青池保子
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青池保子(あおいけ やすこ、女性、1948年7月24日 - )は、日本の漫画家。山口県下関市出身。『エロイカより愛をこめて』、『アルカサル-王城-』など少女漫画の枠を超えた硬派の作品で知られる。
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[編集] 略歴
1963年、『りぼん』お正月増刊号に掲載された『さよならナネット』で15歳の時にデビュー。
『少女フレンド』で活躍後、1976年から『プリンセス』(秋田書店)で連載された『イブの息子たち』をきっかけに、伝統的な少女マンガの範疇から大きく離れた題材にて魅力的な作品を次々と発表してきた。
特に1976年から始まった『エロイカより愛をこめて』は、当初は美術品専門の泥棒の伯爵と超能力者3人組が主人公のドタバタ喜劇であったが、脇役として登場したNATO情報部少佐が強烈な個性で超能力者3人組を押しのけて主人公となり伯爵と少佐を中心としたシリアスでかつコミカルなスパイものに変貌してしまい、これ以後男の戦いを舞台とした硬派の物語が青池作品の基調となった。
『エロイカより愛をこめて』の番外編といえるスパイもの『Z - ツェット - 』や、中世の歴史に題材をとった『アルカサル - 王城 - 』、『修道士ファルコ』など、広範な取材と緻密で丁寧な表現が評価されている。少女誌にとどまらず、少年誌に連載をしたこともある。
1991年、『アルカサル - 王城 - 』で第20回日本漫画家協会賞優秀賞受賞。
『エロイカより愛をこめて』のヒットにより、作品の主人公、エーベルバッハ少佐と同名の都市であるドイツ・エーベルバッハ市を訪れる日本人観光客が急増した。青池はこの功績によって同市から名誉市民の称号と、市のシンボルであるイノシシの彫像を送られた。(エーベルバッハのエーベルEberとはドイツ語でイノシシの意味。ちなみにバッハbachは小川。)
2007年、自身の作品『エル・アルコン - 鷹 -』と『七つの海七つの空』が齋藤吉正に脚本化され、宝塚歌劇団の星組によりミュージカル化される事が決定。また10年間の間、連載が中断されていた作品『アルカサル -王城 -』が、秋田書店発行・月刊少女漫画雑誌、「プリンセスGOLD」に前後編による完結編が掲載される事が決定(2007/2/16発売の“3+4月号”で前編100p掲載済み)。
[編集] 主な作品
- イブの息子たち
- イギリス人の青年三人組が異世界に引き込まれ、古今東西の有名人(?)たちが繰り広げる騒動に巻き込まれるナンセンスギャグ作品。
- IVY NAVY
- エロイカより愛をこめて
- 七つの海七つの空
- 大航海時代を舞台に、海賊キャプテン・レッド(グローリア伯爵の先祖)と野心家ティリアン・パーシモンとの戦いを描く。「エロイカ」と共に青池作品の方向性を決定づけた作品。
- エル・アルコン - 鷹 -
- 『七つの海七つの空』で悪役ティリアンが主役を食ってしまうほどの活躍を見せたため描かれた、彼の前半生の物語。
- 魔弾の射手
- エーベルバッハ少佐が単体で活躍するシリアスな長編。
- Z - ツェット -
- 「エロイカ」の外伝的作品。エーベルバッハ少佐の新米部下・Z(ツェット)の目を通して、情報部員の過酷さや哀しさを描く、中篇・短編集。同盟国の諜報機関同士の縄張り争いや策謀など『エロイカ』ではあまり描かれない諜報活動の暗黒面を主な題材とする。冷戦下のスパイ戦を描いたシリーズI~Vと、作者がシリーズの総決算だという冷戦後の情報部員たちを描いた最終編のVIがある。これ以外に『Zの幸運』という作品がありコミックスでは『Z - ツェット - 』の方に入っているが内容的には『エロイカ』の番外編で、『エロイカ』本編の「No.12 笑う枢機卿」と「No.13 第七の封印」の間のエピソードである。
- サラディンの日
- 十字軍に参加した修道騎士3人組の活躍を描く。背景やストーリーはシリアスだが、主役たちの行動はコメディタッチで描かれる。
- トラファルガー
- 英仏戦争のトラファルガーの海戦をクライマックスとして幼馴染同士が戦う、海洋戦記もの。
- アルカサル-王城-
- ドラッヘンの騎士
- ヨーロッパの小国の観光局長を主人公とする歴史ミステリー。
- 修道士ファルコ
- 中世ドイツの修道院を主な舞台とするミステリー中篇集。
- 緋色の誘惑
- 超常現象を否定する青年医師と女性霊能者のラブロマンスを交えたスラップスティック短編集。現代日本を舞台とする数少ない作品の一つ。
[編集] アシスタント
- 高生浩子