チェンジアップ
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チェンジアップ(changeup)は野球、ソフトボールにおける変化球の一つで、打者の手元で沈むまたは落ちる変化球。ボールの握りは様々で統一性はなく投げやすい握りで投げるのが一般的なので、必然的に投手によってボールの変化や回転も変わる。変化としてはシンカー・スクリューボール・フォークボール・カーブのどれかにに似たものとなりやすい。
[編集] 日米における分類の違い
日本では打者のタイミングを外す事のみに特化した目的のボールを近年「チェンジ・オブ・ペース」と呼び、「チェンジアップ」は変化球として分けて認識するようになった。
一方、アメリカでは、直球と同じ腕の振りから投じられるスピードの遅いボールの事を全般にchangeupと言い、詳細な識別はほとんどされていない。代表例は高津臣吾で、シカゴ・ホワイトソックスに在籍していた時は投げる球すべての球速がメジャーリーグの標準球速より数段遅いため、解説者は彼が投げる変化球(軌道から言えばシンカーおよびカーブ)をすべてchangeupと分類し、その投球スタイルを同変化球のレベルの高さで知られるトレバー・ホフマンと比較していた。週刊ベースボール誌上でドジャースの斎藤隆は「メジャーでは自分なりに考えた分類不可能な変化球も全て大雑把に『チェンジアップ』と呼んでいるみたいです」と述べている。
[編集] 投げ方
野球での投げ方は多彩で、代表的な投げ方にカーブに似た握り方の通称リトルリーグチェンジアップや、指先でなく指の腹の部分でボールを持つようにして投げ縦に落とすストレートチェンジ、OKサインを作って中指から小指で持ち、外側にボールを滑らせることでシュート気味に落とすサークルチェンジ、中指と薬指でボールを挟んで縦に大きく速く落とすバルカンチェンジ、縫い目に乗せて横から抜くように投げるシンカーチェンジなどがある。
[編集] 代表的な投手
チェンジアップは藤井秀悟や西口文也、杉内俊哉が有名。サークルチェンジはメジャーリーグ往年の名投手、ノーラン・ライアンの得意な球種でもあった。日本人の現役投手では井川慶や松坂大輔、セス・グライシンガーが得意としている。シンカーチェンジは内海哲也、長谷川滋利が有名。かつて全国高等学校野球選手権大会において、久慈高校の北田俊郎投手が、70~90キロの超スローボールを駆使して話題となった。