首都大学東京
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首都大学東京
大学設置/創立 | 2005年 |
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学校種別 | 公立 |
設置者 | 公立大学法人首都大学東京 |
本部所在地 | 東京都八王子市南大沢1-1 |
キャンパス | 南大沢(東京都八王子市) 日野(東京都日野市) 荒川(東京都荒川区) 晴海(東京都中央区) 新宿サテライト(東京都新宿区) |
学部 | 都市教養学部 都市環境学部 システムデザイン学部 健康福祉学部 |
研究科 | 人文科学研究科 社会科学研究科 理工学研究科 都市環境科学研究科 システムデザイン研究科 人間健康科学研究科 |
ウェブサイト | 首都大学東京公式サイト |
首都大学東京(しゅとだいがくとうきょう、英称:Tokyo Metropolitan University)は、東京都八王子市南大沢1-1に本部を置く日本の公立大学である。2005年に設置された。大学の略称は他の大学の場合と比べて名称形態が変わっていることもあり、単に「首都大学」や「首都大」と略されるケースが多い[1]。
目次 |
[編集] 概観
都立四大学改革の議論のなかで、旧都立四大学を廃しその資産を受け継ぐ形で公立大学法人首都大学東京により設置された総合大学。日本の公立大学としては大阪市立大学に次いで2番目に規模が大きい。
初代学長は西澤潤一。
[編集] 大学名
2007年11月15日現在、日本国内に存在する全大学の中で校名の末尾に大学と付かない唯一の大学である。
なお、英語名称は東京都立大学のそれと同一の "Tokyo Metropolitan University" である。しかし、近隣の交差点の名称は "Shuto University Tokyo" になっている。
写真の校名標は首都大学東京開学時につけかえられたもの。南大沢キャンパス南門の右側にあり、夜になるとライトアップされている(なお、左側に設置された東京都立大学の新しい校名標はライトアップされていない)。
[編集] 沿革
[編集] 略歴
詳細は東京都立大学#改革史を参照
「まったく新しい大学をつくる」という石原慎太郎東京都知事の掲げた公約のもと、東京都大学管理本部は、それまでの大学改革方針(「東京都大学改革大綱」による4大学統合)を突然破棄し、新たな方針として「都立の新しい大学の構想について」を2003年に発表した。その概要は、都立の4大学を廃し新大学を設置すること、新たに教員への任期制を採用すること、旧来の学部学科を「都市教養学部」などへ統合すること、「単位バンク制度」を導入することなどである。
教員の一部が新大学への就任に同意せず、またその影響で「経済学コース」設置が見送られるなど紆余曲折あったが、首都大学東京は概ねこの新大学構想に基づき設立された。
[編集] 年表
- 2005年4月1日 開学。4学部7学科21コース、6研究科36専攻を設置。
- 2006年4月1日 システムデザイン学部システムデザイン学科に「インダストリアルアート」コースを設置。大学院の構成を改組(6研究科21専攻)。
- 2008年4月1日 都市環境科学研究科地理環境科学専攻に観光科学専修を設置、博士前期(修士)課程学生受け入れ。
- また、都市環境学部自然・文化ツーリズムコースを設置。2008年4月以降に入学した都市環境学部学生は、3年次進級時に自然・文化ツーリズムコースを選択可能
[編集] 基礎データ
[編集] 所在地
- 南大沢キャンパス(旧都立大学) 東京都八王子市南大沢1-1
- 日野キャンパス(旧都立科学技術大学) 東京都日野市旭が丘6-6
- 荒川キャンパス(旧都立保健科学大学) 東京都荒川区東尾久7-2-10
- 晴海キャンパス(旧都立短期大学晴海キャンパス) 東京都中央区晴海1-2-2
- 新宿サテライトキャンパス(東京都庁内) 東京都新宿区西新宿2-8-1
[編集] 教育および研究
[編集] 組織
[編集] 学部
- 都市教養学部
- 都市教養学科
- 社会学コース
- 心理・教育学コース
- 国際文化コース
- 法律学コース
- 政治学コース
- 経営学コース
- 数理科学コース
- 物理学コース
- 化学コース
- 生命科学コース
- 電気電子工学コース
- 機械工学コース
- 都市政策コース(3年次進級時に選択)
- 都市教養学科
- 都市環境学部
- 都市環境学科
- 地理環境コース
- 都市基盤環境コース
- 建築都市コース
- 材料化学コース
- 自然・文化ツーリズムコース(3年次進級時に選択)
- 都市環境学科
- システムデザイン学部
- システムデザイン学科
- ヒューマンメカトロニクスシステムコース
- 情報通信システム工学コース
- 航空宇宙システム工学コース
- 経営システムデザインコース
- インダストリアルアートコース
- システムデザイン学科
- 健康福祉学部
- 看護学科
- 理学療法学科
- 作業療法学科
- 放射線学科
[編集] 大学院
以下、特記していない専攻は博士前期課程・博士後期課程である。
- 人文科学研究科
- 社会行動学専攻
- 人間科学専攻
- 文化基礎論専攻
- 文化関係論専攻
- 社会科学研究科
- 理工学研究科
- 数理情報科学専攻
- 物理学専攻
- 分子物質化学専攻
- 生命科学専攻
- 電気電子工学専攻
- 機械工学専攻
- 都市環境科学研究科
- 地理環境科学専攻
- 都市基盤環境工学専攻
- 建築学専攻
- 都市システム科学専攻
- 環境調和・材料化学専攻
- システムデザイン研究科
- システムデザイン専攻
- 人間健康科学研究科
- 人間健康科学専攻
[編集] 附属機関・施設
- 図書情報センター(いわゆる附属図書館のこと)
- 本館(南大沢キャンパス)
- 日野館
- 荒川館
- 都市研究所
- 情報処理施設
- 牧野標本館
- 基礎教育センター
- 国際交流会館
- 学生サポートセンター
- 科学技術交流施設(日野キャンパス2号館)
- 計算機センター
- 産学公連携センター
- 秋葉原サテライトオフィス(秋葉原ダイビル内):東京都千代田区外神田1-18
- 飯田橋キャンパス(東京区政会館内):東京都千代田区飯田橋3-5-1
- ※ 飯田橋キャンパスはオープンユニバーシティ(生涯学習)においてのみ使用
[編集] 研究
- グローバルCOEプログラム(平成19年度)の採択はなし。
- 21世紀COEプログラムは、首都大学東京開学後の募集がない。
- ※ なお、東京都立大学時代(平成15年度)に「巨大都市建築ストックの賦活・更新技術育成」が採択された[2]。
[編集] 教育
- 文部科学省「大学院教育改革支援プログラム(大学院GP)」(平成19年度採択)
- 公共経営の人材育成プログラム
- (社会科学研究科経営学専攻)
- 文部科学省「魅力ある大学院教育」イニシアティブ(平成17年度採択)
[編集] 学生生活
[編集] 部活動・クラブ活動・サークル活動
[編集] 南大沢キャンパス
体育会・文化部連合・サークル連合の各上部団体のもと、部・サークル活動が行われている。また、上部団体に加盟しない団体の活動も活発である。
原則として、体育会所属の団体はサークル棟に部室がある。また、文化部連合・サークル連合所属の団体と各委員会は学生ホールに部室がある。
- 体育会 - 主に体育系の部・サークルが所属する上部団体。大阪府立大学及び横浜市立大学との交流戦(府大戦・横市戦)が毎年行われている。2006年度時点で、府大戦の通算成績は首都大学東京の21勝30敗2引き分け(前身校時代からの通算)となっている。
- 文化部連合 - 主に文化系の部・サークルが所属する上部団体。
- サークル連合 - 体育系・文化系のサークルが所属する上部団体。
[編集] 体育会
- ラグビー部
- 関東大学ラグビーリーグ戦グループに所属。近年、部員不足による成績の低迷に悩まされていたが、平成19年度秋季リーグにおいて六部リーグ全勝優勝、並びに五部昇格を果たす。
- アメリカンフットボール部
- 関東学生アメリカンフットボール連盟に所属。1991年創部。
- 首都大学東京応援団
- 新大学開学に合わせ、東京都立大學應援團より改められた。新しいシンボルマークを用いた新たな団旗や徽章等が作成された。リーダー部とチアリーディング部の2部である。各種応援団連盟等には無所属。チアリーディング部はRITZという名称で活動している。
- 硬式野球部
- アイスホッケー部
- 創部からは50年ほどたち、関東アイスホッケーリーグに所属している。
- 準硬式野球部
[編集] 文化部連合
- ESS
- 英語を学ぶ団体。
- 人力飛行機研究会(通称MaPPL マップル)
- 鳥人間コンテストで優れた成績を毎回おさめている。
- 軽音楽部
- 日々楽器の練習をしている。現在140人ほどが在籍しており、大学祭や七夕祭、クリスマスライブ、ロックの日などにライブを行なっている。フォーク研究会、ロック研究会、ジャズ研究会と交流が多く、互いに合同ライブを催すことも多い。
- 司法問題研究会
- マイクロコンピューター研究会
- 都立大時代の1976年に創立された歴史があるコンピューター系サークルである。元祖アキバ系であるこのサークルはオタク文化の進化とともに体質が変化し、現在ではコミックマーケットなどにも出展している。
- グリークラブ
- 都立大時代から続く男声合唱団。学内では男声合唱を主としておこなっており、毎年1月に定期演奏会を開催。7月には、大妻女子大学、白百合女子大学、電気通信大学とインカレ(東京コールユニオン)で混声合唱を行っている。常任指揮者は金川明裕(東京都合唱連盟副理事長)。
- 首都大学東京吹奏楽団
- 1995年に創立。毎年12月には定期演奏会を開催。2005年からは7月にサマーコンサートを行うようになった。活動範囲は学内外と幅広く、ラ・フェット多摩からの依頼演奏も行う。2007年度の定期演奏会から東京都立大学吹奏楽団から首都大学東京吹奏楽団へ団名を変更した。
- TMU Close Up Magic Circle
[編集] サークル連合
- 総合文化交流会Mediaβ
- 学生社会科学研究会
- 軟式野球部
- 星の広場の会
- J−BOY
- 文藝部
- B類テニス部
- B類バレーボール部
- 美術工芸研究会
- 星泳会
[編集] 委員会
- 生協学生委員会 MARCHE(マルシェ)
[編集] 日野キャンパス
[編集] 荒川キャンパス
[編集] 学園祭
みやこ祭(みやこまつり)と称する大学祭が南大沢キャンパスで、楓祭と称する大学祭が日野キャンパスで、 青鳩祭と称する大学祭が荒川キャンパスでそれぞれ催される。 なお、「みやこ祭」以外は旧大学時代よりその名称を引き継いでいる。 また、2005年度から大学祭の日程が以前の4日間から3日間に短縮された。
南大沢キャンパス「みやこ祭」ではカラオケ大会、花火、著名人による講演会などの企画が運営団体・大学祭常任委員会により催される。他にも大学祭参加団体により多数の企画が催され、2005年度からミスキャンパスコンテストTHE BRIGHTEST AWARDが始まった。
なお、臨時大学祭委員総会レジュメによると、2006年度のみやこ祭の集客人数は22,383人。2007年度の集客人数は21,699人
また、2006年度は日野キャンパス「楓祭」は開催されず、学内イベントとして「木風祭」が開催された。その主な理由として、システムデザイン学部1・2年生は日野キャンパスにいないため「楓祭」運営組織である楓祭実行委員会に1・2年生がおらず、運営人員が不足したことがあげられる。
[編集] 大学関係者と組織
[編集] 大学関係者組織
- 首都大学東京の同窓会は「首都大学東京同窓会」と称し、東京都立大学同窓会(八雲会)・東京都立科学技術大学同窓会・東京都立保健科学大学同窓会(青鳩会)が統合し発足した。
[編集] 施設
[編集] キャンパス
[編集] 南大沢キャンパス
- 使用学部:全学部(システムデザイン学部は2年生まで、健康福祉学部は1年生のみ)
- 使用研究科:人文科学研究科、社会科学研究科、理工学研究科、都市環境科学研究科、人間健康科学研究科ヘルスプロモーションサイエンス系
- 交通アクセス:
南大沢キャンパスは東京都立大学と同居している。
[編集] 日野キャンパス
- 使用学部:システムデザイン学部(3年生~)
- 使用研究科:システムデザイン研究科
- 交通アクセス:
- JR中央線豊田駅より徒歩20分、または京王バス平山工業団地循環線に乗り「旭ヶ丘中央公園」で下車、徒歩5分。
- 日野市ミニバス(旭が丘循環線)で「首都大学東京前」下車。
- ※ 「首都大学東京前」停留所を経由するコミュニティバスは日に数本しかない。
- 大学の休日を除き、日野キャンパス~南大沢キャンパスを結ぶ学内バスが走っている。
日野キャンパスは都立科学技術大学と同居している。
[編集] 荒川キャンパス
- 使用学部:健康福祉学部(2年生~)
- 使用研究科:人間健康科学研究科(ヘルスプロモーションサイエンス系を除く)
- 交通アクセス:
- 北千住駅・田端駅より、都営バス(端44系統)に乗り「首都大学東京荒川キャンパス前」で下車、すぐ。
- 都電荒川線・日暮里・舎人ライナー熊野前駅より、徒歩。
荒川キャンパスは都立保健科学大学と同居している。
[編集] 晴海キャンパス
- 使用学部:なし
- 使用研究科:法学研究科法曹養成専攻(法科大学院)
- 交通アクセス:
晴海キャンパスは、かつての都立短期大学晴海キャンパスを使用している。
[編集] 新宿サテライトキャンパス
東京都庁内に設けられた新宿サテライトキャンパスは、 高度専門職業人養成プログラム(ビジネススクール)が使用する。
[編集] 学生食堂
- 南大沢キャンパス
- 大学生協売店・食堂、首都大学東京生協本部 - いずれも学生ホール内
- コンビニエンスストア「アップルマート」
- 国際交流会館内レストラン(現在は営業していない)
- 荒川キャンパス
- 大学生協売店・食堂(食堂は昼のみ)
- 日野キャンパス
- 大学生協売店、食堂・喫茶(民間業者による運営)
南大沢キャンパスでは学生数が増えたために食堂の混雑が激しくなっており、改善が求められている。 また、生協の混雑解消の為、前期・後期の始めの学生が多い時期はインフォメーションギャラリーにて昼休みに弁当販売を行っている。
[編集] 寮・寄宿舎
南大沢キャンパス敷地内に寄宿舎があり、その一部を利用するかたちで寮が設けられている。 一般的な「住居」としての役割を持つ寄宿舎に対し、「寮」では、週一回のセミナーやボランティアを寮生の自主運営で行っており、「教育機関」としての性質も持ち合わせている。
昨年度初頭よりインターネット接続環境の導入を目指していたが、2007年12月から利用可能になった。
また、規則(門限や入寮者によって開かれる会議への参加等)もこれといった物は全く無く、大学の立地条件もあってか入寮希望者も毎年部屋数に対して大きく上回っている。
入寮可能期間は2年(但し、延長申請が受領されると3年に延長可能)。入浴場・調理施設は全寮生共用、トイレはコミュニティー内共用となっている。
[編集] 対外関係
[編集] 地方自治体との協定
- 財団法人東京都中小企業振興公社および地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターと、産学公連携に関する協定を締結した。
[編集] 他大学との協定
- ソウル市立大学校(韓国)
- 国立中正大学(台湾)
- 台北市立教育大学(台湾)
- 上海交通大学(中国)
- 浙工大学(中国)
- 同済大学土木工学科(中国)
- 北京航空航天大学(中国)
- 復旦大学国際文化交流学院(中国)
- インドネシア大学(インドネシア)
- ハノイ水利大学(ベトナム)
- ハノイ大学(ベトナム)
- マラヤ大学工学部機械工学科(マレーシア)
- タマサ大学(タイ)
- マッコーリー大学(オーストラリア)
- アデレード大学(オーストラリア)
- ウィーン大学(オーストリア)
複合国際交流協定
- 日仏共同博士課程日本コンソーシアム(フランス)
[編集] 関連項目
[編集] Wiki関係他プロジェクトリンク
[編集] 公式サイト
[編集] 脚注
- ^ 改編に反対し辞任した教職員など、一部の間では「首大(クビだい)」と呼ばれている。
(→首大非就任者の会) - ^ 同じく都立大学時代に「金融市場のミクロ構造と制度設計」が採択されているが、この研究にかかわる教員の多数が首都大学東京への就任を拒否したことが影響し、こちらは返上することになった。
- ^ 2007年度は京王電鉄バス、2008年度は東京交通
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