おき (列車)
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スーパーおきとは、西日本旅客鉄道が鳥取駅・米子駅~新山口駅間を山陰本線・山口線経由で運行する特別急行列車の愛称。
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[編集] 運行概況
- 鳥取・米子発が下りである。
- 上下で本数が一致しないのは上り1本が米子駅で系統分割されているためで、運転本数は「スーパーまつかぜ」を含めて鳥取駅~米子駅間で下り9本・上り8本、米子駅~益田駅間で7往復、益田駅~新山口駅間で3往復となる。
- 列車番号は、3001D~3006Dと運転線区等で変更がない。下りは号数+3000の奇数、上りは号数+3000の偶数となる。1号=3001D、2号=3002Dとなる。
- 使用車両
- JR西日本キハ187系気動車(0・10番台)2両編成が使用される。多客期は3~4両編成となる場合がある。
- 後藤総合車両所所属
- 振り子装置が作動するのは、鳥取駅~米子駅~益田駅間のみ。
- 編成
- 全車普通車、禁煙。なお、2号車に喫煙コーナーを設置。
←新山口 米子・鳥取→ | |
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指 | 自 |
- 停車駅
- <鳥取駅 - 倉吉駅> - 米子駅 - 安来駅 - 松江駅 - (玉造温泉駅) - (宍道駅) - 出雲市駅 - 大田市駅 - (温泉津駅) - 江津駅 - (波子駅) - 浜田駅 - (三保三隅駅) - 益田駅 - 日原駅 - 津和野駅 - 徳佐駅 - 三谷駅 - 山口駅 - 湯田温泉駅 - 新山口駅
- ()内の駅は一部列車のみ停車。
- <>内の駅は一部列車のみ運行。
[編集] 沿革
「おき」・「スーパーおき」の名称の由来は、島根県の隠岐島からとされている。以下の3系統に分類される。
- 1965年(昭和40年)10月~1968年(昭和43年)10月 大阪駅~出雲市駅・大社駅間を福知山線・山陰本線・大社線経由で運行された夜行急行列車。→「だいせん」を参照のこと。
- 1968年(昭和43年)10月~1972年(昭和47年)3月 京都駅~出雲市駅・大社駅間を東海道本線・山陽本線・赤穂線・伯備線・山陰本線・大社線経由で運行された急行列車・特別急行列車の名称。→伯備線優等列車沿革も参照もこと。
- 1975年(昭和50年)3月~ 主に小郡駅→新山口駅に発着し、山口線経由で米子駅・鳥取駅まで直通する特別急行列車。
なお、本稿では現行の運行経路の関連から主に山口線で運行された優等列車についても記載する。
[編集] 山口線優等列車沿革
- 1960年(昭和35年)3月20日 - 山口駅 - 博多駅間運行の準急列車「あきよし」運行開始。
- 1961年(昭和36年)10月1日 - 岡山駅 - 出雲市駅間(伯備線経由)の準急列車「しんじ」の運行区間を延長し、宇野駅 - 博多駅間(伯備線・山陰本線経由、石見益田駅 - 下関駅間は山陰本線経由と山口線経由に分割)となる。
- 1963年(昭和38年)4月1日 - 準急「あきよし」の一部編成を東萩駅発(美祢線経由)とする(厚狭駅 - 博多駅間は両編成を併結運転)。
- 1964年(昭和39年)10月10日 - 準急「あきよし」の運転区間を延長、浜田駅・石見益田駅 - 博多駅間(浜田駅発着は美祢線経由、石見益田駅発着は山口線経由)とする。
- 1965年(昭和40年)10月1日 - この日の全国ダイヤ改正により、以下の列車運行区間を変更。
- 1966年(昭和41年)3月5日 - 準急「あきよし」・「しんじ」を急行列車に格上げ。
- 1968年(昭和43年)10月1日 - 米子駅 - 小郡駅間運行の季節急行列車「さんべ」運行開始。
- 1970年(昭和45年)10月1日 - 季節急行列車「さんべ」を定期列車化。
- 1972年(昭和47年)3月15日 - 急行「しんじ」の運転区間を短縮、岡山駅 - 小郡駅間(伯備線・山陰本線・山口線経由)とする。同時に「しんじ」・「さんべ」は山口駅 - 小郡駅間を普通列車化する。
- 1975年(昭和50年)3月10日 - 山陽新幹線全線開業に伴うダイヤ改正実施。始発駅の小郡駅が山陽新幹線停車駅となったことから以下のように運行形態を変更する。
- 1976年(昭和51年)10月 - 特急「おき」使用車両をキハ80系からキハ181系に変更。
- 1978年(昭和53年)10月 - 松江駅高架化工事に伴い、「おき」1往復を出雲市駅発着に変更。
- 1980年(昭和55年)10月 - 急行「つわの」運行終了。これにより、山口線経由の優等列車は特急「おき」に集約される。
- 1982年(昭和57年)7月 - 「おき」グリーン車の連結廃止。
- 1985年(昭和60年)3月 - 「おき」全列車が小郡駅 - 米子駅間運転となる。
- 1989年(平成元年)3月 - 「おき」上り1本を下関駅→米子駅間(山陽本線・山口線経由)とする。
- 1996年(平成8年)3月16日 - 「おき」1往復を鳥取駅まで延長運転する(鳥取駅 - 小郡駅間下り1本、鳥取駅 - 下関駅間上り1本、米子駅 - 小郡駅間2往復)。
- 1997年(平成9年)3月22日 - 「おき」下関駅発の上り列車運行終了。全列車小郡駅発着となる(鳥取駅 - 小郡駅間1往復、米子駅 - 小郡駅間2往復)。
- 2001年(平成13年)7月7日 - 「おき」使用車両を新型振り子式特急気動車であるキハ187系に変更、名称を「スーパーおき」に変更。全列車が米子駅 - 小郡駅間運行(3往復)となる。
- 2003年(平成15年)10月1日 - 小郡駅を新山口駅に改称、「スーパーおき」下り2本、上り1本を鳥取駅発着に変更(鳥取駅 - 新山口駅間下り2本・上り1本、米子駅 - 新山口駅間下り1本・上り2本)。
[編集] 「おき」列車名としての沿革
だいせん (列車)#京阪神対山陰夜行列車沿革および やくも (列車)#伯備線優等列車沿革も参照
- 1965年(昭和40年)10月 - 大阪駅 - 出雲市駅・大社駅間(福知山線・山陰本線・大社線経由)に運行された夜行急行列車の名称として使用される。
- 1968年(昭和43年)10月 - “ヨン・サン・トオ”国鉄ダイヤ改正により、上記の列車を「だいせん」に名称を変更。新たに京都駅 - 出雲市駅・大社駅間(東海道本線・山陽本線・赤穂線・伯備線・山陰本線・大社線経由)で運行された急行列車の名称となる。
- 1971年(昭和46年)4月 - 同列車が特別急行列車に昇格。新大阪駅 - 出雲市駅・大社駅間に運行区間を変更。
- 1972年(昭和47年)3月 - 山陽新幹線岡山駅開業に伴い「おき」名称廃止。岡山駅で山陽新幹線との接続を図る特急列車「やくも」となる。
- 1975年(昭和50年)3月10日 - 米子駅 - 小郡駅間(山陰本線・山口線経由)に新設された特急列車の名称となる(以下上述)。