国鉄チキ5500形貨車
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チキ5500は、日本国有鉄道(国鉄)が1975年(昭和50年)度から1982年(昭和57年)度にかけてコキ5500形コンテナ車の改造により製作した、積載荷重37トンのロングレール輸送専用貨車(長物車)である。ここでは、1960年(昭和35年)度から製造され1965年(昭和40年)の称号改正でコキ5500形に変更されたチキ5500形(初代)及び、1992年(平成4年)度に新製された私有貨車のチキ5500に関しても扱う。
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[編集] 国鉄チキ5500形(初代)
1960年(昭和35年)度から製造された10ftコンテナ5個積みのコンテナ車で、チキ5500~5713の214両が製造された。1965年(昭和40年)の称号改正でコキ5500形に変更された。
[編集] 国鉄チキ5500形(二代目)
コキ5500形の改造により製作されたもので、種車のコンテナ緊締装置を撤去し、レール用緊締装置を新設している。手ブレーキと手すりも撤去され、側ブレーキに変更された。台車は、種車のTR63Fのままである。
塗色は黒が基本であるが、日本貨物鉄道(JR貨物)所属のものは、塗装がコキ50000と同様の赤色となっている。
装備の違いにより、5500、5600、5700、5800、5900の各番台があり、旅客会社保有車のロングレール輸送では、200m前後に溶接されたレールを運べるよう10数両の固定編成を組み、保線基地とレール交換作業現場の間の輸送に使われる。JR貨物所属のものは、製鉄所から保線基地までの50mの定尺レール輸送に3車1連で運用される。
2006年4月現在、東日本旅客鉄道(JR東日本)に57両、東海旅客鉄道(JR東海)に13両、西日本旅客鉄道(JR西日本)に36両、九州旅客鉄道(JR九州)に14両、JR貨物に15両が在籍している。
[編集] 私有貨車のチキ5500形
日鐵運輸の所有で、1992年(平成4年)度にJR貨物保有車の増備として新製されたものである。
台車はコキ100系と同じFT1形を装備している。手ブレーキハンドルが車体側面に装備されているため、入換の際の突放作業が禁止されている。
車体は、緑色の塗装とされ、側面に白文字で大きく「日鐵運輸」と記されている。
車番のつけ方は、JR貨物の新製形式の付番方式に習い、形式+ハイフン+車番(例として、チキ5500-3)になっている。
設計上はユニット車ではないが、3車1連で50m長のレールを積載し、在籍する6両全てが編成を組んで走行するのが通例。