細川亨
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細川 亨 埼玉西武ライオンズ No.27 |
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基本情報 | |
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出身地 | 青森県東津軽郡平内町 |
生年月日 | 1980年1月4日(28歳) |
身長 体重 |
183cm 95kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
守備位置 | 捕手 |
プロ入り | 2001年 自由獲得枠 |
初出場 | 2002年9月22日 |
経歴 | |
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細川 亨(ほそかわ とおる、1980年1月4日 - )は、埼玉西武ライオンズ所属のプロ野球選手。ポジションは捕手。背番号は27番。
ニックネームの「キヨシ」(顔が氷川きよしに似ていることから)は監督の伊東勤が名付け親であり、ホームゲームでの登場テーマには細川本人が自前で購入した氷川きよしの「きよしのズンドコ節」が使われており、登場時の掛け声「キヨシ!」は名物化している。
目次 |
[編集] 人物
プロ野球界では珍しい青森県の出身で、高校・大学在籍中も一貫して青森県でプレーしていた。青森北高では主将を務め、県大会では1年次から出場。強肩強打の捕手として活躍したが、甲子園出場はなかった。同級生には歌手のSONOMIがいる。青森大学では捕手として異例の1番打者として活躍し、先頭打者本塁打も記録。全日本大学野球選手権大会ではベスト4に進んでいる。当時のメンバーには工藤隆人がいた。
2001年に伊東勤の後継を期待されて自由獲得枠で西武ライオンズに入団。2003年93試合に出場し、この年で現役を引退した伊東の73試合出場を超えて事実上正捕手として活躍し、頭角を現す。
2004年
伊東が監督就任したこの年、ポジションを争っていた野田浩輔の負傷もあり、初の100試合出場(116試合)を果たした。4月4日の北海道日本ハムファイターズ戦でプロ野球史上63度目のサイクルヒットを達成した。伊東監督に「アマチュアでついた癖はなかなか直しにくいが、細川は青森でのびのびやっていたからよかった」と名指しで評価を受けた。
2005年
リード面では一定の信頼を得たものの、守備面ではリーグ最多の捕逸数を記録し、さらに企図数は少ないものの盗塁阻止率もリーグワースト2位と、攻守両面での不安を露呈した。捕逸ワーストという数字が示すほど実際は捕球技術が拙劣というわけではないが、つまりそれは単純ミスが多いという裏返しでもあった
2006年
前年の守備難もあり、開幕戦スタメンを高卒新人・炭谷銀仁朗に明け渡す結果となり、苦しい立場でのスタートとなった。しかし春季キャンプで伊東監督から「スナップスローを心がけてみろ」と指導を受けた結果、盗塁阻止率がセ・パ両リーグ通じて最高の.469を記録すると同時に、年間通じて捕逸無しとこちらも向上。前年リーグ最下位・準最下位の辛酸を嘗めた両部門で一転リーグトップに転じるという長足の進歩を見せた。
更に打撃でもフォーム改造(後述)の奏功もあって終盤好調を維持するなど改善の兆しを見せ、また最大の懸案であったリードも伊東監督に「落ち着いてリード出来るようになった」と信頼を得るなど、全面において大きく評価を上げた一年となった。
- この年で日本球界を去ることになった松坂大輔が登板するときは炭谷ではなく細川がバッテリーを組み、またシーズン終盤には涌井秀章が先発登板した試合にもスタメンマスクをかぶるなど(シーズン当初、涌井が先発する試合では炭谷がスタメンで起用されることが多かった)、レギュラー争いを一応は制した格好となった。
- パ・リーグ最多の26個犠打を記録。
- 2006年12月29日、伊東監督の現役時代の背番号27を受け継ぐことが認められ、2007年シーズンからは晴れて背番号27でプレーすることになった。
2007年
一年を通して正捕手の座を手放すことなく活躍し、捕手ではリーグ最多となる139試合に出場した。打撃もわずかではあるが向上し、自己最高の打率.239、打点43、3年ぶりの2桁本塁打を記録した。
- 2年連続で12球団でトップとなる盗塁阻止率.405を記録した。
- 9月は若手起用の方針から銀仁朗(本名より登録名変更)のスタメン起用が多かったが、その際には8・9回の守備を担当する「抑え捕手」として出場した。
- 打率.239は自己最高であるが、規定打席到達者の中でリーグ最低であった。低打率でも起用され続けたということは、守備面での信頼をつかんだことを表している。
- リーグ6位の21犠打で、4年連続20犠打を記録した。
- 追い込まれると弱く、1ストライクまでの打率は.288と高かったが2ストライク後の打率は1割台だった。
- 同年10月1日に1試合だけ7番で、10月5日の最終戦で2番に起用されたが、8・9番以外の打順で起用されるのはプロ6年目で初めてである。
[編集] バスター打法
細川はプロ入り後は「バッティングに難がある」という評価をされることが多かった。
2005年シーズンは打率が1割台に低迷、2006年シーズン前半もチームメイトから「身長並み」と揶揄される極端な低打率となったことから、シーズン中盤からバッティングフォームを大幅に変え、ランナーがいてもいなくてもバントの構えからヒッティングに切り替えるバスター打法を取り入れた。このフォームは最短距離でバットが出るようになることから大幅に三振を減らしただけでなく、8月頃からは主力打者顔負けの高打率に本塁打も量産し、恐怖の8番打者としてスポーツ紙に取り上げられるなど注目を集めた(しかしシーズン通算打率は1割台に終わっている)。2007年シーズン開幕当初はバスター打法をやめていたが、またしても打率が低迷し、再びバスター打法に戻した。2008年にはバスター打法をやめている。
この打法を細川の登場テーマに引っかけて「ズンドコ打法」と呼ぶこともある。捕手では楽天の嶋基宏やソフトバンクの山崎勝己、捕手以外でも本多雄一が一時期取り入れるなど、球界に静かなブームを呼びつつある。
文化放送ライオンズナイターの斉藤一美アナウンサーは細川に「バスターでドカン」というニックネームをつけている。
[編集] プロ時代の戦歴
[編集] 通算成績(2007年シーズン終了時)
年度 | チーム | 試合 | 打席 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 失策 |
2002 | 西武 | 2 | 4 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | 0 |
2003 | 西武 | 93 | 216 | 195 | 21 | 39 | 12 | 1 | 5 | 68 | 14 | 1 | 9 | 0 | 9 | 2 | 64 | 4 | .200 | 1 |
2004 | 西武 | 116 | 366 | 313 | 34 | 68 | 21 | 1 | 11 | 124 | 39 | 2 | 23 | 1 | 22 | 6 | 104 | 5 | .217 | 5 |
2005 | 西武 | 113 | 348 | 289 | 25 | 56 | 12 | 1 | 8 | 94 | 32 | 0 | 27 | 1 | 29 | 2 | 86 | 4 | .194 | 3 |
2006 | 西武 | 99 | 312 | 266 | 22 | 53 | 13 | 1 | 7 | 89 | 27 | 0 | 26 | 1 | 15 | 4 | 68 | 3 | .199 | 4 |
2007 | 西武 | 139 | 448 | 393 | 39 | 94 | 20 | 0 | 10 | 144 | 43 | 2 | 21 | 5 | 20 | 9 | 96 | 8 | .239 | 5 |
通算成績 | 562 | 1694 | 1460 | 141 | 310 | 78 | 4 | 41 | 519 | 155 | 5 | 106 | 8 | 95 | 23 | 419 | 24 | .212 | 18 |
[編集] 守備成績
- 太字はリーグ最高。
年度 | 試合数 | 企図数 | 許盗塁 | 盗塁刺 | 阻止率 | 同順位 | 捕逸 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2002 | 2 | ||||||
2003 | 92 | 36 | 24 | 12 | .333 | 3 | 5 |
2004 | 116 | 50 | 36 | 14 | .280 | 6 | 3 |
2005 | 113 | 60 | 45 | 15 | .250 | 6 | 7 |
2006 | 99 | 49 | 26 | 23 | .469 | 1 | 0 |
2007 | 139 | 79 | 47 | 32 | .405 | 1 | 6 |
[編集] 背番号
[編集] 関連項目
監督 |
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99渡辺久信 |
コーチ |
81黒江透修(ヘッド)|80小野和義(投手)|86潮崎哲也(投手)|96大久保博元(打撃)|78熊澤とおる(打撃補佐)|82岡村隆則(守備走塁)|85清家政和(守備走塁)|88相馬勝也(バッテリー)|98大迫幸一(トレーニング) |
二軍監督・コーチ |
72片平晋作(監督)|77石井丈裕(投手兼トレーニング)|97石井貴(投手)|89森博幸(打撃)|76田辺徳雄(打撃)|70河田雄祐(守備走塁)|91大井久士(バッテリー)|92坂元忍(トレーニング) |
投手 |
11岸孝之|12岡本真也|13西口文也|14小野寺力|15大沼幸二|16涌井秀章|17山崎敏|19平野将光|20山本淳|23許銘傑|24松永浩典|25正津英志|26星野智樹|28藤原良平|29三井浩二|30岡本篤志|34長田秀一郎|35岩崎哲也|36山岸穣|38西川純司|40キニー|41木村文和|47帆足和幸|48武隈祥太|50田沢由哉|54グラマン|57田中靖洋|59山本歩|61石井一久|62朱大衛|63藤原虹気|66東和政|69谷中真二| |
捕手 |
22野田浩輔|27細川亨|31吉見太一|37銀仁朗|49上本達之|64中田祥多|68田原晃司 |
内野手 |
2種田仁|3中島裕之|4高木浩之|5石井義人|6後藤武敏|7片岡易之|8平尾博嗣|33江藤智|42ブラゼル|43原拓也|45水田圭介|52星秀和|56黒瀬春樹|60中村剛也|65梅田尚通 |
外野手 |
0大崎雄太朗|1栗山巧|9赤田将吾|10佐藤友亮|39貝塚政秀|44高山久|46G.G.佐藤|51大島裕行|53三浦貴|55ボカチカ|58松坂健太|67斉藤彰吾 |
西武ライオンズ(現-埼玉西武ライオンズ) 2001年ドラフト指名選手 |
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自由獲得枠:細川亨 / 2巡目:中村剛也 / 4巡目:栗山巧 / 5巡目:竹内和也 |