ジョー・ネイサン
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ジョー・ネイサン Joe Nathan ミネソタ・ツインズ No.36 |
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基本情報 | |
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国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | テキサス州ヒューストン |
生年月日 | 1974年11月22日(33歳) |
身長 体重 |
6' 4" =約193.0cm 220 lb =約99.8kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
守備位置 | 投手 |
プロ入り | 1995年 ドラフト6巡目 |
初出場 | 1999年4月21日 マーリンズ戦 |
年俸 | $6,000,000[1](2008年) |
経歴 | |
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■Template ■ウィキプロジェクト 野球選手 |
ジョー・ネイサン(Joe Nathan , 1974年11月22日 - )は、アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン出身の野球選手。フルネームはジョゼフ・マイケル・ネイサン(Joseph Michael Nathan )。投手、右投右打。MLBミネソタ・ツインズに在籍している。
目次 |
[編集] 経歴
ニューヨーク州のパインブッシュ高校、ニューヨーク州立大学ストーニブルーク校を経て、1995年のドラフト6巡目(全体159位)でサンフランシスコ・ジャイアンツから指名され、その翌日に入団契約を結ぶ。当時のネイサンは遊撃手だった。
1997年、肩の強さなどを買われたネイサンは投手へコンバートされる。この年はルーキーリーグ(マイナーリーグで1番下のクラス)で18試合に登板し、リーグ2位の防御率2.47を記録。翌1998年にはAA級まで昇格している。
[編集] ジャイアンツ
1999年4月21日のマーリンズ戦でメジャー初登板を果たした。この試合で先発したネイサンは7回を無失点に抑え、メジャー初勝利を挙げた[1]。この年はメジャーとAAA級を行き来しながら、メジャーで19試合に登板し7勝4敗・防御率4.18を記録した。2000年には前年を上回る20試合に登板。しかしシーズン終盤に右肩を痛め、手術を受けた。最高で97mph(約156.1km/h)を計時していた球速は落ち、2001年にはメジャーでの登板はなく、マイナーでもAAA級・AA級あわせて防御率7.29しか残せなかった。
しかしネイサンはスライダーに磨きをかけ、2002年9月11日にメジャーで再び登板し、4試合を投げシーズンを終えた。2003年には中継ぎとしてリーグ5位の78試合に登板し、リリーフ投手でメジャー最多の12勝[2]、19ホールド・防御率2.96を記録した。この年の11月14日、ネイサンはフランシスコ・リリアーノとブーフ・ボンサーとともにA.J.ピアジンスキーとのトレードでミネソタ・ツインズへ移籍した。前年までチームの抑え投手だったエディ・グアダードがシアトル・マリナーズへ移籍したツインズは、ネイサンを抑えに抜擢した。
[編集] ツインズ
移籍1年目、球速も戻ったネイサンは抑えに定着して44セーブ(リーグ3位)を挙げ、MLBオールスターゲームにも初選出され、1回を無失点2奪三振に抑えた。サイ・ヤング賞の投票ではペドロ・マルティネス、フランシスコ・ロドリゲスに並ぶ4位に入り[3]、MVPの投票では12位に入った。
翌2005年スプリングトレーニングの間に2006年が375万ドル、2007年が525万ドル、2008年はオプションで600万ドルの契約を結んだ[4]。昨年に続きオールスターに選出され、7勝4敗、リーグ3位の43セーブを記録し2年連続40セーブは球団史上3人目の快挙となった[5]。
2006 ワールド・ベースボール・クラシック2次リーグの米国-日本戦で、日本が犠飛で得点した後に米国が「三塁走者の離塁が早い」と抗議、判定が覆され日本の得点が取り消されるという "疑惑の判定" があった。このときマウンドに立っていたのがネイサンである。この年の11月に日米野球で日本を訪れたネイサンは、当時複雑な心境だったと明かしている[要出典]。
2006年6月24日のシカゴ・カブス戦で球団史上5人目の通算100セーブを達成し[6]、9月9日には通算117セーブ目を記録しエディ・グアダードを抜き単独2位の球団通算セーブ記録となった[6]。64試合に登板し、7勝0敗、防御率1.58、36セーブを記録した。サイ・ヤング賞では5位に入った。
2007年、37セーブを記録し、球団史上初めて4年連続で36セーブ以上を記録した[7]。ツインズ移籍後の2004年からの4年間でマリアノ・リベラに並ぶリーグ最多通算160セーブを記録した[7]。10月29日球団が2008年のオプションを行使し、残留が決まった[4]。
[編集] 投球スタイル
球種は最高球速100mph(約160.9km/h)弱の速球と、80mph台後半(約138.4 - 143.2km/h)のスライダー、カーブ。奪三振が多く、ツインズで抑えに定着した2004年以降3年連続で、奪三振数が投球回数を上回っており、その間の奪三振率は11.88に達している。
制球はやや荒れ気味で、ジョニー・デイモンは「ネイサンは力強い球を投げるけど、そこらじゅうに球が散る時がある」[8]と評している。しかし四球で無駄に走者を出すことはなく、WHIPは2004年から2006年まで3年連続で1を切っていた。
[編集] 獲得タイトル・表彰など
[編集] 年度別投球成績
年度 | 球団 | 勝利 | 敗戦 | 試合 | 先発 | 完投 | 完封 | 完了 | セーブ | ホールド | 投球回 | 被安打 | 失点 | 自責点 | 被本塁打 | 四球 | 奪三振 | 死球 | 暴投 | 打者 | 防御率 | WHIP |
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1999 | SF | 7 | 4 | 19 | 14 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 90.1 | 84 | 45 | 42 | 17 | 46 | 54 | 1 | 2 | 395 | 4.18 | 1.439 |
2000 | SF | 5 | 2 | 20 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 93.1 | 89 | 63 | 54 | 12 | 63 | 61 | 4 | 5 | 426 | 5.21 | 1.629 |
2001 | SF | 1年間メジャーでの登板なし | ||||||||||||||||||||
2002 | SF | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3.2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 12 | 0.00 | 0.273 |
2003 | SF | 12 | 4 | 78 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0 | 20 | 79.0 | 51 | 26 | 26 | 7 | 33 | 83 | 3 | 4 | 316 | 2.96 | 1.063 |
2004 | MIN | 1 | 2 | 73 | 0 | 0 | 0 | 63 | 44 | 0 | 72.1 | 48 | 14 | 13 | 3 | 23 | 89 | 2 | 5 | 284 | 1.62 | 0.982 |
2005 | MIN | 7 | 4 | 69 | 0 | 0 | 0 | 58 | 43 | 0 | 70.0 | 46 | 22 | 21 | 5 | 22 | 94 | 0 | 2 | 276 | 2.70 | 0.971 |
2006 | MIN | 7 | 0 | 64 | 0 | 0 | 0 | 61 | 36 | 0 | 68.1 | 38 | 12 | 12 | 3 | 16 | 95 | 1 | 3 | 262 | 1.58 | 0.790 |
2007 | MIN | 4 | 2 | 68 | 0 | 0 | 0 | 60 | 37 | 0 | 71.2 | 54 | 15 | 15 | 4 | 19 | 77 | 1 | 3 | 282 | 1.88 | 1.019 |
通算 | 9年 | 43 | 18 | 395 | 29 | 0 | 0 | 256 | 161 | 20 | 548.2 | 411 | 197 | 183 | 51 | 222 | 555 | 12 | 24 | 2253 | 3.00 | 1.154 |
※数字は2007年までのもの。太字はリーグ1位。
[編集] 参考資料
- ^ "April 21, 1999 Florida Marlins at San Francisco Giants Box Score and Play by Play - Baseball-Reference.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ "San Jose Giants Baseball Club Did You Know? Pitcher Joe Nathan (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ "Baseball Awards Voting for 2004 - Baseball-Reference.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ a b "Twins exercise Nathan's option at bargain price of $6M ESPN.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ "2005 Career Highlights:MLB.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ a b "2006 Career Highlights:MLB.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ a b "2007 Career Highlights:MLB.com (英語)" 2008年2月1日閲覧.
- ^ Tyler Kepner / New York Times「(リベラ以外で)最高の守護神は誰だ!? ヤンキースが恐れるクローザーたち」 『月刊スラッガー』99号、日本スポーツ企画出版社、2006年、雑誌15509-7、32-34頁。
[編集] 外部リンク
- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube
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投手 | 30 スコット・ベイカー / 60 ブライアン・バス / 53 ニック・ブラックバーン / 26 ブーフ・ボンサー / 49 クレイグ・ブレスロウ / 28 ジェシー・クレイン / 51 フリオ・デパウラ / 54 マット・ガリアー / 61 リバン・ヘルナンデス / 38 フィリップ・ハンバー / 41 ボビー・コレッキー / 47 フランシスコ・リリアーノ / 74 ホセ・ミハレス / 36 ジョー・ネイサン / 17 パット・ネシェック / 15 グレン・パーキンス / 37 デニス・レイエス / 59 ケビン・スローリー / 86 オズワルド・ソーサ |
捕手 | 7 ジョー・マウアー / 58 ホセ・モラレス / 55 マイク・レドモンド |
内野手 | 32 ブライアン・ブッシャー / 25 アレクシイ・カシーヤ / 12 アダム・エバレット / 23 ブレンダン・ハリス / 24 マイク・ラム / 18 マット・マクリ / 33 ジャスティン・モルノー / 8 ニック・プント / -- セルジオ・サントス / 64 マット・トルバート |
外野手 | 5 マイケル・カダイアー / 22 カルロス・ゴメス / 11 ジェイソン・プライディ / 2 デナード・スパン / 21 デルモン・ヤング |
指名打者 | 16 ジェイソン・クベル / 27 クレイグ・モンロー |
監督・コーチ | 35 ロン・ガーデンハイアー(監督) / 40 リック・アンダーソン(投手コーチ) / 9 スティーブ・リドル(ベンチコーチ) / 43 リック・ステルマゼック(ブルペンコーチ) / 45 スコット・ウルジャー(三塁コーチ) / 46 ジョー・バブラ(打撃コーチ) / 13 ジェリー・ホワイト(一塁コーチ) |
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2008年6月12日更新 |
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投手 | 19 アル・ライター / 20 ヒューストン・ストリート / 22 ロジャー・クレメンス / 32 チャド・コルデロ / 35 ドントレル・ウィリス / 36 ジョー・ネイサン / 38 ゲイリー・マジュースキー / 39 ダン・ウィーラー / 40 ブライアン・フエンテス / 45 ジェイク・ピービー / 50 マイク・ティムリン / 54 ブラッド・リッジ / 59 トッド・ジョーンズ / 61 スコット・シールズ |
捕手 | 8 マイケル・バレット / 24 ブライアン・シュナイダー / 33 ジェイソン・バリテック |
内野手 | 1 マイケル・ヤング / 2 デレク・ジーター / 10 チッパー・ジョーンズ / 13 アレックス・ロドリゲス / 23 マーク・テシェイラ / 25 デレク・リー / 26 チェイス・アトリー |
外野手 | 3 ケン・グリフィー・ジュニア / 5 マット・ホリデー / 6 バーノン・ウェルズ / 7 ジェフ・フランコーア / 18 ジョニー・デイモン / 21 ランディ・ウィン |
監督・コーチ | 31 バック・マルティネス(監督) |