フライドポテト
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フライドポテト(和製英語: fried potato)は、皮をむいたジャガイモを短冊状に切って、油で揚げた料理である。ポテトフライと呼ぶことも。
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[編集] 各地での消費形態
フライドポテトは、通常、アメリカではフレンチフライ (French fries) 、イギリスなどではチップス (Chips) 、フランスなどではフリット (Frite)、ドイツではポムス(Pommes) と呼ばれる。
フレンチフライの名称からフランスが起源との考えもあるが、ヨーロッパなどではベルギーが起源だとする説も広く流布している。これは、アメリカにフライドポテトを持ち込んだのがベルギーからの移民達であり、また彼らがフランス語を話すことから、フランス人と間違われていたことによる。なお、フランスやベルギーではフライドポテトにマヨネーズもしくはタルタルソースをつけて食べるのが一般的である。
イギリスでは様々な料理の付け合わせとして好まれる。衣をつけて揚げた魚とフライドポテトを盛り合わせた「フィッシュ・アンド・チップス」は非常に一般的な料理である。さらに、インド料理店、中華料理店などにおいても、ナンや米飯の代わりに注文する人がいる。
また、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクなど一部の国にはフライドポテトのみを専門に販売する外食店がある。一般家庭用のフライドポテト用の油と調理器具(ポテトと油を入れて簡単に揚げることができる)なども比較的普及している。オランダでは、一度粉末にしたジャガイモを成形して揚げたものをラスポテト (Raspatat) と呼ぶ。
アメリカでは特に、ハンバーガーのつけあわせとしてフライドポテトを出す。これはハンバーガーを主な商品とするファーストフード店でも受け継がれており、バーガー類とドリンク、フライドポテトを組み合わせたセットメニューが多く見られる。ヨーロッパでファーストフードと認識されているトルコ料理のケバブの屋台でも、つけ合わせとして用いられる。こうした店のフライドポテトの材料となるジャガイモは、専用の大型品種が用いられる。
マクドナルドの |
[編集] 調理法
一般に、フライドポテトの中にはジャガイモを切ったものをそのまま使っているものと、一度粉などの状態にしたものを改めて整形して揚げたものがあるとされる。また、揚げるための油に植物性の油ではなく牛脂を使うことで風味をつけるものもある。
なお日本では検疫の関係上で、生のジャガイモは輸入制限されているため、一般に粉末などの形で利用されているのは、輸入ジャガイモであると思われる。これらは日本国外の大規模農場で生産される関係上で安価ではあるが、フライドポテトという調理法に於いては、生のジャガイモを調理した物の方が、好まれる傾向も見られる。ただし冷凍された物は輸入制限外であり、マクドナルドのようなファストフードチェーン店で利用されているフライドポテトは、米国産などが利用されているという話もある。
通常、塩を振っただけのものが多いが、ケチャップやマヨネーズベースのソースなどにつけて食べる場合もある。
[編集] フレンチフライとフリーダムフライ
イラク戦争の折に、アメリカ合衆国に批判的なフランスへの抗議と皮肉の意を込めて、アメリカ合衆国議会の食堂では、フレンチフライをフリーダムフライ(自由のフライ)と、一時的に名前を変えていた。