K特急
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K特急(Kとっきゅう)は2003年に設定された京阪電気鉄道の列車種別の1つで、同社では最上位種別に当たる。英文表記は「K-Ltd.Express」であり、「K」は公式には斜体で「K」と表記する。
運行区間は出町柳駅-淀屋橋駅間と、私市駅→淀屋橋駅間である。この列車は京阪間直通通勤客向けに設定されているため、平日は始発K特急~朝ラッシュ時と夕方ラッシュ時~最終K特急まで30往復前後設定されているのに対し、土・休日は1本も無い。
平日朝のK特急には女性専用車両が出町柳寄りの1両に設定されている(ただし、「おりひめ」を除く)。また、朝に運転される淀屋橋行は枚方市駅にも停車する(この列車には列車番号の頭部に「B」を付けている。他のK特急は「A」である)。
「K」の意味は「京阪(電気鉄道)」(KEIHAN)の意味の「K」とされているが、当種別の位置付けから「快速特急(かいそくとっきゅう)」の「K」と見なす者もいる。又交野線直通K特急「おりひめ」の「K」は「交野市・私市」の頭文字の「K」と解釈している書籍も存在する(これは京阪間直通ではないため)。このように複数の意味を持たせていることから、実質的には、朝上りの枚方市停車パターンの便(通勤特急に相当)とそれ以外の便(快速特急に相当)を一括りにして、ひとつの種別として運用されているものと考えられる。
本項では主に列車種別面での記載を中心とする。歴史関連は京阪特急を参照されたい。
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[編集] 設定経緯
2003年9月6日のダイヤ改正で特急停車駅を追加した際、平日(昼間時を除く)に限り従来の特急停車駅で運転する特急も残すことになり、この列車には新種別を設定する必要が出て来たことから設定されたものである。そのため公式にはいちおう新種別と発表されているが実質的には種別名の変更である。同様な例として、名鉄名古屋本線の「快速特急(豊橋駅〜名鉄岐阜駅間の系統)」や京成本線の「快特」がある。なお、京阪電気鉄道における新しい列車種別は1960年3月に設定された区間急行以来43年半振りであり、2003年9月8日月曜日よりK特急の運行を開始した。また、私市始発、交野線直通のK特急については一般公募により「おりひめ」という愛称が付けられた。これは交野地区が「七夕伝説」の地域であることもあり、約1,000通のうちの42票を獲得した。
[編集] 運行概況
[編集] 京阪本線・鴨東線K特急
設定以来、平日のみ出町柳-淀屋橋で運行されている。車両は基本的には特急形車両である8000系ないし3000系を使用するが、朝ラッシュ時には9000系、6000系、7200系も使用される。また、9000系には予備車が無いので、検査入場等で使用不能になった時には9000系の運用も6000系ないし7200系で運用される。
朝ラッシュ時の淀屋橋行以外は、中書島駅・丹波橋駅が京都市内所在駅と言うこともあり、事実上の京阪間ノンストップ列車である。また、祇園祭・大文字五山送り火の時は夕方以降に臨時列車を走らせるために9000系の運用もある。
今後、代走及び臨時列車には中之島線快速急行用3000系(2代)も充当される予定である。[要出典]
[編集] 交野線直通K特急「おりひめ」
JR学研都市線との対抗上設定された、私市発淀屋橋行の列車である。定期列車では初めて京阪本線と交野線を直通する列車となった。使用車両は2600系である。これは「特急」表示幕が用意されている(ただし、「K特急」表示は設定されていないので表示不可能)のと、ホーム有効長の関係で交野線内が5連までしか入線出来ないことが理由。また、前面に「直通K特急 おりひめ」のヘッドマークを掲出して運転される。また、7200系も2本が5連組成可能であるが「おりひめ」に充当されたことはない(7200系は「K特急」の表示も可能)。京阪での5連は1900系もあるが、「K特急」(「特急」を含む)表示幕を装備していないため、基本的には入らないが、イベント時等には稀に運用に入り、その際には前面に特急鳩マークとヘッドマークの両方を掲出する。詳細は以下のとおり。
- 2003年9月8日 - 一番列車(1919-1920・特急色)
- 2004年3月12日 - 1900系復活特急塗装(1919-1920)さよならイベント(定期列車の運用変更)
- 2004年7月7日、2005年7月7日、2006年7月7日 - 七夕イベント、(2004年は1919-1920、2005年は1917-1918、2006年は1929-1930)
- 2004年9月6日 - 前日の地震による運用変更・鳩マーク掲出なし(1919-1920・PiTaPa塗色)
- 2005年7月8日 - ヘッドマークのデザイン変更(新ヘッドマークは前日の七夕伝説イベントで披露された)。
- 2006年1月4日 - 車両故障によるダイヤ乱れにより、10000系がK特急「おりひめ」の1本に充当された(4連K特急初)。
- 2006年4月17日 - 前日付ダイヤ改定の祝賀列車(1917-1918)
- 2006年5月18日 - 1917-1918編成勇退記念
- 2006年7月26日 - 突発的に1900系充当・鳩マーク掲出なし(1919-1920・一般色、50周年記念副標識取付)
- 2006年10月22日 - 鉄道の日記念のトーマストレイン10000系による臨時運転。おりひめおよび鉄道の日マスコットキャラ「テッピー」看板が付くが、幕は特急であった。(私市9:33→天満橋10:14・休日初運行)
- 2007年1月21日 - トーマストレイン10000系最終運転日の臨時運転。おりひめおよびトーマストレイン引退記念「ありがとう」看板が付くが、幕は特急であった。(私市11:07→天満橋11:44・休日2度目の運行)
- 2007年7月9日 - 2度目のヘッドマークデザイン変更(新ヘッドマークは前々日の七夕伝説イベントで披露された)。
2006年4月16日改定では、朝ラッシュ時の発車時刻が各列車とも20分早められた。
車両の詳細は「使用車両」に記載。
[編集] 停車駅
- 京阪本線・鴨東線K特急
- 交野線直通K特急「おりひめ」
- 交野線内は各駅に停車する。
[編集] 使用車両
[編集] 京阪本線・鴨東線K特急
[編集] 交野線直通K特急「おりひめ」
[編集] 発車メロディ
- 2007年6月17日より京阪本線(鴨東線)・交野線・宇治線の17駅にて向谷実作曲による新しい発車メロディが導入されたが、出町柳駅・京橋駅(上りのみ)・私市駅ではK特急専用の発車メロディーが存在する(これらの曲はK特急が運転されない土休日は聞く事は不可能である。また、出町柳駅では、「出町柳から」 京橋駅では、「朝靄の京橋で乗り換え」が、流れる。)
[編集] 関連書籍
- 京阪特急 JTBキャンブックス 沖中忠順 編著 2007年2月28日発売 ISBN 9784533066504