重連運転
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重連運転(じゅうれんうんてん)とは、鉄道において機関車が牽引力を増加させるときや急勾配区間などで2両以上の機関車を連結して運転することをいう。単に重連ともいい、2両の機関車で牽引することを二重連、3両の機関車で牽引することを三重連という。先頭に連結して運転する場合が多いが、前部と後部に分けて連結することもある。
蒸気機関車時代は、機関車単体の牽引力が小さいため、二重連が頻繁に見られた(三重連はそれでも例外とされ、三重連による運用が常態化している路線は限定された)、最近は機関車の性能向上や線路改良による急勾配区間の減少で減りつつある。勾配線区で使用される電気機関車やディーゼル機関車には、重連運転を前提として、1両の運転台から自車のみならず、他の機関車も一括制御する機能(重連総括制御装置)を持つものがある。
基本的には、牽引力を増すために重連運転は行われるが、それとは関係なく、運用上の都合で単に機関車の回送のために行われることがある。
日本においては、1987年の国鉄分割民営化以後、貨物列車を運転する日本貨物鉄道(JR貨物)が、旅客鉄道会社に支払う線路使用料を削減するため、従来重連で使用していた機関車の置換えを、動軸数の多い1両の機関車で行うことが多くなっている。
旅客鉄道会社(JRグループ)においては、牽引すべき客車列車が、夜行寝台列車を除いてほぼ絶滅していることもあり、定期列車では北斗星が函館~札幌間(函館本線・室蘭本線・千歳線経由)の運行で見られるのみである。それ以外は、全国各地で臨時列車(カシオペア、トワイライトエクスプレス、その他イベント列車など)として運転されるのみである。