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元住吉駅 - Wikipedia

元住吉駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

元住吉駅
もとすみよし - Motosumiyoshi
武蔵小杉 (1.3km)
(1.5km) 日吉
所属事業者 東京急行電鉄(東急)
所属路線 東横線
目黒線*(路線所属は東横線)
キロ程 12.1km(渋谷起点)
所在地 川崎市中原区木月一丁目
駅構造 高架駅
ホーム 島式 2面4線
乗降人員
-統計年度-
61,425人/日
-2007年-
開業年月日 1926年(大正15年)2月14日
備考 *目黒線は
2008年6月22日開業予定[1]
■Templateノート・鉄道PJ)
旧駅舎
旧駅舎
東口(2007年8月14日撮影)
東口(2007年8月14日撮影)
改札階からプラットホームを見下ろす(2007年8月14日撮影)
改札階からプラットホームを見下ろす(2007年8月14日撮影)

元住吉駅(もとすみよしえき)は、神奈川県川崎市中原区木月一丁目にある東京急行電鉄東横線である。

目次

[編集] 駅構造

島式ホーム2面4線の高架駅で、橋上駅舎を持つ。

現在、目黒線日吉駅までの延長工事を行っており、2008年平成20年)6月22日に延伸予定である。線路敷設工事を行っている状態であり、暫定的に東横線のみの2面4線となっている。また、外側には東横線の特急通勤特急急行の通過線が2線あり、ホームは設置されていない。

当駅での待避は従来一部の列車で行われていたが、目黒線延伸準備のために2007年(平成19年)8月23日から日吉駅での待避もすべて当駅に移行された。

駅舎や改札口のある改札階は渋谷方の3階(ホームの上)で、改札階-出入口間は長いエスカレータエレベーターなどで連絡されている。階段とエレベーターは西口側に存在し、東口側にはない。出入口は東口と西口の2か所があり、踏切の脇に出る構造になっている。なお、出入口は高架化後の現在も旧駅舎時代のものを使用している。3階は開放的な造りのコンコースで植栽もされており、飲食店などの店舗も営業している。中央にオープンカフェ風のテーブルと椅子も用意され、ガラス張りの壁から階下の線路や列車を眺めることができる。改札内も広々と作られており、同じくガラス張りの壁からホームを見下ろせる。ホームは2階にあり、階段・エスカレータ・エレベーターで接続する。

なお、トイレは、旧駅舎時代駅外に公衆トイレがあることから構内には設置されていなかったが、駅舎の改築に際して改札内に新設された。ユニバーサルデザインの一環として多機能トイレも併設されている。

[編集] 環境にやさしい駅

当駅は、環境に配慮した駅を謳っているのが特徴に挙げられる。ホームおよびコンコースの屋根部分には鉄道駅で最大級となる太陽光発電システムが設置されており、最大出力時には駅で使用する電力の約14%程度を賄えるという。改札外コンコースに液晶ディスプレイが1台、改札内コンコースには液晶ディスプレイが1台設置され、発電量を表示するだけでなく、地域の既存ネットワークを活用した天気予報や企業広告などの表示も視野に入れている。

  • 発電パネルには、田園都市線南町田駅でも実績のある透過(採光)型建材一体型パネルが採用され、従来型パネルのバックシートを透過(採光)型に変更することで製品重量の増加を避けた。駅舎部のトップライトは耐火性が要求されるのでパネルの下面(室内側)に網入りガラスを取り付けた二重構造である。透過型で、日中はセルの隙間から太陽光を透過させて照明負荷の軽減を図りつつ、シルエットで太陽光発電の存在を認めうる。夜間はモジュール裏面(駅舎は網入りガラス裏面)に貼り付けた乳白色フィルムに室内照明光が反射し、内観は間接照明風で、昼夜で表情が異なる。パネル全体の透過率は約15%で、夏場のホームの暑さ対策を行っている。発電出力はホーム上家部で約100kW、コンコース部で約40kWである。今回は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の太陽光発電新技術フィールドテスト事業の建材一体型システムの共同研究として設置され、太陽光発電システム事業費の50%の助成を受けている。太陽電池モジュールは単位面積当たりの変換効率の高い単結晶セルを強化ガラスと透過性のあるバックシートでラミネートした構造である。発電した直流電流を系統交流電力に変換するパワーコンディショナーは、プラットホーム上下線を区分けして50kWを2台、コンコース用に40kW1台の構成で、故障時に備えた。交流に変換した電力は高圧一般配電線に系統連係され、駅構内の他負荷設備に供給される。この設備で年間約12万1000kW/hの発電量が期待され、重量換算で約73tの二酸化炭素削減の効果がある。

また、ホームや線路に降った雨水を線路下の貯水タンクに貯めて浄水し、トイレの洗浄水として利用している。従来、駅構内トイレのように水道使用量が多大で、雨水利用による節水効果が高い施設での採用事例は少ない。当駅でのトイレ洗浄水量は1日約19リットル程度で、雨水利用による節水効果が高いと見られる。ホーム上家の雨水を雨水貯留タンク(約50リットル)に貯水し、濾過器で濾過した後、トイレ洗浄水として利用している。上水代替率年間約25%が目標である。鉄道駅の場合、大容量雨水貯留タンクをどこに設置するかが問題になるが、当駅はホーム下に置かれた。また、トイレ洗浄水系統の給水ポンプも、地上階ではなくホーム階レベルに設置することにより、搬送動力削減も実現した。

[編集] 駅構造の推移

2006年(平成18年)9月23日まで当駅は地上駅であり、島式ホーム2面4線で、内側が本線、外側が待避線であった。同日まで使用されていたホームは2代目であり、開業時から1963年昭和38年)頃までの初代のホームは現在の高架駅とほぼ同じ位置にあったが、ホームおよび元住吉検車区の拡張によりホームを渋谷方に移動した。なお、ホームの数は初代から現在の3代目まで同じである。また、出入口は西口と東口の2か所で、それぞれ踏切の東西の脇に出るようになっていた。これは開業時から現在までほぼ同位置である。

通常は特急・通勤特急・急行が通過するが、前記したように駅構内に車両基地(元住吉検車区)があり、地上駅時代は駅から直接出入庫が可能だったため、当駅発元町・中華街(桜木町)行および渋谷行や元町・中華街(桜木町)発当駅行の急行が設定されていた。 なお、現在このような運転方法を採用している駅として京阪本線淀駅東武伊勢崎線北春日部駅近鉄京都線近鉄宮津駅JR関西本線柏原駅がある。当駅と同様に同駅始発・終着の急行(東武は区間急行、JRは快速)のみが停車する。当時の行先表示は現在でも字幕式の行先表示器に残されている。

  • 初代ホーム(1926年2月14日~1963年頃)
    • 改札:橋上式、階段:それぞれのホームの渋谷方の端 改札口:橋上の1か所のみ
  • 2代目ホーム(1963年頃~2006年9月22日)
    • 改札:地下式、階段:それぞれのホームの横浜方の端 改札口:地下の1か所のみ
  • 3代目ホーム(2006年9月23日~現在)
    • 改札:高架式、階段・エスカレータ・エレベーター:それぞれのホームの渋谷方の端(階段とエレベーターは西口側に存在し、東口側にはない) 改札口:ホーム上の1か所のみ

[編集] のりば

通過線 東横線 特急・通勤特急・急行列車が使用する
2 東横線 菊名横浜みなとみらい線 元町・中華街方面
3 目黒線 日吉方面
(建設中につき「ご乗車になれません」と表示されている。使用開始は2008年6月22日の予定)
4 目黒線 武蔵小杉大岡山目黒南北線 赤羽岩淵
埼玉高速線 浦和美園都営三田線 西高島平方面
(建設中につき「ご乗車になれません」と表示されている。使用開始は2008年6月22日の予定)
5 東横線 武蔵小杉・自由が丘中目黒渋谷
日比谷線 北千住方面
通過線 東横線 特急・通勤特急・急行列車が使用する
  • 3・4番線ホームは2008年6月22日に予定されている目黒線の日吉延伸時より使用を開始する。既にホームドア(6両分)は設置済みである。ただし日吉方2両分は、ガラス柵が設置されている。
  • 通過線にホームはないが、下りが1番線、上りが6番線である。そのため、ホームの番線表示は2~5番線が振られている。また通過線を通るため、発車案内表示器には通過案内が表示されず、通過列車の接近案内放送もない。
  • ホームの有効長は20m級車両8両分である。
  • 駅名標には、2006年9月の新駅舎完成後、平仮名ローマ字表記に加え、東急では初めて中国語韓国語の併記もなされた。その後も田園調布や武蔵小杉などで順次導入されている。

[編集] 元住吉検車区

地上駅時代(2006年9月25日まで)は、当駅から元住吉検車区に出入りできる構造になっており、上下線双方から当駅始発・終着列車が朝ラッシュ時や夜間に多数存在していた。

しかし当駅が高架化されてからは、駅舎が200メートルほど日吉駅寄りに移動、すなわち元住吉検車区の直上に建設されたため、当駅から同検車区には直接出入庫できない構造となっている。このため、出入庫列車は隣の武蔵小杉駅発着となり、目黒線の線路を経て検車区まで回送する。検車区から出庫する電車は武蔵小杉駅が始発駅となるが、横浜駅方面へ向かう電車については、下り出庫線を利用して隣の日吉駅始発となる電車がほとんどである。なお、東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線からの直通電車が元住吉検車区に出入庫する場合は、全列車が武蔵小杉駅発着となる。

前述の通り、地上駅時代は上下線双方から当駅発着の電車が多数存在したが、元町・中華街駅方面からの武蔵小杉駅行(検車区へ入庫する電車)は減少し、終電間際の一部電車に限られており、渋谷駅方面からの武蔵小杉駅行が多い。これは、元町・中華街駅方面から入庫する場合、武蔵小杉駅まで客扱いをし、いったん武蔵小杉駅で方向転換をして検車区に向かわなければならないので、運行ダイヤを円滑に進めるためにこのようなダイヤ構成となっている。

このことから、元住吉検車区への入庫も兼ねた東京メトロ日比谷線の車両(あるいは東急1000系)による菊名駅始発元住吉行は消滅し、当駅高架化以降は回送扱いで武蔵小杉に到着した後、目黒線に転線した後に元住吉検車区に入庫する、という方法が採られている。

ただし、高架化された現在でも上下線双方の終電(各駅停車)1本だけは従来通り当駅止まりであり、当駅終着後そのままホームに滞泊し、翌日の当駅始発列車(午前5時0分発元町・中華街行と渋谷行)として運行する。

[編集] 臨時運行による特例
  • 2007年6月30日7月1日に運転された臨時列車「リバイバル急行8000系号」で、上り一方向のみだが「急行 元住吉行」が復活した。当駅の5番線に乗客を降ろした後、回送扱いで武蔵小杉で折り返し、出・入庫線を通って元住吉検車区に入庫した([1])。
  • 2007年7月12日に運転された東横線開業80周年記念の祝賀列車は渋谷からの片道運転で、当駅到着後日吉へ回送し、折り返し当駅を通過して武蔵小杉まで回送、さらに折り返して出入庫線を通って元住吉検車区に入庫した。
  • 2008年1月13日に運転された8000系のさよなら運転[2]が実施された際、今まで設定されたことのなかった「特急 元住吉行」が運行された。この臨時列車は特急停車駅のほか、通常特急が停車しない当駅にも停車した。また、当駅で特急渋谷行の通過待ちをするという特急が特急の通過待ちという珍しい光景も見られた。

[編集] 利用状況

2007年度の1日平均乗降人員は61,425人(東横線内第10位)である。東横線の各駅停車しか停車しない駅の中で最も多い。

[編集] 駅周辺

元住吉も参照。当駅から2つの商店街に直結している。西口からはブレーメン通り商店街、東口からはオズ通り商店街が伸び、駅前の踏切で結ばれている。

元住吉検車区の南にある東京都道・神奈川県道2号東京丸子横浜線(綱島街道)と神奈川県道14号鶴見溝ノ口線(尻手黒川道路)との交差点である木月四丁目交差点は、四つ角の4か所に焼肉店があったため(現在は3店)、通称「焼肉交差点」と呼ばれることもある。なお、同交差点の近くでは2006年9月24日に東横線と尻手黒川道路の逆立体化工事が行われ、それまで東横線が地平、尻手黒川道路が橋上であったのを、東横線が高架、尻手黒川道路が地平になるように切り替えられた。

[編集] 路線バス

[編集] 元住吉駅前

[編集] 元住吉(綱島街道、東口から徒歩2分)

  • 川崎市交通局、川崎鶴見臨港バス
    • 1番乗り場
      • <川63・64・66> 上平間・川崎駅西口・労災病院前(市営)※朝除く
      • <杉01> 小杉駅前(市営)※朝除く
      • <元01・原62> 新川崎駅入口 (臨港)
      • <元02> 小倉循環(新川崎駅入口経由)(臨港)
      • <川60> 川崎駅西口(新川崎駅経由)(臨港)
      • <川61> 川崎駅西口(矢向駅前経由)(臨港)
    • 2番乗り場
      • <杉01> 総合リハビリテーションセンター前(井田病院経由)(市営)※平日・土曜のみ
      • <川66・杉01> 井田病院(市営)
      • <川63> 井田営業所前・新城駅前(市営)
      • <川64> 蟹ヶ谷(井田営業所前経由)(市営)
      • <原62> 中原駅前(臨港)※朝夕のみ
      • <川53> 川崎駅西口(末吉橋経由)(臨港)※朝及び平日夕・夜間のみ
      • <川54> 川崎駅西口(小倉下町経由)(臨港)
    • 3番乗り場
      • <川63・64・66> 上平間・川崎駅西口(市営)※朝のみ
      • <原62> 新川崎駅入口(臨港)※朝のみ

[編集] 歴史

  • 1926年大正15年)2月14日 - 開業。当時は橋上駅舎を持っていた。
  • 1963年昭和38年) - 駅を渋谷方に移動し、駅舎を地下化した。
  • 2006年平成18年)9月24日 - 地上駅から高架駅に切り替わるとともに駅構造も2面4線から2面6線に変更。高架駅は車両基地の直上に建設したため、前述したように地上駅の時より日吉方に約200m再移動している。ちなみにその日は東横線が臨時ダイヤだったが、一部の各駅停車でオーバーランが発生した。
  • 2006年(平成18年)9月25日 - 前日の24日まで設定されていた当駅始発・終着の急行が廃止される。
  • 2007年(平成19年)8月23日 - 日吉駅2・3番線ホームの東横線から目黒線への発着路線変更に関する工事に伴い、従来同駅で行っていた待避をすべて当駅に移転した。
  • 2008年(平成20年)2月28日 - 3・4番線(目黒専用ホーム)にホームドア設置

[編集] 駅名の由来

かつてこのあたりは橘樹郡住吉村であったが、1925年(大正14年)に中原町に合併され「住吉」の地名が無くなったことから、翌1926年(大正15年)、東京横浜電鉄開業時にこの地に設置する駅の名称を、地元からの要望にて「住吉」と命名したことによる。「元の住吉村」という意味である。なお、現在の地名の木月は住吉村となる前の木月村に由来する。

[編集] 川崎縦貫高速鉄道線計画について

川崎縦貫高速鉄道線は、当初の計画では新百合ヶ丘からこの駅を介して川崎駅までを結ぶ予定だった。しかし、採算性を理由に2005年(平成17年)、当駅から武蔵小杉への接続に川崎市が計画を変更している。

[編集] 隣の駅

東京急行電鉄
東横線
特急・通勤特急・急行
通過
各駅停車
武蔵小杉駅 - 元住吉駅 - 日吉駅
目黒線(2008年6月22日開業予定)
急行
通過
各駅停車
武蔵小杉駅 - 元住吉駅 - 日吉駅

[編集] 補足

  1. ^ [http://www.tokyu.co.jp/contents_index/guide/news/080418-1.html 東急電鉄ニュースリリース08/04/18「6月22日(日)、東急目黒線を日吉駅へ延伸、鉄道ネットワークを拡充します  目黒線・東横線のダイヤ改正を実施し、利便性を向上させます」]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


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