エロイカより愛をこめて
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『エロイカより愛をこめて』(えろいかよりあいをこめて)は、青池保子の漫画作品。
1976年から秋田書店の少女漫画雑誌「プリンセス」に長期連載されている作品である。(一時中断あり)
この作品のヒットにより、主人公の一人と同名のドイツ・エーベルバッハ市(en:Eberbach (Baden))への観光客が急増。青池はこの功労により、エーベルバッハ市から名誉市民の称号を受けた。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
目次 |
[編集] 概要
NATOの情報将校「鉄のクラウス」の作戦行動に、美術品窃盗犯の伯爵「怪盗エロイカ」が介入してドタバタを引き起こす、というのが本シリーズの一般的な展開である。
当初は青池の出世作「イブの息子たち」のパターンを踏襲し、主役は異なる超能力と個性を持つ3人組、猥雑なドタバタギャグに加え、主人公を16歳の少女・プラムから始めるなど、少女漫画らしい手法も展開しようとしていた節があるが、No.2に登場した少佐のキャラクターが強烈で、以下、女性キャラが殆ど登場しない、おやじキャラだらけの個性的な少女漫画となった。
この漫画は1970年代半ばから始まったため、1990年代に至るまでは少佐の作戦行動はKGBとの情報争奪戦、冷戦の終結した1990年代以降はテロリストを相手にしたロシア対外情報庁(旧KGB)との共同作戦が主要なものとなっている。どちらにしても、2つの勢力の間で美術品の窃盗をはたらく伯爵はいつも争いに巻き込まれてしまい、その間にも彼の部下「ジェイムズ君」の奇行が読者の笑いを呼ぶのである。
なお、本作は季刊ビバプリンセスで連載開始された為、月刊プリンセス連載中で人気作だった「イブの息子たち」の番外編「プリズナー69」には伯爵とジェイムズくん、同じく「グッド・カンパニー」には少佐と部下Gが登場する。また、手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』のキャラクターを借りて他の漫画家たちが競作した連作短編シリーズ『ブラック・ジャック ALIVE』の青池保子担当エピソードに、伯爵一派と少佐が登場する。
[編集] 作品一覧
作品とサブタイトルは以下の通りである。本編のNo.1からNo.5まではサブタイトルがない(文庫版ではタイトルがつけられている/以下『文』で記載)。番外編は本編から全く独立しているわけではなく、時間的にも内容的にもその前後の本編とつながりのあるエピソードとなっている。ただし、『小銭王ジェイムズI世伝』だけは例外で中世に舞台をとった内容である。
- No.1 (超能力者3人組と怪盗エロイカの話/文:千のキス)
- No.2 (エーベルバッハ少佐の所有する絵画『紫を着る男』をめぐる話/文:鉄のクラウス)
- No.3 (アキレス像に隠されたマイクロフィルムをめぐる話/文:アキレス最後の戦い)
- No.4 (ギリシャ海運王が持つ仏像とソ連の女スパイをめぐる話/文:ギリシアの恋)
- No.5 (伯爵の城の近所で行なわれる東西両首脳の会談をめぐる話/文:劇的な春)
- No.6 イン・シャー・アッラー
- No.7 ハレルヤ・エクスプレス
- No.8 来た 見た 勝った!!
- No.9 アラスカ最前線
- <番外編> 特別休暇命令
- No.10 グラス・ターゲット
- <番外編> ミッドナイト・コレクター
- No.11 9月の7日間
- <番外編> パラダイス・PARTY
- No.12 笑う枢機卿
- <番外編> アラスカ物語(付・シベリヤ物語)
- <番外編> ロレンスより愛をこめて・1
- <番外編> ロレンスより愛をこめて・2
- No.13 第七の封印
- <番外編> ロレンス君のお便り気分
- <番外編> インターミッション
- <番外編> ケルンの水 ラインの誘惑
- No.14 皇帝円舞曲
- <番外編> 小銭王ジェイムズI世伝
(ここまでが最初のシリーズで、これ以降が一時中断後の新生シリーズとなる)
- No.15 ノスフェラトゥ
- No.16 熊猫的迷宮
- No.17 トロイの木馬
- <番外編> エーベルバッハ中佐
- No.18 パリスの審判
- No.19 ポセイドン2000
- <番外編> ローマの道は暴利の道
- <番外編> メテオラな日々
- No.20 ビザンチン迷路
- <ビザンチン迷路 番外編> 瑠璃色事件
- <番外編> 心理実験プロジェクトS
- <番外編> 少年たちの黄金伝説
- No.21 ケルティック・スパイラル
- <番外編> ケルトの幻想 マダムの妄想
- <番外編> 聖夜の善き訪問者たち
なお、『Z-ツェット-』シリーズの中の「ツェットの幸運」は「No.12 笑う枢機卿」と「No.13 第七の封印」の間のエピソードである。
[編集] 登場人物
[編集] 主要人物
- 怪盗エロイカ、または伯爵(ドリアン・レッド・グローリア伯爵 (Earl Dorian Red Gloria))
- 長い巻き毛の金髪を持つ、美形の男色家。英国人。主要居留地のロンドンに居館を構えている。ご先祖は海賊であったが、手柄を立てて爵位を授かった。3人の姉がいたが、両親の離婚にともない、男色家の父親と二人暮らしとなる。「美しいもの」をこよなく愛し、「若い牧人」を譲り受けるため知人の稚児となったが、約束を反古にされたため泥棒したのが最初(結局失敗した)。その後パブリック・スクールからオックスフォード大学へ進む。口癖は「私はプロだよ」「エロイカより愛をこめて」「good luck」。特技はフェンシング、ナイフ投げ。射撃は下手。
- 世界的に知られた美術品専門の窃盗犯だが、お膝元のSISなど各国の情報機関・捜査機関に泥棒としての正体が知られており(全世界に中継されているTVカメラの前で、エロイカと名乗ったりしている)、本名で世界各国を回り、美術品コレクターとしてその名を知られるなど、表社会で堂々と一般市民として生活できている理由は不明である(「アラスカ最前線」に見られるように、国際手配はされている。なお、伯爵の犯罪で最も世界を騒がしたのは、法王ヨハネ・パウロ2世誘拐事件)。時には少佐の上司である情報部部長が協力者として指名することもある。
- 当初は少佐と犬猿の仲だったが、様々な事件を通して彼の美点に惚れ込んでいく。現在では堅物の少佐を愛を込めてからかうことを楽しみにしている。ターゲットとするものがかなりの頻度で少佐の「任務」に関わるものと被り、そのせいで国際スパイ戦争に巻き込まれる。優秀な協力者となることもあるが、少佐への対抗心や意地で事態を悪化させることもしばしば。そしてそれが少佐の逆鱗に触れ、この繰り返しがこの物語の基本展開となっている。
- なお、“エロイカ”(イタリア語:eroica、"英雄的な")は、伯爵をリーダーとする窃盗団の名前でもある(この名で犯行声明が出される)。初期は美青年を何人も部下にもっていたが、最近はボーナムとジェイムズ君しか登場しなくなっている。またそれに伴い、初期には度々行っていた大掛かりな窃盗行為は働かなくなり、近年はほぼボーナムと二人だけで活動している(ジェイムズ君は基本的に不参加)。また部下の減少と期を同じくして、財政的に苦労する姿がしばしば描かれており、現在はほぼ貧乏貴族と化している。
- モデルはイギリスのロック・バンドレッド・ツェッペリンのボーカル、ロバート・プラント。
- 鉄のクラウス、または少佐(クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ (Major, Klaus Heinz von dem Eberbach))
- ドイツ人。主要居留地はボン近郊。NATO軍の情報将校(軍事情報科の前は機甲科だった)でハプスブルク家の末裔たる貴族の出。“鉄のクラウス”はあだ名でありコードネームではない。執事、召使と祖先伝来のお城に住んでいる。独身。「万年少佐」「イモ・クラウス」「トーヘンボク」「ドイツシェパード」「イノシシ」(エーベルは猪の意)等と揶揄される。元ドイツ国防軍将校(本人と同じく戦車隊長)の父親がスイスに健在。母親を幼少の頃に亡くし、男手一つで育てられたことが、人格形成の上で大きく影響した。
- 常に冷静な強面ハンサムの切れ者。外見は部下Z曰く「年齢30歳前後 長身 筋肉質 長めの黒髪 一目で分かる強面のハンサム」。直毛の長い黒髪が伯爵とは対照的。
- 事勿れ主義の上司を恫喝し、当てにならぬ部下にはアラスカ支部への左遷(正確にはジュノー アラスカはベーリング海をはさみ米ソが対峙する最前線だった)を口にする。無茶苦茶な唐変木の反面、律儀で愛国者。聖職者(特にシスター)には異常なまでに敬意を払う。職務の為には所帯染みた男さえ演じ、チロリアンダンスを踊ってみせる一面も。伯爵を「軽薄なナルシスト」と毛嫌いしつつも、いざという時には協力し合うことも。
- ギムナジウム時代に憧れていたシスターの影響で、好物は揚げたジャガイモ(フライドポテト)である。ヘビースモーカーで、煙草はHBを愛飲。コーヒーはネスカフェゴールドブレンドを砂糖・ミルク抜き。執事曰く「(幼少時に)おいしいお菓子を食べさせてあげられなかった」ので、ケーキなど菓子や、砂糖をたっぷり入れたコーヒーなど甘いものが大の苦手である(番外編『パラダイス・PARTY』でZと共に、マッチが立てられた消費期限切れのケーキを食べた為に激しい下痢を起こし、今後一切ケーキは食べないとまで言い切っている)。
- 極度の芸術オンチであり、美術品に対する知識やセンスは皆無に等しく、エーベルバッハ家所蔵の肖像画「紫を着る男」を(モデルがブルマーを着用していることから)「かぼちゃ」と表現するなど美術愛好家の伯爵を凍りつかせる発言を繰り返し、おまけに絵がとてつもなく下手で、彼が描く子供の落書きのような絵は部下達や伯爵の興味の的である。一方、機械いじりと修理が大好きであり、戦車など機械類に対する美意識は強い。
- 就寝時には「メリーさんのひつじ」を歌うなど、ところどころ母性本能をくすぐる面があり、女性には非常にモテるが、本人は意に介さない。職務一筋の彼を見かねて上司が無理矢理休暇を取らせた際も「本人にすら内容を明かさない秘密任務」と思い込んでいた事がある(加えて各国の情報部も振り回された)。
- 一時期情報部を離れ、NATO陸軍戦車隊中佐として英国に派遣されたが、伯爵とロレンスの邪魔により本国へ戻され少佐に降格された経歴有り。
- シーザー・ガブリエル、シュガー・プラム、レパード・ソリッド
- 本来は本作の主人公だった、英国人の三人組。三人とも超能力を持っていて、美少年であるシーザーを伯爵が「ターゲット」としたことから、それらを駆使してエロイカこと伯爵と戦うが(伯爵がシーザーにホモ行為を強制したり、シュガーとレパードを殺せと命令したり、えげつない一面を見せる)、痛み分け。その後も伯爵を好敵手的存在として三人の物語が続くかと思われたが、次に登場した少佐に喰われ、あっという間にフェードアウト。インターポールの「タラオ・バンナイ」と共に、二度と姿を見せなくなってしまった。シーザーが伯爵と交わした「千のキス」の契約の行方も闇の彼方である。
[編集] 伯爵の部下
- ジェイムズくん
- 伯爵の部下で、会計係の変人(変態?)。ケチと貧乏に快感を覚える。初期は、伯爵を取り巻くハンサムの一人として登場しており、極普通の締まり屋計理士だったが、次第に吝嗇と不潔と意地汚い性格が強調されるようになる。ツギハギだらけの衣服を愛用していたり、腐敗した果物、汚れてカビ臭い牢獄等の貧乏くさいアイテムが好きだったりといった性格が付加され、金のにおいを嗅ぎつける、飲み込んだ物を随意に吐き戻す、ネズミやネコの大群を操るなどといった人間離れした能力を見せるようになっていく。
- 伯爵の美青年への求愛に嫉妬して本命は自分だと主張し、伯爵のお古の下着を愛用するなど、伯爵への傾倒ぶりを見せる半面、金儲けには余念がなく、愛する伯爵を小銭で売るという薄情さも併せ持つが、なぜか伯爵は見放さず長年家に飼っている。「ゴミ虫」「便所虫」「ドケチ虫」「宇宙人」等、渾名は多数だが、そう呼ばれる事は全く気にしておらず、温厚な部下Aに真正面から「ドケチさん」と呼ばれても平気である。ただし伯爵の浮気に対する嫉妬は強烈で部下Gとは罵り合う仲である。モデルはレッド・ツェッペリンのギタリストジミー・ペイジであるが、ペイジファンにとって『ケチ』は禁句なので、ペイジファンからは苦い目で見られている。
- FBIの聴取に対し、「本名は『ジェイムズくん』 生まれたときから『ジェイムズくん』」と答えている。
- ボーナム
- 伯爵の部下で、その筆頭挌。マッシュルームカットとヒゲの温厚な人物で、伯爵の無茶な行動とジェイムズくんの押し付ける低予算との狭間で苦しんでいる。「ヒゲダルマ」「おっさん」と呼ばれて傷つくナイーブな一面も。同じ苦労を持つ「部下A」には共感を感じており、メル友である。有能さは少佐も認めており、時折NATOへ勧誘されることもあるほど(伯爵が部下Zとの交換で応じようとしたことがある)。機械いじりと車の運転が得意で、エーベルバッハ家の執事に家電の修理に駆り出されることも。変人ばかり登場するこのマンガで数少ない常識人でもある。機嫌のいいときの返事は「はいはい」。モデルはレッド・ツェッペリンのドラマージョン・ボーナム。
- ジョン・ポール
- 「グラス・ターゲット」編で盗聴活動を行っていた部下。ジェイムズくんとボーナム君以外で固有名のあった唯一の部下である。モデルはレッド・ツェッペリンのベーシストジョン・ポール・ジョーンズ。
- その他の部下
- 「ハレルヤ・エクスプレス」編で、TEEにジェイムズくんと乗り込んでいた伯爵が、少佐に部下20名分の切符を新たに要請。その際、ボーナム君ともう1名(少佐に顔だけは覚えられている)が別行動を取っていた為、最盛期には少なくとも23人の部下を抱えていた模様。
[編集] NATO情報部
- エーベルバッハ少佐の部下(少佐曰く、ケースオフィサー 軍人・公務員たる情報部員を“スパイ”とは呼ばない)はアルファベットのコードネーム(ドイツ読み)で呼ばれる。何故か常に26名。メインの数人以外はアシスタントが作画することも多く、ケース毎に容貌もまちまちだが、ほとんどの場面で全員が金髪である。ナンバリングは少佐の「順列が一目でわかる」という発想によるものだが、ぐうたらでサボリ屋のBが順列2位である理由は不明。初期の作品ではAとBの容貌が現在とは逆になっていること、冷戦前後でC、D、Eの容貌・体格が異なること等からたまに順列替え等をしているものと思われる。
- 部下A(アー)
- 少佐の部下の筆頭で、常に部下を代表し叱責を受ける立場である。極めて温厚。若干背が低くベビィフェイス。伯爵の部下ボーナムとは同病相哀れむ仲で、メールをやり取りする仲である。妻帯者であり、うかつに新婚旅行の事などを口走ってしまい独身の少佐に睨まれることが数々ある。愛妻家の余り、結婚式ぐらいでしか面識のない少佐が美人の妻を狙っているのではという疑心暗鬼に襲われ、伯爵たちに惑わされ、少佐に怒鳴られる事もしばしば。仕事中は「きりっ」と身が引き締まる効果音を出している事が多い。あまりにも少佐の行動パターンを読みすぎるためにアラスカ行きを検討されたりして、最近は「小姑A」と少佐によばれることもある(同様の行動を示す部下が「Aの回し者」と揶揄されるほどである)。そういった行動パターンを自覚しているせいか、少佐の演じた所帯じみた事務員のモデルが自分ではないかと疑うことも。冷戦後のシリーズではBではなく少佐と共に行動する機会が増加。愛妻家だが激務のためか子供はまだ。子供受けは良い。犬・猫1匹と生活中。
- 部下B(ベー)
- Aとよくコンビを組むオフィサー。真面目なAに対し楽天家。丸顔に強度の癖毛。何かというと食事に行きたがる傾向があり、その為か体格も丸め。一時期はトイレに行っている隙に敵に逃げられるというパターンのミスを連発。Aによれば、「少佐が使いこなしているからリストラされないんだ」とか。ラテンの血(祖父の祖母)がさせるのかすぐサボるため敵どころか味方からまで「根がグータラ」と陰口を叩かれているが、ごく稀にその明快単純な発想が少佐を助けることもある。妻帯者。子供は少なくとも一人おり、赤子をあやすのは得意な模様。
- 部下C(ツェー)
- 以前はDと組んでいたが、最近はAB,DEコンビに挟まれ影が薄い(連載初期と顔が変化した)。しかしBと組めば組んだでBにふりまわされている様子。妻帯者
- 部下D(デー)
- 笑う枢機卿あたりではオールバックにしていたが最近は金髪の短髪(もしかしたら人員交代があったのかもしれない)。体格もがっしりと軍人らしくなった。何かというと伯爵達に遭遇し、総毛を逆立てている。キャラとして固定化されたのは冷戦後から。
- 部下E(エー)
- 律儀なメモ魔。Dとともに部下の中ではいつの間にか有用な実働部隊となった。アントワープではジェイムズ君に押し付けられた日本製オタクロリソフトを点検させられる羽目になった。D同様、明確なキャラ化がなされたのは冷戦後。
- 部下G(ゲー)
- 「イブの息子たち」の外伝「グッド・カンパニー」ではノンケ(非同性愛者)だったのを少佐が任務の為に女装を強制し、以来女装趣味に傾倒。その後男色家になってしまい少佐と伯爵に色目を使いまくり、少佐にとっては頭痛の種。しかし本人は少佐のために化粧し、少佐に嫌がられるのがまた快感で女装に磨きをかけるという、とめどない下向きのスパイラルに突入し、結果的に相当な厚化粧となってしまってい「厚化粧」と至る所で称される。それでも少佐の下に配属されているのは、ゲイの気がある部長のお気に入りだからか、女性は任務の邪魔だとする少佐にとって不可欠な存在だからか(同性愛者も標的とするネオナチ相手の諜報活動では、危険だからと捜索から外される配慮がなされている)とされる。登場時の初々しさは過去のもので、今や情報部一のお局様的存在。(少なくとも男相手の)ファーストキスの相手は「イブの息子たち」のジャスティンである。ジェイムズ君はGを「イージーなおかま」と称した。言うまでもなくゲイと言う設定はコードネームにちなんでいる。
- 部下Z(ツェット)
- アルファベット最後の文字を割り当てられた、永遠の新人(ペーペー)。「エロイカより愛をこめて」の番外編シリーズで非情な情報活動の世界を描いた「Z」の主人公なだけあって、情報部中もっともハンサム(?)。A以上にまじめな性格で、部長からA~Y全員が右往左往していた、少佐の退院X-day予測ギャンブルでにも加わらなかった。初々しく落ち込みやすい性格でプレッシャーに弱く、何かあると壁に頭をもたせかけて落ち込む姿が見受けられる。少佐も任務における粘り強さ・勘のよさを認め、少佐なりのやり方で目をかけられ可愛がられているが、その為にA~Y全員がアラスカに送られる中、一人少佐の下に残されるなど、貧乏くじを引かされることが多い。少佐を慕っており、イギリス出向中はパーティションに少佐の写真を張るなどいじらしい面もある。ハノーヴァー生まれ。姉が一人いる。そのせいか年上の女性に可愛がられる傾向がある。
- その他の部下たち
- 初期にAとBが入れ替わっていた時があったように、少佐の部下26人は最初から厳密なキャラクター設定がなされていたわけではない。連載が続くにつれ、A・B・G・Zが主要な部下として固まっていくが、彼ら以外に固有の顔を持っているのは、少佐曰く「地味」なキャラクターのC・D・E(A・Bが少佐の側に配置される都合上、主に別働隊として動く場合が多い)、そしてHぐらいである(ちなみに部下Hはトルコからイランに密入国する際の女装姿を、国境警備員に「ものすごい美人」と誉められている)。なお、実際に少佐にアラスカ送りにされたのは、「笑う枢機卿」編でA~Yがまとめて送り込まれた時を除くと、アキレス像にマイクロフィルムを隠した部下Jだけである。
- 情報部長
- 少佐の上司。A~Z達にも増して少佐を恐れている半面、挑発も欠かさず、事あるごとに少佐と嫌味の応酬をしている中年。少佐曰く「万年部長」。軽度のメカ音痴で、パソコンキーボードは二本指で打つ。大の甘党で、コーヒーに砂糖をティースプーン10杯(または角砂糖)入れるのは当たり前。そのせいか情報部一の肥満体で体中が脂ぎっており、ちょっと触ったキーボードやディスプレイが指紋で脂光りする程。GやZがお気に入りで、ゲイ(またはバイ)の傾向があることを隠さないが(アラスカ送りにされたGに手紙を送っているほどである)、妻帯者であり、若い女性に声をかけられれば「ナンパかと思った」と言い放つ艶福家である。少佐曰く「いい加減に枯れたらどうですか」。流石に自宅は大きく庭に青年像が二体飾られており、大型犬を数頭放し飼いにしている。
- 部長秘書
- 情報部長の秘書。気品ある初老の女性。割と初期から容貌が確定している。部長の購読雑誌を逐一ファイリングして保管する(ピンク系も)などの几帳面さが見られる。少佐に対して部長のフォローを行う場面もあり。
- 経理部長、人事部長
- 情報部長と並ぶ、オヤジ三羽烏。少佐の経費遣いの荒さや部下酷使に悩まされている。少佐が無断でアラスカ送りした部下25人の補充を迫られて逃げ回る反面、少佐をマイホームパパにしようと企む寝業師な一面も見せる。(彼ら三人は部長ポストである事から大佐もしくは将官と考えられる)
- ゴットフリート・ローデ
- 少佐がイギリスに転属していた時期に、後任としてNATO情報部に配属されたベテラン。前職はBND(連邦情報局)。ただし、自身が体験した、組織や仲間の裏切りや背徳といった陰鬱な泣き言を話し続けた為、情報部の士気が著しく低下。最大で部下26名中10名が事実上の職務放棄に至った。Aたち部下、さらに前任者の少佐をも批判したために、温厚な部下Aをもブチ切れさせた(しかも心因性円形脱毛症にまでした)。旧KGB側からもシベリアの凍土と評されるほど暗い。
- ムンク少佐
- ノルウェー在住、オスロ支部所属。至ってまともな人間である。地味で出番は少ないながらも息長く顔を見せている脇役で、『Z』にも登場している。
- ジョバンニ・ステファーノ
- NATOトルコ空軍基地(イスタンブール)所属のイタリア人。少佐に「イタ公」と怒鳴られ、(少佐に化けた)伯爵に輸送機を盗まれる、かわいそうな人。
- ギェディ
- 本名イブラヒーム・アッラシード。イランのテヘランに暗黒街の顔役として、十年以上潜入しているスパイ。サングラスにヒゲと、外見はバクチアル父に似ている。
[編集] ロシア対外情報庁(SVR)/ソ連国家保安委員会(KGB)
- 仔熊のミーシャ
- 恰幅のよい身体にスキンヘッドとサングラスがトレードマーク。ボクシングのゴールドメダリストでもある(ヘルシンキオリンピックでナショナルチームメンバーだったらしい)。若い頃から武闘派で知られていたようである。冷戦時代はエーベルバッハ少佐の宿敵の様な存在であった。
- 任務遂行の為には手段を選ばないところもあり、『ハレルヤ・エクスプレス編』で少佐殺害の為に自分と少佐の乗った列車を乗客ごと爆破しようとした。度重なる少佐の妨害(=任務失敗)によって一時期はシベリア送りにされ、個人的怨恨を増大させ、任務を離れて少佐に挑む事もしばしば。『第七の封印編』では少佐に手榴弾を投げつけて爆殺しようとし、少佐を病院送りにしている。少佐を捕らえ、赤の広場引き回しにする事を夢見ていたが、ソビエト崩壊によって、その赤の広場で少佐と任務の打ち合わせをしているところを伯爵に盗み撮りされるはめになる。もちろん少佐には全面的に協力したくないのが本音である。
- 家族は妻、一男一女(イワンとアンナ。ただし家族三人のうち、イワンのみ名前だけの登場である)。娘のために白クマに若手人気ダンサー:ジリー・コスビーのビデオを入手するよう頼むなど、子煩悩な面もある。
- 白クマ
- 冷戦時代はソビエト大使館の二等書記官という肩書きであった(どこの国のソビエト大使館にも現れた)。ミーシャとは公私にわたる良きパートナーというより同志である。
- ストーリー中ではミーシャより先に登場。少佐とは最初に会った時に「鉄のクラウスだな」と声をかけたところ、「イワンのばかか」と返されて以来の敵対関係である。当初はケツ顎などの外見的特徴や感情剥き出しにするなどギャグ系キャラクターだったが、後になるにつれてロマンスグレイの渋いダンディになっていった。但し、ちょっとしたきっかけで激怒する“瞬間湯沸器的性格”は相変わらずである。
- 任務一筋のミーシャと違い、オペレッタ『会議は踊る』を知っていたり、思わぬところで含蓄のあるところを見せる。
- 赤いきつね
- ローマ駐在KGB部員。『ハレルヤ・エクスプレス編』に名前のみ登場するが、その後『笑う枢機卿編』で姿を現す。仔熊のミーシャや白クマなどとの連絡を頻繁に行う古株。無論コードネームは東洋水産のカップうどんにちなむ。
- ヘラクレス
- 本名パブロス・カザンザキス。『第七の封印編』に登場したギリシャ・アテネの海運会社社長で、プロサッカークラブも持つ大富豪という表の顔を持つエージェント。享楽的な性格で、常にドーラとクリオという二人の愛人を侍らせている。ゾルバというボディーガードがいる。
- 明がらす
- 仔熊のミーシャの愛弟子。少佐の部下26人を拉致するという辣腕ぶりを見せるが、少佐と伯爵のタッグの前に敗退する。
- マリア・テレジア
- 本名エリザベート・シュトルツ。オーストリア・ウィーンに潜伏するKGBの女スパイ(スリーパー)。ただ一度の指令を待ち、30年以上にわたっておっとりとした美術商夫人を演じ続けた古狸。その老獪さは伯爵・少佐・CIAを手玉に取り、自分の任務を達成したぐらいである。
- 銀のオーロラ
- ルビヤンカ・レポートを携行する少佐の乗る飛行機を乗っ取り、ハイジャック事件に偽装して、少佐をソ連に連行しようとした。
- ラインの夕暮
- 観光客に紛れてローマで「笑う枢機卿」の調査を行っていた少佐に、赤いきつねの命を受けて近づいた老スパイ。
- 緑のたぬき
- 番外編『特別休暇命令』で少佐を狙うが、失敗しては「さすが鉄のクラウス」と言い続けているうちに、シベリア送りが決定。コードネームは「赤いきつね」がいるなら当然「緑のたぬき」も、と言う理由による。
- ミーシャの部下
- ロシア版の「部下A-Z」。出来具合もほぼ同等でミーシャの悩みの種となることが多い。初期は「トルストイ」「ツルゲーネフ」「ゴーリキー」等といったコードネーム持ちの者も。冷戦期には常にトレンチコートにサングラスと新聞紙といういでたちで活動していたが、冷戦後はもう少し目立たない服装をしている(但しサングラスは常備品)。冷戦終結後の緊縮財政に翻弄され、低予算での諜報活動に苦心している。上司は宿敵同士だが、「部下A-Z」とは友好的にふるまうことが多い。
- その他の同志
- オーストリア・インスブルック在住の「トナカイ」、同ウィーン在住の「あざらし」等。
[編集] アメリカ中央情報局(CIA)
- “ごり押し”ディック・グラント
- ステーキを食って精力を蓄える典型的肉食人種。直情的で尊大、激情すると汗だくになって怒鳴りまくる、暑苦しい男。
- ジョー
- 短絡的で単純な推論を考えなしに口にしては、ディックに怒鳴られる、影の薄いいじめられ役。
- メッテルニヒ
- 古美術商としてウィーンに何十年も潜入している諜報員。本名カール・シュトルツ。妻エリザベートがKGBの潜入スパイ「マリア・テレジア」である事には最後まで気づかなかった。
[編集] イギリス情報局秘密情報部(SIS)
- チャールズ・ロレンス
- 自称“遊び心を解する大人”、“有能な情報部員”。当初はただのナルシスト気味な無能情報部員だったが、ちゃらんぽらんでお祭り好きな性格が拡大し、パーティと女遊びの為に、少佐や伯爵を振り回すこともしばしば。ミスター・L評によれば「アレでなかなか役に立つ男」だが、常軌を逸した思考回路に誰も彼を情報部員とは思わないのが強みかもしれない。美術品に関しては「ヌードか否か」だけを基準としており、伯爵の理解を超えた言動を連発する。登場時は「フッ」と憂いに満ちた表情でポーズを決めるのがお約束である。
- ミスター・L
- ロレンスの上司で、NATO情報部長を遙かに超える巨漢。孫娘のメリンダ(7歳)を溺愛し、非常に高く買っている少佐と結びつけようと画策。それ以外は至って常識人である。
[編集] フランス対外治安総局(DGSE)
- Q
- 本名ルイ・サンドリエ。Qというのは少佐の部下のようなコードネームではなく、「Quatre(フランス語で数字の4のこと)」の略で、情報部員リストの4番目に載っている事から来ているあだ名。「トロイの木馬」が初登場。ケルト編にも再登場。美形キャラだが、一匹狼の典型。元傭兵部隊の指揮官という経歴を持つ。次長同様の愛国者でエーベルバッハ少佐も認めるほど有能だが、任務における冷徹さ、食事はクラッカーとリンゴだけといった機械のような個性、一匹狼の独断専行癖で、同僚たちからも『スカしたQ』、略して“スカQ”と陰口を言われる程煙たがられている。むろん少佐とは犬猿の仲であり、伯爵にも首に時限爆弾を巻いて解除装置を探させるなどの冷酷な対応を繰り返し、Qの登場する悪夢を見させるほどである。
- ジャン・フランソワ・ド・ブリニャック
- 作戦次長。眠りながらラ・マルセイエーズ(フランス国歌)を歌うほどのフランス中心主義者で、尊大で傲慢な嫌煙家である。ドイツとNATOを嫌悪し、「トロイの木馬作戦」を発動して、ドイツの信用を失墜させようとした。フランソワーズという愛人がいる。少佐曰く「おフランス野郎」。
[編集] 中国文化局
- 李剣光
- 部下の黄文と共に、私利私欲の為に暗躍。アウトバーンで手榴弾を投げつけてくるような、一般人を巻き込んでも屁とも思わない荒っぽいやり方で、少佐を呆れさせた(もっとも少佐も、伯爵をアウトバーンで追跡した時にレオパルト戦車で無差別砲撃しまくった過去があるのだが)。外見は松田優作そのもの。
- 黄文
- 李剣光の部下の、木村拓哉風黒髪美少年。拷問と武術に長けているが、うぶな面もあり、当然のごとく伯爵に追い回される。
[編集] その他の人々
- ジャン・マリア・ボロボロンテ
- シチリアンマフィアのボス。伯爵を自分のアイドルと公言し、何かと世話を焼く。伸ばした揉み上げ・サングラスの濃い容貌の中年オヤジだが、伯爵に感謝の言葉(「あなたの愛を感じます」)を囁かれると、「じーん」という擬音付きで感動する。ジェイムズ君曰く「ヘビーでディープな愛」。伯爵そっくりの金髪巻き毛の女性を囲っている。当初はアシスタントを務めた某漫画家の手による、その他大勢キャラクターだった。モデルは俳優のジャン・マリア・ボロンテ。
- バクチアル親子
- ベイルート在住の裏社会の人間。父親が伯爵の大ファンで(入浴中の伯爵を覗いて喜んでいたりする)、中東方面の情報の提供窓口となる。
- サーリム・アル・サバーハ
- クウェートの若くしたたかなオイルダラー。投資代わりに美術品を買い漁っていたのを伯爵に睨まれ、大量の贋作を掴まされる。以降、伯爵(とその関係人物)を目の敵とする。芸術ミーハーな部分が多分にあり、その点では伯爵と同ベクトルの人間であるともいえる。
- エーベルバッハ家執事
- 本名コンラート・ヒンケル。少佐の父の代から二代にわたって仕えているすだれ頭の執事(もちろん若い頃は髪の量も普通にあった)。少佐の為には身命を捨てる事を厭わない忠節心に溢れた熱血執事だが、少々アバウトなところもあり、カーテンの襞を等間隔にしろだの屋敷中の時計を正確な時刻(しかも1秒も違わず)にしておけだのといった少佐の要求に困惑していて彼の留守を願っている面もある。伯爵に関しては、少佐があれだけ煙たがり、人質に取られナイフを突きつけられた事もあるのに、その後口車に乗って部長の誕生パーティーを少佐の屋敷で開いたり、家電の修理をボーナム君に依頼したり、違和感なく親しんでいる。少佐の若い頃は彼の憧れであったシスターに惚れていたようである。なお、ごく初期にはもう一人(すだれ頭でない)禿頭の執事やメイドの姿が見受けられたが、現在は彼と男性使用人だけで家事を切り盛りしている模様である。
- ヒゲの男
- 詳細は不明だが、時折伯爵と邂逅しては、美術品の情報や贋作の手配話などをしている、温厚な紳士風の老人。伯爵が少年の頃から保護者的立場にいると共に、泥棒家業の相談役をしていることから、裏の世界に通じていた伯爵家執事だと思われる。
- フランコ・ジュリアーニ
- 別名「棺桶刑事」。相棒のフラ・アンジェリコと共に、棺桶を載せた霊柩車で走り回る、イタリア警察の刑事。事の成り行きでエロイカを逮捕するという大手柄をあげるが、おかげで伯爵が引き起こしたローマ法王誘拐事件の犯人に仕立て上げられる。以降、自筆の少女マンガのような耽美的な似顔絵を持って、黒幕と思しき少佐を追跡する。モデルはジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロと彼の代表作『続荒野の用心棒』で棺桶の中に機関銃を忍ばせていたガンマン・ジャンゴ。
- マリー・アントワネット
- 本名クリスタ・ギンテル。ウィーンを訪れた少佐に接近した、オーストリアの新人女スパイ。モデルはダイアナ妃。
[編集] モデル
- 主役の1人のグローリア伯爵こと怪盗エロイカ、部下のジェイムズ君、ボーナム君、ジョンポール君は1960年代後半~70年代に台頭したバンド、レッド・ツェッペリンが外見的モデルであると目されている。レッド・ツェッペリンのメンバーは「イブの息子たち」にも登場する。ちなみにジミー・ペイジの本名はジェイムズ・パトリック・ペイジで、真偽のほどはともかく音楽界では「ジミー・ペイジけちんぼ説」が広く流布していた。
- シュガーたちの「不思議な老人から超能力を与えられた3人組」という設定は、海外TVシリーズ『電撃スパイ作戦』を参考にしていると思われる。
- 少佐の設定は、海外TVシリーズ『秘密諜報員ジョン・ドレイク』の主人公でパトリック・マクグーハン演じるドレイク本人がモデル。また、性格は小説『警部マルティン・ベック』シリーズのグンバルト・ラーソン刑事から強く影響していると推察され(少佐が同様に自称するシーンもある)、その人使いの荒さは、レインボー時代のリッチー・ブラックモアの影響があるのではないかという説もある。
- 伯爵の「ご先祖は海賊」等の設定は、「七つの海七つの空」を連想させる。この作品を、伯爵と少佐の祖先の物語とする見方もある。
[編集] ドラマレコード
アニメ化などは一切されていない本作だが、1982年に日本コロムビアより水木一郎の主題歌とドラマを収録したレコードが発売されている。
- 収録
[編集] その他
- 現代のドイツの軍人を扱った娯楽作品が少なく、また日本で漫画として人気を集めていると言うことにドイツ本国でも注目を浴びている。特にドイツ連邦軍の広報誌で紹介されたときには、懸賞の“コミックスと和独辞典のセット”に応募が殺到した。また秋田書店にも(独語版がないにも関わらず)海外通販の問い合わせが多数あったという。ドイツ軍将校たちは「少佐の髪が長い」と言うものの(読んだ人は実際に「ロン毛だ!」と言ったとの事)、本作は緻密な取材のもとに書かれており概ね好評である。
- 冷戦終結にともない単純な対立構図が消滅したため、青池氏はストーリ構成に悩み連載を休止した。しかし本人がこの作品に愛着があったこと、ファンからの強い要望があり、軍事評論家の岡部いさく氏からアドバイスを得て連載を再開した。
- 本作(特に中期以降)は緻密な取材のもとに描かれた作品である。兵器などの描写はもちろん、例えば移動経路については全て時刻表で確認を取った上、実際に移動可能な時間設定になっているという。
- 「金田一少年の事件簿」の黒死蝶殺人事件に登場する、石川県警の猪川将佐(いのかわまさすけ)刑事らは本作品をモデルにしていると思われる。(独語でエーベル=猪、バッハ=小川の意である)
[編集] 関連作品
[編集] 関連項目
- 情報機関
- ドイツ連邦軍
- 交響曲第3番 (ベートーヴェン) - 副題が「エロイカ(英雄)」