ジェイソン・バリテック
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ジェイソン・バリテック Jason Varitek ボストン・レッドソックス |
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基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | ミシガン州ロチェスター |
生年月日 | 1972年4月11日(36歳) |
身長 体重 |
6' 2" =約188cm 230 lb =約104.3kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投両打 |
守備位置 | 捕手 |
初出場 | 1997年9月24日 |
経歴 | |
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■Template ■ウィキプロジェクト 野球選手 |
ジェイソン・アンドリュー・バリテック(Jason Andrew Varitek , 1972年4月11日 - )は、アメリカ合衆国ミシガン州ロチェスター出身の野球選手。捕手、右投両打。2007年現在はMLBボストン・レッドソックスに所属している。愛称はTek(テック)。
レッドソックスのキャプテン。肩は強くないが、ボールを後ろに逸らさないボールブロックやクロスプレー時のブロックの上手さ、そしてメジャー屈指のリードには定評がある。
目次 |
[編集] 経歴
ジョージア工科大学時代には、カレッジベースボール最優秀選手に3度選出されている。1992年のバルセロナオリンピックには、同校のチームメイトであるノマー・ガルシアパーラと共に米国代表として出場した。1993年にドラフト1巡目(全体21位)でミネソタ・ツインズから指名されたが、入団契約を拒否。翌1994年のドラフトではシアトル・マリナーズから1巡目(全体14位)指名され、1995年4月20日に入団契約を交わした。
1997年7月31日にヒースクリフ・スローカムとのトレードで、デレク・ロウとともにボストン・レッドソックスに移籍する。この年の9月24日にメジャーデビューするが、出場はこの1試合のみにとどまる。翌1998年には86試合に出場。そして1999年にレギュラーを獲得し、144試合に出場する。
2004年には自己最高の打率.296・18本塁打・73打点を記録する。また守備面でもペドロ・マルティネスやカート・シリングらをリードし、チームを86年ぶりの世界一へ導いた。シーズン後にはフリーエージェントとなるが、レッドソックスとの再契約に合意する。同時にカール・ヤストレムスキー、ジム・ライスに次ぐチーム3代目キャプテンに任命された。そのためバリテックのユニフォームにはキャプテンであることを示す "C" のマークが左胸部分に入っている。
2005年にはゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞を同時受賞し、リーグを代表する捕手となった。2006年にはワールド・ベースボール・クラシック・アメリカ合衆国代表にも選出される。しかしレギュラーシーズンでは後半に故障で離脱し、開幕から勢いのあったチームが低迷する大きな要因となった。
[編集] 獲得タイトル
- ゴールドグラブ賞 1回:2005年
- シルバースラッガー賞 1回:2005年
- MLBオールスターゲーム選出 2回:2003年、2005年
[編集] 年度別打撃成績
年度 | 球団 | 試合 | 打数 | 得点 | 安打 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 塁打 | 打点 | 盗塁 | 盗塁死 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 敬遠 | 死球 | 三振 | 併殺打 | 打率 | 長打率 | 出塁率 | OPS |
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1997 | BOS | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 1.000 | 1.000 | 2.000 |
1998 | BOS | 86 | 221 | 31 | 56 | 13 | 0 | 7 | 90 | 33 | 2 | 2 | 4 | 3 | 17 | 1 | 2 | 45 | 8 | .253 | .407 | .309 | .716 |
1999 | BOS | 144 | 483 | 70 | 130 | 39 | 2 | 20 | 233 | 76 | 1 | 2 | 5 | 8 | 46 | 2 | 2 | 85 | 12 | .269 | .482 | .330 | .812 |
2000 | BOS | 139 | 448 | 55 | 111 | 31 | 1 | 10 | 174 | 65 | 1 | 1 | 1 | 4 | 60 | 3 | 6 | 84 | 16 | .248 | .388 | .342 | .730 |
2001 | BOS | 51 | 174 | 19 | 51 | 11 | 1 | 7 | 85 | 25 | 0 | 0 | 1 | 1 | 21 | 3 | 1 | 35 | 6 | .293 | .489 | .371 | .860 |
2002 | BOS | 132 | 467 | 58 | 124 | 27 | 1 | 10 | 183 | 61 | 4 | 3 | 1 | 3 | 41 | 3 | 7 | 95 | 13 | .266 | .392 | .332 | .724 |
2003 | BOS | 142 | 451 | 63 | 123 | 31 | 1 | 25 | 231 | 85 | 3 | 2 | 5 | 7 | 51 | 8 | 7 | 106 | 10 | .273 | .512 | .351 | .863 |
2004 | BOS | 137 | 463 | 67 | 137 | 30 | 1 | 18 | 223 | 73 | 10 | 3 | 0 | 1 | 62 | 9 | 10 | 126 | 11 | .296 | .482 | .390 | .872 |
2005 | BOS | 133 | 470 | 70 | 132 | 30 | 1 | 22 | 230 | 70 | 2 | 0 | 1 | 3 | 62 | 3 | 3 | 117 | 10 | .281 | .489 | .366 | .855 |
2006 | BOS | 103 | 365 | 46 | 87 | 19 | 2 | 12 | 146 | 55 | 1 | 2 | 1 | 2 | 46 | 7 | 2 | 87 | 10 | .238 | .400 | .325 | .725 |
2007 | BOS | 131 | 435 | 57 | 111 | 15 | 3 | 17 | 183 | 68 | 1 | 2 | 0 | 4 | 71 | 9 | 8 | 122 | 9 | .255 | .421 | .367 | .788 |
通算 | 11年 | 1199 | 3978 | 536 | 1063 | 246 | 13 | 148 | 1779 | 611 | 25 | 17 | 19 | 36 | 477 | 48 | 48 | 902 | 105 | .267 | .447 | .350 | .797 |
※数字は2007年までのもの。
[編集] エピソード
- 2004年7月24日にフェンウェイ・パークで行われたヤンキース戦で、3回表にレッドソックスのブロンソン・アローヨ投手がヤンキースの打者アレックス・ロドリゲスの左ひじに死球を与えた。これにロドリゲスは激怒し、一塁に歩きながらアローヨに向かって放送禁止用語を連発し、怒鳴って威嚇した。これに腹を立てたバリテックがロドリゲスに詰め寄ったため口論となり、数秒の口論の末にバリテックがロドリゲスの顔面にビンタを喰らわせた。対するロドリゲスもバリテックにヘッドロックをし、両者はそのまま倒れこんだ。すぐさま両軍ダグアウトから選手が飛び出し、関係ない選手同士が殴りあうなどの激しい大乱闘へと発展した。この乱闘によって試合は10分以上中断し、結局両者と、その他6選手が退場処分を受けた。
試合は11-10でレッドソックスが制した。バリテックは試合後「俺の役目は、投手が危険な目に遭っていたら体を張って投手を守ることだ。それは捕手として当然のことだ」とコメントした[要出典]。後日ロドリゲスに4試合、バリテックに3試合の出場停止処分が下った。 - スカウティングレポートやビデオ資料を重視し、攻守にわたってチームの要であるバリテックだが、ティム・ウェイクフィールドのナックルボールは苦手としている。2004年のアメリカンリーグ優勝決定戦第5戦で、ウェイクフィールドが登板した際にバリテックは1イニングのうちに3個のパスボールを記録した。シーズン中に同投手が登板の際には、バリテックではなく控え捕手のダグ・ミラベリが出場している。
バリテックは「子供の頃から速球を中心として投球を組み立てる投手と組むことが多かったので、ウェイキー(ウェイクフィールド)と組むのはとても大変な仕事だね」[1]と語っている。 - メジャー最多記録となる4度のノーヒットノーランの捕手を務めた。野茂英雄(2001年4月4日、オリオールズ戦)とデレク・ロウ(2002年4月27日、デビルレイズ戦)、クレイ・バックホルツ(2007年9月1日、オリオールズ戦)、ジョン・レスター(2008年5月19日、ロイヤルズ戦)の時である。
[編集] 参考資料
- ^ 三尾圭 「魔球ナックルを操る男 ティム・ウェイクフィールド レッドソックス」 『月刊スラッガー』64号、日本スポーツ企画出版社、2003年、雑誌15509-8、29-32頁。
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
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投手 | 53 デビッド・アーズマ / 19 ジョシュ・ベケット / 61 クレイ・バックホルツ / 40 バートロ・コローン / 17 マニー・デルカーメン / 43 デバーン・ハンサック / 56 クレイグ・ハンセン / -- リンカーン・ホルズコム / -- エリック・ハル / 31 ジョン・レスター / 48 ハビアー・ロペス / 63 ジャスティン・マスターソン / 18 松坂大輔 / 37 岡島秀樹 / 58 ジョナサン・パペルボン / 62 デビッド・ポーリー / 38 カート・シリング / 59 クリス・スミス / 50 マイク・ティムリン / 49 ティム・ウェイクフィールド |
捕手 | 80 ダスティ・ブラウン / 36 ケビン・キャッシュ / 72 ジョージ・コッタラス / 33 ジェイソン・バリテック |
内野手 | 22 ショーン・ケイシー / 13 アレックス・コーラ / 76 アルヘニス・ディアス / 25 マイク・ローウェル / 12 ジェド・ロウリー / 23 フリオ・ルーゴ / 15 ダスティン・ペドロイア / 20 ケビン・ユーキリス |
外野手 | 55 ジェフ・ベイリー / 54 クリス・カーター / 10 ココ・クリスプ / 7 J.D.ドリュー / 46 ジャコビー・エルズベリー / 44 ブランドン・モス / 24 マニー・ラミレス / 30 ジョナサン・バン・エブリ |
指名打者 | 34 デビッド・オルティーズ |
監督・コーチ | 47 テリー・フランコーナ(監督) / 2 ブラッド・ミルズ(ベンチコーチ) / 16 ルイス・アリセア(一塁コーチ) / 35 デマーロ・ヘイル(三塁コーチ) / 52 ジョン・ファレル(投手コーチ) / 29 デイブ・マガダン(打撃コーチ) / 57 ゲイリー・タック(ブルペンコーチ) |
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2008年6月6日更新 |
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3 ポーキー・リース / 7 トロット・ニクソン / 11 ビル・ミラー / 12 マーク・ベルホーン / 13 ダグ・ミントケイビッチ / 15 ケビン・ミラー / 18 ジョニー・デイモン / 19 ゲーブ・キャプラー / 24 マニー・ラミレス / 28 ダグ・ミラベリ / 29 キース・フォーク / 31 デイブ・ロバーツ / 32 デレク・ロウ / 33 ジェイソン・バリテック / 34 デビッド・オルティーズ / 38 カート・シリング / 43 アラン・エンブリー / 44 オーランド・カブレラ / 45 ペドロ・マルティネス / 49 ティム・ウェイクフィールド / 50 マイク・ティムリン / 61 ブロンソン・アローヨ 監督 テリー・フランコーナ |
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7 J.D.ドリュー / 10 ココ・クリスプ / 12 エリック・ヒンスキー / 13 アレックス・コーラ / 15 ダスティン・ペドロイア / 17 マニー・デルカーメン / 18 松坂大輔 / 19 ジョシュ・ベケット / 20 ケビン・ユーキリス / 23 フリオ・ルーゴ / 24 マニー・ラミレス / 25 マイク・ローウェル / 28 ダグ・ミラベリ / 31 ジョン・レスター / 32 ボビー・キールティ / 33 ジェイソン・バリテック / 34 デビッド・オルティーズ / 37 岡島秀樹 / 38 カート・シリング / 39 カイル・スナイダー / 46 ジャコビー・エルズベリー / 48 ハビアー・ロペス / 50 マイク・ティムリン / 58 ジョナサン・パペルボン / 83 エリック・ガニエ 監督 テリー・フランコーナ |
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投手 | 19 アル・ライター / 20 ヒューストン・ストリート / 22 ロジャー・クレメンス / 32 チャド・コルデロ / 35 ドントレル・ウィリス / 36 ジョー・ネイサン / 38 ゲイリー・マジュースキー / 39 ダン・ウィーラー / 40 ブライアン・フエンテス / 45 ジェイク・ピービー / 50 マイク・ティムリン / 54 ブラッド・リッジ / 59 トッド・ジョーンズ / 61 スコット・シールズ |
捕手 | 8 マイケル・バレット / 24 ブライアン・シュナイダー / 33 ジェイソン・バリテック |
内野手 | 1 マイケル・ヤング / 2 デレク・ジーター / 10 チッパー・ジョーンズ / 13 アレックス・ロドリゲス / 23 マーク・テシェイラ / 25 デレク・リー / 26 チェイス・アトリー |
外野手 | 3 ケン・グリフィー・ジュニア / 5 マット・ホリデー / 6 バーノン・ウェルズ / 7 ジェフ・フランコーア / 18 ジョニー・デイモン / 21 ランディ・ウィン |
監督・コーチ | 31 バック・マルティネス(監督) |