相模鉄道の蒸気機関車
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相模鉄道の蒸気機関車(さがみてつどうのじょうききかんしゃ)は現在のJR東日本相模線を開業した相模鉄道、及び同社神中線となった現在の相鉄本線に相当する路線を開業し、後に同社に合併された神中鉄道(1919年までは神中軌道)で使用された蒸気機関車の一覧である。
なお、本項に於いて相模鉄道の表記は、1943年4月の相模鉄道・神中鉄道合併以前は「相模鉄道」または「相模」、以降は「相鉄」とする。
目次 |
[編集] 相模鉄道
相模鉄道・神中鉄道合併後の神中線に導入されたものも含む。
[編集] 100形
1920年に鉄道省から払い下げを受けた軸配置2Bのテンダー機関車5100形5100・5101で、元は1873年英キットソン(en:Kitson & Co.)製の鉄道院19(後に18)・20である。鉄道省時代の番号から千位の5を取った100・101の2両が在籍した。翌1921年の相模線開業を前に建設作業にも使用されていた。1927年の3300形導入により余剰となり、100は加悦鉄道に譲渡された。101は相鉄に車籍が引き継がれた後、1950年に廃車された。相鉄史上唯一のテンダー機関車であった。
詳しくは国鉄7010形蒸気機関車#5100形を参照。
[編集] 1形
1924年・1926年にそれぞれ2両が汽車会社で製造された軸配置Cのタンク機関車で、1~4の4両が在籍。1944年6月の相模線買収により鉄道省に編入され、1355形1355~1358となった。
[編集] 3300形
1927年に鉄道省から払い下げを受けた軸配置1C1のタンク機関車3300形3300・3301・3306・3319で、鉄道省時代と同番号の4両が在籍した。製造は米ボールドウィンで、3300・3301・3306は1890年製の山陽鉄道からの引継車、3319は1896年製の九州鉄道からの引継車である。1932年から翌1933年にかけて廃車された。
詳しくは国鉄3300形蒸気機関車を参照。
[編集] 10形
1941年に鉄道省から払い下げを受けた軸配置1B1のタンク機関車870形874を11としたもの。また、相模・神中合併直後の1943年6月には同形の872の払い下げを受け、12として神中線に投入された。いずれも1897年英ナスミス・ウィルソン(en:Nasmyth, Gaskell and Company)製。
相模線の11は買収時に鉄道省に編入されたが、番号は仮番号の138となった。神中線の12はそのまま相鉄に残り、1951年に廃車された。
詳しくは国鉄400形蒸気機関車#870形を参照。
[編集] 20形・C12形
1942年に日本車輌で製造された軸配置1C1のタンク機関車で、鉄道省C12形の私鉄向け供給車の一つである。21・22の2両が在籍した。相模線買収時に鉄道省に編入され、同形の274・275号機となった。
また、相模線買収直後の1944年9月には鉄道省籍のC12形56号機の払い下げを受け、鉄道省時代と同番号のまま神中線で使用された。同車は1950年に茨城交通に譲渡されている。
詳しくは国鉄C12形蒸気機関車を参照。
[編集] C10形
1941年本江機械製作所(後の立山重工業)製の軸配置1C1のタンク機関車である。元は海軍厚木基地(現在の米軍厚木基地)専用線の入れ換え用で、終戦により建設省(現・国土交通省)所管のC5010号になっていたものを1946年に借り入れ、1948年に正式に払い下げを受けた。10の1両のみが在籍したが、譲受翌年の1949年には休車となり、翌1950年に東洋埠頭に譲渡された。なお、鉄道省の同形式車との関係はない。
[編集] 神中鉄道
相模・神中合併後に神中線に導入されたものは#相模鉄道を参照。
[編集] 1形
1920年米ポーター(en:H. K. Porter, Inc)製の軸配置Dのタンク機関車で、1・2の2両が在籍した。日本国内では数少ないD形タンク機関車で、1926年の開業・3形増備以降は貨物用として使用された。相模・神中合併による相鉄発足で旧相模1形の続番の5・6に改番されている。
1950年の貨物線電化により余剰となり、翌1951年に廃車された。
[編集] 3形
1926年に汽車会社で製造された軸配置1C1のタンク機関車で、3・4の2両が在籍した。貨物用の1形に対し旅客用に使用された。相模・神中合併による相鉄発足で7・8に改番されている。
1949年に7が鉄道車両工業に売却され、同社から磐南臨海鉄道(後の江名鉄道)に譲渡され、相鉄時代と同番号の7となった。8は1951年に5・6・12とともに廃車された。
江名鉄道では小名浜臨港鉄道(現・福島臨海鉄道)に業務を委託をする関係上、7も同社に譲渡されC358となった。1966年の無煙化により廃車となったが相鉄での保存が決定し、翌1967年のかしわ台工機所(現・かしわ台車両センター)開業に合わせ3号機に復元の上保存された。現在は別府鉄道から譲受した神中鉄道の二軸客車ハ24とペアで、モハ6001・6021、トフ400とともに同所で静態保存されている。
[編集] 10形
1929年に豊川鉄道の5号機を譲受したもので、元は1922年独コッペル製の軸配置Cのタンク機関車。10の1両のみ在籍し、旅客用に使用されたが、1937年に日本化成工業黒崎工場(現・三菱化学黒崎事業所)に譲渡された。
[編集] 関連項目
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