張をにらみ、2007年2月22日に、新小型機としてエンブラエル社のベストセラー機である「エンブラエル170(E170)」の導入方針を決定した。確定10機およびオプション5機の購入契約を締結し、2008年度中に、東京国際空港(羽田)や大阪国際空港(伊丹)をはじめ、全国各地を結ぶ路線への投入を予定している。エンブラエル170は、飛行操縦装置にフライ・バイ・ワイヤ(Fly-by-Wire)を採用し、縦長の5面の液晶ディスプレイが装備されたグラスコクピットである。機内は2+2席の配置で、全78席(標準仕様)。座席頭上には、このクラスのジェット機では大型の収納スペースが設けられ、優れた居住性を実現している。エンブラエル170の開発には日本の川崎重工業も参加している。機体のサイズは全長およそ30メートル、高さおよそ10メートルと、エアーニッポンやエアーネクストで運航されているボーイング737-500とほぼ同じである。ジェイエアによる第1号機の受領は、2008年10月を予定しており、就航路線は未定。
[編集] 機内サービス等
- 使用機がCRJ200ERの場合、客室乗務員は1人乗務となる(2008年から導入予定のエンブラエル170では複数名になる予定)。
- J-AIRの特徴として、客室乗務員手作りの飛行ルートマップのプレゼントがある。
- 80分以上飛行する路線では、ドリンクサービスを行う。ドリンクは、冷緑茶、スカイタイムゆず、コンソメスープ、ミネラルウォーターなどがあり、子供用のりんごジュースもある。
- キャンディーサービスを行っている。アップル、バニラヨーグルト、アセロラ、レモンジンジャー、ハーブのど飴の5種類のキャンディーと、琉球黒糖とミント黒糖を用意している。
[編集] JALグループ企業 (グループ企業のうち、航空事業者)
◎JALグループは国際航空連合(アライアンス)「ワンワールド」に加盟しているが、※のある航空会社は経営施策上ワンワールドには加盟していない。
- 日本航空(持株会社)
- 日本航空インターナショナル(JAL)
- 日本トランスオーシャン航空(JTA)
- JALエクスプレス(JEX)
- JALウェイズ(JAZ)
- ジェイエア(J-AIR)
- (「運送の共同引受」により全便をJAL便として運航。法人名として表記する以外は対外的には「ジェイ・エア」を使用)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- J-AIRホームページ
- J-AIR(JALTV)
- JALプレスリリース「JAL、新小型機としてエンブラエル170の導入方針を決定!」
- エンブラエル社プレスリリース 「JAL/J-AIR仕様のE170号型機イメージ公開」
- エンブラエル社ホームページ
- ボンバルディア・ジャパン社ホームページ
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アジア・オセアニア | 日本航空 - キャセイパシフィック航空 - ロイヤル・ヨルダン航空 - カンタス航空 |
ヨーロッパ | ブリティッシュ・エアウェイズ - フィンランド航空 - イベリア航空 - マレーヴ・ハンガリー航空 |
南北アメリカ | アメリカン航空 - ラン航空 |
加盟予定 | メキシカーナ航空 |
かつて加盟していた航空会社 | カナディアン航空 - エアリンガス |
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日本航空グループ | 日本航空インターナショナル (JAL) - JALウェイズ (JAZ) - JALエクスプレス (JEX) - 日本トランスオーシャン航空 (JTA) - 日本エアコミューター (JAC) - ジェイエア (J-AIR) - 北海道エアシステム (HAC) - 琉球エアーコミューター (RAC) |
全日本空輸グループ | 全日本空輸 (ANA) - エアーニッポン (ANK) - エアーニッポンネットワーク (AKX) - エアーセントラル (CRF) - エアーネクスト (NXA) - エアージャパン (AJX) |
その他新興航空会社 | スカイマーク (SKY) - 北海道国際航空 (ADO) - スカイネットアジア航空 (SNA) - スターフライヤー (SFJ) |
その他独立コミューター航空会社 | オリエンタルエアブリッジ (ORC) - 天草エアライン (AMX) - アイベックスエアラインズ (IBX) - 旭伸航空 (KOK) - 新中央航空 - エアトランセ - 東邦航空 - エアードルフィン |
貨物航空会社 | 日本貨物航空 (NCA) - ギャラクシーエアラインズ (GXY) |