エリック・ガニエ
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エリック・ガニエ Eric Gagné ミルウォーキー・ブルワーズ No.83 |
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基本情報 | |
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国籍 | カナダ |
出身地 | ケベック州モントリオール |
生年月日 | 1976年1月7日(32歳) |
身長 体重 |
6' 0" =約182.9cm 240 lb =約108.9kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 1995年 ドラフト外 |
初出場 | 1999年9月7日 マーリンズ戦 |
年俸 | $10,000,000[1](2008年) |
経歴 | |
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■Template ■ウィキプロジェクト 野球選手 |
エリック・セルジュ・ガニエ(Eric Serge Gagné , 1976年1月7日 - )は、カナダ・ケベック州モントリオール出身の野球選手。投手、右投右打。MLBミルウォーキー・ブルワーズに所属している。フランス系カナダ人。
2002年 - 2004年の3年間で158セーブ機会中152セーブ成功を記録し、2003年にはリリーフ投手ながらサイ・ヤング賞を受賞した、当時を代表する抑え投手。しかし2005年あたりから故障が相次ぎ、当時のような成績を残せていない。太目の体型、あごひげとゴーグルタイプの眼鏡、塩をふいている汚い帽子がトレードマーク。
目次 |
[編集] 略歴
カナダのケベック州モントリオールでフランス系の家族に生まれる。モントリオールの郊外で育ち、少年時代はアイスホッケーと野球に熱中する。高校時代には投手としてジュニア世界選手権に出場する。当時はフランス語しか話せなかったが、オクラホマ州にあるセミノール短大で投手として活躍しながら英語を身に着ける[1]。
[編集] ロサンゼルス・ドジャース
1994年にシカゴ・ホワイトソックスからドラフト30巡目(全体845位)で指名されるが、入団せず、翌年にロサンゼルス・ドジャースと契約。1997年は肘の故障ためトミー・ジョン手術を受け、1シーズンを棒に振るが[2]、リハビリ中にチェンジアップを習得する[要出典]。1999年9月7日にメジャーデビューを果たすが、同年は5試合の先発登板のみに留まり、2001年までの3年間はわずか11勝14敗の成績であった。
2002年からクローザーに定着し、メジャー史上最速で20セーブ(56試合)・30セーブ(82試合)で達成し、ジョン・スモルツの55セーブに次ぐ52セーブを挙げ、トッド・ウォーレルが1996年に記録した44セーブの球団記録を更新した[3]。114奪三振を記録し、リリーフとしてはオクタビオ・ドーテルの118奪三振に次ぐ多さで、球団史上3位にランクした[3]。
2003年は55セーブを挙げ昨年スモルツが記録したリーグ記録に並んだ。9月2日には通算100セーブを達成し、クローザーとしてはデニス・エカーズリー以来11年ぶりにサイ・ヤング賞を受賞。奪三振率が14.98とビリー・ワグナーが1999年に14.95を記録したメジャー記録を更新した[4]。
2004年7月5日に2002年8月26日から続いた連続セーブ記録が84で途切れたもののMLBメジャー記録の63を大幅に更新した[5]。7月15日には、対ダイヤモンドバックス戦で通算130セーブを達成し、通算セーブ数の球団記録を更新した。この年45セーブを記録し、過去3年間で152セーブとエカーズリーが1990年からの3年間で142セーブのメジャー記録を更新した[5]。
ドジャー・スタジアムでは、ガニエが登板するとガンズ・アンド・ローゼズの "Welcome to the Jungle" がかかり、電光掲示板には彼の似顔絵とともに "GAME OVER" (試合終了)と表示される演出がされるようになり、これが好評を博していた。
しかし2005年は右肘靱帯を故障したため、14試合登板のみでシーズンを離脱し、6月にトミー・ジョン手術を受ける。このシーズンは以降ガニエが登板することはなかった。さらに翌2006年のワールド・ベースボール・クラシックもカナダ代表に選ばれたが辞退する。レギュラーシーズンでは6月3日に初登板を果たすが、10日間で2試合に登板した後の13日に故障者リスト入り。7月4日には椎間板ヘルニアを患い、シーズンの残りを棒に振った。
[編集] テキサス・レンジャーズ - ミルウォーキー・ブルワーズ
故障が重なってほとんど登板できないガニエに代わって、クローザーに斎藤隆が定着したため、ドジャースは1,200万ドルのオプションの行使を拒否。フリーエージェントとなったガニエはテキサス・レンジャーズと600ドルで出来高500万ドル1年契約を結んだ[6]。初めてアメリカンリーグで迎えたこのシーズン、ガニエは7月末まで34試合で2勝0敗16セーブ・防御率2.16の成績を残す。しかしチームは西地区最下位に沈んでおり、ガニエは東地区首位のボストン・レッドソックスへトレードされた。移籍後は防御率が6.75と不調に終わった。
2007年12月9日、クローザーのフランシスコ・コルデロがFA移籍したミルウォーキー・ブルワーズはその後釜として1年1,000万ドルで契約した[7]。しかし、12月14日にMLBコミッショナーによりドーピングしていた疑いが強い事が発表された[8]。
[編集] 投球スタイル
95mph(約152.9km/h)前後の速球とカーブ、そして大きく落ちるチェンジアップが武器。これは "バルカンチェンジ" と呼ばれる。この変化球をガニエ本人はチェンジアップと言うが、球速は87mph(約140.0km/h)以上にもなるため、スプリットフィンガード・ファストボールのように使われている。
[編集] 獲得タイトル・記録・表彰など
- 最多セーブ 1回:2003年
- サイ・ヤング賞 1回:2003年
- MLBオールスターゲーム選出 3回:2002年 - 2004年
- 84試合連続セーブ成功 2002年8月28日 - 2004年7月3日(メジャー記録)
- 打者10人連続奪三振 2003年5月17日 - 21日(メジャー記録)
[編集] 年度別投球成績
年度 | 球団 | 勝利 | 敗戦 | 試合 | 先発 | 完投 | 完封 | 完了 | セーブ | ホールド | 投球回 | 被安打 | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 四球 | 奪三振 | 死球 | 暴投 | 打者 | 防御率 | WHIP |
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1999 | LAD | 1 | 1 | 5 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30.0 | 18 | 8 | 7 | 3 | 15 | 30 | 0 | 1 | 119 | 2.10 | 1.100 |
2000 | LAD | 4 | 6 | 20 | 19 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 101.1 | 106 | 62 | 58 | 20 | 60 | 79 | 3 | 4 | 464 | 5.15 | 1.638 |
2001 | LAD | 6 | 7 | 33 | 24 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 151.2 | 144 | 90 | 80 | 24 | 46 | 130 | 16 | 3 | 649 | 4.75 | 1.253 |
2002 | LAD | 4 | 1 | 77 | 0 | 0 | 0 | 68 | 52 | 1 | 82.1 | 55 | 18 | 18 | 6 | 16 | 114 | 2 | 1 | 314 | 1.97 | 0.862 |
2003 | LAD | 2 | 3 | 77 | 0 | 0 | 0 | 67 | 55 | 0 | 82.1 | 37 | 12 | 11 | 2 | 20 | 137 | 3 | 2 | 306 | 1.20 | 0.692 |
2004 | LAD | 7 | 3 | 70 | 0 | 0 | 0 | 59 | 45 | 0 | 82.1 | 53 | 24 | 20 | 5 | 22 | 114 | 5 | 2 | 326 | 2.19 | 0.911 |
2005 | LAD | 1 | 0 | 14 | 0 | 0 | 0 | 13 | 8 | 0 | 13.1 | 10 | 4 | 4 | 2 | 3 | 22 | 0 | 3 | 53 | 2.70 | 0.975 |
2006 | LAD | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 2.0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 1 | 0 | 8 | 0.00 | 0.500 |
2007 | ※ | 4 | 2 | 54 | 0 | 0 | 0 | 41 | 16 | 4 | 52.0 | 49 | 22 | 22 | 3 | 21 | 51 | 1 | 1 | 222 | 3.81 | 1.346 |
通算 | 8年 | 29 | 23 | 352 | 48 | 0 | 0 | 253 | 177 | 5 | 597.1 | 472 | 240 | 220 | 65 | 204 | 680 | 31 | 17 | 2461 | 3.31 | 1.132 |
※ TEX→BOS ※数字は2007年までのもの。太字はリーグ1位。
[編集] 脚注
- ^ "Eric Gagne Biography (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ "Eric Gagne 1997 Career Highlights (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ a b "Eric Gagne 2002 Career Highlights (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ "Eric Gagne 2003 Career Highlights (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ a b "Eric Gagne 2004 Career Highlights (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ "ESPN - Gagne to start on DL to get more work - MLB (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ "The Official Site of The Milwaukee Brewers: News: Brewers ink Gagne to one-year deal (英語)" 2008年5月2日閲覧.
- ^ ミッチェル・レポート2007年12月19日閲覧。
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
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投手 | 31 デイブ・ブッシュ / 39 クリス・カプアーノ / 40 ランディ・チョート / 45 マーク・ディフェリス / 48 ティム・ディラード / 38 エリック・ガニエ / 49 ヨバニ・ガヤルド / -- リッチー・ガードナー / 47 ザック・ジャクソン / 73 セス・マクラング / 58 ギレルモ・モタ / 43 マニー・パーラ / 62 ルイス・ペーニャ / 54 デビッド・リスキー / 15 ベン・シーツ / 51 ブライアン・シャウス / 57 ミッチ・シュテッター / 37 ジェフ・スーパン / 16 サロモン・トーレス / 12 カルロス・ビリャヌエバ |
捕手 | 18 ジェイソン・ケンドール / 64 ルー・パルミサーノ / 11 マイク・リベラ / 10 ビニー・ロティーノ |
内野手 | 14 ラッセル・ブラニアン / 30 クレイグ・カウンセル / 27 ジョー・ディロン / -- アルシデス・エスコバー / 28 プリンス・フィルダー / 2 ビル・ホール / 7 J.J.ハーディ / 61 ヘルナン・イリバレン / 65 ブラッド・ネルソン / 23 リッキー・ウィークス |
外野手 | 8 ライアン・ブラウン / 25 マイク・キャメロン / 14 ゲーブ・グロス / 22 トニー・グウィン・ジュニア / 1 コーリー・ハート / 33 ゲーブ・キャプラー |
監督・コーチ | 3 ネッド・ヨスト(監督) / 35 ビル・カストロ(ブルペンコーチ) / 56 ジョー・クロフォード(コーチ補佐) / 55 マーカス・ハネル(ブルペン捕手) / 36 マイク・マダックス(投手コーチ) / 6 エド・シーダー(一塁コーチ) / 9 テッド・シモンズ(ベンチコーチ) / 32 ジム・スカーレン(打撃コーチ) / 29 デール・スワイム(三塁コーチ) |
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2008年6月19日更新 |
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7 J.D.ドリュー / 10 ココ・クリスプ / 12 エリック・ヒンスキー / 13 アレックス・コーラ / 15 ダスティン・ペドロイア / 17 マニー・デルカーメン / 18 松坂大輔 / 19 ジョシュ・ベケット / 20 ケビン・ユーキリス / 23 フリオ・ルーゴ / 24 マニー・ラミレス / 25 マイク・ローウェル / 28 ダグ・ミラベリ / 31 ジョン・レスター / 32 ボビー・キールティ / 33 ジェイソン・バリテック / 34 デビッド・オルティーズ / 37 岡島秀樹 / 38 カート・シリング / 39 カイル・スナイダー / 46 ジャコビー・エルズベリー / 48 ハビアー・ロペス / 50 マイク・ティムリン / 58 ジョナサン・パペルボン / 83 エリック・ガニエ 監督 テリー・フランコーナ |