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JR貨物DF200形ディーゼル機関車 - Wikipedia

JR貨物DF200形ディーゼル機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

JR貨物DF200形ディーゼル機関車DF200形ディーゼル機関車
全長×全幅×全高 (mm) 19600 × 2805 × 4078
運転整備重量 96.0t
機関形式 MTU 12V396TE14 ×2基

(KOMATSU SDA12V170-1 ×2基)

機関定格出力 1700PS / 1800rpm

(1800PS / 1800 rpm)(1基、1時間)

電動機定格出力 1920kW(1時間)
軸配置 Bo-Bo-Bo
軌間 1067mm(狭軌)
備考 カッコ内は50番台以降
第34回(1994年
ローレル賞受賞車両

カテゴリ / テンプレート

DF200形ディーゼル機関車(ディーエフ 200 がたディーゼルきかんしゃ)とは、日本貨物鉄道(JR貨物)が 1992年(平成4年)から製作する電気式ディーゼル機関車である。

目次

[編集] 概要

幹線における電化区間の割合が低い北海道においては、貨物輸送は長い間 DD51 形ディーゼル機関車を主力としてきた。 JR 移行後の輸送量増大や貨物列車の高速化に対し、DD51 形は出力上の理由から恒常的に重連での運用を要したことに加え、北海道の厳しい気候風土による車両の老朽化も顕在化してきた。これを受け、重連運転の解消と老朽車両の置換えを目的として 1992年に開発されたのが DF200 形である。

JR貨物の公募により " ECO-POWER RED BEAR " (エコパワーレッドベア) という愛称がつけられ、車体側面にロゴが描かれている。1994年鉄道友の会ローレル賞(第34回)受賞。

[編集] 構造

車体は前面を傾斜させた 20 m 級の箱型である。重連運転は想定されず、正面の貫通扉は装備しない。屋根高さを車両限界いっぱいに高くして機器類の艤装空間を確保している。外部塗色は濃淡グレーと朱色の組み合わせである。

動力伝達方式は従来の主流であった液体式ではなく、 DF50 形ディーゼル機関車以来の電気式として設計された。これは増大した出力に対応する液体変速機の開発が困難であったことと、 VVVF インバータ制御など長足の進歩を遂げた電気機器を採用することで駆動系の小型化・保守の軽減が図れるためである。

駆動機関として、V型12気筒ディーゼル機関を2基搭載する。初期の車両は MTU 社製の機関(定格出力 1,700 PS / 1,800 rpm)を用い、50 番台以降はコマツ製の機関(定格出力 1,800 PS / 1,800 rpm、最大出力 2,071 PS / 2,100 rpm、デュアルサーキットアフタークーラ付)に変更されている。

主電動機は かご形三相誘導電動機 FMT100 形 (320 kW) を6基搭載する。1個のインバータで1個の主電動機を制御する1C1M 方式の個別制御システムにより、定格の動輪周出力は DD51 形の1.5倍となり、平坦線で 110 km/h 以上の平均速度(800 t 牽引時)を維持できる。6軸駆動となったことで、発車時の安定性も向上した。

台車空気バネを用いた軸梁式のボルスタレス台車 FDT100 形(両端) FDT101 形(中間)である。軸重を抑えるため軽量化された本形式の台車構造は、後続の新形式機関車にも基本として用いられている。

[編集] 形態区分

  • 試作機 (901)
900番台と基本番台との前面形状の違い(2008年1月 根室本線 新富士駅)
900番台と基本番台との前面形状の違い(2008年1月 根室本線 新富士駅)
1992年9月、川崎重工で落成した本形式の試作車である。各種試験に供された。
前照灯は正面窓上に4個設置され、運転台直下には標識灯のみを装備する。正面デザインは3面構成、窓の傾斜角や塗り分けパターンも量産車とは異なる。スカートは赤色である。
車体側面には " INVERTER HIGH TECH LOCO " ロゴが描かれたが、後に赤紫色(コンテナレッド)の JRF ロゴに変更、現在は白色の JRF ロゴが描かれる。
  • 基本番台 (1 - 12)
基本番台 DF200-7(2007年6月 根室本線 新富士駅)
基本番台 DF200-7(2007年6月 根室本線 新富士駅)
1994年9月 - 1998年3月 に製作された。
901号機の試験成績を踏まえ製作された量産機である。
前照灯は正面窓上2個+運転台直下2個(標識灯と一体で設置)、正面は2面構成となり、塗り分けの変更とも相まって外観は大きく変化した。
落成時、スカートは赤色、側面のJRFロゴは赤紫色であったが、10号機以降の新製機はスカートは灰色、JRF ロゴは白色となった。近年は工場入場時にスカートの赤色化・JRFロゴの白色化が施工されている。台車に設置される空転防止用の砂箱は、セラジェット方式対応として小型化された。これは粒径約 0.3 mmセラミック細粒と珪砂の混合物を用いるもので、従来の天然砂に比べ使用量と材料費を節減できる。4号機から設置され、既製機も順次換装された。
本区分までは MTU 製エンジンを搭載するが、10号機は、後に50番台で採用されるコマツ製エンジンを先行して搭載する。
  • 50番台 (51 - 63)
1999年12月 - 2004年1月 に製作された。
駆動機関をコマツ製の SDA12V170-1 形に変更した。これは DD51 形のB更新工事施工車に搭載されたものと同系統で、部品の共通化による整備性向上を主目的とする。車体構造の変更はないが、製作途中で " RED BEAR " の愛称が決定し、車体に愛称のロゴが描かれる。スカートは灰色、JRFロゴは白色である。
  • 100番台 (101 - )
2005年以降、現在まで製作中の区分である。
VVVF インバータの整流素子を IGBT に変更した。外観の変更はなく、スカートは灰色、JRF ロゴは白色である。

[編集] 現況と動向

新製開始以来、全機がJR貨物鷲別機関区に配置されている。番台による区別なく、全機とも共通に運用される。投入当初は札幌貨物ターミナル駅 - 五稜郭帯広貨物駅間の運用に充当されていたが、増備が進行した現在では根室本線新富士駅宗谷本線北旭川駅まで運用を拡大し、DD51 形を徐々に淘汰しつつある。

2007年度は4両が製作され、[1]2008年度は4両の製作を予定する。[2]

[編集] 参考文献

  • 交友社 『鉄道ファン』 1992年6月号 No.374 p36 - 39
  • 鉄道ジャーナル社 『鉄道ジャーナル』 2005年5月号 No.463 特集:鉄道貨物輸送の現状 
  • 誠文堂新光社 『鉄道画報』 2005年夏季号 No.2 特集:JRFの機関車たち

[編集] 関連項目

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