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ハイテクノロジー・スーサイド - Wikipedia

ハイテクノロジー・スーサイド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ハイテクノロジー・スーサイドは、日本のハードコアパンクバンド1989年恐悪狂人団the CRAZY-SKBと、どろえびすのMINATOを中心に結成。1994年メジャーデビュー直前に無期限活動停止したが2006年に復活した。バンド名の由来は、近未来では最先端技術が自ら崩壊していくのではないだろうかというイメージと、最先端技術を駆使した自殺も面白いというMINATOの考えから。

目次

[編集] 概要

結成当初はTHE STALINの影響が強くオリジナリティーが薄かったが、約1年間の活動停止から復活してプロレタリアート本間が加入した1991年からメンバーの奇抜な格好、サンプリングの導入、過激なステージングというハイテクのスタイルが確立される。また、ライブでのSEに『木曜スペシャル』の「矢追純一UFOシリーズ」で流れるナレーションを使ったり、漫画家プロレスラーとの共演で話題となる。

インディーズのイメージが強いクレイジーのバンドとしては珍しくメジャーを意識していて、その為か殺害塩化ビニールからのリリースは一切無い。活動停止前はイラクでのレコーディングかPV撮影をさせてくれることをメジャーデビューの条件としていたが、トイズファクトリーからのデビューが決まって間もなく活動停止となった為、トイズが条件を了承したのかは不明。

当時ライブで配布されていた「ハイテク通信」によると、ライヴでは毎回のように楽器を破壊したり、ライブハウスの機材を破損していた為、1993年の機材破損費は100万円以上、ライブハウスやイベンターの好意で支払わなかった金額を足すと1000万くらいだったらしい。

[編集] メンバー

  • MEGA←CRAZY→SKB - ボーカル(恐悪狂人団、猛毒QP-CRAZY怪奇!!動物アジテーターなど多数)
  • MINATO441S.M - ギター(ex.どろえびす、ex.TRANSZOMBIE)
  • ツージーQコリンズ - ベース(ex.コケシドール、ex.バラシ、ex.パラノイア・スター、ex.どろえびす、ツージーズ)
  • プロレタリアート本間 - サンプリングダンサー(恐怖新聞、ex.ゴリライモ、ex.QP-CRAZY、殺(KILL)、動力鉄パイプ)
  • HIROSHI - ドラムス(ex.ANTI FEMINISM、ex.AIDS、ex.CASCADE、ex.L.B.F、ex.Velocity36、DIG DAG )

旧メンバー

  • YOSHIDA - ドラムス(ex.どろえびす)
  • MAKOTO - ドラムス(ex.マージュリッチ)
  • 志乃小路パウエル - ドラムス
  • ムタ・マサヒロMM - ドラムス(ex.THE MAGNETS、ex.SADS、ROBIN)
  • ラビアンヌ・ミサ - ドラムス(ex.MENSU、ex.ハニーフラッシュ、ex.螺子)

[編集] 略歴

[編集] 1989年

  • 5月 - クレイジーと、MINATOを中心に結成。結成メンバーは他にツージーQ、YOSHIDA、MAKOTOの5人。当初はツインドラムという変則的なメンバー構成だった。
  • 8月 - 下北沢屋根裏にてデビュー。
  • 11月 - 1stEP『SOLD GOLD CRAZY ACTION』発売。

[編集] 1990年

  • 5月 - ソノシート『骨/切り裂きジャップ』発売。
  • 7月 - 8cmCD『ヘッドバンギング・エイリアン』発売。
  • 8月24日8月27日 - 新潟(ワンマン)、富山、長野、名古屋にて初のツアー。ツアー前にMAKOTOが脱退して4人編成となる。
  • 9月 - YOSHIDAの脱退によりドラムス不在となり、約1年間活動停止となる。

[編集] 1991年

  • 8月1日 - ドラムスに志乃小路パウエルが加入し、三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて1年振りのライブを行う。
  • 10月29日 - サンプリングダンサーにプロレタリアート本間加入し、新宿Antiknockにてライブ。メンバーの奇抜な格好、サンプリングの導入、過激なステージングというハイテクのスタイルが確立される。恒例のクレイジーがドラムへダイブするのはこの日から。
  • 11月16日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて根本敬朝倉世界一、太田螢一、黒色エレジーのキョウコをゲストに「マンガバトル!」を開催。
  • 12月 - 「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」にクレイジー、MINATO、ツージーが出演。クレイジーの名前が青空球児となっていた。

[編集] 1992年

  • 2月15日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORのライブを最後に志乃小路パウエルが脱退。
  • 3月3日 - 1stアルバム『スクリーミング菩薩DJ』発売。
  • 5月4日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORのライブよりドラムスにTHE MAGNETSのムタマサヒロが加入。
  • 7月31日8月7日 - 「公開自殺宣言ツアー'92」を行う。
  • 8月25日 - 2ndアルバム『公開自殺宣言』発売。また、通販と会場のみで8cmCD『愛のカニバリズム』発売。
  • 10月3日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて「ハイテクノロジー・”ビジュアルショック”スーサイド」としてメンバー全員が白塗りでライブ。
  • 11月15日 - 渋谷CLUB QUATTROで行われた「根本敬プレゼンツ・ガロ脱特殊歌謡祭'92」に出演。
  • 11月28日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにてハイテクノロジー・スーサイドwithミスター・ポーゴとしてライブ。
  • 11月 - 11月15日 渋谷CLUB QUATTROで行われたライブの様子がTVK『ファンキートマト』でオンエアーされる。
  • 12月31日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORの年越しライブに出演。

[編集] 1993年

  • 2月20日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて2度目の「ハイテクノロジー・”ビジュアルショック”スーサイド」。
  • 3月20日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて「ザ・テロリズム'93」をワンマンで行い、入場者全員にハイテクノロジー・スーサイド独占マガジン『自殺のススメ』が配布される。
  • 4月11日4月18日 - 東名阪CLUB QUATTROにてツアー行う。これを最後にムタマサヒロが脱退。前年11月渋谷CLUB QUATTROで行われたイベントのビデオ「ひさご」が発売。
  • 5月3日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて「デスマッチ2×2バトル」を行いドラムスにMENSUのラビアンヌ・ミサが加入。ゲストに電気グルーヴ石野卓球ピエール瀧を迎えてハイテクの演奏で2人が『MUD EBIS』を歌った。
  • 8月 - 3rdアルバム『ブラックホール・アナルのアナーキスト』発売。
  • 8月9日8月12日 - 市民とともに東名阪クアトロツアーを行い入場者全員に『ANARCHY IN THE BLACK HOLE TOUR』を配布。
  • 8月22日 - 渋谷La.mamaでの「殺害サミット'93~ファイナル~」にMINATOとツージーが参加。
  • 8月25日 - マキシシングル『死神ゴードン』発売。
  • 11月19日 - 新宿LOFTにてマディ上原、友沢ミミヨを迎えて「マンガ・バトル2」を開催。
  • 12月 - 「ハイテクノロジー・スーサイド無期限活動停止報告」のフライヤーがファンに郵送され、2月の活動停止ライブが発表された。予定されていた12月31日三軒茶屋HEAVEN'S DOOR(ハイテクがカウントダウンの予定だった)、1月8日川崎CLUB CITTA'のライブはキャンセルとなる。
  • 12月30日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて女子プロレスラー、紅夜叉と共演。紅は『骨』、『公開自殺宣言』を完璧にマスターしていてクレイジーとともに歌っていた。また、この日は当初「ジュリアナ・スーサイド」としてメンバー全員女装して登場する予定だったが、活動停止が決まった為に取りやめとなった(ツージーだけは実行)。

[編集] 1994年

  • 2月5日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにてにて活動停止ライヴを行う。活動停止後、クレイジー、ツージー、プロレタはQP-CRAZYを結成。
  • 11月6日 - 一橋大学で行われた「猛毒・変態ギグ AT 一橋大学~ザ・6時間閉鎖GIG~」にてお遊び的にハイテクノロジー・スーサイドとして出演。プロレタがギターを担当し、MINATOは不参加。

[編集] 1997年

  • 5月5日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORでの「浣腸大魔神の殺害大手術 VOL.333 殺害プチサミット&プロレスシリーズ第11弾」にて「公開自殺宣言!?」としてQP-CRAZYにありぢごくのスハラケイゾウを加えたメンバーでハイテクの曲を演奏。

[編集] 2005年

  • 8月14日 - 渋谷La.mamaでの「殺害サミッポ -2005キチガイ集会-」にて「ハイテクノロジースーサイド発射準備完了!!」のフライヤーが配布され、復活が告知される。
  • 12月7日 - ベスト&ライブアルバム『taste of the Suicidal Hi-Technology』とDVD『公開自殺ドキュメント-1989~1994-』が同時発売。発売記念に某大手レコード店前でのゲリラライブが計画されていたが、スケジュールの都合で中止になった。

[編集] 2006年

  • 1月1日 - 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて12年振りの復活ライブを行い、入場者全員にブラックバンドがプレゼントされた。メンバーはクレイジー、MINATO、ツージー、プロレタ、HIROSHIでラビアンヌ・ミサは演奏前にMCで登場。
  • 6月6日 - 9月11日N.Y.にてライブを行うことを公式サイトにて発表。しかし、やらせてもらえる場所が見つからず、後に中止が発表された。

[編集] 2007年

  • 6月15日 - 14年振りとなるオリジナル4thアルバム『右脳でブチ殺せ!』とトリビュートアルバム『HAVE A NICE DIE!-ハイテクノロジー・スーサイド:トリビュート-』が同時発売。
  • 7月18日 - 14年前に出入り禁止となった渋谷CLUB QUATTROにて、CD発売記念ライブを行う。最初に「近未来のハイテクノロジースーサイド」としてメンバー全員が謎の老人(ツージーだけは本人)による演奏(フリだけ)、アンコールで本物のハイテクが演奏という演出だった。

[編集] 2008年

  • 4月29日 - 渋谷O-Nestにて蛭子能収戸川純などをゲストに「ハイテクノロジー・スーサイドpresents“スーサイド・マッハGO!GO!2008”」を開催。当初は前回の未来のハイテクに続いて、異次元のハイテクという設定でライオンなどの猛獣をメンバーに見立ててライブをやろうとしたが、会場側に拒否されてトークイベントになったとのこと。クレイジーがハイテクや恐悪で使用した凶器衣装など、メンバーそれぞれのグッズ販売もされた。

[編集] ライブにおける数々の過激パフォーマンス

  • 「公開自殺宣言ツアー'92」では最初からトラブルが続出。初日の1992年7月31日 岡山PEPPERLANDではクレイジーが大流血でぶっ倒れ、2日目の8月1日 広島NAMIKI JUNCTIONではクレイジーが消火器をぶちまけた為、客やスタッフが倒れMINATOは救急車病院行きとなり入院となり、翌日の8月2日 四日市第一楽器わんわんのライブはキャンセルとなった。しかし、MINATOはドクターストップを押し切り、次の8月3日 伊勢STUDIO JUNから復活してツアーをやり遂げた。
  • 1992年11月1日 都立商科短期大学でのライブにて、クレイジーは勢い余って教室を飛び出し、金属バットドア窓ガラスを次々と破壊。MINATOはギターを叩き壊した。また、11月3日 駒沢大学では大暴れする常連客の為にダイビング用お立ち台が設置された。
  • 1992年11月28日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORで行われたハイテクノロジー・スーサイドwithミスター・ポーゴは後の猛毒に続くプロレスラーとの共演第1弾。三宅綾を従えたポーゴはドラムやギターを破壊し客席にも乱入。ライブのラストにクレイジーが必ずやっているドラムへのダイビングだが、この日はポーゴに持ち上げられて頭からぶん投げられた。また、この日ポーゴはガソリンを持参してきて本番直前までライブで使用するつもりだったが、ヘブンスドア店長ホーリーの説得で事なきを得た。
  • 1993年3月20日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORで行われたワンマンライブでのクレイジーの自虐行為はハイテク史上最凶・最悪と言える。ステージと客席の間に張り巡らされた有刺鉄線での首吊り、マイクスタンドに取り付けられた無数の釘による額の流血、さらには電気ドリルで自らの体を切り刻もうとしたが、スタッフが慌ててコンセントを引き抜き事なきを得た。また、この日は最前の手すりに松明が取り付けられてライブ中に火が灯された為、前方の客は煙と炎に悩まされた。
  • 1993年7月4日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORのライブで五寸釘をびっしり打ちつけた板がドラムにダイブしたクレイジーの頭上に落下され、さらに翌月の東名阪ツアーでは3カ所全てで有刺鉄線の束が落下された。
  • 1993年8月12日 渋谷CLUB QUATTROでツージーがドライアイス入りのバケツに放尿。終演後そのままトイレに流して詰まらせてしまい、その為にハイテクはクアトロ出入り禁止となる(現在は解消)。この模様は『公開自殺ドキュメント-1989~1994-』にも収録されている。
  • 1994年2月5日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORの活動停止ライブにて客席で炎上したドラムが一部の客に燃え移り「FRIDAY」(94年2月25日号)に炎上するドラムの写真とともに「パンクバンドの最後の火遊び」と紹介された。
  • 2006年1月1日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORにて行われた復活ライブで、1993年に行われたワンマンライブの再現となる有刺鉄線が再び張り巡らされ、上部に取り付けられた発炎筒から落ちる火の粉が最前の客やスタッフに降り注いだ。MINATOはヘブンスドア備え付けTVモニターのブラウン管に何度もギターを叩き付け、最後は客席で炎上するドラムをスタッフが消化器で消火して終了となった。

[編集] 作品

[編集] シングル

  • SOLID GOLD CRAZY ACTION(1989年11月 EP THE CLIMAX RECORDS)
444円で売った為、レコード店から面倒がられた。『FOOL'S MATE』誌インディーチャート3位。1000枚プレス。
  • 骨/切り裂きジャップ(1990年5月 ソノシート THE CLIMAX RECORDS)
『FOOL'S MATE』誌インディーチャート1位。2000枚プレス。ジャケット画はツージーQ。
  • ヘッドバンキング・エイリアン(1990年7月 8cmCD THE CLIMAX RECORDS)
8cmCDだが、なぜか通常のCDケースに入っている。『FOOL'S MATE』誌インディーチャート4位。1000枚プレス。
  • PAINT IT BLACK SABBATH/namuamidabutsu(1992年3月 EP SYMPATHY FOR THE RECORD INDUSTRY)
『スクリーミング菩薩DJ』からのシングルカットで、アメリカのインディーレーベルからのリリース。ジャケットの表記ミスで「na-mu-da-bu-tsu」となっている。ジャケット画は太田螢一。
  • 愛のカニバリズム(1992年8月 8cmCD INTEGRAL Labels)
  • -ELVIS RECORDINGS PRESENTS- ANARCHY IN THE BLACK HOLE TOUR(1993年8月9日 マキシシングル ELVIS RECORDINGS)
93年の東名阪クアトロツアーで入場者全員に配布された「市民」とのスプリット盤。ハイテク収録曲は『スーサイド・マッハ GO!GO!(LIVE VERSION)』
  • 死神ゴードン(1993年8月25日 マキシシングル ゴーモン・オフィス)

[編集] アルバム

14年振りとなるオリジナル4thアルバム。ジャケット画は五月女ケイ子

[編集] ベスト&ライブアルバム

  • taste of the Suicidal Hi-Technology(2005年12月 いぬん堂)
過去の作品からのベストとライブ音源の2枚組。ライブは1993年3月20日 三軒茶屋HEAVEN'S DOORでのワンマンライブ。ジャケット画は丸尾末広

[編集] トリビュートアルバム

  • HAVE A NICE DIE!-ハイテクノロジー・スーサイド:トリビュート-(2007年06月 P-VINE Records)
参加アーティストは蛭子能収、大槻ケンヂ、ビル+戸川純、ATTACK HAUS犬神サーカス団みうらじゅん、THE DIGITAL CITY JUNKIES、スハラケイゾウ+ノイズわかめ、大正九年、スラングブギー、山本精一、毒医患、コバルト、四日市ぜんそく、nhhmbase、ED WOODS、GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE、ロリータ18号、ブラジルUFO、オナニーマシーン。ジャケット画は蛭子能収。

[編集] ビデオ

  • CRY FROM THE UNDERGROUND(1990年 OFFICE CRY)
V.A.ビデオ
  • ガロビデオ第3弾 ひさご(1993年4月 青林堂)
1992年11月15日 渋谷CLUB QUATTROで行われたライブを収録。
  • ガロビデオVol.5 皮西杏 幻の大本営(1993年 青林堂)
V.A.ビデオ

[編集] DVD

  • 公開自殺ドキュメント-1989~1994-(2005年12月 ヘブンスドアカンパニー)
活動停止後に発売予定だったビデオが11年遅れでDVDとしてようやくリリース。

[編集] 書籍

  • 自殺のススメ(1993年3月20日 幸福自殺社)
1993年3月20日 三軒茶屋 HEAVEN'S DOORでのワンマンライブで配布された小冊子。内容は毎回ライブで配布されていた「ハイテク通信」の再録、ミスター・ポーゴ、福居ショウジン、野村義男とのトークバトル、朝倉世界一、上原摩泥、蛭子能収、友沢ミミヨ、根本敬、ツージーQのマンガなど。表紙画は日野日出志

[編集] 外部リンク

ハイテクノロジースーサイド発射準備完了 - 公式サイト


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