ネド・ブロック
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ネド・ブロック（Ned Block、1942年 - )は心の哲学を専門とする哲学者である。意識および認知科学に関して重要な寄与を行っている。ハーヴァード大学にてPh.D.を取得、ヒラリー・パトナムの弟子にあたる。長年にわたってマサチューセッツ工科大学 (MIT)で教鞭をとり、現在はニューヨーク大学 (NYU)で教えている。
ブロックはチューリング・テストを知性テストであるとする考えに対してブロックヘッドとよばれる反論を提示したことで知られている。これは「心理学主義と行動科学主義」（Psychologism and Behaviourism）と題された1981年のペーパーで示された。また、ブロックは人間とおなじ機能状態を有するシステムだからといって、それに意識があるとは必ずしもいえない、として機能主義へも批判をおこなっている。意識にかんする最近の業績では、現象意識（phenomenal consciousness）とアクセス意識（access consciousness）の峻別を導入し、前者は主観的経験と感覚を、後者は認知システムが推論・発話・高レベルの行動形成を行う際に、システム上の広い範囲で利用可能な情報のことを、それぞれ指す。ブロックによれば人間においてアクセス意識と現象意識は必ずしもかさなるものではない。
ブロックの心の哲学における業績はその性質から心理学の分野に接近するものとなっており、とりわけ、BTAが人間の心理学的立場におよぼす影響について扱ってきた。いかなる数であれBTAの増加がそれを受け取る人間の生の質を一貫して高めるものであるとするデネットとは対照的に、ブロックは、BTAにはある閾値（magic number）が存在すると論じている。それによれば、いかなるBTAもそれを超えたあとは人間の精神が一定のクオリアとそれ以外のものを区別する能力を低減させ、結果として限定された形式としての痴呆に導くことはさけがたいとしている。皮肉なことに、論争相手となっている哲学者によっては、ブロックのBTA議論の量があまりに多く、これは彼自身の主張の帰結を演じてみせているのではないかと推測する者もいる。さらに皮肉なのはブロックがBTAを集められないというよく知られた事実で、これにより議論は複雑なものになってしまっている。
ブロックはチューリング・テストによってコンピュータープログラムの人間らしさを競うローブナー賞の審査員をつとめている。
発達心理学者スーザン・ケアリー（Susan Carey）と結婚している。
[編集] 職歴
- 哲学及び心理学教授ニューヨーク大学 (NYU) 1996 - 現在
- 哲学プログラム主任マサチューセッツ工科大学 (MIT) - ?- 1996年
- 米国芸術科学アカデミー（American Academy of Arts and Sciences）フェロー
- グッゲンハイムフェロー
- 言語情報学研究所シニア・フェロー
- スローン財団フェロー
- American Council of Learned Societiesのフェローシップ受け入れ人
- 米国科学財団のフェローシップ受け入れ人
- 哲学心理学学会元会長
- MIT出版の認知科学評議会元主任
- 意識科学研究会（Association for the Scientific Study of Consciousness）元会長
- The Nature of Consciousness: Philosophical Debates (MIT Press, 1997)共同編集人
[編集] 外部リンク
- オフィシャルページ
- 意識についてのWikibookで読めるブロックの議論
- ブロックによる意識と機械についての講義サイト
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| 概念 | 心 - 意識 （現象的意識 - クオリア） - 心身問題 - 説明のギャップ - 意識のハード・プロブレム - 付随性 - 因果的閉包性 - 自由意志 - 汎心論 - カルテジアン劇場 - 認知的閉鎖 |
| 一元論 | 物理主義（唯物論 - 行動主義 - 機能主義 - 計算主義） - 唯心論 |
| 二元論 | 存在論（実体二元論 - 性質二元論 - 記述二元論） - 因果関係（相互作用説 - 随伴現象説 - 並行説） |
| 思考実験 | チューリング・テスト - 中国語の部屋 - 哲学的ゾンビ - マリーの部屋 - - 水槽の脳 - スワンプマン |
| 人物（日本国外） | デイヴィッド・チャーマーズ - ジョン・サール - ダニエル・デネット - ポール・チャーチランド - パトリシア・チャーチランド - コリン・マッギン - フランシス・クリック&クリストフ・コッホ -ジェラルド・イーデルマン&ジュリオ・トノーニ |
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