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錦糸町駅に停車するあやめ(撮影:2005年11月)
あやめは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が東京駅~成田駅・佐原駅・鹿島神宮駅・銚子駅間を総武本線・成田線・鹿島線経由で運行する特急列車の愛称である。
- なお、沿革等の関連で以下の列車についても記述する。
- 急行列車「鹿島」(かしま)・「水郷」(すいごう)・「総武」(そうぶ)
- 特別急行列車「ホームタウン佐倉」( - さくら)・「ホームタウン成田」( - なりた)・「すいごう」
- 臨時列車「水郷めぐり号」(すいごう - )、「銀麟号」(ぎんりん)、「房総の休日号」(ぼうそうのきゅうじつ)、「すいごう」
- 臨時列車特別急行列車「あやめ祭り」( - まつり)・「ピクニックあやめ」・「佐原夏祭り」(さわらなつまつり)・「佐原秋祭り」(さわらあきまつり)・「さわら」・「コスモスさわら」
[編集] 運行概況
- 運転区間
- 下り
- 1号:東京-成田(土休日運休)
- 3号:東京-鹿島神宮(佐原-鹿島神宮間は普通列車)
- 5号:東京-銚子(東京-佐倉間は「しおさい」15号に併結。佐原-銚子間は普通列車)
- 7号:東京-成田(土休日運休)
- 上り
- 2号:銚子-東京(銚子-佐原間は普通列車)
- 4号:鹿島神宮-東京(鹿島神宮-佐原間は普通列車)
- 使用車両
- E257系500番台
- 白枠=普通車 自=自由席 全車禁煙
←東京 あやめ1・7号 |
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東京←→成東 しおさい15号 |
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東京←→銚子 あやめ5号 |
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←東京 あやめ2~4号 |
銚子・鹿島神宮→ |
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- 停車駅
- 東京駅 - 錦糸町駅 - 千葉駅 - (四街道駅) - 佐倉駅 - 成田駅 - 滑河駅 - 佐原駅~鹿島神宮駅・銚子駅間の各駅。<佐原~銚子・鹿島神宮は普通列車>
[編集] 臨時列車
- あやめ祭り号
- 香取市および潮来市のあやめ祭りに合わせ、6月の土曜・休日に、最大2往復が運転される。
- 初詣・初日の出臨時列車
- 毎年12月31日~1月1日にかけて、成田山新勝寺への初詣客輸送列車「成田山初詣号」および犬吠埼への初日の出客輸送列車「犬吠初日の出号」が高尾駅・新宿駅・成田駅~成田駅・銚子駅間で運転される。このほか、成田駅→銚子駅間の快速「銚子初日の出号」も運転される。いずれも片道のみ。
- 佐原夏祭り号・佐原秋祭り号
- 7月と10月に行なわれる佐原の山車祭りに合わせて運転される。
- あやめ101・102号
- 2007年4月14日に成田太鼓祭の開催に合わせ東京~成田間で全車指定席で運転された。
- さわら号
- 佐原で行なわれた「駅からハイキング」に合わせて運転された。
- コスモスさわら号
- 1998年9月、コスモスの見頃に合わせて運転された。
- ピクニックあやめ号
- 1994年9月から11月、および1995年4月から11月の土休日に運転された。
- すいごう
- 2008年1月末~3月末の土休日に新宿駅~銚子駅間で運転。485系「ニューなのはな」で運転される。全区間快速列車。
- これらの臨時列車は定期列車の通過する船橋駅・津田沼駅にも停車する。「犬吠初日の出号」と「すいごう」は新小岩駅・市川駅・稲毛駅にも停車。
- また、これらの臨時列車は現在はすべて「あやめ」の名称で運転されている(初詣・初日の出臨時列車と「すいごう」を除く)。
[編集] 成田線・鹿島線優等列車沿革
(「成田エクスプレス」を除く)
- 戦前の1933年(昭和8年)~1935年(昭和10年)の5、6月の日曜日に新緑列車として「水郷めぐり号」が両国駅~佐原駅を往復1人3円で運転された。
- 1954年(昭和29年)からは、水郷の釣り客を対象にした「銀麟号」が3~4月の日曜・休日に上野駅~水郷駅、両国駅~水郷駅間で運転。
- 1955年(昭和30年)には新宿駅~成田駅~佐原駅~犬吠駅間の「房総の休日号」が運転。
- 1961年(昭和36年)、成田線佐原駅経由で初の優等列車として、新宿駅・両国駅~銚子駅間を結ぶ準急列車「総武」が運行開始。但し、運行当時は総武本線成東駅経由の列車を併結しており、佐倉駅で分割併合を実施。
- 1962年(昭和37年)、「総武」の列車名称を変更。成東駅経由の列車を「犬吠」とし、佐原駅経由列車を「水郷」とする。
- 1967年(昭和42年)、「水郷」急行列車に昇格。
- 1970年(昭和45年)、鹿島線鹿島神宮駅開業に伴い、「水郷」に鹿島神宮駅発着列車を運行開始。
- 1974年(昭和49年)10月26日、成田線成田駅以東の電化工事終了。
- 1975年(昭和50年)3月10日、成田線成田駅以東の電化区間全面使用開始。急行列車「水郷」を、以下のように変更。
- 東京駅~鹿島神宮駅間に、エル特急「あやめ」を4往復設定。
- 183系電車9両編成で運行。
- 「あやめ」の補完列車として新宿駅・両国駅~鹿島神宮駅間に急行列車「鹿島」を2往復(うち1往復は季節列車)を設定。
- 急行「水郷」も電車化。両国-銚子間2往復の運転となる。
- 急行列車は、153系または165系7両編成で運行。
- 1982年(昭和57年)11月15日、以下のようにダイヤ変更を行う。
- 急行「鹿島」1往復を特急「あやめ」に格上げ。「あやめ」は5往復となり、新宿駅・両国駅発着列車が設定される。
- 急行「水郷」を特急「すいごう」に格上げし、両国駅~佐原駅~銚子駅間を結ぶ特急列車に格上げ。183系電車6両で運行。
- 1985年(昭和60年)3月14日、以下のように変更。
- 「すいごう」上り列車1本を東京駅着に変更。また、佐原駅~銚子駅間を普通列車化。
- 「あやめ」の佐原駅~鹿島神宮駅間を普通列車に格下げし、グリーン車の連結を中止、普通車のみの6両編成に短縮。
- 1986年(昭和61年)、「すいごう」下り列車1本の始発駅を東京駅に変更。
- 1988年(昭和63年)3月13日、「すいごう」・「あやめ」両国駅発着列車を廃止。「すいごう」全列車東京駅発着に変更。これにより、両国駅発着の総武線系統列車が廃止される。
- 1991年(平成3年)3月19日、「成田エクスプレス」の運転開始に伴いスピードアップ。東京~佐原間の最速所要時間は、88分から80分に短縮される。
- 1993年(平成5年)7月2日、利用客の減少により、以下のように変更。
- 日中の「あやめ」2往復及び「すいごう」1往復が削減される。これにより、「あやめ」の新宿駅乗り入れは終了となり、「あやめ」は3往復、「すいごう」は1往復となる。
- 代替として、「エアポート成田」併結の快速列車を2往復設定。
- 1994年(平成6年)12月3日、利用客の減少により、以下のように変更。
- 「あやめ」の2往復が削減され、1往復のみの運行となり、エル特急の呼称が外される。なお、このエル特急指定解除は、新特急「なすの」に続き2例目で、2002年にJR東日本が呼称廃止による解除を行った事例を例外とすれば、2000年の「はつかり」の例と合わせ、3度しかない。
- 代替として「エアポート成田」併結の快速列車が1往復増発される。
- 「すいごう」下り列車を佐原駅止まりとする。
- 東京発~佐倉行きの特急「ホームタウン佐倉」の運行を開始。
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- この結果、「あやめ」「すいごう」は、朝上り各1本、夜間下り各1本の運転となり、「ホームライナー」に近い列車となる。なお1995年3月末までは、東京~佐原間に毎日運転の「あやめ93・94号」が設定されており、東京~佐原間は実質3往復体制。
- 1995年(平成7年)12月1日、「ホームタウン佐倉」を成田行に変更し、名称を「ホームタウン成田」に変更。
- 2002年(平成14年)11月24日、165系の引退に伴うリバイバルトレインとして急行「鹿島」号が復活運転。
- 2004年(平成16年)10月16日、定期特急列車の名称を「あやめ」に統一。「ホームタウン成田」・「すいごう」の名称は消滅。
- 2005年(平成17年)12月10日 全ての「あやめ」をE257系に統一し、全車禁煙化。下り列車の運行区間見直しを行い、以下のように変更。
- あやめ1号を成田止まりに変更し、土休日運休とする。
- 成田線経由東京→銚子間に、下り列車を1本増発。(東京-佐倉間は「しおさい15号」と併結。)
- 2007年(平成19年)3月18日 以下のように変更。
- あやめ1号を四街道に停車。
- あやめ3号を鹿島神宮行きに延長。
- 2008年(平成20年)1月末~3月末 快速「すいごう」が新宿~銚子間で期間中の土休日に運転。車両は485系「ニューなのはな」。停車駅は新宿・秋葉原・錦糸町・新小岩・市川・船橋・津田沼・稲毛・千葉・佐倉・成田・滑河・佐原・笹川・下総橘(3月22日の下りのみ)・銚子。臨時列車でかつ快速列車ではあるが「すいごう」の名称が復活。
[編集] 関連項目